TPPが越年して、表記の問題を考える期間がちょっと長くなった。堤未果の著作から、今日は食肉、明日からは医療、穀物のことを覗いてみたい。去年12月に連載した物の再掲である。
『 アメリカ、統合養鶏業4大独占形成の手口 2013年12月01日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
昨日に続き岩波新書、堤未果著「(株)貧困大国アメリカ」の部分要約です。今回は標記のこと。日本にもこういう波が圧倒するという推定からの投稿。
今アメリカ養鶏業では、4つのインテグレーター(統合社)の元に、98%の生産者が下請け契約者となっている。1970年代終わり頃からこの動きが進み、鶏の生産、と畜、加工、流通まで全てがここに統合されている。そして、養鶏業利益の30%は親会社の元に行き、下請け契約生産者の利益は2~3%という結末になっている。どういう仕組みでこうなったか。
まず、インテグレーターが養鶏農家に持ちかけてきた契約内容はこうだ。1棟2000万円以上もする大量生産方式指定鶏舎を3~4棟を、国家の農業支援事業・支払保証会社の借金付で勧める。種鶏、生産方式などは全て指定され、ほとんど止められない仕組である。こんなふうに。
『会社側は、種鶏およびその特許、飼料、抗生物質、運搬用トラック、と畜場、そしてブランド名を所有する一方で、契約者の方は、借金で投資した鶏舎と労働力、糞尿処理、光熱費などの維持費を提供する』
これが一定広まるとその後は、こうなっていった。普通の養鶏業者では対抗できなくなって、傘下に入らざるをえなくなる。こうして、借金まみれの下請けの取り分などどうとでもなっていくという理屈である。この本のある登場人物は2棟持っていても、150万の収入にしかならないのだそうだ。
昔コンビニを始めた僕の友人がこう語ったことがあった。もっと日本の給料が高かったころ、住宅バブルが弾ける以前の時代のことであるが。
「これは、小売業の奴隷化だ」
街の酒屋さんやパン屋さんなどがコンビニ系列に対抗できず、そこに統合されて行ったのと同じ理屈であろう。やがて全てが24時間営業になってきたような。豚も牛も、これに習っているらしい。その分、抗生物質まみれとか成長ホルモンの多用とか、様々な問題が起こっている。この工場式養鶏の体重は、成長剤のために25年前の8倍であるという。』
『 アメリカ、統合養鶏業4大独占形成の手口 2013年12月01日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
昨日に続き岩波新書、堤未果著「(株)貧困大国アメリカ」の部分要約です。今回は標記のこと。日本にもこういう波が圧倒するという推定からの投稿。
今アメリカ養鶏業では、4つのインテグレーター(統合社)の元に、98%の生産者が下請け契約者となっている。1970年代終わり頃からこの動きが進み、鶏の生産、と畜、加工、流通まで全てがここに統合されている。そして、養鶏業利益の30%は親会社の元に行き、下請け契約生産者の利益は2~3%という結末になっている。どういう仕組みでこうなったか。
まず、インテグレーターが養鶏農家に持ちかけてきた契約内容はこうだ。1棟2000万円以上もする大量生産方式指定鶏舎を3~4棟を、国家の農業支援事業・支払保証会社の借金付で勧める。種鶏、生産方式などは全て指定され、ほとんど止められない仕組である。こんなふうに。
『会社側は、種鶏およびその特許、飼料、抗生物質、運搬用トラック、と畜場、そしてブランド名を所有する一方で、契約者の方は、借金で投資した鶏舎と労働力、糞尿処理、光熱費などの維持費を提供する』
これが一定広まるとその後は、こうなっていった。普通の養鶏業者では対抗できなくなって、傘下に入らざるをえなくなる。こうして、借金まみれの下請けの取り分などどうとでもなっていくという理屈である。この本のある登場人物は2棟持っていても、150万の収入にしかならないのだそうだ。
昔コンビニを始めた僕の友人がこう語ったことがあった。もっと日本の給料が高かったころ、住宅バブルが弾ける以前の時代のことであるが。
「これは、小売業の奴隷化だ」
街の酒屋さんやパン屋さんなどがコンビニ系列に対抗できず、そこに統合されて行ったのと同じ理屈であろう。やがて全てが24時間営業になってきたような。豚も牛も、これに習っているらしい。その分、抗生物質まみれとか成長ホルモンの多用とか、様々な問題が起こっている。この工場式養鶏の体重は、成長剤のために25年前の8倍であるという。』