Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

犬塚勉展

2012-12-15 07:58:41 | お絵かき

奥田元宋・小由女美術館.NHK の日曜美術館で放映された効果か,意外に賑わっていた.

画風の遍歴を追う構成.
試行錯誤の末,たどり着いたのが,この「梅雨の晴れ間」のようなリアリズム.727mm x 1167 mm のキャンバスにアクリル絵具だが,面相筆で描いたらしく,画集を拡大コピーしたくらいではその細密さには追いつけないことが分かった.計算機画面では「写真みたい」で終わってしまうのが残念だ.

しかし遺作は,細密画から脱却した新たな発展を予感させるものだった.山に魅せられて,渓谷の入口から,山道を経て,開放的な山頂に至るというシリーズを構想していたとのことだが,渓谷の入口を描いた 2 点が「未完」とされ,展示されている.

小学校の図工教諭で (「わたしの夏休み」という絵が5つ星), こうした手の混んだ絵を描き,山行も,というのは超人的だが,谷川岳で遭難死.38 歳.ご家族はあまりかまってもらえなかったかもしれない.でも夫人を描いた絵は何点か展示されていた.

真面目な人の真面目な絵だから,その絵は清々しい.
歳をとると不真面目になり,描く絵もつまらなくなる人も多いことを考えると,ある意味ではうらやましい生涯だ.
コメント (2)
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