Facebook からの二次情報で恐縮だが,ドイツで 4 分音 (半音の半音 : 一種の微分音) の「音名」がオーソライズされたと言うことだ.dif, def はそれぞれ本来の音と,それを半音上げた,あるいは下げた音とのちょうど中間の高さを持つ音,4 分の 1 音を示す.ただしオーソライズとはどういう意味か等の詳細は知らない.
楽譜として見たことはあるが,音名を意識したことはなかった.3/4 音上下するための記号も慣例的に用いられるが,実用的には図のようにふたつ追加すれば良いだろう.
人声ばかりでなく,たいていの管楽器・弦楽器なら,原理的に半音の半音 = 4 分音 を出すことが可能だが,「正確に出せ」といわれたら多分不可能だろう.鍵盤楽器なら前もって調律して置けば良い.
これは Charles Ives 1924 年の作品,Three Quarter-tone Pieces の第一曲.4 分音ずらして調律した2台のピアノを使う.演奏は Anthony と Joseph の Paratore 兄弟.
楽譜とともに音楽が進行するビデオもあるが,全体を 4 分音ずらしてしまうので,見たところ楽譜はふつうだ.
某先生はコンサートでこの曲を聞いて途中で気分が悪くなり,退散したと言っておられた.
即興演奏等をひとりで楽しむなら,1台を電子ピアノに置き換えればよさそう.ただし,この画像はイメージで,本文とは関係ありません.
もっと手軽で,16 トンにも出来る調律,すなわち黒鍵だけを 4 分音ずらして演奏したのが Hidekazu Wakabayashi によるこの動画.Iceface Tuning の一例とのこと.
4 分音は主として経過音で,味付け程度という気もするが,けっこう不思議な気分に浸れる.知らずに聞いたら,ずいぶん調律していないピアノだなあと感じるかも.Kimball のスピネットのホンキートンクな音色を連想した.
おまけ.
元祖 Wikipedia にあったトランペット.第4のバルブは 4 分音用とのことである.
また,このギターでは, 4 分音に限らず微分音が出せるらしい.
私たちの著書「視て聴くドレミ」をよろしくお願いします.
もともと通常の一台のピアノやMidiキーボードなど1オクターブ12音の鍵盤で微分音を織り交ぜて演奏するための音律をいくつか考えていてそれをIcefaceと呼んでいたのですが、黒鍵だけを四分音ずらす方法を思いつき、これなら沢山の方が微分音を簡単に扱うきっかけになるのではないかと思い、そのプレゼンテーション的な動画を最初に作ってみたのがこのIceface Tuned Pianoでした。
その結果微分音としては確かに味付け程度なのですが、平均律の音楽にも平易に混在させて演奏できる利点などもあるのではないかと思っています。
他の音律による曲も公開していきますのでまた聴いていただければ幸いです。
また、視て聴くドレミの本もとても興味深いと思いましたので、ぜひ一度手に取らせていただきますね。どうぞよろしくお願いします。
小生もオクターブを 16 分割する平均律で遊んだことがあり,Sixteen Tones もそこから名付けました.
YouTube を随時チェックさせていただきます.
16 分割する平均律、なんとも興味深いですね。
リンク切れなどお許しください.