2006 年に,カッコウの啼き声 (さえずりと言うイメージではない) をウェブから集めて「かっ 」と「 こう」の音程 (音高差) とピッチ (絶対的な音高) を調べたことがある.
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/4ccfadadf1bc83f5371117e5ca4b1543
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/231c870e54fd4e53bf6d9542ff364b81
しかし,カッコウの啼き声は場所によって違うだけでなく,季節にも依存するとのこと.すなわち,空間と時間の関数であるとのことである.上記ウェブの記述は取り消し.生半可なことは言うものではない!!
Wikipedia の Common cuckoo の項によれば,
「かっ」-「こう」は 4 月には下降する短3度だが,その音程はしだいに広がり長3度あるいは4度に至る.キー C で啼く.しかし6月にはカッコウはこのフレーズを忘れてしまう.
とのこと.原典は
Barrett, M. (1897). "The Cuckoo's Notes". The Musical Times and Singing Class Circular 38 (656) 697.
としてあった.この 19 世紀の文献は JSTOR で無料で閲覧できたのだが,上記の内容はこの論文中でさらに Gilbert White (1978) の説を引用したものだった.ここで追跡中止.電報ゲームみたいだ.
敢えて生半可な感想を言うと,短3度とかCとかは怪しいが,音程が広がるのは信じられる.
ジュウシマツの研究のように,同一の個体を年月をかけて追跡することを,多数の例について行わなければはっきりしたことは言えない.しかし相手が野生の鳥では困難ということだろう.