OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

蘇れっ! 後藤恭子

2022-08-21 16:47:48 | 歌謡曲

ペガサスの少女 / 後藤恭子 (徳間ジャパン)

本日の主役たる後藤恭子は昭和61(1986)年、掲載のシングル盤を公式デビュー作として芸能界に登場して来た時から、なかなか騒がれていたアイドルで、それは件の収録A面曲「ペガサスの少女」が、あのガンダムを作り出した安彦良和が直々に監督した劇場用アニメ映画「アリオン」の主題歌であり、彼女自身も激烈なオーディションを勝ち抜いた同作品のイメージガールだったところが大きいと思われますが、ど~にもイマイチ、ブレイクしたとは言い難く……。

ところが、それゆえの事でしょうか、現在でも彼女の人気は根強く継続しているというよりも、リアルタイム以上の密やかな熱気に包まれているらしい!?!

なぁ~んて、些か確信犯的な書き出しをしてしまったのは、告白すればサイケおやじは、デビュー当時の後藤恭子が歌っていた、この「ペガサスの少女」という楽曲が気に入っておりまして、しぶとく新品のレコードまでもゲットしていたんですが、そこには作詞:松本隆&作曲:林哲司という、ちょいと個人的には吃驚という制作クレジットが!?

何故って、この曲調にして、この歌詞の世界は、てっきりユーミンからの作品提供かと思い込んでいたんですよ、サイケおやじは (^^;

しかも、儚さと芯の強さが同居したかの様な後藤恭子の歌唱が、如何にも萩田光雄の「らしい」秀逸なアレンジにもサポートされ、なかなか楽曲にもジャストミートしているんですから、これが大ヒットしなかったのは、集団アイドル全盛期の弊害か……?

と、そんな事まで思っていたんですが、案の定、以降の彼女は、その芸能的な資質を活かせないままに、何時しか自身の高身長を利してモデルや女優としての仕事を選んでしまったという……。

まあ……、そんなこんなの彼女の変転(?)については、度々述べて来たとおり、翌年春から異郷の地へ島流しにされたサイケおやじには知り得ない現実・真相でありました (^^;

ちなみに、これまた完全なる後追いで知った情報ですが、彼女には藤本恭子としての活動もあったそうで、今は何をされているのか、なかなか気になるところです。

ということで、冒頭の話に戻せば、最近ネットで彼女の動画が相当に流れている事を発見し、このシングル盤を取り出したという次第です。

おそらくはソロシンガーとして、これが唯一のシングル盤かもしれませんが、未発表音源等々がネットで流出してくれる事を祈っているのでした (^^;

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この人だぁ~れ part-96:西田加奈子

2022-08-20 19:10:47 | 歌謡曲

泣きまくら c/w 嘘でもうれしい / 西田加奈子 (東芝)

掲載したのは、あらため言い訳するまでもなく、サイケおやじのジャケ買い趣味で中古盤市場から釣り上げた1枚であり、もちろん歌っている西田加奈子は完全に「この人」シリーズに属する熟女さん (^^)

ですから、収録A面曲「泣きまくら」がミディアムテンポのフェロモン系ポップス演歌である事については問答無用の説得力がありますし、あえて申し述べさせていただければ、奥村チヨ ~ 安倍律子のラインを狙った仕上げは上々だと思います。

そして実は、サイケおやじが一番に驚いたのが、こんなベタベタした楽曲の作詞:なかにし礼というクレジットは不思議ではないものの、作編曲が筒美京平!?!

