Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

二紀展入選

2007-10-10 09:51:00 | お絵かき
J 子が二紀展入選.ちなみに昨年は落選.一昨年は初入選.
タイトルは「赤のハーモニー 1」.
締め切りが迫るとあたふたと描くところは,学会が迫るとあたふたと実験するのに似ている.入選・落選は科研費のあたり・はずれのようなものだろうか.
入選を目指して絵を描くというのはどうかと思うが,確かに技術的には上達するようだ.

第61回二紀展 10月17日(水)~29(月)国立新美術館.10:00~18:00(最終日14:30)入館は閉館30分前まで 10月23日(火)休館.地下鉄「乃木坂」駅直結・地下鉄「六本木」駅徒歩5分・入場料/700円・学生無料.
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暴走老人!

2007-10-08 11:39:15 | 読書
藤原智美「暴走老人!」文藝春秋 2007/8.

帯の惹句.
「新」老人は,若者よりもキレやすい.
急増する困った老人たち-
*病院での待ち時間に耐えられず,ダダをこねて床に転がる
*店のサービスカウンターで,いつまでも怒鳴り散らしている
*口のきき方が悪いと女医さんに殴りかかる
*コンビニで立ち読みを注意されてチェーンソーを振り回す
*犬にチェーンで亀をつなぎ,「ヨドバシガメ」と名付けて虐待.

暴走老人予備軍としての私としては,帯をみて買ってしまった.

帯にはさらに「老人たちの抱えた,かってない生きづらさを浮き彫りにする」とあるが,具体的には著者は「時間」「空間」「感情」の三つの切り口から分析する.時間とはいいかえれば携帯や計算機時代の情報化であり,空間は住まいにおける個室化・公共空間での無干渉化であり,感情はサービスやマナーが感情ではなく営業ベースで決まることだ.こうした変化はいままで人間社会が体験しなかったことであり,この変化から取り残されることが新老人がキレる原因である.

著者は1992年「運転士」で芥川賞受賞.暴走老人にかこつけて著者が日頃感じていることをなんでもぶち込んだ感がなきにしもあらず.データにくらべて分析はいまいちおもしろくないが,でも文章がうまいのであっと言う間に読める.
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鼻から胃カメラで胃潰瘍発見

2007-10-06 17:55:43 | エトセト等
恒例の健康診断,いわゆる人間ドック,
市からの補助が出るので,昨年から近所の個人病院でお願いすることにしている.これにともなって,診断のひとつが,それまではバリウムを飲んで x 線をとっていたのが,胃カメラを飲む方法に変わってしまった.

太さ数ミリのチューブに,照明用と撮影用それぞれのファイバと,胃液を吸い取るための管,おまけに胃壁の細胞を採取するピンセットみたいなものまでセットされている.これを口ではなく鼻から入れる.看護婦さんにどっちの穴にしましょうと聞かれるので,「大きい方」といったら,「ひだり」と宣告された.

映像を先生と一緒にテレビ画面で実時間で鑑賞する.鼻毛の林をかき分けていくあたりは気持ち悪いが,すぐにラクルェル・ウェルチ「ミクロの決死圏」の世界である.ファイバの先はフレキシブルで,先生の手許の操作で先っちょだけの U ターンも可能.ここが食道,ここが十二指腸などといっているうちに,胃壁が一部白茶けてけばけばしているところに遭遇.「立派な胃潰瘍ですね,細胞取りましょう」...と先生はなんだか嬉しそう.細胞をつまみ取られた後は血ぬれたように見受けられたが,先生は知らん顔.

胃潰瘍は前にも経験している.過去には暴飲暴食とか,ストレスとか,原因に重い当たるふしがあったのに,今回は思い当たる理由がない.先生がおっしゃるには,潰瘍は前と同じ場所で,繰り返すのはピロリ菌のせいであろうとのこと.検査結果によってはピロリ菌退治をすることになった.胃潰瘍はふつうの薬をのんでいればいいらしい (若いときは,識らないうちに潰瘍ができて,識らないうちに薬をのまなくても直った).ピロリ菌退治のほうは薬が強烈で副作用もあると言われ,いまから憂鬱だ.
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時を巡る肖像

2007-10-05 06:39:42 | 読書
柄刀一著になるミステリ.2006/11 実業之日本社刊.
副題に「絵画修復士御蔵瞬介の推理」とあるように,めずらしい職業の探偵役が,ピカソ,安井,フェルメール,モネ,デューラーの絵画にまつわる謎を解く.

カバーに描かれている鏡のところがくり貫かれていて,カバーを取るとギラギラの表紙があらわれるという装丁(大塚充朗) らしい.しかし図書館で借りたので,カバーはしっかり粘着テープで貼り付いていた.

絵を制作した画家の人生と事件の関係者の人生がだぶるという趣向が奥行きを与えている...と文学的に聞こえるが,トリックは意外と機械的で陳腐なものもある.作者は携帯をつかうのがお好きらしい.
ぼく的ベストは「モネの赤い睡蓮」.他の作品は月刊 J-novel 初出だが,最後の「時を巡る肖像」だけがこの本のための書き下ろし,このおまけも短くて密度が濃い.
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金魂巻とキン・コン・ガン

2007-10-02 08:39:22 | 読書
金魂巻は1984年のベストセラー.「この本は取っておこう」と決心したはずだったので,本棚を漁ったら,奥の方に発見できた.再読しだしたら止められない.マル金・マルビというのが第一回流行語大賞だったそうだ.

キン・コン・ガンのほうは,同じ著者 渡辺和博による笑えるガン闘病記(と帯に書いてあった.はなしがそれますが,タイトル図のファイル名は KingKong.jpg としました.).文春文庫PLUS 2007年9月刊.
地の文に随所に大きなゴチ・フォントが混じるのも,へたうまのイラストも金魂巻を踏襲している.巻末の座談会で南伸坊がそのイラストをすごくほめている;「模型とか時計とかの小物がそれらしく描けたら,崩れていようが歪んでいようが,デッサン力があるってことなんですよ」
帯にあるように,医者・看護師・患者に対する観察が笑える.

それにしても,ガンだというのにずいぶん余裕だなぁと,読んでる途中で J 子に言ったら,そのひと亡くなったはずとのコメント.
たしかにカバーの著者紹介によれば
2003年肝臓ガンを宣告され
2005年に夫人との生体肝移植に成功し
2006年再発,2007年死去.
ちなみに,この本が単行本として出たのは2004年.

そうと識ったら読む目が変わってしまった.
「おもしろうてやがてかなしきキンコンカン」
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reading

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