昨日、「ぐ」さんのコメントにこういう質問がありました。
「九条を語る時、軍事情勢についての認識の不足が、相手方から指摘されて(北朝鮮の核の脅威・中国の軍事力の拡大の脅威など)黙ってしまうことがたびたびです。
しかし、ほんとうにそんなに脅威なのか、アメリカの傘の中にいなければならないのか、判断しかねます」
「軍事情勢」は、戦争史なども含めて改憲派の得意とするところ。よく勉強していますしね。対する護憲派が軍事情勢に疎いのはまー当たり前。もともと軍事が嫌いなのですから。ところで事は未来の脅威への予言の問題。100%確かなものなど何もありません。蓋然性、確率を語りあうだけでしょう? 僕らもここで大いにやり合ってきましたが、振り返れば大体こんなことを述べてきたかと思います。改憲派から学んだことも含めて、まとめてみたいと思いたちました。
①北朝鮮が自ら攻めることは、まず不可能。昔と違って社会主義世界体制はありませんし、中国が資本主義世界経済体制に組み込まれましたから。北朝鮮が今自分から攻めるのは、集団自殺のような覚悟が必要です。いくら首領様でも、フセインの例に見られたように、我が子・「金大将」などを巻き添えにはできないでしょう。フセインが、アメリカによって事前に押し付けられた大量破壊兵器保有の疑いすべて無罪だったと判明したにもかかわらず死刑にされたのは、その最大の背景はむしろ、90年のクェートへの侵略ではなかったでしょうか。このように、戦争、侵略は高く付くのです。
②中国は、資本主義経済体制に組み込まれました。大きな輸出相手の日本などを攻めれば、中国の経済ががたがたになります。豊かな生活をさせてもらっている最大の貿易相手国を攻めるなどあり得ることでしょうか。中国はもはや日本などとは一蓮托生になったのだと思います。
③近代以降、「人の命は同じように大切」とどんどんなってきました。もう奴隷や、農奴はいません。先進国の為政者が、途上国や、自国一般ピープルの命を軽く扱えたのは昔のこと。第2次大戦に重大な反省をして、そこからEUができたのも、こういう時代の流れからだと思います。ヨーロッパ先進国同士の間で戦争がなくなったというのは歴史上凄いことのはずです。この60年、大きな戦争が起こらず、核兵器も使われなかったのは、やはりこういう流れからのことだと、僕は考えています。
「侵略は、人道への大罪」。これが世界の常識になってきていると思います。大国の為政者なども、戦争を随分避けるようになってきたのではないでしょうか。戦争を起こさざるをえないような横暴を他国に犯すことも昔に比べて随分少なくなったはずです。
④「軍事情勢」を数え挙げても「確実に起こる」という命題を引き出すのは論理的に不可能なことです。「改憲派」はそんな風に「信じている」場合の方がむしろ多いと、僕は学べた積もりです。「動物とは争うもの。人間も争うもの。人間社会に戦争はなくならない」。こういう典型思想が社会ダーウィニズムですが、これの旧日本代表的論客、加藤弘之の説も含めて既に誤りというのが定説です。動物界の生存競争、適者生存「現象」を人間社会にそのまま適応するのは無理があるということではないでしょうか。
大体以上だったかと。
「九条を語る時、軍事情勢についての認識の不足が、相手方から指摘されて(北朝鮮の核の脅威・中国の軍事力の拡大の脅威など)黙ってしまうことがたびたびです。
しかし、ほんとうにそんなに脅威なのか、アメリカの傘の中にいなければならないのか、判断しかねます」
「軍事情勢」は、戦争史なども含めて改憲派の得意とするところ。よく勉強していますしね。対する護憲派が軍事情勢に疎いのはまー当たり前。もともと軍事が嫌いなのですから。ところで事は未来の脅威への予言の問題。100%確かなものなど何もありません。蓋然性、確率を語りあうだけでしょう? 僕らもここで大いにやり合ってきましたが、振り返れば大体こんなことを述べてきたかと思います。改憲派から学んだことも含めて、まとめてみたいと思いたちました。
①北朝鮮が自ら攻めることは、まず不可能。昔と違って社会主義世界体制はありませんし、中国が資本主義世界経済体制に組み込まれましたから。北朝鮮が今自分から攻めるのは、集団自殺のような覚悟が必要です。いくら首領様でも、フセインの例に見られたように、我が子・「金大将」などを巻き添えにはできないでしょう。フセインが、アメリカによって事前に押し付けられた大量破壊兵器保有の疑いすべて無罪だったと判明したにもかかわらず死刑にされたのは、その最大の背景はむしろ、90年のクェートへの侵略ではなかったでしょうか。このように、戦争、侵略は高く付くのです。
②中国は、資本主義経済体制に組み込まれました。大きな輸出相手の日本などを攻めれば、中国の経済ががたがたになります。豊かな生活をさせてもらっている最大の貿易相手国を攻めるなどあり得ることでしょうか。中国はもはや日本などとは一蓮托生になったのだと思います。
③近代以降、「人の命は同じように大切」とどんどんなってきました。もう奴隷や、農奴はいません。先進国の為政者が、途上国や、自国一般ピープルの命を軽く扱えたのは昔のこと。第2次大戦に重大な反省をして、そこからEUができたのも、こういう時代の流れからだと思います。ヨーロッパ先進国同士の間で戦争がなくなったというのは歴史上凄いことのはずです。この60年、大きな戦争が起こらず、核兵器も使われなかったのは、やはりこういう流れからのことだと、僕は考えています。
「侵略は、人道への大罪」。これが世界の常識になってきていると思います。大国の為政者なども、戦争を随分避けるようになってきたのではないでしょうか。戦争を起こさざるをえないような横暴を他国に犯すことも昔に比べて随分少なくなったはずです。
④「軍事情勢」を数え挙げても「確実に起こる」という命題を引き出すのは論理的に不可能なことです。「改憲派」はそんな風に「信じている」場合の方がむしろ多いと、僕は学べた積もりです。「動物とは争うもの。人間も争うもの。人間社会に戦争はなくならない」。こういう典型思想が社会ダーウィニズムですが、これの旧日本代表的論客、加藤弘之の説も含めて既に誤りというのが定説です。動物界の生存競争、適者生存「現象」を人間社会にそのまま適応するのは無理があるということではないでしょうか。
大体以上だったかと。