路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【HUNTER】:自民党県議に公選法違反の疑い 選挙区内に大量の当選御礼はがき

2019-06-07 09:20:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER】:自民党県議に公選法違反の疑い 選挙区内に大量の当選御礼はがき

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:自民党県議に公選法違反の疑い 選挙区内に大量の当選御礼はがき 

 先月7日に投開票された福岡県議会議員選挙で、春日市選挙区から立候補して3期目の当選を果たした自民党の中牟田伸二県議会議員が、選挙区内の有権者に「当選御礼」にあたる内容の“はがき”を大量に送付していたことが分かった。
 公職選挙法は、選挙後に政治家が有権者に対し、当選または落選に関してのあいさつをする目的で文書図画を頒布・掲示することを禁じており、中牟田議員が同法違反に問われる可能性もある。

001.jpg

 ■県選管「文面的には公選法が禁じる内容」
 問題のはがきは4月20日前後、中牟田議員と夫人の連名で、春日市内の有権者などに送付されていた(下がはがきの現物)。3回目の当選を果たしたことに感謝する内容で、いわゆる“当選御礼”。手書きの郵便物に見えるが、印刷またはコピーされ一定量を作成したものとみられている。

DSC05949.JPG

 春日市内を取材したところ、同じデザインのはがきを受け取った有権者が複数。中には、「中牟田さんは知っているが、お付き合いはない」という人もいた。

 公職選挙法は、選挙期日後のあいさつ行為を制限しており《何人も、選挙の期日後において、当選又は落選に関し、選挙人に挨拶する目的をもって次に掲げる行為をすることができない》と規定。自筆の信書やインターネット等を利用する方法以外で、当落の挨拶を目的とする文書図画を頒布し又は掲示することを禁じており、違反した者は、30万円以下の罰金となる。

 9日、中牟田氏の事務所に事実関係の確認を求めたところ、担当者は「後援会の人たちに(はがきを)出したのは確か」と明言。発送枚数が数百枚単位か数千枚単位かについては、答えていない。中牟田氏本人への取材を申し入れたが、出稿までに連絡はなかった。

 ハガキの写しを確認した福岡県選挙管理委員会は、「文面的には公選法が禁じる内容とみなされる可能性がある」と話している。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年05月10日  08:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【講談社BOOK倶楽部】:【著書紹介】:「宝島」 著者:真藤 順丈

2019-06-07 08:10:50 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・沖縄防衛局・普天間移設・オスプレー・米兵犯罪】

【講談社BOOK倶楽部】:【著書紹介】:「宝島」 著者:真藤 順丈

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【講談社BOOK倶楽部】:【著書紹介】:「宝島」 著者:真藤 順丈

 ◆内容紹介

 ◆祝!3冠達成★第9回山田風太郎賞&160回直木賞受賞!&第5回沖縄書店大賞受賞!◆希望を祈るな。立ち上がり、掴み取れ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。信じよう。仲間との絆を、美しい海を、熱を、人間の力を。【あらすじ】英雄を失った島に新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染みーーグスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり、同じ夢に向かった。

宝島

 私の年代では記録といえる戦後復帰時代の話ですが、肌がちりつきました。 読み進めるにつれ鳥肌が止まらなくなるのは、私が沖縄人だからでしょうか? 

 ■リブロリウボウブックセンター店 宮里ゆり子さん
 米軍施政下の時代に翻弄されながら、立ち向かい、熱く生き抜いた沖縄の若者たちを描く超大作!そして現代に続く基地問題を知る必読の書!

 ■ジュンク堂書店那覇店 森本浩平さん
占領下、実際に起きた戦闘機小学校墜落、米軍車両死亡交通事故無罪判決。県民の怒りが爆発したコザ暴動。主人公たちの生き方を通して沖縄の痛みが理解できる作品です。

 ■球陽堂書房メインプレイス店 新里哲彦さん

 この熱い息吹、この語りの身軽な舞いを堪能せよ。――野崎六助(日経新聞6/21夕刊)
 叫びだしたくなるほど猛烈な歓喜と感謝があふれ出して止まらなくなった――宇田川拓也(本の雑誌7月号)
 本書は真藤順丈の新たな代表作にして、今年のエンタメ小説界の台風の目だ――朝宮運河(ダ・ヴィンチニュース6/23配信)
 圧倒的な傑作である、いつまでも長く読まれ愛される名作になるだろう。必読!――池上冬樹(小説現代6月号)
 超弩級エンタテインメント大作。読みのがすなかれ――香山二三郎(週刊新潮6/28号)
 読み始めたら最後、開いた頁はいつまでも閉じることができない――奥野修司(週刊文春7/5号)
 とにかく全篇に籠められた熱量が圧倒的――千街晶之(週刊文春7/5号)
 「朝日新聞7/14日刊」斉藤美奈子、「毎日新聞7/15日刊」川本三郎、「毎日新聞7/7日刊」記者、「読売新聞7/3夕刊」記者、「日本経済新聞7/3日刊」野崎六助、「産経新聞7/22日刊」大森望、「東京新聞6/29」記者、「本の雑誌7月号」宇田川拓也、「クイックジャパンVol.138」浅野智哉、「 週刊新潮6/21号」香山二三郎、「週刊文春7/5号」奥野修司、「週刊文春7/5号」千街晶之、「ダ・ヴィンチ8月号」朝宮運河、「HBCラジオ7/9放送」永江朗、「野性時代8月号」吉田大助、他書評多数!

 奪われた「故郷」を取り戻すため、少年少女は立ち上がる。
 米軍統治下の沖縄を嵐のように駆け抜ける、青春と革命の一大叙事詩!!