いゃ~~、発売されたのが昭和51(1976)年とされていますから、同時期の筒美京平が提供していた楽曲、例えば「セクシー・バス・ストップ / 浅野ゆう子」「ムーンライト・タクシー / 浅野ゆう子」「恋のハッスル・ジェット / シェリー」「夏八景 / 麻丘めぐみ」等々のディスコ歌謡路線、あるいは「ドリーム / 岩崎宏美」「ペイパー・ムーン / 大橋純子」等々のロッキンソウル歌謡、また十八番とも云える正統派洋楽ポップス焼き直し歌謡の諸作品等々の中にあって、こ~ゆ~セクシー演歌も手掛けられる、その天才性には、やはり脱帽するしかありません。

ただし……、正直に告白させていただければ、筒美京平の傑作とまでは言い難い仕上がりだと思います。

ところが、そんな不遜な思いあがりを深く反省させられてしまうのが、B面収録の「嘘でもうれしい」でして、こちらも作詞:なかにし礼&作曲:筒美京平という制作クレジットがあるものの、内容は幾分シニカルな歌謡世界にシンコペイトしたリズム&ビートを用いたロッキンソウルな歌謡曲 (^^♪

特にリズム隊の浮遊感満点のグルーヴは、殊更ベースラインが最高にサイケおやじの好みにジャストミートしているという、こちらは高田弘のイイ仕事 (^^♪

で、肝心の西田加奈子の歌唱についてはA面「泣きまくら」においては、ちょいと大袈裟なムードも感じられますが、表現力は流石にジャケ写どおりの熟女モードが全開で、その男の別れた刹那の感情表現は捨て難い魅力がありますよ (^^♪

また、ここでの筒美京平のアレンジも、なかなかソウルっぽい味わいを表出させているあたりには、聴くほどに魅了されるわけでして、う~ん、自らの不肖不覚を痛切に反省せざるを…… (^^;

ですから、その意味でもB面「嘘でもうれしい」が尚更に好きになってしまうという、それは自己矛盾かもしれませんが、西田加奈子の歌いっぷりに独特のロックフィーリングが表出されているもんですから、このアレンジにして、この演奏パートとの相性も最高なんですよねぇ~~♪

サイケおやじとしては、完全にB面押しというシングル盤であります (^^)

ということで、最後になりましたが、西田加奈子のプロフィールがジャケットスリーブ裏に簡単ではありますが記載してあり、一応この時点での年齢は、23歳らしいんですが、まあ……、いいか (^^;

結果的に売れたとは言い難いシングル盤ではありますが、個人的にはジャケ写&収録楽曲共々に愛でる1枚であります。

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アリューシャン小唄の謎

2022-08-19 17:40:45 | 歌謡曲

アリューシャン小唄 / 久美悦子 (テイチク)

掲載したのは、今や「東京バカ踊り」や「好き好きシャンソン」等々、所謂キワモノソングで好事家に愛されている美人歌手の久美悦子が昭和40(1965)年に出したシングル盤で、殊更A面収録の「アリューシャン小唄」は当時、こまどり姉妹や三沢あけみ、かしまし娘までもが歌っていた人気曲でしたから、サイケおやじにとっても自然に刷り込まれていた事は言わずもがな、ところが現実的には歌詞の中身のミステリについては、今も解明出来ていない不勉強…… (^^;

それは前述した歌手やグループが残した音源が、それぞれ別な歌詞で吹き込まれているという不思議があるからでして、おそらくは一番にヒットしていたであろう三沢あけみバージョンでは作詞:宮川哲夫&作曲: 渡久地正信という事になっているのですが、実際には「作詞」ではなく「替歌」、「作曲」ではなく「採譜・編曲」というのが真相らしく、だとしたら「アリューシャン小唄」という楽曲そのものが、民間伝承(?)による俗謡だったんでしょうか?

