Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

マイマイ新子

2018-04-01 08:06:55 | 読書
高樹のぶ子 ちくま文庫(2017/6).
単行本刊行時から気になっていたのを,図書館で借りた.

Amazon HP より,内容(「BOOK」データベースより)*****
新子はマイマイ(つむじ)をピンと立て、妹や友達と今日も元気に駆けまわる。大好きなおじいちゃんが作ってくれたハンモックは二人だけの秘密。昭和30年の山口県国衙を舞台に、戦争の傷を負いながらも懸命に生きる大人たち。変わりゆく時代の中で成長する日々を懐かしくも切なく描いた傑作。片渕須直監督アニメ映画『マイマイ新子と千年の魔法』原作小説。*****

新子には著者が投影されているらしい.
こちらは東京育ちだが,やはり時代が懐かしい.昭和30年といえば,こちらは中学生で,小説に登場するタバコを吸ったり新子に嫌がらせしたりする役回りだろうか.10円玉に100円くらいの価値があったことが実感としてよみがえる.この田舎ではまだ金銭文化・貨幣文化が都会ほど完全でなかったようだ.この小説とは無関係だが,戦後自分の親が買い出しと称して,なけなしの衣類などを食料と交換しに行ったことまで思い出してしまった.
戦後10年.山口という土地柄もあって,原爆も近隣の出来事.三世代の大家族の生活だが,父親は大学で研究している.ひとりだけ現代的に浮いている.

クロワッサン連載.26のほぼ独立したエピソードの積み重ね.ペストは自殺した友だちの父親の敵討ちと称して,海辺の街のバーに殴り込みをする場面.
著者は日本版「赤毛のアン」を目指したそうだが,読んでいてまったく赤毛のアンを連想はしなかった.

解説 片淵須直.カバーと挿絵は同監督のアニメより.

☆☆☆★
コメント
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