路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【老後のお金】:年収が低くても「老後2000万円不足しない」人たちの、ある共通点 一方、

2019-06-26 07:15:40 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【老後のお金】:年収が低くても「老後2000万円不足しない」人たちの、ある共通点 一方、老後破綻する人たちは…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【老後のお金】:年収が低くても「老後2000万円不足しない」人たちの、ある共通点 一方、老後破綻する人たちは…

 にわかに巻き起こった「老後2000万円」騒動だが、現実に老後破綻する家計は後を絶たない。かつてないほどの老後不安が蔓延している中、最も知りたいのは「わが家の家計防衛術」だろう。年金だけに頼れないのであれば、いったい我々はどうすればいいのか。このほど『まだ間に合う!50代からの老後のお金のつくり方』を上梓したファイナンシャルプランナーの深田晶恵氏によれば、老後資金が不足する人・しない人の違いはじつは年収とはそれほど関係がないと言う。老後不安に怯えずに済むための方法とは――。

 ◆老後不安大国・ニッポン

 「老後2000万円」問題が注目を集めたのには明確な理由があります。ここ日本では「老後のお金」に不安を持つ人が年々確実に増えているからです。

 私はファイナンシャルプランナー(FP)として仕事を始めて23年になります。駆け出しだった1990年代の終わり頃に受けた相談を振り返ってみると、「老後の暮らしがとても心配」という相談者は今ほど多くなかったと記憶しています。当時の定年間際の相談者の多くは、ものすごく頑張らなくても「そこそこの老後資金」が準備できていました。

 40代~50代の「老後不安」が急増したのは、5年くらい前から。2014年にNHKスペシャル『老人漂流社会〝老後破産″の現実』という番組が大きな話題を集め、2015年には『下流老人』がベストセラーになりました。以降「老後破産」「下流老人」という言葉が頻繁にメディアをにぎわせています。

〔photo〕iStock

 一般の人がこれまであまり目にすることのなかった、経済的に老後生活が立ちゆかなくなった人の「深刻な事例」を多く知ることになり、「自分は大丈夫なのだろうか」と不安を覚えるようになったのです。さらに、ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が著書『LIFE SHIFT』で提唱した「人生100年時代」が日本社会に浸透。長寿化が進む中、想定以上に長生きしたために用意した老後資金が尽きてしまう「長生きリスク」が意識されるようになったことも、老後不安が蔓延するようになった背景にあるように思えます。

 さて「老後破産」は、現実に私たちに起こりえるのでしょうか。

 ◆夫婦2人「年金180万円」で暮らせるか…

 メディアなどで深刻事例として紹介されている人たちのほとんどは、老後資金が少ないこと以外に、本人や家族の病気や介護による早期の離職など複合的な要因を抱えています。生活保護など何かしらの公的な援助がないと暮らしていけないほど困窮し、「破産」状態に陥る人は全体から見ると少ないと考えられます。

 しかし、老後に向けて何も準備をしないままリタイアすると、「破産」はせずとも「老後貧乏」になるリスクが誰にもでも大いにあります。

 しかも、今50代前後の皆さんは特に、「お金を貯めにくい環境」に置かれています。

 親世代が現役だった頃は経済が上向きで金利水準も高かったですし、子どもの教育費も今ほど負担は重くありませんでした。しかし今は、預貯金の利息は全く期待できないですし、子どもの教育費はインフレ状態です。晩婚化や晩産化で、50代どころか定年した後も教育費や住宅ローン返済に追われ、老後のお金を貯める余裕がないという世帯も増えています。

 複合的な要因により、「定年のゴールが見えてきたのにお金がない」人が急増中です。そう、老後資金が貯まっていないのは、あなただけではないのです。でも、大丈夫。今からでも、できることはまだまだあります。

〔photo〕iStock

 長年家計相談を受ける中で、「このままではまずい」と気が付くことが、貯蓄アップの最大のモチベーションになると実感しています。定年までカウントダウンが始まり、危機感を覚えているあなたは、すでに一歩踏み出しているのです。

 現在52歳の私が「このままではまずい」と気が付き、老後資金づくりについて考え始めたのは40歳のときです。お金の専門家のFPとしては、遅いほうかもしれません。

 我が家は自営業の夫と、夫の両親との4人暮らし。子どもはいません。夫婦ともに国民年金加入の自営業ですから、将来もらえる年金額は会社員を長年続けた人に比べると格段に少ないのです。「ねんきん定期便」の試算によると、65歳から受け取る年金見込み額は夫婦二人で年180万円ぐらい。40年近く会社員だった男性の年金額は年200万円前後(厚生労働省モデル)ですから、会社員一人分にも満たない額。

 もちろん可能な限り長く働くつもりですが、年金だけの収入になったとき、これだけでは暮らしていけません。

 ◆「年収」は関係がない

 さらに、です。

 会社員と違っても退職金もなし。自営業者の老後資金は自分で貯めなくてはいけない部分が多い。そこで40歳になったとき、「この調子で貯めていくと60歳までにいくら貯まっているのだろう?」と電卓をたたいてみてびっくり! 漠然とイメージしていた老後資金の目標額の半分に達しないことが分かりました。ちょっと衝撃でした。

〔photo〕iStock

 そこで改めて60歳までに貯める目標額を設定し、老後のために積み立てをスタートしました。

 何しろ自営業、毎月の売上に変動があるので、最初から毎月の積立額を多くするのは結構勇気が要ります。でも、毎月のお金の収支を確認しながら、やりくりを続けていくうちに、「もう少し積み立てができるかな」と思えるようになりました。