そのあたりの真相に、サイケおやじは今も辿り着いていないわけですが、本日ご紹介の久美悦子バージョンでは、その「替歌」が高月ことば&「採譜・編曲」が山田栄一とされ、殊更伴奏にはハワイアンスチールギターが用いられているあたりは、アリューシャン列島という北方海域が歌われているにしては、ますますミステリアスなムードに包まれると思いきや、意外にも海洋航路のイメージが広がっていて、なかなかにイイ感じ♪♪~♪

そして久美悦子の明るい声質とルックスどおりの美しい節回しが冴えまくりで、個人的には三沢あけみのバージョンよりも数段好きです (^^♪

ということで、「アリューシャン小唄」のオリジナルは、何処の誰が作り、歌っていたのか、なかなか謎めくばかりではございますが、それも昭和歌謡曲ならではの奥の細道と思うばかりです (^^)

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やっぱりラスト・ワルツが好き

2022-08-18 17:57:25 | 歌謡曲

ザ・ラスト・ワルツ / 出口美保 (日本ビクター)

「ザ・ラスト・ワルツ」と云えば、今となってはザ・バンドの解散をモチーフにしたロック映画の秀作という印象が第一に挙げられるかもしれませんが、少なくともサイケおやじの世代を含む、以前の音楽ファンにとっては、1967年にエンゲルベルト・フンパーディンクが世界中で大ヒットさせた、ホロ苦くも甘美なポピュラーソングを指し示すに違いありません。

それは実際、夥しいカバーバージョンが制作発売されている事でも納得されるはずですし、曲名は知らずとも、耳にすれば、あぁ……、あのメロディかっ!?!

と、思わず、その心地良い歌の世界に惹きつけられるんじゃ~ないでしょうか。

ですから、我が国でも多くのボーカリストが日本語詞で歌った音源が残されていおり、例えば本日掲載のシングル盤A面に収録の「ザ・ラスト・ワルツ」は、関西地区を中心に活動していたシャンソン歌手の出口美保が、昭和43(1968)年に出した公式レコードデビュー作で、バリー・メイソン&レス・リードによって書かれた原曲に日本語の歌詞を附したのは松島由佳、そしてアレンジは寺岡真三が担当した傑作バージョン (^^♪

それは当然ながら、シャンソンをベースにした歌唱表現が、リスナーの好みの問題から好き嫌いは当然有るとしても、出口美保のピュアな歌心は確実に伝わって来るんじゃ~ないでしょうか (^^)

そして、あらためて思うのは、「ザ・ラスト・ワルツ / The Last Waltz」という楽曲そのものの素晴らしさ、不滅の魅力であります。

極言すれば、もしも「The Last Waltz」だけをオリジナル&カバーバージョンで集成したCDがあれば、即ゲットは必至という、そんな告白をせねばならないほど (^^ゞ

ということで、個人的に好きな楽曲は数あれど、オリジナル以外のカバーバージョンまでもが好きというマテリアルは、そんなに多くはありません。

そして「The Last Waltz」は、その中の1曲だというわけです <(_ _)>

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仲間という希望は何時の時代も

2022-08-17 18:16:39 | 歌謡曲

みんな仲間だ / 山本真記子 (日本コロムビア)

マスコミのニュース報道は昔っから権力者を批判する事で成り立っている実態は言わずもがな、さらに自分達だけが「正義」という看板を振り回すという愚行で笑いを作り出しているあたりの節操の無さは、他人の不幸で飯を食う、その喰い方を知らぬ者の自意識過剰がなければ、とてもとても恥ずかしくて、それは生き恥そのものでしょう。

特に最近の旧統一教会に関する諸々は、自民党のセンセー連中が如何に関わっているかという部分を誇らしげに報道していますが、サイケおやじからすれば、全く何の意味合いがあるのか、わからないんですよ。

何か彼らが犯罪行為と結びついているかの様な報道になっていながら、具体例は全く示されず、教団主催の会合に出席していたとか、選挙のボランティアを頼んでいたとか、それが何の問題になるのかさえ説明せずに悪者扱いされる代議士諸氏にしても、言い訳する必要性を感じていない言動ばかりですから、ますますマスコミ報道の意図は明白!

つまり、平たく言えば、イジメの対象に今回は旧統一教会を選んだに過ぎないんでしょう。

そりゃ~確かに、異教徒の行動には馴染めないものがあるのは確かですが、所謂イワシの頭も信心から!?

