Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

山行記

2011-12-24 08:02:16 | 読書
南木佳士著 山と渓谷社(2011/04).

学生さんには,体育系だったなんて信じられないと言われるが,学生時代は山登りのサークルに属していた.細々とだが,今でも付き合いがあるのは当時の山友くらいのものだ.
この本を後ろから立ち読みしたら,山と渓谷 (月刊誌です) に掲載された文章を集めたものらしかったので,興味を持った.
著者は芥川賞作家で,その対象作は読んだ覚えはあるのだが,中身はさっぱりと蒸発した.しかしこの本は記憶に残るかも.

著者(1951生) はもともとは医師だが,作家との二の足わらじに疲れ果て,パニック障害・鬱病になり,気晴らし ? に奥さんと山歩きを始める.
この本の 4 編のエッセイのうち,ひとつは奥さんとの山行が中心だが,2 編は奥さんを置いてきぼりにして,若い人に混じっての 2 泊 3 日のテント山行.
残る 1 編は,長めのあとがきと言った感じ.NHK の「ようこそ先輩」で故郷の小学生をひきつれて浅間山 (正確に言えばその外輪山のひとつ) に登り,男子生徒のおしゃべりに閉口したりするのがおもしろい.ただし.短い本当のあとがきもある.

若い人に混じっての南北アルプス行では,いかにばてたかが微に入り細に入り,文学的に語られる.パーティの他のメンバーとの駆け引きに,こちらは学生時代を思い出した.
「手はキーボードを打つためにあるのではなく,岩角や木の根をつかむためにある」という趣旨の文章が 2 回は出てくる.
コメント
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