Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

雪の女

2013-02-13 08:35:25 | 読書
レーナ・レヘトライネン, 古市 真由美 訳,創元推理文庫 (2013/01).

フィンランドで一番人気のミステリとあったので,購入.

これもまた,女性作家による女性の小説.事件の被害者は女性だけの館の当主.これを追う女性巡査部長による一人称小説だが,冒頭で彼女は結婚し,小説の途中で妊娠する.空腹になったり,吐いたり,セックスしたリが逐一語られる.
フィンランドでも警察は男の職場であり,何かというとベルツァ警部補 (同僚・もちろん男) といがみ合う場面も面白い.被疑者のストリッパーを同性の目で観察するのもやはり面白い.

古レスタディウス派という戒律が厳しい宗派の女性が,妊娠中絶を殺人と弾劾されたりする.この他,星占いが登場するあたりも,ふだん読んでいるミステリと勝手が違う.
途中,脱獄囚がコテージに立て籠ったりするが,本筋とはあまり関係がない.

ヒロインと体験を共にするのはいいのだが,事件そのものはやはり女性の小説らしく,婦人科的なヒントで解決され,横溝正史風の因縁話で終わってしまう..

訳者による「あとがき」が力作,と思ったら,
http://www.webmysteries.jp/translated/furuichi1301.html
に全文アップされていた.
コメント
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