九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

映画『キャピタリズムーマネーは踊るー』  アメリカ資本主義の歴史的後進性

2009年12月19日 17時49分43秒 | Weblog
★プロメテウスの政治経済コラムにhttp://blog.goo.ne.jp/ehori/e/193ef9fbd411e8dbda5d0dfe1f1ff0f6
マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』(『Capitalism:A Love Story』)を観た感想が書かれていた。紹介したい。 (政経サーフィン)
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マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』(『Capitalism:A Love Story』)を観た。『ボウリング・フォー・コロンバイン』で銃社会を、『シッコ』では医療問題と、アメリカの抱える問題を取り上げてきたマイケル・ムーア監督。今度のテーマは「アメリカ資本主義」だ。社会主義は悪と信じ、「民主主義=資本主義」と思い込んできたアメリカ人に対し、現在の資本主義はまるで「民主」を反映していないとムーアは訴える。2008年9月、リーマン・ブラザースは破綻し、大不況がやってきた。しかし実際はそれより以前からアメリカでは住宅ローン延滞のため、自宅を差し押さえられる人が増えていたのだ。「1%の富裕層が底辺の95%より多い富を独占」しているというアメリカでは、国民の税金が金持ちを救うために投入される。政治を富裕層が支配するという建国以来の政治経済社会システムがまったく進歩していないからだ。ムーアは$マークのついた袋を持ち、「僕たちの金を返せ!」とウォール街へ突入していく。

アメリカは、いまだ現代資本主義への進化を遂げることができない、遅れた資本主義の『帝国』」である。戦争や植民地政策以外の分野を見ても、京都議定書を拒否した地球環境問題への対応や、むきだしの資本の論理を「新自由主義」の名で世界に拡げようとし、国内の圧倒的多数の労働者階級を搾取と収奪のほしいままにしておく政治経済社会システムは、アメリカが北欧やEUの指導的諸国に対して、総体として「遅れた資本主義」になっていることを如実に示している。その遅れの主な要因は、資本を規制する「社会」の未熟にあり、それを一生懸命にまねているのが残念ながら昨今の日本の資本主義である。アメリカ資本主義は量的には世界への影響力を強くもっているが、経済の質の面では遅れた資本主義なのだ。

なぜアメリカ資本主義は遅れた資本主義になってしまったのか。マイケル・ムーア監督は、監督自身どこまで意識して描いたかはわからないが、映画の最後の方で、ニューディール政策を始めたルーズベルト大統領の最後の演説(1944年1月11日)を実写フィルムで見せる。それはアメリカ憲法で保障された「幸福の追求」をより具体的に実現するための新しい権利章典の提唱だった。ルーズベルトが掲げた権利は以下の通り。
社会に貢献し、正当な報酬を得られる仕事を持つ権利 
充分な食事、衣料、休暇を得る権利 
農家が農業で適正に暮らせる権利 
大手、中小を問わず、ビジネスにおいて不公平な競争や独占の妨害を受けない権利 
すべての世帯が適正な家を持てる権利 
適正な医療を受け、健康に暮らせる権利 
老齢、病気、事故、失業による経済的な危機から守られる権利 
良い教育を受ける権利
この演説の後すぐにルーズベルトは亡くなり、この権利章典は法制化されなかった。ムーアはこれを実現するのがアメリカの使命だと訴える。

私は、これは重要な指摘だと考える。近代資本主義は、封建的身分制度を否定して、各人に形式的な自由・平等を保障することによって、新しい時代をもたらした。しかし、それは同時に経済的には「自由放任」、軍事的には「戦争放任」の時代であった。二つの世界大戦を経てロシアにおける「社会主義」革命の影響も受けて、資本主義国は近代資本主義体制から現代資本主義体制に進化した。マルクス、エンゲルスやレーニンが多様な方法で「近代資本主義体制」の崩壊の必然性を論証したことを受けて、資本主義体制を維持しようとする立場からは、「修正の不可避性論」が提唱され、「近代資本主義体制」は「現代資本主義体制」に進化した。第二次大戦後、ドイツでも、日本でも、イタリアでも、すべての国民(当然に女性も)は、法の下に平等であり、すべての国民に「人間らしい生活」の保障を求める「社会国家」(福祉国家)を宣言した。大きな財産・経済活動と公共性の強い財産・経済活動を積極的に規制し、社会経済的弱者を社会的所得再分配によって保護する現代資本主義(修正資本主義)憲法体制が一般化したのだ。