 ◆著者紹介 真藤 順丈(シンドウ ジュンジョウ)

 1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ受賞。2018年に刊行した『宝島』で第9回山田風太郎賞、第160回直木三十五賞を受賞。著書にはほかに『バイブルDX』『畦と銃』『墓頭』などがある。

 ◆商品情報 

製品名 宝島
著者名 著:真藤 順丈
発売日 2018年06月21日
価格 定価 : 本体1,850円(税別)


 元稿:講談社 主要出版物 【BOOK倶楽部】 2018年06月21日 09:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【第160回直木賞受賞】:『宝島』——真藤順丈が「近現代」を描く理由

2019-06-07 08:10:40 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌・世論調査】

【第160回直木賞受賞】:『宝島』——真藤順丈が「近現代」を描く理由

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【第160回直木賞受賞】:『宝島』——真藤順丈が「近現代」を描く理由

 ◆小説によって浮かび上がる「沖縄」の姿 

 ■青春、冒険、恋愛…様々なジャンルを内包する物語

 ──山田風太郎賞に続き、直木賞受賞おめでとうございます。

 真藤 ありがとうございます。

 ──直木賞の贈呈式で、平山夢明さんへのお礼を述べていらっしゃいましたが、どのようなご関係なのでしょうか。

 真藤 作家になりたくて小説を濫読していた頃に、現役の作家さんで最も衝撃を受けたのが平山作品でした。短編集『独白するユニバーサル横メルカトル』に驚倒して、あのような唯一無二の作品世界を築かれていることに憧れを抱きました。

 平山さんに初めてお目にかかったのは、2008年にデビューした頃で、ウェブ媒体でベテラン作家と新人が対談する企画があり、平山さんが大好きだったのでお願いしたら実現しました。

 それ以来、遊びに連れて行ってもらったり、他の作家さんを紹介していただいたりして、勝手に弟子と名乗っています(笑)。

 ──『宝島』は、米軍から物資を盗む「戦果アギヤー」のオンちゃんが、巨大な密室ともいえるキャンプ・カデナから姿を消す本格ミステリー的な謎から始まります。

 その後はオンちゃんの弟分たちの物語になり、警察官になったグスクのパートは警察小説、ヤクザになったレイはクライム・ノベルの主人公になり、教師になったヤマコは沖縄の本土復帰という歴史と政治のドラマにかかわっていきます。

 こうした様々なジャンルがミックスされていく展開は、当初から考えておられたのでしょうか。

 真藤 全体を貫くミステリーがあり、その中でどのように物語を動かし、どのように登場人物たちの人生を追い掛けていくかを考えた時に、青春小説、冒険小説、恋愛小説などをすべて内包する大きな物語にしたいと考えました。

 デビュー当時から、一つのジャンルを追究するというよりも、様々なジャンルにまたがった総合小説を書きたいという意識がありましたから、『宝島』は現段階での集大成になりました。

 ■なぜ「歴史」を小説の題材にするのか

 ──この作品は沖縄の近現代史を題材にされました。書きたいジャンルの中に、歴史小説もあったのでしょうか。

 真藤 近現代史はありました。その最初が『墓頭』ですね。

 ──日本の歴史小説は、歴史の評価が定まっている戦国や幕末維新が中心になっています。近現代史は、資料が多く、関係者もご存命で、同じ事件でも解釈が分かれることが多いので、書くのが難しいように思えるのですが。

 真藤 だから書くのかもしれません。僕は、歴史を勉強するというよりも、その時代を生きてみたいという想いが強いんです。

 だから自分でできる限りの資料を読み、できる限りの時代感を入れて書くのですが、最もフィットして書きながら生きていると感じられるのが近現代なんです。

 今の日本の形がどのようにできたのか知りたいという気持ちもあるので、戦後の日本がスクラップ&ビルドしていく中で、どこで間違え、何を失ってはならなかったのかを、今後も掘り下げていきたいと考えています。 

 ──そのテーマを描くには、沖縄を舞台にするのは最適だったかもしれませんね。

 真藤 沖縄は、現代のすべての問題と地続きになっています。基地問題だけでなく、世界中で広がっている差別や不寛容、僕たちが直面している抑圧や暴政。沖縄を取り上げると、これらの問題にダイレクトに重ね合わせられるというのはありました。

 ■史実にどう虚構を織り交ぜるか

 ──作中には、宮森小学校米軍機墜落事故、キャラウェイ高等弁務官の就任、沖縄に備蓄されていた毒ガスを運び出すレッドハット作戦など実際の事件が描かれ、それと矛盾しない形でフィクションが織り込まれていくところが面白かったですが、この手法で物語を作るのは難しくなかったですか。

 真藤 史実は揺るがないものとしてあるので、書いていて楽しいんです。

 史実を配置し、その中に矛盾がないように虚構を織り混ぜていくのですが、こんな事件が起きていても不思議ではないと自分で納得できるまで考証を重ねています。

 ただ虚構の入れ方には苦悩はありました。特に宮森小学校に米軍機が墜落するシーンは本当につらかったですが、目をそらしてはいけないという気持ちで書いていました。

 ──瀬長亀次郎さんを始め、作中に実在の人物が登場します。これも作家として勇気が必要だったと思いますが。

 真藤 英雄をテーマにしたこともあり、実在した沖縄の英雄を数多く登場させました。

 瀬長亀次郎さんは本土復帰運動に身を捧げた分かりやすい英雄ですが、又吉世喜さんも裏社会の英雄だし、高等弁務官のキャラウェイも親米派から見たら英雄かもしれません。

 だから実在の人物に関しては、歴史の定まった枠から出さないようにして、罪をかぶせたり、疑惑を持たせたりしないよう注意しました。

 ──作中には沖縄戦の記憶、アメリカ統治時代の抑圧といった暗い歴史も描かれていますが、物語そのものは明るく前向きで、読んでいて楽しかったです。物語が暗くならないようにすることは、意識されていたのでしょうか。

 真藤 歴史だけを追ってルポルタージュ風にすれば暗くなりますが、噓を書く小説でしかできない事実の導き方もあると思うんです。

 歴史を参照しつつも、人々の営みとか、生活の息吹や汗、そこに恋をしたり友達と喧嘩をしたりする普通の人たちが生きていることを青春小説のスタイルで書きたかったので、暗くならない物語を作ることは意識していました。

 大文字で語られる「沖縄」ではなく、小文字で語られる「沖縄」を書く。それが小説だと考えています。 

 ──小文字の「沖縄」を書く意味では、沖縄出身でないことが強みになるところも多かったのではないですか。

 真藤 強さと弱さの両方がありました。沖縄に縁がないからこそ書けた要素もありますが、沖縄出身だったら別の表現、別の切り口になったと考えたこともありました。

 ただ自分なりのアプローチができたとは思っています。

 ■沖縄でのポジティヴな反響

 ──沖縄取材のことをインタビューやエッセイで述べておられますが、取材旅行は楽しかったですか。

 真藤 観光で行っていないのと、いつも書けない時に行っていたので、楽しいということはなかったです(笑)。沖縄には書けなくてつらかった思い出があるので、行くと背筋が伸びる感じで、これからもゆっくりくつろぐ気分にはなれそうにないですね(笑)。

