Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「くれる」「もらう」は丁寧語?

2015-11-19 19:40:19 | エトセト等


テレビ番組でレポーターが「案内してくれたのはナントカさんです」ということが多い.「案内してもらったのは...」ということもある.
「案内してくださったのは...」「案内していただいたのは...」というべきできないか.

おまえが丁寧語 (敬語・謙譲語) をどうとか言うのかよ,と言われそうだが.相手が NHK だから文句を言いたい.
「...してくれてありがとうございます」は学生にも言われることがあるが,そのときはありがとうと言ってくれるだけありがたいと思って聞き流している.

この図は「ty.html日本語教材の日本語駆け込み寺:初級文法の難所」というページによる.

日本人と結婚して少しは日本語がわかる学生が,日本語には敬語というものがあって便利だ,英語にはそういうものがないので,偉い人としゃべるときはすごく気を使うと言っていた.あるいは,彼に限ってのことかもしれないが...


しゃべるときは良いとして,メールで「すいません」と来るのにも多少の抵抗はある.ちゃんと「すみません」と書いてもらいたい,ではなく,いただきたい.
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ミステリー・アリーナ

2015-11-19 07:04:59 | 読書
深水 黎一郎 「ミステリー・アリーナ」原書房(2015/6).

内容(「BOOK」データベースより*****
全編伏線ともいえる「閉ざされた館の不可解な連続殺人」の真相を見抜く。早い者勝ち、「真相」が分かればいつでも解答可能の争奪戦。もちろん「あなた」も参加OK。強豪たちがつぎつぎ退場していくなか、その裏で、何かが始まっていた…ベストセラー『最後のトリック』の著者があなたに挑む多重解決の極北!*****

近未来の犯人当てテレビ番組で,途中で解答可能だから,問題と解答が交互に示される.途中で飽きるが,そこを我慢したら俄然面白くなった.
伏線の解釈に応じ複数というより無限に近い可能性が生じるあたりに,グラフ理論の「木構造」を思い出した.
結末は馬鹿ミスだが,そこに叙述トリックに対する登場人物たち,さらには作者の「しらけ」が感じられる.

350ページ.暇人向け.図書館で借用.
ハードカバーを発行後間もなく読むのは稀.これが今年のミステリランキングのどの辺に入るか興味がある.
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J 子の先生の個展

2015-11-18 18:48:11 | お絵かき
11/23 月祝 まで.
広島三越画廊.
200 号の油彩もあるとのこと.
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釜揚げシラスのアヒージョ

2015-11-17 07:46:10 | エトセト等


鎌倉産の釜揚げシラスをたくさんいただいた.もちろん,そのまま食したが,J 子がいないので昼食には目先を変えていたずらクッキング.

フライパンにオリーブオイル.煙が出たところでシラスを投入.少しかき回してから卵を割り入れ,白身が少し白くなったあたりで火から下ろす.
そもそもアヒージョはにんにく炒め (あるいはオリーブ油煮) のことだそうだが,肝心のにんにくが見当たらず.アヒージョ失格である.でも何か植物性のものを...と思って,庭からむしっておいたパセリをここで大量に放り込んだが,まあまあ正解だった.
フライパンからスプーンで食べる.シラスをそのまま食べた時に比べ,塩味が強くなったように感じたのは意外だった.胡椒すればよかったと,この文章を入力しながら思いついたが,後の祭りである.

途中で思いついて撮影したが,卵に火が通ってしまった状態なのでイマイチ旨そうでない.食べる直前に撮影すべきであった.
昼からワインは主義に反するのだが,撮影のために我慢した.白ワインもなかったな.

後はパンとコーヒー.
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Merry Christmas / Happy New Year

2015-11-16 09:39:46 | エトセト等


J 子が 100 円ショップで買ってきた面々.雪原に座っているように見せたかったのだが,大きな白い紙がなく,A4 プリンタ用紙を用いた結果,敷物みたいになってしまった.
年賀状用の猿も CD に描きました.

ところで,
A Merry Christmas とか A Happy New Year とかの不定冠詞 "a" は文法的には不要と思うのだが,

I wish you a merry Christmas !

