Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

年賀状

2008-12-09 09:34:07 | エトセト等
丑年と言われても牛肉と牛乳しか思い浮かんでこない.

この絵は松坂牛のつもり.ただし実物ではなく,広告を見て描いた.これに謹賀beef年という字を添えるつもりだったが,「牛肉には見えない,だいいち気持ち悪い」というJ子のひとことでお蔵入りとなった.
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建築と音楽

2008-12-07 19:31:58 | 新音律
五十嵐 太郎, 菅野 裕子 NTT出版 (2008/9)

*****出版社による内容紹介*****
「建築とは凍れる音楽である」この言葉は何を意味しているのだろうか? 本書では必ずしも正面から取り上げるわけではない。あまりにも強引な関連付けはむしろ危険ですらある。音楽と建築をつなぐ議論では、もともと異なる対象を共通の場所に置くために、どこか似ているところを発見しなければならない。そこで思考の跳躍が要請される。つまり、アナロジーの思考が両者をつなぐのだ。文学的・象徴的・構造的にさまざまなレベルを設定しうるだろう。
*****

久しぶりの堅い本.五十嵐氏は東北大学准教授.専門は建築批評と建築史.菅野氏は横浜国立大学大学院工学研究院建築学コース助教とのこと.全部で13章からなり,章ごとに著者が異なる.目次は
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001658
に出ている.音響の本ではない.建築を空間芸術・音楽を時間芸術として,ふたつを対等に論じようとした本と言えば良いのだろうか.

序論のタイトル「美しき女神ムーサ、そして思慕し続けるデミウルゴス」だけ見ると,自分には縁のない本のようだが,中身はおもしろい.ただし,こういう美文調は,建築の本では常識らしいが,慣れていないので読みづらかった.図が小さいのも不満.歴史音痴には,年表があったらありがたかったのだが.

空間の単位と時間の単位の対比のなかで,音楽における時間の単位は小節であるとし,小節の起源と歴史がかなり詳しく述べられていて,なるほどと思った.
バッハの音楽がバロック建築ではなく,それ以前のゴシック建築に共通するものが多いとか,なるほど.
サティ,クセナキス,コルビジェなど,聞いたことのある名前が出てきて,なんとなく安心したところで読了.
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映画 五つの銅貨

2008-12-05 08:54:42 | エトセト等
ついでに映画「五つの銅貨」について.

これはコルネット奏者Red Nicholsの伝記映画.1959年の作品で,公開当時はぼくは高校生だったはずだが,気に入って何回も観た記憶がある,この映画あたりがきっかけで,ロックンロールからジャズに乗り換えたのかもしれない.

主演は鼻の大きなDanny Kaye.五つの銅貨すなわちThe Five Pennies は彼のクインテットのバンド名.当時は認識していなかったが,ウェブで見ると,Five Penniesオリジナルのメンバー(下記左側)も,それに当てられた配役(右側)も凄い.
Jimmy Dorsey→*Ray Anthony ビッグバンドのリーダー
Dave Tough→ *Shelly Manne 西海岸の名ドラマー
Glenn Miller →Ray Daley
Arthur Schutt→ *Bobby Troup ルート66の作曲者
Tony Valani →Harry Guardino
扮した5人のうちぼくの知る限りでも,*印の3人は生きのいいジャズメンだったのだ.シェリー・マンだけがモダン派というのも時代を感じさせる.もちろんLouis Armstrongはいいところを見せるし,Bob Crosby等も顔を出したらしい.演奏場面ではWhen the Saints Go Marchin' inが印象に残っている.
Nichols夫人役のBarbara Bel Geddesも,美人じゃないけどいい感じだった.ストーリーもうまく出来ていた.
もう一度観たい.

The Five Pennies, Good Night-Sleep Tight , Lullaby in Ragtimeの三曲はDanny Kaye夫人のSylvia Fineの作曲.YouTubeの三重唱の三曲は,タネを明かせば初めから三重唱用に作られた??? でも今では主題歌のThe Five Penniesは青本にも載っているスタンダード.ぼくは断片的にだがまだ歌詞を覚えている.これが英語の勉強だったのだ.
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五つの銅貨 - コード進行が同じなら...

2008-12-03 09:09:34 | ジャズ
louis armstrong & danny kaye - the five pennies


言語と文字をテーマとする研究会で,音楽と楽譜の関係が話題になったらしい.

楽譜と言えば五線譜だが,これは曲をなるべく忠実に示そうとするものだろう.これに対して,コード譜は曲をもう一歩抽象化して示すものかもしれない.「抽象化」という言葉は不適当かもしれないが,Aという曲も,Bという曲も,コード進行だけ取り出せば同じことがある (ブルースなんかみな同じだ).それならA,Bを同時に演奏しても,あるいは歌っても,良いはず.

コード進行が多少違っても,曲の長さが同じなら,強引にやればいい.その例がこのYouTube.映画 Five Pennies「五つの銅貨」の名場面である.最後には3つの歌を同時に歌っている.ルイ・アームストロングとダニー・ケイのふたりとも,子役にはかなわない.

こういう例は,同じ作曲家による複数曲なら,オペラにはいくらでもありそう.
グノーはバッハからコード進行を拝借してアベマリアにした,ということも出来そうだ.
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ジム・ホールの不協和音

2008-12-01 10:36:57 | 新音律
(この項は思いつきの域にありますので,後から書きなおすかもしれません)

JazzLife を立ち読みしたらジム・ホールのことがたくさん書いてあった.以下は彼の独特な音色に関する考察.

このふたつのグラフの上のほうは,彼のアルバムThree中のSkylarkの最初のA音のスペクトル.
下のグラフはピアノのC音のスペクトルを2オクターブ毎に示したもので,C4が中央のCである.横軸は1000Hz毎に字がふってあり,縦軸の目盛は20dB.
両者を比べると,上では2番目のピークは最大ピークに比べ40dB近く低い.音量でいえば1/100位しかない.ジム・ホーム音は単一ピーク,音叉の音に近いのだ.この音はハーモニクス奏法かとも思ったが,この曲では単音はどれも似たようなスペクトルである.
いっぽうこれと音高が近いピアノのC4音のスペクトルを下の図で見ると,最大音の音量の数十%にせまるピークが林立している.

ビアノ.ギターなどの音源は弦の振動であって,弾いた音の他に2倍音3倍音...が豊富に発生する.ドミソが響くのはドの3倍音,5倍音がそれぞれソ・ミの倍音と一致するからである.
では,倍音を含まない音を重ねたら何の感興も生じないだろうか.倍音がない音.単一スペクトルの音をいくつか組み合わせたらどう感じられるかという問題である.上記理論から類推すると,協和音も不協和音もないのではないか?

この答がジム・ホールの和音だ...といいたいのだが,どうだろう.ジム・ホールの弾く和音(コード)は上のような単一スペクトル音の組み合わせだ.彼の和音は,純粋に,とびとびの音を一緒にならして,われわれに聞かせてくれているのだ.

こう書いてしまうと,ジム・ホールも電子音も同じということになってしまう.しかしジム・ホールの演奏は電子音とは違う暖かさを感じさせる.これはなぜかというのは,もっと高度な問題だ.
高調波を殺した音色作りは彼のテクニックだろう.さらに彼は,単一スペクトル音だけでなく,いろいろな音色を駆使している.
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reading

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