ってやつじゃ~ないでしょうかねぇ~~ (^^;

あえて仲間意識を持つ必要もありませんが、それだから攻撃排除せんとする姿勢は、世情を不穏混沌させ、マスコミの存在意義を誇示せんばかりの策謀でありましょう。

尤も、ネットが普通になっている現代においては、テレビなんか真面に眺めている人々は減少傾向にあるでしょうし、新聞は常に赤字を垂れ流しつつも、それを廃止出来ないというジレンマに陥っているんですから、公に他者をイジメでもしないと、やっていられないのはわかりますけどねぇ……。

とうとう、生稲晃子センセーが生贄になりそうなんで、ワクワクしている人だって!?

さて、そんなこんなの思惑を他所に、やはり人間は何かしらの繋がりを持った社会を構築したいという希望は、何時の時代も不変だと思いますよ。

それは昭和40年代、所謂昭和元禄期においても、きっちり根底にあった願いであり、だからこそ本日掲載のシングル盤A面曲「みんな仲間だ」なぁ~んていう、何時の時代も些か気恥ずかしくなる様な歌が堂々と作られていたじゃ~ないでしょうか。

発売されたのは昭和43(1968)年8月とされていますから、既に述べたとおり、必要以上とも思える仲間意識が綴られた作詞は鼻野律子、そこに補作詞として古野哲哉というクレジットが確認されますが、もちろんサウンドはエレキ&GSスタイルで青春歌謡丸出しのメディが歌われるという、これは作曲:山本丈晴&編曲:川口真のイイ仕事 (^^♪

ですから、山本真記子の歌いっぷりも元気溌剌、明るさモードが全開という節回しであり、合いの手の男性ボーカルやバックコーラスはスクール・メイツとされているのも、納得して聴き惚れるばかりですよ (^^♪

ちなみに山本真記子については、何も知るところはありませんが、スクール・メイツと共演しているところからして、おそらくは同グループ出身だったのかもしれません。

いゃ~、少しばかり甲高い彼女の声質は、こ~ゆ~楽曲にはジャストミートしていると思いますし、歌謡曲というよりは、所謂みんなの歌っぽい仕上がりではありますが、これが退廃と爛熟で世相が熱かった昭和43(1968)年に作られていたという、その事実に共感してこそ、幸せが見えてくる様な気がしております (^^;

ということで、信じる者は救われる!?

という故事(?)に倣えば、矢鱈に他者を生贄して憂さを晴らすが如き言動・行動はバカの上塗りでありましょう。

もちろん、それに気がついていながら、やってしまうのも、信心ってやつなんでしょうけどねぇ……。

いやはやなんとも、世知辛いと思うばかりです (^^;

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イッちまうよ……、美加マドカ

2022-08-16 17:36:14 | 歌謡曲

いっちゃダメ! / 美加マドカ (ビクター)

サイケおやじと同世代の皆様であれば、本日の主役たる美加マドカに関して、必ずや何等かの記憶や印象が残っているはずっ!?

なぁ~んて、またまた本日も独断と偏見の当て推量ではありますが、とにかく美加マドカは昭和58(1983)年に突如として大ブレイクしたキュートなストリッパーで、忽ちにして雑誌グラビアやテレビ、映画やイメージビデオにまでも登場しまくった、風俗業界から飛び出したアイドルでありました (^^♪

それは実際、彼女が出演する興行では満員札止めが当たり前で、しかも客層が学生やサラリーマンのみならず、アイドルには付き物の親衛隊までもが存在していたという騒動に近い盛り上がりは、一般の新聞やテレビニュースでも取り上げられていたほどだったんですねぇ~~♪

もちろん、サイケおやじもストリップが大好きだったもんですから、どうにか算段して某劇場のチケットを入手してのステージ鑑賞は、ありがちな演出だったとはいえ、踊ってから脱ぐという「仕事」が、彼女の持ち前のプリティな仕草ゆえに、その範疇を超えた「芸能」になっていた様な気分にさせられましたですよ (^^)

