Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ナニカアル

2013-01-22 08:12:25 | 読書
桐野夏生 新潮文庫(2012/11).

「BOOK」データベースより***
昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて、ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかった―。戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く、桐野夏生の新たな代表作。島清恋愛文学賞、読売文学賞受賞。***

最近読んだ「猫間地獄のわらべ歌」が男の小説なら,これは女の小説.若いときはこういうのも楽しめたが,いまでは陰湿で,やりきれない・つきあえないという感じが強い.憲兵まで女性的.でも最後まで読んでしまったのは,せっかく買ったのにもったいないから,要するにケチだからだろう.

林芙美子の原稿を見つけたという経緯を前後にはさんで,まんなかがその原稿そのものという体裁.1943年に林は新生児を貰い受けて養子としたそうだが,この原稿が虚構でないとすれば,養子ではなく実子ということになる.
同居の夫に妊娠・出産を隠すなんて可能だろうか,とは思うが,小説なら構わないのだろう.

昨年,「放浪記」女優の森光子がなくなった.テレビでちょっと見ただけの森さんのイメージが林さんと重なってしまった.
コメント
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