Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「歩道橋の魔術師」

2021-11-28 09:24:29 | 読書
呉明益, 天野健太郎 訳,河出書房新社 (河出文庫 2021/11).

Amazon の惹句*****
1979年、台北。中華商場の魔術師に魅せられた子どもたち。現実と幻想、過去と未来が溶けあう、どこか懐かしい極上の物語。現代台湾を代表する作家の連作短篇。単行本未収録短篇を併録。*****

カバーの原題と思しき「天橋上的魔術師」のほうが味がある.

10連作短篇プラス未収録だが,後者の訳者が違うことは最後のページに書いてあるだけ,というのはフェアではない.

村上春樹に雰囲気が似ているという指摘がAmazon のレビューにあった,ぼくも若いときの村上に似ていると思った (実は若いときの村上の作品しか読んでいないのだけれど).現実の世界にありながら一部がファンタジーという要約も的をいている.ファンタジー部分は登場人物のこども時代に集中し,そこには橋上のルンペン魔術師が関係する.
ジャンル的には,ヤング・アダルトかな.
甘いけれど,甘党だからおいしく読んだ.

台湾文学は初体験だが,なぜか懐かしく感じた.でも,現在の台湾を懐かしく感じることはないかもしれない.カバーの絵に惹かれて購入したが,この絵も著者によるものであった.

ちなもに,著者も訳者も1971年生まれだが,訳者は既に故人.
訳者あとがきの他に,東山彰良の解説.
コメント
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