Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

メビウスではなく,白隠の環

2012-12-23 10:27:58 | お絵かき
日曜美術館は白隠がテーマだった.

紙テープの両端をひとひねりして貼り合わせると裏表がない平面ができる.これをメビウスの環とか,帯とか言う.
http://www.osaka-ue.ac.jp/zemi/nishiyama/math2010j%5Cmoebius_j.pdf

この絵はメビウスの環に文字を書いたごとくに描いてある.これはメビウスより百年も前に白隠が描いたものだから,番組の司会者は「これからはメビウスの環ではなく,白隠の環と言いましょう」という意味のことを言っていた.

浅学にして,メビウスはギリシャ時代の人かと思っていたが,実は19世紀に活躍したドイツの数学者で,メビウスの環は1865年に「多面体の体積の決定について」という論文に登場するのだそうだ.白隠さんは「こりゃ面白い」で終わってしまったところだから,メビウスの数学の論文と同一レベルで扱うのは不公平だろう.そもそも白隠画ではテープのままで輪になっていない.

紙を持っている指の描き方も何だか変だ.

しかし,この白隠画の左半分の文字は実は裏から書いてあるのだそうで,白隠さんが本質をトポロジー的に,直感的に,理解していた可能性はある.
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