 ──直木賞の受賞後に、沖縄に行かれましたか。

 真藤 先日、サイン会とトーク・イベントで行ってきましたが、ありがたいことにポジティブな反響に迎えられました。

 ──沖縄の人に喜んでもらえたのは、よかったですね。

 真藤 嬉しかったですね。サイン会で一人一人と向き合っている時も、手紙をいただいたりとか、物語の舞台や登場人物に縁のある方がそのお話をしてくれたりとか、「基地問題を取り上げてくれて、ありがとう」といわれたりとかありましたので、やはり感じるものがありました。

 ──本を出す前は、沖縄の人の反応は気になりましたか。

 真藤 今回は沖縄が舞台なので沖縄の方の反応が気になりましたが、それはどの小説も同じです。『宝島』はファクトの部分だけでなく、登場人物の感情を描いた部分にも反発があると考えていましたが、それは覚悟の上で書きました。

 ■新基地建設の是非をめぐって

 ──贈呈式のスピーチで、3日後の辺野古の新基地建設の是非をめぐる県民投票に言及されていました。投票率が約52%、反対が約72%という結果は、どのようにお考えですか。

 真藤 投票率がもっと伸びると思っていましたが、反対票が7割という事実を見ると、沖縄では民主主義が機能していると思います。

 先の県知事選でもそうでしたが、また沖縄に瀬戸際で踏みとどまってもらえたという思いがあって、これを受けて今度は、我々は何を考え、どのように行動するのかを問われていると思います。

 ──『宝島』の中には、沖縄の声を聞かずアメリカと日本政府が頭越しに政策決定することへの怒りが、何度も描かれていました。今回の県民投票への反応も、同じに思えましたが。

 真藤 ただ、変わらないように見えても、少しずつ変わっているんです。沖縄返還も、その積み重ねで実現したと考えています。沖縄で起きることが、日本全体に波及していくことを期待していますし、そこに希望があると思っています。

 ──今後は、どのような小説を書きたいですか。

 真藤 近現代史に材をとった小説を一つの柱にしつつ、自分はホラーやミステリーなど4つの新人賞を受賞して作家になったので、それぞれの代表作を出していきたいです。(聞き手:末國善己)

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【担当:末國善己】  2019年03月27日  09:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【小説】:直木賞を受賞した『宝島』 作家・真藤順丈、戦後沖縄を書くことに「腰が引けた」理由

2019-06-07 08:10:30 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌・世論調査】

【小説】:直木賞を受賞した『宝島』 作家・真藤順丈、戦後沖縄を書くことに「腰が引けた」理由

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【小説】:直木賞を受賞した『宝島』 作家・真藤順丈、戦後沖縄を書くことに「腰が引けた」理由 

 戦後の沖縄を舞台に、3人の若者の人生を描いた真藤順丈さんの小説『宝島』(講談社)が、直木賞を受賞しました。真藤さんは東京生まれで、沖縄がルーツではありません。なぜこの小説を執筆しようと思ったのでしょうか。「沖縄人になって書くと覚悟するまで時間がかかった」という、作品に込めた思いを伺いました。 

 ■2月26日(火)のオンエア:『JAM THE WORLD』の「UP CLOSE」(ナビゲーター:グローバー/火曜担当ニュースアドバイザー:青木 理)
http://radiko.jp/#!/ts/FMJ/20190226201906 


 ■戦後の沖縄に「戦後日本の青春時代」を感じた 

 『宝島』というタイトルには、こんな思いが込められています。 

 真藤:サブタイトルに「ヒーローズ・アイランド」と書いているように、「トレジャー・アイランド」との差別化でありつつ、「沖縄の宝は何か」を物語の最後まで時間をかけて探っていくような話でもあります。そして、沖縄には「命どぅ宝(ぬちどぅたから)」という言葉があり、「命こそが宝」という意味で、そこがいちばん大きな理由です。 

 自身のルーツが沖縄がではないぶん、本の執筆にあたっては、これまでの作品より4、5倍、フィールドワークや取材を重ねたそうです。「取材をして基本的な足腰の力をつけ、あとは想像力でした。小説家としての仕事はそこからかなと思います」と振り返りました。そもそも、なぜ沖縄をテーマに小説を書こうと思ったのでしょうか? 

 真藤:ジャーナリストの方々が積み重ねてきた沖縄の資料を読むなかで、「沖縄の戦後時代に今の日本ができあがっていくなか、どこでゆがんでしまったのか」「どこで何を失ったから、今こうなっているのか」という成り立ちを探ってみたかった。その過程で、戦後の沖縄に、戦後の日本の青春時代みたいなものを感じました。その青春時代を青春小説というかたちで書くことで、何か追いかけたけど手に入れられなかったものや、失ってしまったもの、面影を追いかけるようなところと、現代の問題をひとつひとつ重ね合わせられる部分が多いのではないかと考えました。 

 ■沖縄人になって書くという覚悟が必要だった 

 『宝島』の執筆途中に2年間ほど書けなかった時期があったそうです。 

 真藤:この作品を立ち上げた時点で、かなり激しい仕事になると覚悟していたつもりでしたが、書き進めていくと、その覚悟が足りなかったと感じました。作品の登場人物が大きくなるなかで、その思いがだんだん自分のなかに膨らんできて。小説家だから、どの時代のどの土地の話を書いてもいいはずなのに、外国のことは書けても、沖縄のことになると、なぜ腰が引けてしまうのだろう。それを自分で考え直すことが必要になり時間がかかりました。
 青木:腰が引けてしまう感覚の正体は何だったのでしょうか。
 真藤:それまで歴史的に沖縄と大和(やまと・沖縄県外)の関係性もあるし、この小説で書いた話が現在まで全て続いているからだと思います。基地問題や日米問題など全てケリがついていない。そんな現在まで続いている話のなかに僕がいるからだと思い、それをどう捉えていくのか、自分があやふやなままエンタテインメント小説に消化していいのだろうか、そういう思いがありました。
 青木:真藤さんの「僕がいる」という位置が、沖縄人ではなく大和だから腰が引けてしまった部分があったと。
 真藤:腰が引けるというか、どういう距離感で書くのかがつかめませんでした。実際に大和人(やまとんちゅう)がその時代の沖縄に来て、その大和人の目線で小説を書こうかとも思っていたけど、それだと自分が表現したいところまでは行けないと思う部分があって。だから、沖縄人(うちなんちゅう)になって書くという覚悟を固めるまでに時間がかかりました。 