 もちろん売り上げが少ない月は口座残高がさみしくなり、「積み立て貧乏」を実感することも。それでも残ったお金で暮らさないといけないので、そんな月は飲みに行く回数が減りますし、無駄な買い物を控えるようになりました。

 現役時代に「積み立て優先、残ったお金で暮らす」という習慣を身に着けることは、2つのメリットがあります。一つは、確実にお金が貯まること。もう一つは、収入が大幅にダウンする年金生活に向けてのトレーニングができることなのです。

 私のところに定年退職後の生活設計の相談に来る人で「心配ない」と思えるのは、「積み立て優先、残ったお金で暮らす」習慣が身に付いている人です。決して年収の多寡ではありません。

 ◆「老後資金2000万円」はまだ間に合う

 この習慣は大きな努力や節約をせずとも身に付けることができます。

 50代からでも大丈夫。できることからぜひ、行動に移してみるべきです。

 さらに、老後資金の大切な原資である退職金や年金を有利に受け取る方法や、税制優遇制度を使いながら効率的に老後資金を増やす方法もあります。こうした知識があるとないとでは、将来もらえるお金に大きな差がつきます。

 おりしも「老後資金2000万円」問題が世に問われていますが、この機会にぜひ、「自分にとって一番お得な方法」を知っておいてください。

 これからのお金について考えることは、人生を考えること。50代以降、どんな働き方・暮らし方を選ぶかによって、「老後に必要なお金」も「必要な老後資金」の額も変わってきます。

 いま40代後半から50代前半の人はまだ間に合います。漠然とした「老後不安」を払拭し、50代からの人生を前向きに生きるためのマネープラン作りを考えるべきなのです。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 経済・企業 【担当:深田 晶恵 (株)生活設計塾クルー取締役 ファイナンシャルプランナー】  2019年06月25日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【参院選岐路】:参院選 事実上スタート 憲法、年金など争点に

2019-06-26 07:02:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選岐路】:参院選 事実上スタート 憲法、年金など争点に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選岐路】:参院選 事実上スタート 憲法、年金など争点に 

 国会は二十六日に閉会し、参院選の公示を前に、選挙戦が事実上、スタートする。衆院は二十五日の本会議で、立憲民主など野党五党派が共同提出した安倍内閣不信任決議案を自民、公明の与党と日本維新の会などの反対多数で否決した。安倍晋三首相は衆院解散を見送る。参院選は七月四日公示、二十一日投開票となる見通し。 (横山大輔)

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 首相は二十六日午後、官邸で記者会見を行う。衆参同日選を見送る理由や参院選への決意を表明するとみられる。政府はこれに先立ち臨時閣議を開き、参院選の日程を正式決定する。

 参院選では、首相が目指す改憲、安倍政権の経済政策の是非に加え、老後二千万円不足問題で不安が広がる公的年金制度のあり方などを主要争点に与野党が論戦をかわす。憲法、くらしと年金、外交、原発・エネルギーに加え、安倍政権の政治姿勢など、政権の六年半が問われる。

 首相は二〇二〇年の新憲法施行を目指している。自民、公明の与党に加え、維新や改憲に前向きな諸派・無所属議員を加えた「改憲勢力」が、改憲発議に必要な三分の二の議席を維持できるかが最大の焦点となる。

 内閣不信任決議案を巡る本会議での趣旨弁明で、立民の枝野幸男代表は「安倍内閣が議会制民主主義を根底から破壊している現状を見過ごすことは到底できない」として、首相の政治姿勢を批判した。自民党は、外交や経済で実績を上げていると反論した。(東京新聞)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・選挙・夏の参院選】  2019年06月26日  07:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【論戦ファクトチェック】:年金積立金 「運用益民主の10倍」首相説明

2019-06-26 06:18:50 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【論戦ファクトチェック】:年金積立金 「運用益民主の10倍」首相説明

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【論戦ファクトチェック】:年金積立金 「運用益民主の10倍」首相説明 

 安倍晋三首相は先週の党首討論で、年金財源の一つである年金積立金について、安倍政権での運用益は約四十四兆円に上り「民主党政権時代の約十倍」だと強調した。しかし、首相安倍政権民主党政権違う計算方法比較した結果民主党運用益は少なくなっており、安倍政権実績を「誇張」したといえる。

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 第二次安倍政権は二〇一二年十二月二十六日に発足した。一三年一月から一八年十二月までの運用益は約三十九兆円。首相が言及した四十四兆円の運用益には、一二年末の民主党政権から第二次安倍政権への交代期を含む一二年十~十二月の四半期の収益約五兆円が含まれる。首相の政権担当期間は数日にすぎないが、安倍政権の実績に算入した。

 国民年金や厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、四半期ごとに株式投資などの運用実績を公表している。

 安倍政権同様、政権交代があった四半期の収益を運用益の合計に算入する方法で計算すれば、民主党時代の運用益は約十兆円となる。〇九年七~九月期の約一兆円、一二年十~十二月期の約五兆円が加算されるからだ。安倍政権との収益の差は四倍程度になる。しかし、首相は民主党政権の運用益だけは、政権交代期の計約六兆円を除き、約四兆円と算定したようだ。

 首相は十九日の党首討論で運用実績を誇る一方、不都合な事実には言及しなかった。

 GPIFが直近の今年二月に発表した一八年十~十二月期は約十四兆八千億円の損失で、四半期の損失額としては過去最大だった。会計検査院は今年四月に積立金の運用状況について調査結果を公表。GPIFが一四年十月、運用先に占める株式投資の割合を24%から50%に増やしたことに伴う危険性の増大を指摘し「収益が減少するリスクについて国民に丁寧に説明を行っていく必要がある」と促した。

