大崎梢「平台がおまちかね」創元推理文庫(2011/09).
このごろ平台でよく見かける本.
前々回のブログで平台のことを書いたが,あの「ヤマハ銀座店不動の大ベストセラー...」はポップと言うんだな,と言うことをこの本で知った.文章を指すこともあり,カードそのものを指すこともある.5 編からなる短編集だが,中ではこのポップを題材にした「ときめきのポップスター」がちょっとひねった暗号もの.後のは,ミステリ味は薄い.「絵本の神さま」などは今風の人情噺だ.
この表紙の羊男はなにかと思ったが,主人公の姓が井辻で,あだ名がヒツジくんなのだった.中堅出版社の営業に就職したヒツジくんが,だんだん世慣れて行く物語,という色彩が濃い.
著者は元書店員だそうで,この業界の内側がちょっと覗ける.東京と地方の差とか,個人書店とチェーン店の差とかは切実だ.
2 編目には,登場人物が「やっぱりハヤシライス」と笑い合う場面があるが,これが丸善の早矢仕ライスのことだった.
読書人口は年々減っているが,月に何冊も買うひとが増加傾向にあり,そのおかげでこの業界もなんとか保っているのだそうだ.かくいう私もこの業界を支えているひとりかも.でも最近は本は重いとか言って,書店では立ち読みばかり.買うのはアマゾンだなあ.
このごろ平台でよく見かける本.
前々回のブログで平台のことを書いたが,あの「ヤマハ銀座店不動の大ベストセラー...」はポップと言うんだな,と言うことをこの本で知った.文章を指すこともあり,カードそのものを指すこともある.5 編からなる短編集だが,中ではこのポップを題材にした「ときめきのポップスター」がちょっとひねった暗号もの.後のは,ミステリ味は薄い.「絵本の神さま」などは今風の人情噺だ.
この表紙の羊男はなにかと思ったが,主人公の姓が井辻で,あだ名がヒツジくんなのだった.中堅出版社の営業に就職したヒツジくんが,だんだん世慣れて行く物語,という色彩が濃い.
著者は元書店員だそうで,この業界の内側がちょっと覗ける.東京と地方の差とか,個人書店とチェーン店の差とかは切実だ.
2 編目には,登場人物が「やっぱりハヤシライス」と笑い合う場面があるが,これが丸善の早矢仕ライスのことだった.
読書人口は年々減っているが,月に何冊も買うひとが増加傾向にあり,そのおかげでこの業界もなんとか保っているのだそうだ.かくいう私もこの業界を支えているひとりかも.でも最近は本は重いとか言って,書店では立ち読みばかり.買うのはアマゾンだなあ.