極言すれば、アイドル芸能人がストリップに転身した感じだったかもしれませんが、だからこそ彼女が本格的に自らの一座を率いての公演は、それなりに芝居がかった、ミュージカル調のステージもやっていたと云われています。

と、書かなければならないのは、そ~ゆ~彼女の全盛期にサイケおやじは、これまでも度々述べてきたとおり、異郷の地へ島流しという憂き目に…… (^^;

ですから、彼女の引退もリアルタイムでは知りませんでしたし、某マスコミが火種をふりまいた「本番~まな板ショウ」に関連しての彼女の発言や言動についても、後追いで知ったわけですが、そんなのカンケェネェ~~!

とにかく美加マドカは所謂「秘すれば花」を実践した素敵なストリッパーだったと、サイケおやじは思いたいのですが……、皆様はいかがでございましょうか……。

さて、そこで本日掲載したのは、その美加マドカが大ブレイクした当時の昭和59(1984)年に発売された歌手デビュー盤で、とにかくジャケ写の雰囲気からして、グッと惹きつけられる可愛らしさは、サイケおやじの好みにジャストミート♪♪~♪

そして肝心の収録A面曲「いっちゃダメ!」は作詞:亜木好美&作曲:尾関裕司から提供された正統派歌謡曲で、ミディアムテンポでフェロモンが滲みまくりの節回しを披露する彼女の歌唱力は決して上手いとは申せませんが、サビにおける思わせぶりな歌詞の世界がダブルミーニングにしてあるとはいえ、こんな思いをぶっつけられたら、男は忽ちイチコロじゃ~ないですかねぇ~~ (^^;

常に自分本位のセックスに傾きがちだったサイケおやじとしては、せつない気分も程々に……、てなもんですよ (^^;

そして、こ~ゆ~楽曲を堂々と通用させているのが馬飼野康二の秀逸な編曲でしょうか、ニューミュージック系のリズムアレンジや各パートでの楽器の存在感が巧みに彼女のボーカルを引き立てていると思いますが、おそらくはカラオケパートをバックにレコーディングしたであろう美加マドカの歌唱からは、例え素人芸と言われようとも、リスナーやファンを喜ばせたいという気持ちが伝わって云々、と書いてしまえば、贔屓の引き倒しでしょうか (^^;

ということで、風俗業界や成人映画の世界からマスコミに登場し、メジャーな仕事を展開した芸能人は数あれど、美加マドカは忘れられるには、あまりにも勿体ない存在でありました。

現在の彼女の消息は知る由もありませんし、掲載したシングル盤の音源にしても、CD化の状況さえ定かではないので、彼女が気になった皆様であれば、昭和50年代に残された彼女の映像等々をネットで探索されん事をオススメさせていただきます。

あぁ……、もう一度、あの時代の彼女のステージに……。

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この人だぁ~れ part-95:くにづきみき

2022-08-15 17:52:37 | 歌謡曲

嵐のあとで / くにづきみき (日本コロムビア)

全く日本列島の天候は不安定そのもので、先日の台風が過ぎ去っても、各地の集中豪雨は繰り返しが収まらず、なかなかすっきりしませんねぇ……。

そこで本日は、そんなこんなの悪天候は人の気分にもダイレクトに繋がる?

なぁ~んて、独善的な屁理屈でご紹介させていただきますのは、「くにづきみき」と名乗る、サイケおやじにとっては「この人」シリーズの女性歌手が昭和49(1974)年2月に出したとされるシングル盤A面曲「嵐のあとで」というわけです。

もちろん、ジャケ写ポートレートの雰囲気から既に皆様ご推察のとおり、これは作詞:あさひな知彦&井上忠夫が企図したフェロモン歌謡の正統派という仕上がりで、ミディアムテンポで力強いビートと共謀して歌う彼女の節回しは、蓮っ葉な女の純情と悔悟を上手く表現していますから、なかなかに歌唱力は評価出来るんじゃ~ないでしょうか (^^)

しかも ――

   許して 愛して 棄てられてぇ~~
   女は 女は なにもない あ……

―― という、サビのキャッチーなフレーズとノリは、これぞっ!