 GPIFによる株式投資の拡大は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」と歩調を合わせるものだ。運用リスクに関する「丁寧な説明」は、首相にも求められる。 (新開浩)

                          ◇ 

 七月二十一日投開票が想定される参院選に向けて、各党党首や幹部が論戦を繰り広げる。随時、ファクトチェック(事実確認)する。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・国会・年金財源の一つである年金積立金・選挙・夏の参院選】  2019年06月25日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(4)沖縄 民意無視、建設続く

2019-06-26 06:18:40 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(4)沖縄 民意無視、建設続く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(4)沖縄 民意無視、建設続く 

 第二次安倍政権以降の六年半、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設に伴う名護市辺野古(へのこ)での新基地建設を巡っては、選挙で示される新基地反対の民意を無視して、政府が建設を進める構図が続いてきた。

 沖縄では二〇一四年十一月の知事選で、新基地阻止を掲げた翁長雄志(おながたけし)氏が当選。同年十二月の衆院選では、県内四小選挙区で新基地反対の候補が勝利した。一八年九月の知事選も、新基地に反対する玉城(たまき)デニー氏が当選。今年二月には二十三年ぶりの県民投票が行われ、投票者の72・15%が辺野古埋め立てに反対した。

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 安倍晋三首相はその都度、「選挙結果は真摯(しんし)に受け止めたい」と国会答弁したが、計画を見直すことなく、土砂の投入などを進めてきた。

 首相が理由としたのは、普天間飛行場周辺の危険をなくすという意味での「基地負担軽減」。そのためには辺野古での新基地建設が「唯一の解決策」という理屈だ。二十三日の沖縄全戦没者追悼式でも、首相は「基地負担の軽減に向けて、確実に結果を出していく」と強調した。しかし、地元にとって新基地は負担以外の何物でもない。

 首相は、普天間飛行場の空中給油機部隊が山口県岩国市に移駐し、北部訓練場(国頭村(くにがみそん)など)の約半分が返還されるなど、負担軽減の実績も強調してきた。二十三日の追悼式では、一五年に返還された西普天間住宅地区(宜野湾市)跡地に触れ「基地の跡地が生まれ変わる成功例」を目指して「取り組みを加速する」と話した。国際医療拠点の整備計画が進んでいる。

 一方で、沖縄では新たな基地負担も生じている。東村(ひがしそん)高江ではヘリコプター離着陸帯が集落を囲むように新設され、輸送機オスプレイが頻繁に訓練を実施。一七年十二月には普天間飛行場周辺の小学校や保育園に米軍機の部品が落下した。

 米軍機による騒音問題も改善の兆しはない。今年五月、普天間飛行場近くの住宅街で県の観測史上最大となる一二四・五デシベルを記録。近くに落雷したのと同程度の騒音とされる。原因は、最新鋭ステルス戦闘機F35Bの飛来。夜間や早朝の飛行を制限する日米の騒音防止協定も形骸化している。

 一方、沖縄振興予算については、一三年末に当時の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が辺野古埋め立てを承認したことを受け、首相は一四年一月の参院本会議で「二一年度まで毎年三千億円台の予算を確保する」と約束した。一四年度は直近十年で最多となる三千五百億円超が配分され、現在まで三千億円台は保たれている。

 ただ、一四年知事選で新基地に反対する県政に代わった後は減額されることが多く、一八、一九両年度は三千十億円にまで減った。

 政府は、新基地予定地の周辺地区「久辺(くべ)三区」に対し、名護市の頭越しで直接補助金を交付したことも。新基地推進のために予算措置も駆使する姿勢が鮮明だ。 (山口哲人)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【特集・ファクトチェック 安倍政治の6年半】  2019年06月24日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(3)森友・加計問題 ゆがむ「政」と「官」 忖度の疑念

2019-06-26 06:18:30 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(3)森友・加計問題 ゆがむ「政」と「官」 忖度の疑念 消えないまま

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(3)森友・加計問題 ゆがむ「政」と「官」 忖度の疑念 消えないまま 

 公平公正であるべき行政がねじ曲げられ、安倍晋三首相に近い人に特別な便宜が図られたのではないか-。第二次安倍政権発足後の六年半を振り返り、見過ごせない特徴は、「忖度(そんたく)」という言葉に象徴される政と官のゆがんだ関係だ。

 「私や妻が認可あるいは国有地払い下げに、事務所も含めて一切かかわっていないことは明確にさせていただきたい」。二〇一七年二月の衆院予算委員会で首相は、学校法人「森友学園」に国有地が大幅に値引きされて売却された問題について、自身や妻昭恵氏の関与を強く否定した。

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 この問題では、学園が開校予定だった小学校の名誉校長に昭恵氏が就いていたことなどを官僚が忖度したという疑念がくすぶる。

 学園理事長だった籠池泰典被告が一五年十一月、国有地賃貸で優遇を受けられないか昭恵氏に相談し、昭恵氏付き政府職員だった谷査恵子氏が財務省理財局に照会していたことが、同省が公開した文書などで判明。首相は「(理財局は)ゼロ回答。忖度してないのは明らかだ」と国会答弁したが、昭恵氏の存在が国有地を巡る交渉に影響した可能性は低くない。

