【政界地獄耳】:回顧録執筆促すより米軍経費負担を問え/06.26
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:回顧録執筆促すより米軍経費負担を問え/06.26
★官房長官・菅義偉は24日の会見で、ボルトン前米大統領補佐官がトランプ政権の内幕を描いた暴露本「それが起きた部屋」を出版したことを受けて、「退官後は回顧録などを書いてみたいか」と記者団に問われ、「そうした誘惑にかられることはない」と否定した。25日の新聞各社はそう報じた。トランプ政権になり、安全保障関連の閣僚を軸に辞任・更迭が続き、この4年間でも幾人も顔触れが変わっている。既に同様の暴露本は幾冊も出回っており、大統領の資質を問う内容が多い。
★辞めたばかりの高官が執筆すればいずれも外交秘話が盛り込まれることになる。今回の本もトランプが日本に駐留する米軍の経費について、現状の4倍にあたる年間約8600億円の負担を求めていた。「すべての米軍を撤退させるよう脅せば、非常に強い交渉の立場を得られる」として、日本を「脅せ」と話していたと暴露している。また18年6月のワシントンでの首相・安倍晋三との首脳会談の際、日米安全保障条約による米国の日本防衛義務に関し「米国は条約に基づき日本を守るが、逆はない」と不満を表明。条約は「不公平」との認識を示したことなどが記されている。
★官邸の記者は官房長官に回顧録の執筆を促すより、日本政府が認めていない8600億円の負担金について改めて問うべきだし、日米地位協定を含め、日米安保は日本サイドも不公平条約とは思わないかなどを長官に突っ込んでもらいたい。日本では、政治家が退任後すぐに回顧録を書くことはなかなかない。政権が続いていたり、関係者が存命の場合は遠慮する風潮がある。一方で「女帝 小池百合子」は国内で大ベストセラーだが、この問題に触れる新聞社はない。不思議なことばかりだ。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2020年06月26日 09:23:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。