井上忠夫が十八番の手法だと思えば、竜崎孝路のアレンジもブラスやストリングスを躊躇いなく用いていますから、個人的にはヒットしていた記憶は薄いものの、隠れ傑作としての人気は今も高いと思われますが、いかがなものでしょう。

うむ、イントロからのリズムアレンジやリフの使い方は、もちろんピンク・レディーの「あの曲」じゃ~なくて、1971年にマーク・リンゼイとレイダースが放った洋楽メガヒット「嘆きのインディアン / Indian Reservation」でしょうねぇ~~ (^^)

ちなみにマーク・リンゼイとレイダースは、ポール・リヴィアーとレイダースの後継バンドであり、覚え易くも、きっちり本物のロックをやっていた人気者でありましたから、我が国でも影響を受けたソングライターやミュージシャンは少なくないと思いますよ (^^)

閑話休題。

ということで、主役たる「くにづきみき」については全く知るところもありませんが、これだけの歌唱力と雰囲気のあるルックスを兼ね備えていたので、ブレイクしたという印象が残っていないのはサイケおやじだけ……?

う~ん、ますます昭和歌謡曲の奥底が知れなくなっているのでした。

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どっぷりと篠ヒロコ

2022-08-14 16:28:43 | 歌謡曲

水色の風 c/w 愛の世界 / 篠ヒロコ (クラウン)

掲載したのは、おそらくは歌手としての篠ヒロコのデビュー作であろうシングル盤で、世に出たのは昭和43(1968)年10月とされている1枚です。

皆様ご存じのとおり、篠ヒロコはフェロモン系の芸能人として、殊更女優としての印象が強く残されている感は否定出来ないところではありますが、しっかりとした実力派歌手という立ち位置も決して忘れられてはならない魅力じゃ~ないでしょうか?

それは既に述べたとおり、この公式デビュー曲と思しきA面「水色の風」から全開!?!

なにしろ作詞:水島哲&作曲:いずみたく、そして編曲:親泊正昇という制作スタッフが彼女に与えたのは、曲タイトル「水色の風」の爽やかなイメージとは裏腹の幾分生臭みが滲む乙女心と申しましょうか、聴き様に依ってはセクシー歌謡という感覚もあり、それを持ち前の歌の上手さを活かしてベタベタに節回してしまう彼女の歌謡フィーリングこそは、後々まで繋がっていく「篠ヒロコ」としての存在感かもしれません (^^)

曲調そのものが、この時代ならではのスローで思わせぶりなストリングスによる哀愁のメロディから、一転してビート歌謡に入っていくという構成もニクイばかりで、雰囲気としては同時期の中村晃子の一連の楽曲と似て非なる世界でしょうか (^^;

だからこそ、サイケおやじは好きという本音を吐露させていただかねばなりませんが、その意味で、同じソングライター陣が手掛けたB面曲「愛の世界」がドンズバのGS歌謡に仕上がっているのは、これまた嬉しいばかり (^^♪

もちろん、こちらもイントロはエレキギターによる哀愁モードのメロディがバッチリですし、曲中にも、たっぷりそれが聴かれますから、サイケおやじは正直、こっちのB面「愛の世界」が好きなほどです (^^♪

う~ん、これなんか、「ベンチャーズ歌謡」ならぬ、「スプートニクス歌謡」かもしれませんよ (^^♪

そして、やっぱり歌手としても活動していた彼女の音源は、きっちり完全復刻されるべきと、強く思うばかりですっ!