 籠池被告は当初、国有地を八年間借りた後に買い取ることを目指した。財務省近畿財務局との交渉は難航したが、昭恵氏が学園の幼稚園を視察し、籠池被告と一緒に写った写真が示されると、売却を前提とした交渉が進んだ。一六年六月、地中のごみ撤去費として約八億円を値引きして国有地が売却された。

 籠池被告は「神風が吹いた」と表現したが、「安倍一強」と言われる長期政権下で、官僚が権力者に近いと思われる人を優遇した疑いは消えない。公文書改ざんに関わった職員が命まで絶っている。

 また、首相が「腹心の友」と呼ぶ加計(かけ)孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設を巡っても、「加計ありき」で国家戦略特区の選定が進んだ疑いが解消されていない。業者による供応などを禁じた大臣規範があるにもかかわらず、首相と加計氏はゴルフや会食を繰り返してきた。一五年六月に愛媛県と同県今治市が国家戦略特区での獣医学部新設を国に提案した後も続けている。首相が学園の獣医学部新設の意向をいつ知ったのかが焦点となった。

 首相は一七年七月の衆院予算委で「(加計学園による特区への)申請を知ったのは一月二十日の特区諮問会議」と答弁。しかし、首相は同年六月の参院予算委などで「(国家戦略特区の前の)構造改革特区で申請されたことは承知していた」と答えていた。矛盾だと追及された首相は「整理が不十分で混乱していた」と陳謝し、答弁を修正した。

 その後も、首相と麻生太郎副総理の地元を結ぶ道路整備を巡り、当時の国土交通副大臣が「忖度した」と発言して事実上更迭されるなど、政権の体質を疑わせる問題が続く。だが、その場しのぎにも映る首相の説明から危機意識は感じられない。 (望月衣塑子)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【特集・ファクトチェック 安倍政治の6年半】  2019年06月23日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(2)経済 GDP・勤労統計・求人倍率…

2019-06-26 06:18:20 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(2)経済 GDP・勤労統計・求人倍率… 「成果」実情触れず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(2)経済 GDP・勤労統計・求人倍率… 「成果」実情触れず 

 安倍政権が六年半、経済政策で最も重視してきたのは、「成果」の見せ方だ。さまざまな解釈や表現を駆使し、いかに経済成長を実現したかを国民に印象付けることに腐心してきた。

 「しっかりと経済を成長させている」。安倍晋三首相は十九日の党首討論で、立憲民主党の枝野幸男代表に向けこう強調した。民主党政権時代の国内総生産(GDP)の実質成長率が安倍政権を上回っていたと訴えた枝野氏に対し、「一点だけ申し上げる」と強く反論した。

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 枝野氏は物価変動の影響を除いた実質成長率を「経済の総合成績」と主張した一方、安倍首相は変動分を含んだ名目成長率を前提にした。どの指標を扱うか。解釈一つで、アベノミクスの代表的な「成果」とされるGDPでさえも評価が大きく変わる。両者の主張がかみ合わなかったのは、「物差し」の違いが大きい。

 政権が「名目GDP六百兆円」を目標に掲げたのは二〇一五年。首相は同年十一月、「二〇年ごろに十分達成できる」と宣言した。一五年度の実額は当初、五百兆円程度にとどまり、専門家から「不可能」との意見が相次いだ。しかし、その後に数値は急伸。一八年度には五百五十兆円まで伸ばした。

 伸長のからくりは、GDPの計算方法の変更だった。目標を掲げた後の一六年十二月に計算法を変え、一五年度は基準変更前と比べGDPを三十兆円以上伸ばした。「後出しじゃんけん」との批判も招いたが、一連の事象を首相が率先して説明する姿はみられない。

 首相がアベノミクスの成果を誇る際、紹介した数字の裏側にある実情を丁寧に説明しない場面が多くみられる。賃金の伸びは春闘の実績を使い、基幹統計として重要性が高い「毎月勤労統計」の結果には触れず。勤労統計の一八年実績が、政府の不正や算出方法の変更により、かさ上げされていることも背景にある。

 頻繁に取り上げる雇用の改善でも説明不足の構図は同じだ。今国会でも「有効求人倍率は史上初めて全都道府県で一倍を超えた」と繰り返す首相。この数字は事実だが、団塊世代の一斉退職や生産年齢人口の減少という特殊要因には触れず、増えた雇用は高齢者ら短時間労働者が多いという中身は語らない。

 看板に掲げた金融政策「異次元緩和」でも、その理由と結果を十分に説明したとは言い難い。当時、首相はデフレの原因は金融緩和の不足にあるとして、任命した日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁による「二年で物価上昇率2%」に強くこだわった。

 それが六年かけても達成できず、地方銀行の経営悪化など副作用が相次ぐと発言は一変。今月の国会では「2%は一応目的だが、本当の目的は雇用」と転じた。 (渥美龍太)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 経済 【特集・ファクトチェック 安倍政治の6年半】  2019年06月22日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(1)憲法 要件緩和、教育充実… 変わる改憲項目

2019-06-26 06:18:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(1)憲法 要件緩和、教育充実… 変わる改憲項目

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック 安倍政治の6年半】:(1)憲法 要件緩和、教育充実… 変わる改憲項目 

 7月21日投開票が有力視される参院選まで1カ月。安倍晋三首相の政治姿勢も、有権者にとって重要な判断材料だ。第2次安倍政権以降、6年半にわたる首相の発言をファクトチェック(事実確認)する。 (清水俊介)

