Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

海遊記 ― 義浄西征伝

2014-03-19 08:27:19 | 読書
仁木英之,文春文庫(2014/03).

「BOOK」データベースより*****
唐代、三蔵法師の経典に飽き足らず、海路インドを目指した僧がいた。頑固一徹の変わり者・義浄とお調子者の弟子・善行が乗り込んだのは、勇敢な海の男たちが操るペルシャ船。間抜けな海賊に追われつつ、数々の不思議な事件を乗り越えて、一行が旅の果てに見るものとは!?『僕僕先生』の仁木英之が描くもうひとつの西遊記。*****

中身の濃い解説は蝉丸P,この方は高野山真言宗住職兼ライターだそうです.

義浄の名は高校の世界史で出てきたような気がする.上記解説によれば,法顕・玄奘・義浄は仏教史上,天竺取経の三大スターなんだそうだ.ではなぜ義浄には西遊記みたいな物語が伴わなかったのかも,詳しく書いてある.

こどものとき読んだきりだが,西遊記の玄奘は悟空の足手まといになるばかりで,ほとんど個性が感じられなかった.それに対してここでの義浄は自立しているし,生き生きとしている.1/3 を過ぎたあたり,SF っぽい海洋冒険小説になってからがおもしろい.

義浄の幼い日のガールフレンドが再登場してすぐ消えてしまったのを不満に思っていたら,おまけの「書き下ろし短編」にまたまた登場した.「続きは次回の講釈で」で終わったところを見ると,作者はまだまだこのネタで稼ぐつもりらしい.

南伸坊によるカバーは義浄のイメージそのもので笑えるが,伸坊さん扮装の「そっくり写真」も見たい.

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