 ■沖縄の問題をどれだけ自分事として考えるかが重要 

 先日、沖縄県名護市辺野古の新基地移設を問う県民投票が行われ、開票の結果、52パーセントの投票率で72パーセントの反対票が集まりました。真藤さんは、この結果をどう捉えているのでしょうか。 

 真藤:県民投票は私も固唾をのんで見守っていました。沖縄の人たちから反対されている基地がどれほど脆弱かをアメリカはある程度わかっていて、それがあっての沖縄返還もあったと思います。その時代のことを『宝島』で書いたように、世の中を変えてきた沖縄の人たちの声、デモクラシーが、今回の県民投票でもちゃんと正しいかたちで前に出てくる土地だなと感じました。
 青木:真藤さんが2年間もの時間をかけて捉え直さないとこの作品を書ききれなかったくらい、大和人である私たちが沖縄のことを考えないと、今の状況は変わらない気がします。
 真藤:そうですね。あとは自分たち県外の人間が、どれだけ自分事として考えていけるか、どれだけ沖縄のことに関して議論を重ねていけるか、そういうことだと思います。 

 ■『宝島』以後の意識の変化 

 あるインタビューで真藤さんは『宝島』を書く前と、書いた後で人生観が変わったと話しています。以前は、自分の好きな小説や映画に耽溺していたい気持ちが強かったものの、「そうも言っていられない」という気持ちになったとか。 

 真藤:どこか社会とつながっている人間のひとりとして、エンタテインメントの小説だとはいえ、政治的なことに限らず社会に対する問題意識を反映していかないと、今後はやっていけないと思うようになりました。自分の好きなジャンルにはまり込むような作品もあってもいいけど、自分たちが感じている疑問に声をあげて、「この世の中はおかしいだろ」という問題意識を出していくようなものもあってもいい。その両方をやりたいと感じています。 

 今後のテーマとして「戦中戦後の日系アメリカ人」「現在の技能実習生」「親子の貧困問題」などを取り上げるとしながらも「あくまでエンタテインメント小説として楽しんで読んでもらえることを前提とした作品を届けたい」と話していました。真藤さんの魂がこもった『宝島』、ぜひ手にとってみてください。 

 【この記事の放送回をradikoで聴く
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。 

【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

 元稿:J-WEVE NEWS 主要ニュース メディアと教養 【担当:青木聖】  2019年03月04日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【小説】:直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質! 沖縄問題から逃げ続けるマスコミ、

2019-06-07 08:10:20 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌・世論調査】

【小説】:直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質! 沖縄問題から逃げ続けるマスコミ、『zero』は直木賞報じず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【小説】:直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質! 沖縄問題から逃げ続けるマスコミ、『zero』は直木賞報じず 

 半期恒例の芥川賞と直木賞が、16日に発表された。芥川賞は上田岳弘「ニムロッド」と町屋良平「1R1分34秒」が受賞、いろんな意味で注目された古市憲寿の「平成くん、さようなら」(「文學界」2018年9月号掲載、文藝春秋より書籍化)は落選した。

 芥川賞選考委員の奥泉光によれば、ほとんどの選考委員は「平成くん〜」は「批評性がない」とみなしたといい、同作のテーマである安楽死についても「本来死ぬことができない人のためのものなのに、この小説では死にたい人のためのものになっている。この扱いは雑なのでは」という意見や、「時代の先端をいくアイテムが出てくる割には、小説自体としては古めかしい」との評もあったという。

 コメンテーターとして出演する『とくダネ!』(フジテレビ)での猛プッシュなど、あれだけ大々的に受賞を後押しされながら、散々な評価に終わった古市の「平成くん〜」。プロモーションのために「文學界」に掲載された落合陽一との対談で、“終末期医療、最後の1カ月の医療をカットしろ”という趣旨の発言をしたことが悪い影響を与えたという見方もあるが、そもそも、候補作の「平成くん〜」自体、古市氏のそうした浅薄な生命観がもろに反映されていた。そういう意味では、落選は必然とも言えるだろう。 

 まあ、古市氏の小説については、選考前の記事(古市憲寿「平成くん、さようなら」と「終末期医療打ち切れ」論の共通性! 炎上から遁走したまま芥川賞狙いの姑息)でも取り上げているのでそちらを読んでいただくとして、本サイトが今回の芥川賞、直木賞で、クローズアップしたいのは、直木賞に輝いた真藤順丈の『宝島』(講談社)だ。真藤は同時期に4つの新人賞を受賞してデビューし、本作で山田風太郎賞も受賞しているが、直木賞は初ノミネート。饒舌だがスピード感のある独特の文体で、ジャンルにおさまらないダイナミックな物語を紡ぎ出す、本好きの間ではその実力を知られる作家だが、本作が直木賞に初ノミネートで受賞したのは、単にエンタテインメント作品として優れていただけが理由ではないだろう。

 選評では審査委員の林真理子が「平成最後の直木賞にふさわしい」と激賞。圧倒的な支持が集まり、満場一致で授賞を決めたという。しかも、ちょうど芥川賞の審査員である奥泉が会見で選考理由を話していたときに、『宝島』の直木賞受賞を知らせる張り紙が貼られたのだが、これを受けた奥泉はその場で「宝島はすごくいい作品」「超一押しだったのが真藤順丈『宝島』です」「これがとったらいいなと思ってたんだけど、やはりとりましたね」と異例の言及。いかに同作が高い評価を得たかを裏づけている。

直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質! 沖縄問題から逃げ続けるマスコミ、『zero』は直木賞報じずの画像1

 『宝島』真藤順丈 著(講談社)
  その『宝島』とは、どんな作品なのか。舞台は1952年から1972年、アメリカの統治下に置かれた沖縄。米軍施設の物資を奪って生活の糧とした「戦果アギヤー」(戦果をあげる者)の若者たちを中心とする群像劇だ。72年「本土復帰」までの沖縄戦後史が、ウチナーグチや島言葉を交えた“語り”の文体で紡がれる。