のように文章の中に入れるときは "a" を付けるものらしい.確かにこれがないと収まりが悪いように感じられるが.英文法で説明はつくのだろうか.
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戦前ならではの口福

2015-11-15 19:54:10 | 読書
ロッパ食談には「戦前は美味しかった」という文句が繰り返し,繰り返し出てくる.うちの両親もそう言っていた.戦前の「戦」とは太平洋戦争のことで,その当否はわからない.
この食談には福島慶子の言も引用されていて

「かくまで落ちぶれたのもみんな東條一派のお陰だと思うとこの事だけでも決して許せない気がする」

だそうだ.クイモノの恨みは恐ろしい.

現在では不可能なのは,この食談の中の「想い出」の出だし...

フランスの汽船会社M・Mの船が、神戸の港へ入ると、その船へ昼食を食べに行くことが出来たものだった。
はじめての時は、フェリックス・ルセルという船だった。.....(中略).....落着いた食堂で、純白のテーブル掛のかかったテーブルに着くと、黒ん坊のウェイターが、サーヴィスして呉れる。パンを、皿に載せないで、直じかに、テーブルクロースの上へ置かれたのに、いささか面喰いつつ――パンの粉を、黒ん坊のウェイターが、時々刷毛で掃除して呉れた。――先ず出て来た、フォアグラの味に、もう、うっとりとしてしまった。
.....(中略)....
いっそ、罪な目に遭った。そんな気がした。なまじ、あんな美味うまいものを知らなきゃあ、こんな苦労はあるまいものをと、戦時中、幾たび嘆いたか分らない。又、戦後の今日、もはや何でも出揃い申し候の今日に至っても、M・Mの船で食ったフランス料理の味は、時々思い出す。

羨ましい...
この「想い出」その他の幾つかの随筆は,青空文庫で閲読できる.

汽車の食堂車などは,つい先年まであったが,もう取り戻せないようだ.
ロッパ食談には「色町洋食」も出てきて,やはり戦前ならではのものらしいが,長くなるのでこのへんで.
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密室蒐集家

2015-11-14 14:01:25 | 読書
大山 誠一郎 文春文庫(2015/11).

内容(「BOOK」データベースより)*****
鍵のかかった教室から消え失せた射殺犯、警察監視下の家で発見された男女の死体、誰もいない部屋から落下する女。名探偵・密室蒐集家の鮮やかな論理が密室の扉を開く。これぞ本格ミステリの醍醐味!物理トリック、心理トリック、二度読み必至の大技…あの手この手で読者をだます本格ミステリ大賞受賞作。****

5編からなる短編集で,時代設定がそれぞれ 1937, 1953, 1965, 1985, 2001 と明示されている.迷宮入りり寸前,あるいは冤罪必至の事件にどこからか「密室蒐集家」が現れ,安楽椅子探偵流に,話を聞いただけであっさり事件を解決する.この長身で滑るような足取りで歩く「探偵」はどの時代に現れても 30 歳前後.八百比丘尼みたい.

1985 年の事件には 1937 年に少女だったおばあさんが登場する.ここでは密室収集家が,犯人が意図的に密室を作る理由を8つ列挙するのだが,おばあさんが「密室収集家に会いたいから」を9つ目に挙げる.収集家はおばあさんが最初に意識した,かっこいい男性なのだ.こういうの大好き.

心理描写も人間性もはしょり,もっぱら論理性と意外性で引っ張る.
たいていストーリーは二つの点で無理がある.
 1)偶然にことが運び過ぎる.
 2)犯人は計画を立てず,パニックに陥りそうな時でも冷静に状況を臨機応変に利用する.要するに犯人の頭がよすぎる.
しかしこうした小さな無理の連続は,「密室収集家」という大きな無理にカモフラージュされる.収集家は 1985 年の例外もあるが,犯人に面と向かって「あなたが犯人」と名指しする.この「美学」のためにもまたストーリーに無理が生じているのが面白い.

...などと,思ったことがそのまま,千街晶之の解説に書いてあった.
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ロッパ食談

2015-11-13 16:32:03 | 読書
古川 緑波「ロッパ食談 完全版」 河出文庫 (2014/9).

初出は雑誌「あまカラ」1953-1957.父親がこの本(東京創元社版?)を読んでいたのを思い出した.「ライスカレーを食べるのに,いきなり匙で,コテコテとかき回し,こね回し,ドロドロにしちまって,やっと気が済んだみたいな顔をして,食べ始める人」は品がない...というくだりを自分も垣間読んだ記憶がある.

