藤原智美「暴走老人!」文藝春秋 2007/8.
帯の惹句.
「新」老人は,若者よりもキレやすい.
急増する困った老人たち-
*病院での待ち時間に耐えられず,ダダをこねて床に転がる
*店のサービスカウンターで,いつまでも怒鳴り散らしている
*口のきき方が悪いと女医さんに殴りかかる
*コンビニで立ち読みを注意されてチェーンソーを振り回す
*犬にチェーンで亀をつなぎ,「ヨドバシガメ」と名付けて虐待.
暴走老人予備軍としての私としては,帯をみて買ってしまった.
帯にはさらに「老人たちの抱えた,かってない生きづらさを浮き彫りにする」とあるが,具体的には著者は「時間」「空間」「感情」の三つの切り口から分析する.時間とはいいかえれば携帯や計算機時代の情報化であり,空間は住まいにおける個室化・公共空間での無干渉化であり,感情はサービスやマナーが感情ではなく営業ベースで決まることだ.こうした変化はいままで人間社会が体験しなかったことであり,この変化から取り残されることが新老人がキレる原因である.
著者は1992年「運転士」で芥川賞受賞.暴走老人にかこつけて著者が日頃感じていることをなんでもぶち込んだ感がなきにしもあらず.データにくらべて分析はいまいちおもしろくないが,でも文章がうまいのであっと言う間に読める.
帯の惹句.
「新」老人は,若者よりもキレやすい.
急増する困った老人たち-
*病院での待ち時間に耐えられず,ダダをこねて床に転がる
*店のサービスカウンターで,いつまでも怒鳴り散らしている
*口のきき方が悪いと女医さんに殴りかかる
*コンビニで立ち読みを注意されてチェーンソーを振り回す
*犬にチェーンで亀をつなぎ,「ヨドバシガメ」と名付けて虐待.
暴走老人予備軍としての私としては,帯をみて買ってしまった.
帯にはさらに「老人たちの抱えた,かってない生きづらさを浮き彫りにする」とあるが,具体的には著者は「時間」「空間」「感情」の三つの切り口から分析する.時間とはいいかえれば携帯や計算機時代の情報化であり,空間は住まいにおける個室化・公共空間での無干渉化であり,感情はサービスやマナーが感情ではなく営業ベースで決まることだ.こうした変化はいままで人間社会が体験しなかったことであり,この変化から取り残されることが新老人がキレる原因である.
著者は1992年「運転士」で芥川賞受賞.暴走老人にかこつけて著者が日頃感じていることをなんでもぶち込んだ感がなきにしもあらず.データにくらべて分析はいまいちおもしろくないが,でも文章がうまいのであっと言う間に読める.