 「自衛隊に対する、自治体の非協力な対応がある。例えば自衛官の募集。六割以上の自治体から所要の協力が得られていない」

 今年一月の衆院本会議。首相は、自衛隊は災害派遣で自治体を助けているのに冷たい扱いを受けているとして、「終止符を打つためにも、自衛隊の存在を憲法に位置づけることが必要」と訴えた。

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 だが、首相の言葉は正確とは言い難い。

 防衛省によると、二〇一七年度、全国千七百四十一市区町村のうち、自衛官適齢者の名簿を作って自衛隊に提出した自治体は36%。一方で、適齢者名簿や住民基本台帳の閲覧・書き写しを自衛隊に認めた自治体も計54%あった。完全拒否したのは1%に満たない。

 ほかにも首相は、自衛隊を明記する必要性を訴えようと、あらゆる理由を総動員してきたが、額面通り受け取れないことが多い。

 有名なのは、自衛官の子どもが「お父さん、憲法違反なの」と涙ながらに尋ねたというエピソード。首相は一七年十月の民放番組で「(自衛官から)直接聞いた」と説明したが、野党は国会で「実話なのか」と追及。首相は一九年二月の衆院予算委員会で「防衛省担当の首相秘書官を通じて伺った」と言い直した。

 首相は「(実話と証明する)資料を出せというのなら出させていただく」とたんかも切ったが、結局、資料は出てこなかった。

 そもそも首相は、二〇年の新憲法施行を目指すとして期限を切る一方、憲法のどこを見直すかという肝心な点で主張を変えてきた。

 一二年末に第二次安倍政権が発足した当初は、衆参両院で三分の二以上の賛成が必要とする改憲要件を緩和する九六条改憲を目標に。ルールを変えるやり方に「裏口入学」と批判が高まり、棚上げした。

 自民党も、現行憲法は世界的に見ても改正しにくいと訴えたが、海外の憲法に詳しい憲法学者は、議会の承認が必要な各国憲法のおよそ四分の三は「三分の二」が改憲要件と指摘する。

 首相はその後、自衛隊明記のほか、教育充実のための改憲も強く主張。改憲で日本維新の会の協力を得るためとみられている。

 二年前の施政方針演説で首相は、江戸時代に土佐藩が、江戸から持ち帰ったハマグリを食べずに放流した結果「今も大きな恵みをもたらしている」として、子孫のための憲法論議を訴えた。演説当時、高知県のハマグリ漁獲量はピーク時の4%弱にすぎず、「大きな恵み」は誇張と言える。

 在任中に自らの手で改憲を成し遂げる意欲が先走り、内容は二の次。首相の改憲論からは哲学が見えてこない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【特集・ファクトチェック 安倍政治の6年半】  2019年06月21日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【「消された」報告書を読む】:(下)「自助の充実」指摘 投資促進は政権の方針

2019-06-26 06:17:30 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【「消された」報告書を読む】:(下)「自助の充実」指摘 投資促進は政権の方針

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【「消された」報告書を読む】:(下)「自助の充実」指摘 投資促進は政権の方針 

 年金制度への不安を招いたと批判され、事実上の撤回に追い込まれた金融審議会「市場ワーキング・グループ(WG)」の報告書が提起したのは、「人生百年時代」とも呼ばれる長寿化の進展を踏まえて自らの資産を計画的に運用・管理する重要性だ。「貯蓄から投資へ」の流れを促したい安倍政権の方針とも合致する。

 本文の結びには、こんな記述がある。「寿命が延び活動し続けるということは、それだけお金がかかるということ」

 WGは「お金」を巡る現状や見通しについて、公的年金の給付水準が下がっていくとみられることや、企業の退職金が減っていることなどを指摘。一人一人が早い段階で資産運用を始める「自助の充実」の必要性を説き、政府には投資優遇税制の拡大を求めた。

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 記述が投資に偏っているのは、麻生太郎金融担当相からの諮問事項が「家計の安定的な資産形成」だったことによる。報告書が「三十年で約二千万円の(資産)取り崩しが必要」とした公的年金に関する記述は、「老後の生活で足らざる部分」として提示したデータにすぎない。

 その報告書が年金制度の持続性を否定していると受け取られると、政府・与党内からは「政策議論の材料として取り上げるには値しない」(自民党の岸田文雄政調会長)などと批判が相次いだ。だが、盛り込まれた内容に安倍政権の方針との目立った齟齬(そご)はない。

 投資促進では、二〇一四年から少額投資非課税制度(NISA)を導入し、その後も未成年向けの「ジュニアNISA」、少額・長期の「つみたてNISA」を創設したことを紹介。「今後より一層の制度周知」の必要性を訴えている。

 背景には「極端に現預金に偏っている」(麻生氏)個人金融資産をはき出させ、経済活性化を図りたい狙いがある。実際、安倍政権の一六年の経済対策では「家計の『貯蓄から資産形成へ』という流れを政策的に後押し」と明記している。

 公的年金に関しても、報告書は「老後の収入の柱」だと説明しており、菅義偉(すがよしひで)官房長官が「老後の生活設計の基本であるという、これまでの政策スタンスと異なる」と述べるほどの食い違いはない。

 与野党とも「赤字」と表現された毎月の収支差を問題視しているが、安倍晋三首相は一八年二月の衆院予算委員会で「基礎年金だけで全て必要なものを賄うことは難しい。蓄えを含め、万全な老後が可能となるよう努力していきたい」と答弁。政府として、年金で生活費を全額カバーすることを想定していないと認めている。 (生島章弘)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・社会保障制度・年金】  2019年06月17日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【「消された」報告書を読む】:(中)年金給付水準「調整」 実質は「低下」表現修正