ということで、本日は特段のオチもございませんが、なんだか足早に過ぎていく夏を感じております。

現実的には豪雨災害やコロナ禍、戦争や経済の混乱等々、世の中は不条理に満ちているのて、あんまり呑気なサイケおやじは顰蹙の対象ではありますが、各々が個々の幸せを追求する事の積み重ねが、世の中を前に進める、ひとつの原動力になるはずなぁ~んて、実に都合の良い考え方が確かにあります。

そんな「今」があるのは、ご先祖様のおかげであり、せめて盆中は、肝に銘じておきたいと思っているのでした <(_ _)>

 

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すっかり今はサバンナか……?

2022-08-13 17:42:02 | 歌謡曲

サバンナ感覚 / 高橋沙羅 (CBSソニー)

いやはや、とうとう台風が襲来し、雨が激しくなった本日は、それでも気温があんまり下がらず、なんとも南方地域のサバンナ感覚に近くなっている気がしましたですねぇ~~▼?▼?

そこで取り出したのが、昭和56(1981)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「サバンナ感覚」というのは、ベタ過ぎたでしょうか (^^;

しかし、そこは歌っている高橋沙羅の玄人っぽいルックス&佇まいに免じていただきたいところでして、もちろん彼女はスキージャンプ競技で有名な「高梨沙羅」とは字面や発音が似ているだけで、他は何らの関係もありません (^^;

まあ……、ネタとしてはウケるかもしれませんが、それはそれとして、気になる件の「サバンナ感覚」は作詞:なかにし礼&作曲:鈴木キサブロー、そして編曲:松任谷正隆というプロの中のプロフェッショナルから提供された、幾分気取った(?)AOR歌謡でして、そのアップテンポでオシャレ系のサウンドに彩られた高橋沙羅の歌唱は、ジャケ写ポートレートのイメージからすれば、幾分物足りないのがサイケおやじの本音です。

う~ん、楽曲にも、また歌いっぷりにも、も~少し下世話感があればなぁ~~、なぁ~んて思ってしまうんですよ…… (^^;

ちなみに主役たる高橋沙羅は、外国語にも堪能でしたから、もしかしたら帰国子女だったんでしょうか、あんまりプロフィールに関しては詳らかに知らないんですが、ステージではキーボードも普通に弾いていましたので、音楽的素養も確かだったんじゃ~ないでしょうか?

そしてリアルタイムの昭和56(1981)年当時には、テレビの歌番組にも出演されていましたし、出したレコードも他にシングル盤2枚を確認しておりますので、アルバムが制作発売されているならば、聴いてみたい誘惑に…… (^^;

何故って、やっぱり彼女のルックスには惹きつけられてしまうわけですよ、サイケおやじは (^^;

ということで、話は冒頭に戻りますが、お盆の最中の台風、先日の集中豪雨で甚大な被害を受けてしまった地域の事を考えると、なんとも……、悲痛な気分になりますねぇ……。

そして明らかに気象条件が変わってしまった現在の日本列島を危惧するのでした……。

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週末の混乱も結果オ~ライは、これでっ!

2022-08-12 17:17:27 | 日本のロック

夢見るシェルター人形 / ジューシィ・フルーツ (BLOW UP / 日本コロムビア)

連日の混濁した世相の週末故に、思い出してしまったのが筒井康隆が1970年代に発表した短篇小説「ウィークエンド・シャッフル」、さらにそれを原作として、1982年に制作された同名映画でありました。

もちろん、内容は共々にスラップスティックでカオスに満ち満ちた世界が描かれているんですが、サイケおやじは筒井康隆の著作は学生時代にジャズ喫茶の「お供」として、それなりに読んでいた事もあり、その中でも映像化が相当に賛否両論になるであろうと思っていた作品が、なんとっ!

成人映画の名匠・中村幻児監督が自ら脚本にも関わって撮るというのですから、これには公開前から、なかなかワクワクさせられていましたですねぇ~~ (^^)

また、出演者の顔ぶれが秋吉久美子、伊武雅刀、泉谷しげる、美保純、池波志乃、風間舞子、秋川リサ等々、如何にもの面々だった事にも、不安と期待がミックスされまくり!?

