Sixteen Tones

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フーリエ変換 / 不確定性原理

2009-05-30 09:14:20 | 科学
大学物理の新入生に音楽のはなしを頼まれたので,ピタゴラスだの不協和曲線だのを紹介した.物理ということだったので,ダランベールの一次元波動方程式とか,フーリエ変換の不確定性原理と量子力学の接点などもサービスした.
図は,ガモフ「不思議の国のトムキンス」の「量子のジャングル」のイラスト.

フーリエ変換は自分で数値計算してみると,訳の分からないことが多々おこる.教科書では積分範囲が無限大だが,実際の数値計算ではそうはいかないのが一因で,積分範囲(窓)の決め方で結果はかなりちがったものになるのだ.
時間のディジタル化と周波数のディジタル化の幅には,カット左側の不等式の関係があるが,初等的な教科書には記述がない.

この左側の不等式は,何かの研究会でのレーダーのソノグラムに関する高橋秀俊先生のお話で初めて知った.高橋先生は「この不確定性原理は量子力学とは何の関係もありません」と,にべもなかった.量子力学の不確定性原理は右の2式(どちらも等価)である.ここにはプランクの定数 h が入っているが,左の式に hf=E すなわち光の振動数とエネルギーの関係を代入すれば,右の下のほうの式になる. hf=E なしでは何ごとも起こらない.この式が量子力学の本質なんだろう.

さて,左の式は,振動数と周期の関係を考えれば当たり前のようにも思えるが,右辺がなぜ 1/4πかはよくわからない,時間関数とそのフーリエ変換の,それぞれの分散から計算すれば 1/4πが出て来るが,このような計算をごりごりやっていると,なんだか本質から外れて行くような気分になる.

量子力学の不確定性原理は数年前に東北大の小澤先生が数年前に修正されたとのこと

M. Ozawa, Universally valid reformulation of the Heisenberg uncertainty principle on noise and disturbance in measurement, Phys. Rev. A 67, 042105 (1-6) (2003).
石井 茂 「ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか」日経BP社(2005).

また,短時間フーリエ変換はウェイブレット理論等に発展したとのことだが,そういう難しいコトはわかりません.
コメント (3)
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