2019-06-26 06:17:20 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【「消された」報告書を読む】:(中)年金給付水準「調整」 実質は「低下」表現修正

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【「消された」報告書を読む】:(中)年金給付水準「調整」 実質は「低下」表現修正 

 老後に公的年金以外で二千万円の蓄えが必要と試算した金融庁金融審議会の報告書は、将来の公的年金の給付水準について「今後調整されていくことが見込まれている」と記した。先月二十二日に示された当初の報告書案には、給付水準について「中長期的に実質的な低下が見込まれている」と「低下」の文字があったが、最終的に「調整」に修正した。

 「調整」とは、現役世代が支払う保険料の上限を定め、現役世代人口の減少や平均余命の伸びに応じ給付水準を徐々に引き下げる「マクロ経済スライド」という仕組みを指す。年金制度を維持するための仕組みだ。

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 厚生労働省が二〇一四年に公表した年金の財政検証では、この「調整」の結果、年金給付水準は約三十年後の四三年度まで下がり続ける見通しを示した。

 財政検証によると、現役世代の平均手取り収入に対し、夫婦で受け取ることができる年金額の割合を示す「所得代替率」は、一四年度に62・7%だったが、その後は二〇年度が59・3%、四〇年度が51・8%、四三年度の50・6%まで低下することを示した。

 修正前の報告書案に記された「実質的な低下」という表現は、こうした試算に合致する内容だ。

 当初の報告書案には、この他にも年金の給付水準を巡り「今までと同等だと期待することは難しい」「今後は公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある」などの厳しい表現が並んでいた。

 みずほ証券の末広徹氏は、報告書の表現が当初案から変更されたことについて「国民が萎縮しないようバランスを考えて調整したと思うが、給付水準が実質的に低下するとの見通しは厚労省の財政検証の結果なので、ストレートに伝えるべきだった」と指摘する。

 また末広氏は、年金財政の負担と給付に関する正面からの議論を、政府が避けようとする傾向について「今回もうやむやにして先送りすれば、次に年金問題が注目された時は、この程度のショックでは済まないだろう」と懸念する。 (坂田奈央) 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・社会保障制度・年金】  2019年06月16日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【「消された」報告書を読む】:(上)老後2000万円 要介護なら1000万円追加

2019-06-26 06:17:10 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【「消された」報告書を読む】:(上)老後2000万円 要介護なら1000万円追加

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【「消された」報告書を読む】:(上)老後2000万円 要介護なら1000万円追加 

 金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループ(WG)が今月三日公表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」。そこで示された「老後に二千万円の蓄えが必要」との試算は、どうはじき出されたのか。

 根拠となったのは、総務省の二〇一七年家計調査にある夫六十五歳以上、妻六十歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な収支。提示したのは公的年金制度を所管する厚生労働省だ。

 厚労省は、年金など社会保障給付が中心の収入と、食料、住居、医療などへの支出に月約五万五千円の差額があることをWGに資料で示した。報告書はこの差額を「赤字」とみなした。一年で六十六万円、三十年なら千九百八十万円になる。この単純なかけ算を基に、老後に預貯金などの金融資産が二千万円程度必要になると導き出した。 

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 必要な蓄えは、これだけでは済まない。報告書は、介護が必要になった場合などの費用の平均額を「二千万円」の試算に含めなかったと明記している。

 報告書の参考資料では、高齢者が要介護になった場合の費用が最大一千万円と紹介。ほかにも住宅のバリアフリー化などに伴うリフォーム費用は約四百六十五万円、亡くなった時の葬儀費用は約百九十五万七千円と見積もっている。

 四月のWGの議論でも、民間委員から、年金給付水準の将来的な低下を踏まえると「月々の赤字は十万円ぐらいになるのではないか」との見方が出ていた。

 報告書をきっかけに、老後の生活資金不足と年金制度への不安が表面化した。国民の関心は一気に高まる中、政府は正面からの議論を避けている。

 安倍晋三首相は二千万円の試算を「不正確であり、誤解を与えるものだった」と主張。麻生太郎副総理兼金融担当相は、報告書の受け取りを拒否した。「これまでの政府の政策スタンスと異なる」とする。だが、そもそも月約五万五千円の差額は、厚労省が以前から示していた。麻生氏の説明とは矛盾する。

 法政大の小黒一正教授(公共経済学)は「報告書で示された問題意識に誤りはない。政府は、厳しい現実を直視した上で、今後の社会保障制度をどう設計していくかを議論すべきだ」と指摘する。 (中根政人)

     ◇

 「老後二千万円」を盛り込んだ報告書を、安倍政権は参院選に不利な材料として、存在すらしないものにしようと躍起だ。政権によって消された報告書が投げかけたものは何なのか。三回連載で読み解く。報告書の全文は金融庁ホームページに掲載されている。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・社会保障制度・年金】  2019年06月15日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【参院選岐路】:参院選 事実上スタート 憲法、年金など争点に

2019-06-26 06:15:56 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選岐路】:参院選 事実上スタート 憲法、年金など争点に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選岐路】:参院選 事実上スタート 憲法、年金など争点に 

 国会は二十六日に閉会し、参院選の公示を前に、選挙戦が事実上、スタートする。衆院は二十五日の本会議で、立憲民主など野党五党派が共同提出した安倍内閣不信任決議案を自民、公明の与党と日本維新の会などの反対多数で否決した。安倍晋三首相は衆院解散を見送る。参院選は七月四日公示、二十一日投開票となる見通し。 (横山大輔)