図書館で借用.

「BOOK」データベースより*****
粋でインテリ、喜劇役者のロッパさん。「日本ゴキゲンなりし頃」戦前の美食に心馳せつつ、戦争が終わり街に戻ってきたシャリアピン、タンシチュウ、ハムバーグ、トンカツ、牛鍋、餃子など和洋中華に舌鼓うちまくり。「糖尿病に栄光あれ」と叫びながら食べ続ける食への執念。シャレた食談45篇。*****

グルメ本の先駆だが,著者はそぱを食うと下痢をするし,すしでも,まぐろを食えばたちまち蕁麻疹だそうで,食談の内容はもっぱら脂っこい洋食中心に大食することである.

解説・立川志らくの文章はロッパと比べると読みにくいことを実感した.

ロッパで真っ先に思い出すのは連続ラジオドラマ「さくらんぼ大将」の,はのはのクスリ屋で,テレビ時代になってからの印象は薄い.でも,カバーの牧野伊三夫になるロッパ像は自分の記憶とは少し違うように思う.
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すしの教科書

2015-11-12 09:16:50 | エトセト等


アナゴの鮨が美味しかったので,

吉野雄「鮓・鮨・すし すしの事典」旭屋出版 (1990)

をヒモトイた.写真は明治 10 年に描かれた与兵衛のすし.

著者は日本橋・吉野鮨本店の三代目.ちなみに現在お店は五代目が切り盛りしている.三代目はすし研究で有名だが,昭和 30 年代のテレビドラマ「事件記者」や伊丹十三作品には俳優として登場した.

旭屋出版は食と料理の本の出版社で,月刊誌「食堂界」連載をまとめたのがこの370ページの大著.定価 4800 円とあるが,古書で 1000 円くらいで購入したと思う.

前半がすしの歴史,後半がすしダネ各論で,赤身,光もの,白身,煮物などに分類されている.

アナゴの項は2段組 18 ページと力が入っている.アナゴは日本には 20 種類はいるがすしダネはもっばらマアナゴらしい.アナゴにおける「野じめ」(水揚げ後すぐにしめること) と「活け」の違いがエピソードを交えて語らるが,野じめはねっとり,活けは粉のようなやわらかさ,なんですと.
調理法は下拵えから始まって 16 ページ.煮方には「生上げ」「白煮」「漬け込み」がある.焼きアナゴは関西から輸入されたやり方だそうだ.など...

当地ではスーパーでも生のアナゴを売っているので,そのうちこの本と首っ引きで煮てみようかな.
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絶対音感と右側頭の縮小

2015-11-11 15:55:09 | 新音律


大橋力「音と文明」岩波書店 (2003) には,「暗い陥穽 <絶対音感>」と題する節があり,この図が引用されている.絶対音感教育により右側頭が縮小する (剪定されるという言葉が使われている) という主張である.

J.P. Keenan, et al., "Absolute pitch and planum temporale" NeuroImage 14, 1402–1408 (2001)
http://www.musicianbrain.com/papers/Keenan_AP_2001.pdf

がその原論文で,図は非音楽家 (N-Mus) と絶対音感を持つ音楽家 (AP-Mus) の脳の一例.原論文では 27 人の絶対音感を持つ音楽家・22人の絶対音感を持たない音楽家・27 人の非音楽家に対する調査を表にまとめ,絶対音感を持つ音楽家の右側頭は小さいことが統計的に有意としている.

最近 Facebook を賑わせていたが,古い話題が思い出したように蒸し返されるのが SNS の特徴.放送大学「音楽・情報・脳」でこの説が紹介されのがきっからしい.
ぼく的に素朴な疑問は,たかが絶対音感教育で,脳の大きさが劇的に変わるものだろうかということ.そんなものかなぁ

上記論文8秒の 2001 年以来の発展をGoogle Scholar で辿ってみたが,

K.Schulze, et al., "Perceiving pitch absolutely: Comparing absolute and relative pitch possessors in a pitch memory task" BMC Neuroscience 2009, 10:106 doi:10.1186/1471-2202-10-106
http://www.biomedcentral.com/1471-2202/10/106

が別な角度からの研究で,絶対音感を持つ音楽家と持たない音楽家それぞれについて,脳の活性化がMRI によりダイナミックに観察されていた.
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