 物語は、コザの戦果アギヤーのリーダー「オンちゃん」と弟の「レイ」、親友の「グスク」たちが、嘉手納基地に侵入するところから始まる。オンちゃんは20歳ながら、米軍から奪った「戦果」を困窮する人々に分け与える義賊的な存在として英雄視されており、ヤマコという恋人がいる。

 ところがこの嘉手納基地侵入作戦の夜、オンちゃんたちは米兵に侵入を発見され銃撃に遭う。グスクとレイは命からがら逃げることができたが、オンちゃんの姿は見えない。その後、グスクは琉球警察の警察官、レイはヤクザ、ヤマコは小学校教師として成長する。それぞれが若きコザの英雄の影を探しながら──。

 ◆米兵による性暴力、米軍機墜落事故…史実を交えて描き出した沖縄戦後史 

 『宝島』はフィクションの小説だが、現実の占領下での流俗や事件、実在の人物たちなどが多数登場する。たとえば、戦果アギヤーひとつとっても占領下の沖縄で実在した人たちだ。危険を承知で米軍から生活物資を奪うのは混乱期を生き抜くため。もともとは沖縄戦の際、米兵に勝てない日本兵がせめて一矢を報いるため物資を盗んだのがその名の由来とも言われる。なぜ、沖縄の人々は戦争が終わってもなお「戦果」と呼んだのか。

〈「おれたちの島じゃ戦争は終わっとらん」とオンちゃんは言った。「あの日、アメリカーがぞろぞろと乗り込んできて、あちこちに星条旗をおっ立てて、そのまま五年も十年も居座ってるやあらんね。おやじ(スー)やおふくろ(アンマー)の骨が埋まる土地を荒らして、ちゃっさん基地を建てくさって。だからわりを食った島民が報われるような、この島が負った重荷をチャラにできるような、そういうでっかい“戦果”をつかまなくちゃならん」〉(『宝島』)

 そして、『宝島』では、消えたオンちゃんの行方探しを軸として物語が展開され、占領下の実在の事件や出来事が絡んでいく。沖縄刑務所暴動事件、嘉手納幼女殺人事件など相次ぐ米兵による性的暴力や殺人、米軍機が小学校へ激突し児童を含む多数の死傷者を出した墜落事故、“本土”への復帰運動や反米デモ、米軍が貯蔵するVXガスなどの毒ガスが漏れ出た事件、そしてその翌年のコザ暴動……。あのとき何が起きたのか、どんな声があがったのか、沖縄の人々は何を思ったのか。小説のかたちをとることで、その慟哭や息遣いを追体験させる。 

 たとえば、1969年の知花弾薬庫(現・嘉手納弾薬庫)での毒ガス漏洩事件。発覚したのは、米紙が毒ガス漏洩によって米軍人らが病院に収容されたと報じたからだ。それまでも沖縄では毒ガスが原因と思われる事故が起きていたという。しかし、国際法で使用が禁止されているVXガスやサリン等の化学兵器が大量に輸送・貯蔵されていたことは、住民には知らされていなかった。

 知花弾薬庫に貯蔵された毒ガスは、1971年に2回に分けて島外へ移送されている。周辺の住人は避難を余儀なくされたが、第二次移送にあたっては、琉球政府の屋良朝苗主席が移送ルートについて日米両政府に意見を求めたところ、日本政府の高瀬侍郎大使は「な(泣)き言」と表現し、米国民政府のランパート高等弁務官は「そんなことでは事は進まない」と突き放していたことが、公開された外交文書から判明している(沖縄タイムス2017年12月21日)。

 〈おためごかし(ユクシ)、空約束(ユクシ)、口からでまかせ(ウフユクシ)。
 それらをテーブルに並べて、沖縄(ウチナー)を裏切ってきたのが日本(ヤマトゥ)だ。
 アメリカに追従するばかりで、不都合な真実にふたをしてきたのが日本(ヤマトゥ)だ。
 これじゃ本土復帰の旗も振れない──
「ずっとそうだった。飛行機が堕ちようが、娘たちが米兵の慰みものになろうが知らんぷり。毒ガスが持ちこまれようが見て見ぬふり。なにもかもが本土(ヤマトゥ)の政府にとっては対岸の火事(トゥナイバタ・ヌ・ワジャウェー)さ。自国の領土なら大騒ぎすることでもこの島で起きたらやりすごす。肝心なのはわれら沖縄人(ウチナンチュ)の安全や尊厳やあらん。アメリカーの機嫌を損ねずに自分たちの繁栄を守ることさ。残念ながらこの島はもうずっと日本列島には勘定されておらん」〉(『宝島』)

 ◆真藤順丈「批判を恐れて沖縄を腫れ物扱いすることは差別」「批判があれば矢面に立つ」 

 比較するべきですらないが、ベストセラーとなった“戦後を舞台にした愛国エンタメ”や“コピペだらけの日本スゴイ史”とは、まさしく対照的だろう。『宝島』が強度を持つのは、この作品が描き出しているものが、たしかに安倍政権下の今、沖縄が置かれている状況と重なっているからだ。

 周知の通り、現在、政府は辺野古新の土砂投入を強行するなど沖縄の“民意”をないがしろにし、沖縄振興費減額等の圧力をかけながら「普天間か辺野古か」と基地の固定化をすすめている。自民党の勉強会では、基地問題をとりあげる沖縄地元紙を「つぶさなあかん」などという言葉が平然と飛び出し、機動隊員が市民に向かって「土人」なる差別発言を繰り出した。テレビ番組では、コメンテーターや評論家が「日米安全保障のために基地は仕方がない」と物知り顔で解説し、ネット右翼たちは「沖縄は反日」と連呼、米軍基地に反対することは「わがままだ」と叫び立てている。

 安倍政権と“本土”の人々が一緒になって沖縄を差別し、犠牲にしているのが、沖縄の「本土復帰」から47年になろうとしている現在の日本だ。

 著者の真藤は東京生まれで、沖縄にルーツはないという。完成までには7年の月日を費やし、その間3度沖縄を訪れて取材した。受賞の記者会見では、辺野古問題などで沖縄に注目が集まっていることについて、「沖縄に関して言えば、今が旬ということはない」「別に今に限ったことではないと自分では思っている」「沖縄というのは常にアクチュアルな問題」と語った。そしてこうも述べていた。 

