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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「悲しい毒」

2022-03-26 09:40:43 | 読書
ベルトン・コッブ, 菱山美穂 訳,論創社 (論創海外ミステリ 2020/7).

最初の被害者とロンドン警視庁警部補を除けば,登場人物は,館のあるじとその妻と娘,そこに居候する妻かたの一族郎党 : 両親と弟夫妻,その息子と娘,と限られている.パーティに招かれた青年が毒死し,カクテルグラスにヒ素が入れられていた.

原著 The Poisoner's Mistake の刊行は 1936.クリスティの ABC とか,エラリー・クイーンの国名シリーズの時期と重なる.
この原題は,最初の被害者は誤って殺されたことを示唆している.でも ねたバラシをすると,犯人 poisoner は再度ミステイクを犯す.

本格ミステリとしてはうまくできている.
ただし ゆきとどいた心理描写にも関わらず,現代ニッポンの読者には,犯行動機がピンとこない.「悲しい毒」というタイトルはロマンチックだが,犯人に感情移入できないから,あまり悲しいと思えない.

警部補の謎解きには,本書何ページ参照がカッコつきで挿入される.「手がかり索引」というのだそうだ.
著者はあとがきで政治家や官僚が,議事録を訂正したり消去したり,はては議事録すら残さない風潮に憤っている.確かに,政治家流がまかり通ったら,ミステリは成り立たない !
コメント
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