ところが、アメリカは第二次大戦の事実上唯一の戦勝国として繁栄を謳歌し、ルーズベルト大統領が掲げた社会的権利の法制化を忘れてしまった。アメリカ合衆国憲法は、社会国家(福祉国家)の理念も、「戦争の違法化」原則も明示しない。その意味でアメリカは、現在もなお、「現代資本主義憲法」を持つに至っていない。マイケル・ムーア監督が描くアメリカの異様な政治・経済のありさま=その後進性は、まさに此処にあるのだ。
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日本4強への、長谷部誠の言葉  文科系 

2009年12月19日 11時16分46秒 | スポーツ
今週のサッカーダイジェストの特集は「日本の中盤は、世界を相手に通用するのか」。その冒頭企画が長谷部誠の対談である。「欧州で最も評価される日本人MF」との見出しが付してあったが、それも当然、世界第6位のドイツの、昨年度優勝チームでレギュラーを張った選手である。日本人でこれ以上の実績は、ローマ時代にトッティと同格扱いされて優勝経験を有する中田英寿以外にはない。
長谷部もまた、ナカタに似たオールラウンドプレイヤー、その言葉は非常に信用できる。自分を周囲と比べて査定し、すべての面を伸ばせてきた選手であって、つまり頭がよいのだと思う。例えば、こんな事を語ってみせる。それも打てば響くような調子で。

質問「12月8日のチャンピオンズリーグのマンチェスター・ユナイテッド戦では、ポルトガルのナニとマッチアップして、ほぼ仕事をさせなかった?」
答え「ああいう攻撃を武器にしている相手にも、やられる気はしませんね」
質問「マンチェスター・ユナイテッド戦の試合後には、手応えを得たと言っていた。具体的には?」
答え「攻撃の部分です。以前から守備にはある程度自信を持っていましたが、最近は攻撃の時にどんどん前に行けている。自分の調子が良いというのもあるんですけど、強いチームが相手でも攻撃面でいいプレーができて、これはやれるなと手応えを得られました」

どうだろう。マンUと言えば世界でまずベスト3に入るクラブ。そんなチーム相手に、守備ではマッチアップ相手に仕事をさせなかったはずと語り、攻撃でも「どんどん前に行けている」と豪語して見せた、この自信! この自信も当然なのであって、今年のチャンピオンズリーグ・マンU戦では、敵地オールド・トラフォードで先制点をアシストして見せ、イングランド人を驚かせているのである。
このように世界の頂点と戦って、これを身体で味わい尽くした選手が語る「ワールドカップベスト4に向けて」こそ、現下日本で最も信用できる情報だと言えまいか。不勉強で程度の低い日本の評論家の「予想」などは横に置いておいて、こんな彼が3ページびっしり述べたことをこそ、聞くべきである。
表題の事に絞って、結論とその訳とに分けて、彼の言葉を抜粋、要約してみる。彼の言外の言い分も含めて、僕の自己流解釈でやる。

①日本はまずフィジカルが足りず、守備が弱い。特に、中盤で世界的守備ができないといけない。(中盤でのその役割は僕がやる、DFは特にまだまだと、そんなことも言いたいらしい)
長谷部が語るその訳――世界1のクラブ・バルセロナでシャビ、イニエスタが注目されているが、彼らが活躍できるのは中盤の底にヤヤ・トゥーレがいるからだ。「世界の強豪は、必ずフィジカルの強い選手を中盤に置いている」。これについての質疑が、以下。
質問「長谷部選手と遠藤選手の後ろに、もうひとりフィジカル能力の高いMFが欲しいということ?」
答え「いや、逆に僕がそういう役割をしてもいいのかなと。でも僕はトゥーレ・ヤヤにはなれないんで、とにかく動き回って、身体を張れるところは張っていこうと思っています」(●)

②フィジカルの強さはすぐには完全カバーとはいかないから、よく走って数的有利を作り、集団で守ること。
質問「そしたら日本は、32カ国(ワールドカップ参加チーム)のなかで真ん中よりも上なのでは?」
「ハハハ。いや、でもそんなものですよ。ヨーロッパでプレーしている選手と大きな差はないけど、フィジカルとか小さなディテ-ルでまだ差があります。だから日本はチームで戦わなきゃいけない」
「サッカ-は11人でやるものだけど、全員が勝敗の責任を負うくらいの気持でやればもっと強くなるはず。だから、まずは自分がそうありたいと思っています」

彼の言い分は結局こうなる。「世界に出た日本人は、守備に自信があってこそ攻撃のリスクも冒せるのだが、世界の強豪相手には、フィジカル面で守備が弱みになる。走り回って、数的有利の守備を」と。前代表監督では、トルシェの「守備の文化が弱い」や、オシムの「走り回ってボールキープを高め、どこでも数的優位を。そうしてこそ攻撃のリスクも取れる」などの着眼点と同じだと思った次第だ。