 「沖縄の人間ではない僕が書くっていうのは、その葛藤自体はなんども繰り返しましたし、途中書けなくなった時期っていうのはそういう自問自答にぶつかっていたんですけども。沖縄の問題というのは、やっぱり現代日本のいちばん複雑な問題でもありますし、これはちょっとセンシティブすぎてやめておこうかなって思って腰がひけてしまうっていうのが、結局、その腫れ物に触るような扱いをするっていうのが、潜在的な差別感情みたいなことが起きているのと同じことなんじゃないかなというふうに思いました」

 これはまさに、沖縄をめぐる日本の言論の本質を突く言葉と言っていいだろう。そして、真藤はこの逡巡と葛藤を乗り越えるために必要だったのは覚悟だったと明かした。

 「自分が書くことによって、批判であるとか、沖縄の人が読んで違和感があるとか、そういう意見がもしも出てきたら、僕が矢面に立って議論の場に出て行こうと。その覚悟を決めるまでに逡巡があった」

 ◆『news zero』は『宝島』直木賞受賞を報じず! 沖縄県知事選に続きまた沖縄無視 

 深い思索と、批判の矢面に立つ覚悟。虐げられてきた沖縄の民衆の戦後史をエンタテインメント小説に昇華することで、無関心な本土の人々に届けようと試みた。その挑戦が、直木賞受賞によって多くの人に届くことは大きな意味がある。

 ちなみに真藤は「レイシズムへのカウンター運動にも興味がある」(「WEB本の雑誌」インタビュー)と語っていたこともある。ネトウヨ本やヘイト本が幅を利かせる現在の出版界にあって、こうした意識をもった作家が評価され広く読まれることの意義は非常に大きい。

 この作家の沖縄を描いた作品が、直木賞を受賞したことをあらためてよろこびたい。

 しかし残念なのは、本土メディアの対応だ。直木賞が発表された16日の夜のニュース番組のなかには、まさしく「腫れ物に触るような扱い」をする番組があった。日本テレビの『news zero』だ。なんと、番組のなかでは芥川賞のみを扱って、『宝島』の直木賞受賞には一切ふれなかったのである。同日の『報道ステーション』(テレビ朝日)、『NEWS23』(TBS)が真藤の会見や『宝島』の内容を詳細に紹介し、沖縄の県民投票をめぐるハンガーストライキや辺野古新基地建設の県民投票のニュースなどを伝えたにもかかわらず、だ。

 もちろん、受賞作家のうちどの作家をピックアップして掘り下げるか、メディアによって違うことは当然ある。しかし、この日の『news zero』は直木賞を受賞した作家名や作品名という事実すら報じなかったのだ。ちょっと異常だろう。『zero』といえば昨年10月1日のリニューアル初回の放送でも、前日9月31日に投開票だった沖縄知事選に一言も言及しないなど、基地問題を忌避する傾向にあるが、それにしてもこれは露骨すぎではないか。 

 真藤は文芸誌のインタビューでも「批判を恐れて萎縮して、精神的に距離を置いてしまうことは、ヤマトンチュがこれまで歴史的に沖縄におこなってきた『当たらず障らず』の態度と変わらない」と強調していた(「きらら」2018年8月号/小学館)。直木賞を意図的に無視したとしか思えない『zero』は、まさにこうした“本土”の態度の象徴だろう。

 受賞会見の最後に「最後にひと言」と求められた真藤は、あらためてこう語った。

「沖縄の問題ばっかり言って恐縮なんですけども、いま沖縄に目を向けていただいて、「本土」というのもあれなんですけど、我々日本人が沖縄の問題を考えるときの一助になればいいなと思いますので、ぜひ読んでいただければと思います」

 琉球新報、沖縄タイムスの2紙が、沖縄の書店で売り切れ続出と直木賞受賞の反響を報じているが、両紙とも「本土の人が沖縄をどう書いているのかに興味がある」という沖縄県民の声を紹介していた。沖縄に必要なものは何か。沖縄を虐げているものは何か。『宝島』直木賞受賞によって、あらためて浮き彫りになったといえるだろう。(編集部) 

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース カルチャー 【小説】  2019年01月21日  01:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説】:国連報告者の勧告 表現の自由侵害許されぬ

2019-06-07 06:01:30 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・沖縄防衛局・普天間移設・オスプレー・米兵犯罪】

【社説】:国連報告者の勧告 表現の自由侵害許されぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:国連報告者の勧告 表現の自由侵害許されぬ 

 日本の「表現の自由」が危機にひんしている。

 言論と表現の自由に関する国連の特別報告者デービッド・ケイ氏が新たな報告書をまとめ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設への抗議活動などに対し当局による圧力が続いているとして、集会と表現の自由を尊重するよう日本政府に求めたのである。
 政府はケイ氏の批判を真摯(しんし)に受け止め、集会の自由や表現の自由を脅かす一切の行為をやめるべきだ。
 国連の特別報告者は、国連人権理事会から任命され、特定の国やテーマ別の人権状況について調査・監視する役割を担う。いかなる政府や組織からも独立した資格を持つ。ケイ氏は国際人権法や国際人道法の専門家だ。
 2017年の報告書は、日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性に言及し、同法の改正と、政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法4条の廃止などを勧告した。
 沖縄の米軍基地建設の抗議活動への圧力に懸念を示し、公共政策への反対表明の自由は侵害されるべきでなく、抗議活動や取材を行えるよう政府に努力を促していた。
 新たな報告書は、勧告がほとんど履行されていないとして、改めて日本政府を批判している。
 世界的な視点に立つケイ氏の指摘は重い。表現の自由を巡る日本の現状が国際基準を大きく逸脱していることが、再び白日の下にさらされた。国民にとって極めて憂慮すべき事態である。人権がないがしろにされているからだ。
 言うまでもなく、表現の自由は民主政治の基盤となる重要な基本的人権である。この権利が恣意(しい)的に制限されると、体制側に不都合な情報がことごとく隠蔽(いんぺい)される状況が容易に生み出される。
 選挙の際に公正な判断材料が得られず、体制を改めることもおぼつかなくなる。その結果、民主主義の根幹は大きく揺らいでしまう。
 名護市辺野古の新基地建設現場では、反対する市民らの抗議や取材を規制する動きが顕著だ。資材が搬入される米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、座り込んで抗議する市民らの強制排除が警察によって続いている。
 独裁国家でしか見られないような光景が、沖縄では堂々と県民の眼前で繰り広げられている。国際基準に照らせば明らかに人権侵害だ。
 記者が取材妨害を受けて、現場から追い出されたり、撮影をやめさせられたりしたこともあった。
 ケイ氏の報告書について菅義偉官房長官は「不正確かつ根拠不明のものが多く含まれ、受け入れられない」と一蹴した。国連の特別報告者を軽んじる態度であり、国際社会の一員として不適切だ。国の信用にも関わる。
 集会や表現の自由をないがしろにすることは許されない。政府に猛省を促したい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月07日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【僭越ながら論】:【トランプ来日】屈辱のポチ外交とその先にある憲法改正