 首相は二十六日午後、官邸で記者会見を行う。衆参同日選を見送る理由や参院選への決意を表明するとみられる。政府はこれに先立ち臨時閣議を開き、参院選の日程を正式決定する。

 参院選では、首相が目指す改憲、安倍政権の経済政策の是非に加え、老後二千万円不足問題で不安が広がる公的年金制度のあり方などを主要争点に与野党が論戦をかわす。憲法、くらしと年金、外交、原発・エネルギーに加え、安倍政権の政治姿勢など、政権の六年半が問われる。

 首相は二〇二〇年の新憲法施行を目指している。自民、公明の与党に加え、維新や改憲に前向きな諸派・無所属議員を加えた「改憲勢力」が、改憲発議に必要な三分の二の議席を維持できるかが最大の焦点となる。

 内閣不信任決議案を巡る本会議での趣旨弁明で、立民の枝野幸男代表は「安倍内閣が議会制民主主義を根底から破壊している現状を見過ごすことは到底できない」として、首相の政治姿勢を批判した。自民党は、外交や経済で実績を上げていると反論した。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・選挙・夏の参院選】  2019年06月26日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【参院選】:安倍政治 継続か見直しか

2019-06-26 06:15:52 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選】:安倍政治 継続か見直しか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:安倍政治 継続か見直しか 

 <解説> 

 安倍政治の継続を認めるのか、見直しを求めるのか。有権者にとって参院選はそれを決める機会だ。

 二〇一二年末の第二次安倍政権発足後、六年半で日本は大きく変わった。憲法解釈の変更と安全保障関連法の施行で、自衛隊は他国を武力で守る集団的自衛権の行使が可能となり、世界中のどこでも米軍を後方支援できるようになった。

 大企業の業績は好調だが、非正規労働者は増えて、貧富の格差は拡大した。子どもの貧困問題も根強く残っている。

 東京電力福島第一原発事故は収束していないのに、原発は次々と再稼働している。再生可能エネルギーなど、代替エネルギーへの転換は大きな課題となっている。

 森友・加計(かけ)問題などの疑惑や不祥事に対して、安倍政権が説明を尽くしているとは言い難い。

 第二次安倍政権発足後、衆院選と参院選は二回ずつ行われた。首相はいずれの選挙にも勝利し、衆参両院で握る多数の議席を背景に、安保法や特定秘密保護法、「共謀罪」法などを次々と成立させてきた。

 参院選は衆院選と違って、政権選択選挙ではない。安倍政権が進めてきた政策や政治姿勢が問われる。与党が勝利すれば安倍路線は継続し、加速するかもしれない。逆に負ければ歯止めとなる。日本はいま岐路に立つ。 (城島建治)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・選挙・夏の参院選】  2019年06月26日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【菅官房長官】:「全くない 米に確認」 日米安保破棄言及

2019-06-26 06:15:48 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【菅官房長官】:「全くない 米に確認」 日米安保破棄言及

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅官房長官】:「全くない 米に確認」 日米安保破棄言及 

 トランプ米大統領が日米安全保障条約の破棄に言及したとの報道に関し、菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十五日の記者会見で、米ホワイトハウスに事実ではないと確認したと明らかにした。

 菅氏は「報道にあるような話は全くない。米大統領府から『米政府の立場と相いれないものである』と確認した」と指摘。「日米安保条約に基づく日米安保体制は、日米同盟関係の中核をなすものだ」と強調した。

 防衛省の青柳肇報道官は記者会見で、トランプ氏が日米安保条約の片務性に不満を持っていることに対し、条約が米軍に日本施設の使用を認めていることなどから「条約全体としてみれば義務のバランスはとられており、片務的ではない」との認識を示した。

 同省幹部は「日本が世界で最も効率的に基地負担をしている。トランプ氏も理解しているはずで、安保条約破棄などあり得ない」と話した。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・外交・北米・トランプ政権、日米安全保障条約の破棄に言及したとの報道】  2019年06月26日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【後半国会】:論戦の場なく 予算委3月以降ゼロ 野党の法案審議応じず

2019-06-26 06:15:44 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【後半国会】:論戦の場なく 予算委3月以降ゼロ 野党の法案審議応じず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【後半国会】:論戦の場なく 予算委3月以降ゼロ 野党の法案審議応じず 

 百五十日の会期が二十六日で最終日となる通常国会は、二〇一九年度予算の成立以降、衆参両院の予算委員会などを舞台とした論戦がほとんどないまま幕を閉じる。政府・与党が夏の参院選への悪影響を恐れて、安倍晋三首相や閣僚が追及を受ける場面をなくし、野党に活躍の場を極力与えない戦術に徹したからだ。 (川田篤志、木谷孝洋)

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 今国会の政府提出法案は五十七本。第二次安倍政権になってからの一三年以降の通常国会での平均七十本を大きく下回った。成立したのは、親による子どもへの体罰禁止などを盛り込んだ改正児童虐待防止法と改正児童福祉法、幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法など五十四本。成立率は94・7%と例年並みで、自民党の二階俊博幹事長は二十五日、記者団に「立派な国会だった」と強調した。

 だが、予算のほかに国政のさまざまな課題なども議論する場となる予算委は、衆院で三月一日、参院で同二十七日に予算案を採決して以降、論戦となる審議は一度も行われなかった。後半国会では、閣僚らによる相次ぐ失言や「老後資金二千万円問題」などがあり、野党は首相と関係閣僚が出席する集中審議の開催を何度も求めた。にもかかわらず、与党は「予算委は予算を審議する場だ」として拒み続けた。