そして案の定、公開された映画「ウィークエンド・シャッフル(ジョイパック)」は、一応は一般映画という扱いではありましたが、日常ありがちな土曜日の安寧が、子供の誘拐と強盗犯の出現から、強姦や発狂、虐待や狂乱、加えて諸々の不条理と捻じれた正義や真っ当な悪徳……、等々が次々に積み重なっていく映像演出の連続で、しかも撮影技法が客観的な長回し、あるいは被写界深度の浅いボカシ等々を用いながら、ある局面ではエグ味の強いアップの描写という、如何にもピンク映画の趣が濃厚!?

ちなみに配給会社の「ジョイパック」とは成人映画でお馴染みの「ミリオンフィルム」と同じルーツを持っているので、さもありなんでしょうか (^^♪

また、劇伴がフリージャズの人気者だった山下洋輔というのも、これしか無いという人選だったと思いましたですねぇ~~♪

しかし、映画そのものは全くの支離滅裂であり、その破天荒な流れは収拾不可!?

だからこそ、キャストの人格描写が秀逸に感じられるという結果オ~ライぶりは出色で、特に泉谷しげるの気持ちの悪さは絶品ですよっ!

サイケおやじは、それを観られただけで、ちょっぴりですが、納得して満足した気分になりました (^^;

そして圧巻だったと思うのは、散々ゴタゴタした最後の最後のラストテーマに流れ出す、本日掲載のシングル盤A面曲でして、それがジューシィ・フルーツの演じる「夢見るシェルター人形」という、ドシャメシャな反戦ロック!?!

あぁ……、その正体(?)はセルジュ・ゲンスブールが作詞作曲し、フランス・ギャルが歌って大ヒットした「夢見るシャンソン人形」の替え歌カバーであり、今回の日本語詞を担当したのは、ちあき哲也!

そしてポップでハードロックテクノなアレンジは戸田誠司とジューシィ・フルーツの共同作業とクレジットされいるあたりが、満願成就の仕上がりに繋がったと思うばかり (^^♪

いゃ~、これはカバーバージョンとしては、トゥインクルのモッズな仕様と双璧に好きですよ

ちなみにジューシィ・フルーツは近田春夫のバックバンドが独立する形で昭和55(1980)年頃にデビューした4人組で、メンバーは元ガールズのイリア=奥野敦子(vo,g)、柴矢俊彦(g,vo)、沖山優司(b,vo)、高木利夫(vo,ds) という面々がキッチュでテクノな歌謡ロックを演じ、幾つかのシングルヒットを飛ばした業績は説明不要でしょう。

それは、一座のスタアであったイリアのロリポップな歌いっぷりと軽薄さを意図的(?)に優先させたアレンジと演奏スタイルがあればこそ、相当に辛辣で意地悪な歌詞の世界でさえも、お茶の間に浸透させてしまった実力は高く評価されるべきであり、だからこそ、この残酷な「夢見るシェルター人形」をやらかしても、全く違和感はありませんし、つまりは吐き気がしそうな映像描写さえ連なっている映画「ウィークエンド・シャッフル」のラストにはジャストミートじゃ~あぁ~りませんかぁ~~~♪

ということで、件の「ウィークエンド・シャッフル」は現在、堂々とパッケージソフト化されていますので、気になる皆様は騙されたと思ってとは申しませんが、一度ぐらいは鑑賞しても、人生の汚点にはならないと思っております (^^;

う~ん、それにしても、ここまで欺瞞と混乱に満ちた現在でさえ、もうこんな映画は作れないだろうなぁ~~?

そんなこんなを思ってしまうのは、なんだか情けない気分であり、だからこそ、ジューシィ・フルーツの「夢見るシェルター人形」が愛おしいのでした (^^♪

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