2019-06-07 00:01:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・サミット(G20、G7)】

【僭越ながら論】:【トランプ来日】屈辱のポチ外交とその先にある憲法改正

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら論】:【トランプ来日】屈辱のポチ外交とその先にある憲法改正 

 25日、米国のトランプ大統領が新天皇即位後初の国賓として来日した。日程をみると、まさに「接待外交」。4日間の滞在中、正式な首脳会談はたった1回だけで、あとはトランプを喜ばすための“おもてなし”に費やされている。
 安倍晋三首相は、「戦後レジームからの脱却」を掲げ、独立国家としての誇りや我が国固有の伝統・文化の大切さを訴えてきたが、実際にやってきたのは米国追随ポチ外交。世界が白眼視する人種差別主義者・トランプ褒め称え、米国の“しも”であり続けることが政権基本方針なのである。

 安倍が悲願とする憲法改正も、じつはアメリカの利益のためだ。

20150623_h01-01t-thumb-250x166-14381.jpg

 ■大統領を接待漬け
 安倍首相とトランプ大統領の会談は、今年4月に続くもの。6月に行われるG20大阪サミットでも会談する予定で、3か月連続は異例なのだという。しかし、今回の来日で正式な首脳会談は1度きり。滞在中のほとんどを、“歓迎行事”で埋めた格好だ。
 
トランプ日程.png

 トランプ政権との蜜月を演出し、夏の参院選に向けて外交上の成果をあげる狙いだったが、懸案となっている通商交渉や北朝鮮問題については結論を先送りしただけ。大相撲の観戦ルールまで変えさせたポチ外交は、明らかな失敗だった。

 ■「かが」乗艦こそ最大の目的
 もっとも、ポチ外交の一番の目的は、海上自衛隊の護衛艦「かが」にトランプを乗艦させることだったのではないか。「かが」は同型艦「いずも」とともに、“空母化”が決まっている護衛艦。政府は、米国製のステルス戦闘機F35を100機購入し、うち42機を「いずも」と「かが」に搭載する予定となっている。
(下が護衛艦「かが」。海上自衛隊のホームページより)

184_05l.jpg

 護衛艦「かが」を視察し、日米の隊員を前に訓示するトランプ米大統領=28日午前、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地で(代表撮影)

写真

 護衛艦といっても「いずも型」は全長248m、全幅38mの巨艦。かつて世界一を誇った帝国海軍の「大和」の全長が263.0m(全幅:38.9m)だったことを考えると、いかに大きな艦船であるのか分かるだろう。その空母2隻を、集団的自衛権の名のもとに米軍の補助勢力として戦闘に参加できるようにしたのは安倍首相。「私はやりました」と胸を張りたかっただろう。わざわざトランプを横須賀まで連れ出し「かが」に乗艦させた安倍首相を見ていて、高価なおもちゃをひけらかす金持ちのボンボンを想起してしまった。

 ただの持ち物自慢なら可愛げがあるが、空母化された巨大艦が戦闘機を搭載して海外に出て行くということは、「専守防衛」という基本方針の放棄を意味する。国是を捨ててまでアメリカの言いなりになる日本が、本当に独立国家と言えるのか疑問だ。

 ■日本の国防費支出を喜ぶ米国
 なんでも言うことを聞く日本は、米国にとってのお得意さん。勧められたら、どんなに高額な戦闘機でも防衛装備品でも買ってしまうのだから、笑いが止まるまい。安倍政権は一昨年、地上配備型のミサイル迎撃システム「イージス・アショア」2基の導入を決めたが、費用は約6,000億円。前述したF35100機の購入費用に1兆円かかるとみられており、異常とも思える米国への大盤振る舞いが常態化しつつある。喜んでいるのは軍産複合体国家であるアメリカだけ。日本の納税者はたまったものではない。

 安倍政権を支持し、一強の政治状況を容認してきたのは国民だ。だからこそ、アメリカのためなら国民の意思や暮らしを平然と犠牲にする安倍政治が、6年以上も続いている。沖縄では、軟弱地盤の存在が明らかとなり本当に建設可能なのかどうか怪しくなっている辺野古新基地の工事を強行し、鹿児島では馬毛島(西之表市)を民間企業から強奪して米空母艦載機の陸上離着陸訓練場に充てる計画だ。アメリカのため、着々と進む戦争準備。その仕上げが「憲法改正」である。

 ■憲法を“押し付けた”米国にへつらう安倍首相
 政治家・安倍晋三が掲げてきたのは「戦後レジームからの脱却」。「憲法を頂点とした行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交・安全保障などの基本的枠組みの多くが、21世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている」(安倍首相の公式ホームページより)から、「戦後レジームからの脱却」が必要であり、そのためには「憲法改正が不可欠」なのだという。

 安倍首相が改憲理由の第一にあげるのは、現行憲法が我が国独自のものではなく、連合軍総司令部(GHQ)=アメリカからのもらいものであるとする主張。いわゆる「押し付け憲法論」だ。根底にあるのは、個人の自由や人権の重要性を強調することが、日本の伝統・文化を破壊するという間違った考え方である。改憲を主張する極右の論客が、二言目には「国益」「国家」と口するのはそのせいだ。

 一般的に、「戦後レジーム」とは第二次世界大戦後に確立された世界秩序の体制を言うはずだが、安倍首相がいう戦後レジームとは、前述したように「憲法を頂点とした行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交・安全保障などの基本的枠組み」のことだ。アメリカに押し付けられた憲法を変えなければ、戦後レジームからの脱却はできないと安倍は説く。