最後に長谷部から最も聞くべき印象的かつ象徴的な部分を、抜粋してみる。上の(●)部分にはまるべき、続きの文章である。
質問「中田英寿さんのプレースタイルに、似てきたような気もするけど」
答え「僕はヒデさんと一緒にやったことはないですけど、自分がヨーロッパに来て、改めてあのフィジカルの強さがあったからこそ、世界で通用していたのだと思いました。06年のドイツ・ワールドカップのブラジル戦も、ひとりだけ身体で負けてなかった。ワールドカップではああいうプレーが必要になると思います」
頭の良い長谷部は、日本にいた時にもナカタをじっと見つめ、そこから学んでいたことが分かる。そして、フィジカルとは、身体の大きさだけではないということも。長谷部は179センチ、72キロ、中田は175センチ、72キロ。

長谷部誠、84年1月生まれの25歳。まだまだ大きな前途が待っていそう。すべての言葉が輝いている。
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日米安保条約を認める社民党の欺瞞 天木プログより

2009年12月19日 10時04分56秒 | Weblog
今朝(12月17日)のテレビ朝日「やじうまプラス」で社民党の阿部知子政審会長が驚くべき発言をした。それを私は見逃さなかった。

 「社民党は日米安保条約を認めるのか」、というコメンテーターの質問に対し、何のためらいもなく「もちろんです」と言い切ったのだ。

 その後に、「それが村山社民党の・・・」と言おうとして時間にさえぎられて終わってしまったが、これは重大な発言であった。

 護憲政党を売り物にする社民党の矛盾がいみじくも露呈した瞬間だ。


 日米安保条約という名の日米同盟を堅持する限り、憲法9条を持つ日本の平和外交はない。対等な日米関係はない。

 鳩山民主党政権の矛盾は、そのまま福島社民党の矛盾でもある。

 その矛盾を抱えながら「憲法9条を守る」政党だと名乗るだけたちが悪い。

 真の平和主義者、護憲論者に対する冒涜である。

★私も見て驚きました。  (天木ファン)


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国連決議と憲法・・どちらが優先されるべきか? 平 和平

2009年12月19日 09時37分38秒 | Weblog
★国連決議があれば、自衛隊を派兵してもよいのか?
いま、小沢さんの影響力が増大し、彼の言うことは「正しい」と考える人が多くなっている様に思います。マスコミも彼の発言を検証し、批判すべきは批判すべきなのに無批判に近い状況で報道を続けています。
天皇と中国の国家副主席との会見でも彼の発言を検証することなく報道しました。そのことで国民の中に一定の混乱を与えています。これらに関して私の考えを述べます。

イ.「国連決議」に基づく自衛隊派兵は憲法違反だと思います。
① 憲法前文には、平和に関して「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意し、」(中略)「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」「日本国民は(中略)平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意した」と定めています。
政府の行為によって戦争を起こさないことを決意したのです。
② 次に、日本政府は国連に加盟するとき、憲法九条があり、武力を使えない」ことを条件にして加盟をしています。
③ 国連の決議は、加盟国に決定したことを従わせる強制力はありません。
④ 国連決議と憲法とどちらを優先するのか?
 法学者の多数説は、改変のハードルが高い「憲法」が優先される。です。これには、日米安保条約など条約にも適用される考えです。日米同盟があるから・・、などと言う大臣たちは考え直していただきたいと思います。
元に戻ります。国連憲章の第2条7項には「いずれかの国の国内管轄内にある事項に干渉をする権限を国連に与えるものでなく、(中略)憲章に基づく解決を(中略)加盟国に要求するものではない」と述べ、加盟国の事項(この場合、憲法)を尊重することを定めています。
⑤ 小沢さんは、国連決議を前提に自衛隊を派兵する事を持論にしていますが、
これが憲法に違反し、国連加盟の経緯にも反する意見であることは、①~④を
読めば明らかではないでしょうか。

ロ.天皇と習近平氏の会見は国事行為でない。
憲法第3条で「天皇の国事に関するすべての行為には内閣の助言と承認を必要とし、内閣がその責任を負う」と書かれ、第7条に国事行為が列挙されています。このように国事行為は限定的なものです。
 それに照らせば、今回の問題は「外国の賓客」(中国の国家副主席)への接遇
ですから国事行為には該当しません。小沢さんこそ憲法をよく読み、正確に解釈すべきです。
コメント (13)
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