 立憲民主党など野党は、原発ゼロ基本法案や安全保障関連法の廃止法案、「共謀罪」法の廃止法案など、安倍政権との対立軸となる法案の審議も求めたが、与党は応じなかった。

 一方、首相が改憲に向け与野党の議論を促している衆参両院の憲法審査会は、与党が野党に開催を強く求めた。結果は、国民投票を巡るCM規制に関する参考人質疑が衆院で一度行われたのみ。自民党が昨年まとめた改憲条文案は議題とならなかった。政府・与党はここでも野党との対決が激化する構図を避けた。

 政府・与党は、慎重な国会運営に徹することには成功したとはいえ、参院選では年金や原発、憲法が立民など野党との対立軸となるのは確実。主要争点として激しい論戦になるのは避けられない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・国会】  2019年06月26日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【社説①】:国会きょう閉会 「言論の府」たり得たか

2019-06-26 06:10:57 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説①】:国会きょう閉会 「言論の府」たり得たか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:国会きょう閉会 「言論の府」たり得たか 

 通常国会がきょう閉会する。内政・外交にわたり課題は山積だが、議論はとても十分とは言えない。「言論の府」たり得たか、各議員の自省が必要だ。

 一月二十八日に召集された通常国会はきょう、百五十日間の会期を終えて閉会する。

 二〇一九年度予算は三月に成立し、四月の統一地方選後は、国会で激しい舌戦が展開されることがほとんどなかった。

 政府が与野党対決法案の提出を控えるなど、法案を絞り込んだことも要因だ。安倍晋三首相の内閣とそれを支える与党としては、七月に予定される参院選をにらみ、野党に付け入る隙を与えない「安全運転」に徹したのだろう。

 ◆「安全運転」徹する与党

 一時取り沙汰された衆院解散による衆参同日選挙は見送られ、与野党攻防の舞台は、七月の参院選に移る。選挙戦を通じて、有権者の選択に資する建設的な政策論争を政党間、候補者間で展開すべきは当然である。

 同時に、この通常国会が、憲法で国権の最高機関、唯一の立法機関と定められた「言論の府」にふさわしい場であったのか、あらためて検証する必要がある。

 振り返るとこの国会は、統計不正問題で幕を開けた。

 厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査問題が発端だが、発覚を機に調べ直したところ、政府の五十六基幹統計のうち二十三で不適切な処理が発覚した。

 政府の統計は政策立案、遂行の基礎となる資料だ。誤りがあれば政策の間違いを犯しかねない。

 なぜ、そのような不正が起きたのか、どうしたら再発を防げるのか。政府任せにせず、原因を徹底的に究明し、具体的な再発防止策を議論するのは、国政の調査や行政監視の機能を託された国会の役目のはずだ。

 ◆政府の不正切り込まず

 しかし、国会がその期待に応えたとは言い難い。その責任は主として与党側にある。

 野党側の要求を受け、衆院予算委員会は二月、厚労省の統計担当者を参考人として招致したが、与党側は当初、招致を拒み、委員会では参考人に質問しなかった。

 その後も、国会として原因の解明と再発防止策の検討に努めたとは言い難く、厚労省自身による再調査結果の報告により、政府側の幕引きを許した形となっている。

 第一党の党首を首相に選び、与党議員らが内閣を構成する議院内閣制とはいえ、与党はなぜ、国会で徹底的に議論し、政府の不正に切り込もうとしないのか。行政監視は野党のみならず、与党にとっても重要な役割のはずだ。

 与党が議論を避ける傾向は、統計不正にとどまらない。

 国会論戦の主舞台でもある予算委員会は、一九年度予算が成立した三月以降、衆参両院で開かれていない。異例の事態である。

 特に参院では、委員の三分の一以上の要求がある場合には、委員会を開かなければならない、と規則で定められているにもかかわらず、与党は開催を拒んだ。これでは国会の行政監視機能は十分に果たせないのではないか。

 国会後半には、政府に実態や方針をただし、議論すべき問題が積み重なった。

 例えば外交では、トランプ米大統領が八月の決着に言及した日米貿易交渉や、首相が前提条件を付けずに首脳会談実現を目指すと述べた北朝鮮問題、北方領土を巡る日ロ交渉の現状や首相のイラン訪問である。

 内政では国会終盤、老後二千万円が不足するとした金融庁の審議会報告書をきっかけに年金を巡る不安や疑問が一気に広がった。

 参院選への影響を避けたい安倍内閣は、麻生太郎財務相が報告書の受け取りを拒むという奇策で、国会での議論封じを図った。

 将来の年金支給額の指針となる五年ごとの「年金の財政検証」はこれまで遅くとも六月までに提出されていたが、国会での追及を避けるためだろうか、今年はいまだに提出されていない。

 このような政府の不誠実な態度は、与野党を問わず、国会として許すべきではない。言論の府である国会が議論を十分にしようとせず、閉会するとは何事か。

 ◆民主主義再生のために

 国会議員は国民に代わって政府に質問し、国政を調査、監視するのが仕事のはずなのに、その機会を放棄しては国民代表としての役割を果たしているとは言い難い。

 そればかりか、国会が機能しなければ権力は腐敗し、悪政がはびこりかねない。日本の民主主義が瀬戸際に立つという危機意識が、今の国会議員にあるのだろうか。

 国会はもはや、私たち国民が看過できる状況ではなくなった。その危機意識を持ち、私たちと共有できる議員を、参院選では選びたい。民主主義を再生するために。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月26日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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