 しかし、安倍の主張に無理があることは、中学生でも分かる。戦後の日本が憲法によって支えられてきたのは確かだが、ある時期まで内政や経済に専念できたのは、「日米安保条約」があったからこそ。日本は、アメリカの軍事力の傘の下で奇跡の復興を遂げたと言っても過言ではあるまい。ならばこの国における戦後レジームの主要な柱は日米安保条約。首相が本当に「戦後レジームからの脱却」を実現したいのなら、日米安保を見直した上で沖縄の基地をなくし、思いやり予算を国内の福祉や教育に回せばよい。憲法改正と戦後レジームからの脱却には、何の関係もない。

 現行憲法を「アメリカから押し付けられた」と言って否定する安倍氏が、歴代首相の誰よりもアメリカにへつらい、屈辱のポチ外交を展開してトランプの言いなりに武器や防衛品を購入するという現実――。滑稽と言うほかあるまい。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 【僭越ながら論】  2019年05月28日  07:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【僭越ながら論】:「3.11」東日本大震災から7年 日本はかくも歪んだ

2019-06-07 00:01:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

 【僭越ながら論】:「3.11」東日本大震災から7年 日本はかくも歪んだ

 『漂流日本の羅針盤』: 【僭越ながら論】:「3.11」東日本大震災から7年 日本はかくも歪んだ

201803genpatu-thumb-308x200-23943.jpg 東日本大震災から7年。毎年3月11日が巡ってくる度、当時の地震発生を知らせる臨時ニュースと、津波に流される家屋の映像が甦る。企業のテレビコマーシャルが消え、ACジャパンのCMだけが流されたのは、後にも先にも7年前だけだ。
 復興庁によれば、全国に散在する避難者数は約7万3千人。その大半が、東京電力福島第一発電所の事故によってまき散らされた放射性物質に、伝来の土地を奪われた人たちである。放射能の怖さを思い知ったはずのこの国で、なぜか原発が次々に再稼働し、「新増設」を決議する愚かな議会まで現れた。(写真左は川内原発、右が玄海原発)

 HUNTERが第1回の記事を配信したのは平成23年3月10日。翌日11日に東北を襲った巨大地震と津波が、国内のあらゆる動きを止め、原発の「安全神話」を崩壊させた。予定していた配信原稿を没にして、震災と原発に関する取材に走ったことを覚えている。以来、原発と原子力ムラを巡る様々な事案について記事を書き、配信を続けてきた。

 巨額な税金を投入して開発しながら、原発事故本番で運用に失敗したSPEEDI(スピーディ:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)やモニタリングロボットの問題点を報じた他、九州電力玄海原子力発電所の立地自治体である佐賀県玄海町については、町長がファミリー企業を使って自分の懐に原発マネ―を還流させるカラクリを追及した。川内原発を擁する鹿児島県薩摩川内市では、原発マネ―で潤ってきた商工会が中心となって原発推進の旗を振る現状に警鐘を鳴らした。

 一方、九州にある玄海・川内両原発の事業者である九州電力は、福島第一原発の事故が深刻化する中、「念のため周辺住民に避難・屋内退避指示が出ていますが、ただちに健康に害を与えるレベルではありません」などと事故の影響を過小評価する印刷物(下の画像参照)を配布。さらに、玄海原発の再稼働を目指す経産省が主催した「佐賀県民向け説明会」に向け、関連会社の社員などに再稼働を歓迎する内容の「やらせメール」投稿を指示するなど、汚い世論誘導を行っていた。当時の九電社長が、自宅マンションの建物内に、経済部記者のために接待部屋を設置していたことを暴いたのもその頃だ。一連の報道は、「原発はなくすべき」との前提に立ったものである。

パンフレット1  パンフレット2  パンフレット3

 「3.11」から7年経って、現状はどうか――。全国の原発立地自治体や地元の商工会は、「命よりカネ」とばかりに原発再稼働を求める動きを強め、原子力規制委員会が新安全基準に沿って許可した川内1・2号機、伊方3号機、高浜3・4号機が営業運転を行っている。原発マネーに汚染された玄海町では今月19日、驚いたことに原発の“新・増設”を求める意見書案を議決するという。周辺自治体には何の配慮も示さない原子力ムラと原発立地自治体の身勝手……。彼らには、いまだに避難生活を強いられている人たちの姿が見えていない。

 九電はといえば、3月末に予定される玄海原発の再稼働を控え、「玄海原子力発電所の安全性がさらに向上した」「万が一の事故の際も、放射性物質の放出量は、福島事故時の約2000分の1と確認された」「新たに設置した設備や対策により、(原子炉)格納容器は破損しない」などと「安全神話」復活を思わせる記述を明記したリーフレットを、地元住民などに配布したことが報じられている。高レベル放射性物質(核のゴミ)の処分という最も重要な課題を積み残したまま、フクシマ以前への回帰が加速する。

 東日本大震災の悲劇から7年。たった7年で、原発は次々に再稼働し、電力会社は新たな安全神話を広めようと躍起になっている。周辺自治体の住民の思いなどお構いなしに、“カネのために”原発を増やせと「新・増設」を求めるバカな議会も存在する。「絆」の一文字はどこに消えたのか――。気付けば日本は、原発輸出を成長戦略の軸に据え、戦争に向かって突っ走る愚かな国になっていた。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 【僭越ながら論】  2018年03月09日  08:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【2019年06月05日 今日は?】:東京・新宿副都心に京王プラザホテル開業

2019-06-07 00:00:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2019年06月05日 今日は?】:東京・新宿副都心に京王プラザホテル開業

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019年06月05日 今日は?】:東京・新宿副都心に京王プラザホテル開業

 ◆6月5日=今日はどんな日

  東京・新宿副都心初の高層ビル、京王プラザホテル開業(1971)

 ◆出来事

  ▼ユネスコ平和賞に国連難民高等弁務官の緒方貞子さん。パリのユネスコ本部で授賞式(1996)▼エジプトなど中東5カ国が「テロ支援」など理由にカタールとの断交発表(2017)

 ◆誕生日

  ▼檀ふみ(54年=女優)▼東ちづる(60年=タレント)▼中嶋朋子(71年=女優)▼福田萌(85年=タレント)▼長谷川潤(86年=モデル)▼おばたのお兄さん(88年=芸人)▼北沢早紀(97年=AKB48)▼関水渚(98年=女優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2019(令和元年)年06月05日  00:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする