路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳】:「同調圧力社会」誰が切り開く?/06.29

2020-07-03 09:28:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【政界地獄耳】:「同調圧力社会」誰が切り開く?/06.29

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:「同調圧力社会」誰が切り開く?/06.29

 ★前法相・河井克行夫妻の逮捕から広島政界の政治とカネの底なし沼が露呈した。面白いのは自民党自民党資金を使って自民党買収したということだ。とある自民党地方議員は「票の取りまとめとカネの動きは切っても切り離せない。地方選挙が終われば、次の国政選挙用に当選祝いとか陣中見舞いとかの名目でカネが動くことがある。これは合法的なものもあれば、あやしい場合もある。選挙互助システムともいえる。たぶん野党労働組合同じ役割をする場合があるのではないか」。

河井克行容疑者、河井案里容疑者(共同)             河井克行容疑者、河井案里容疑者(共同)

 ★自民党幹事長室の金庫からカネが動いたという報道も、簡単には説明できない。自民党ベテラン秘書が言う。「当然、公党としての整合性も必要だ。マスコミはすぐ官邸の機密費が流れたと言いだすが、そんな簡単なものではない。今は国対経由で党に流れる場合があるだろう。本当構図官邸一部党の幹事長国対委員長経験者ぐらいしかわからない」。別の自民党関係者は「メディアは広島の地方議員や首たちがカネをもらっていたことを今ごろ言いだしたというが、検察から、事情聴取されたことも一切口外しないようにと言われていた。夫妻が逮捕されて事件化して、初めて話すことができたという状況。メディアはその構造を知っていて『告白ドミノ』という。違和感がある」とする。

 ★政界関係者がこの違和感を解説する。「現実に地方議会や地方政治の中でカネが動くことはある。中央政界にもあるだろう。それを肯定するつもりはないが、同じ党内で自分だけ拒否する、断るというのは、頭の中では可能だが、全体の和を乱す方が悪とみなされる社会が日本中の社会にまん延している中でできるだろうか。首相にごちそうになって会食するのは筋が通らないと拒むメディアがいるだろうか。拒むべきというのは簡単だ。だが現実はそうもいかないだろう。その意味では記者クラブの枠の中にいながら政治筋論だけで攻めることに違和感がある。それよりもこの同調圧力社会切り開く展望を、メディアから手本を見せてほしい」。メディア告白ドミノはまだか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2020年06月29日  08:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳】:稲田朋美氏のリベラル志向に清和会分裂/06.27

2020-07-03 09:28:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:稲田朋美氏のリベラル志向に清和会分裂/06.27

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:稲田朋美氏のリベラル志向に清和会分裂/06.27

 ★25日、自民党幹事長代行・稲田朋美の保守系「伝統と創造の会」が分裂、新グループ「保守団結の会」が設立された。代表世話人に筆頭副幹事長・高鳥修一が就いたが2人は首相・安倍晋三側近として連携し、高鳥は稲田の総裁選立候補を応援すると公言してきた。首相は2人に混迷する党内情勢の定期的な報告も頼んでいた。稲田支持の議員たちは稲田が作った「女性議員飛躍の会」のリベラル志向に「稲田には失望した」と言い出し分裂に至った。

 ★自民党清和会(首相の出身派閥)議員が言う。「これは清和会内紛。派内には党選対委員長・下村博文、今売り出し中の経済再生相・西村康稔、そして稲田がいる。また西村稲田次の総裁選出馬すると公言している。ところがここにきて、派閥の3回生以下に下村が氷代を配りだした。焦った稲田が保守政治家のレッテルをはがし、バランスの取れた自民党保守議員を標榜(ひょうぼう)し、支持拡大をもくろんだことに出た反発だろう。いずれにせよ首相派閥内首相が辞めるとも言っていないのに次期総裁選挙に動きだすこと自体がおかしな話だよ」。

 ★そもそも首相去就もさることながら、清和会として次期総裁選挙にどう臨むかも話し合われていない。また派内も党内もこの3人が総裁候補と認めているわけでもない。安倍政権謳歌(おうか)した派閥の3人は清和会政治終焉(しゅうえん)を目前に慌てだしたさまがわかる。同時に党内の地殻変動が起きるかが焦点になる。安倍政権でのタカ派的自民党は「私の知っている自民党とは変わってしまった」と考える層と、「重層的網羅する国民政党としての自民党期待を寄せる」支持層に分かれてしまった。新時代の寛容な保守に変えるべきという党の空気の変化に「保守団結の会」がなじむかという見方もある。安倍政治後ののより戻しはどこに落ち着くかも興味のひとつだ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2020年06月27日  08:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【疑惑】:河井夫妻の買収事件、安倍政権の責任は重大だ

2020-07-03 08:15:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【疑惑】:河井夫妻の買収事件、安倍政権の責任は重大だ

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑】:河井夫妻の買収事件、安倍政権の責任は重大だ 

■ “溝手落とし”が事件の出発点か

 2019年7月の参院選、広島選挙区での河井案里氏の当選で一番あおりを食ったのが、それまで同選挙区で5回当選してきた溝手顕正(みぞて・けんせい)氏である。参院自民党のナンバー2の幹事長やナンバー1の議員会長を歴任してきた人物である。
 溝手氏と安倍晋三首相には、因縁浅からぬものがある。1つは、2007年7月の参院選で安倍首相率いる自民党が27議席も議席を減らし、小沢一郎氏が率いる民主党が28議席増やし、野党が参院での安定多数を握った時のことだ。安倍首相は続投を望んでいたが、当時、国家公安委員長・防災担当相として入閣していた溝手氏は、記者会見で「首相本人の責任はある。(続投を)本人が言うのは勝手だが、決まっていない」と痛烈に批判していたのだ。
 実際、この2カ月後に安倍首相は突如辞任を表明し、内閣総辞職となった。

 さらに2012年2月28日には、当時、民主党野田佳彦政権が提出していた消費税増税関連法案への賛成と引き換えに衆院選を迫る「話し合い解散」に言及した安倍晋三元首相に対し、参院幹事長だった溝手氏が記者会見で、「(安倍氏は)もう過去の人だ。主導権を取ろうと発言したのだろうが、執行部の中にそういう話はない」と不快感を表明したのだ。
 だが「話し合い解散」は実行に移され、この年の11月に衆院解散が行なわれた。結果は、民主党の大惨敗、自民党の圧勝で安倍第2次政権が誕生することになった。
 安倍首相にとって、溝手氏が憎い相手だったことは間違いない。河井案里氏の広島選挙区での擁立の大目的が“溝手落とし”にあったことは、十分に考えられることなのである。
■ なぜ溝手氏の改選時だけ2議席を目指すのか
 建前上は、自民党本部も首相官邸も広島選挙区で「2議席独占を目指していた」という(広島選挙区はそれまで与野党が1議席ずつ分け合っていた)。だがそうであるなら、いくら溝手氏が当選回数を重ねたベテランだったとしても、本部からの資金が溝手陣営には1500万円、河井案里陣営には1億5000万円、というのは差がありすぎるだろう。

 石破茂自民党元幹事長が、6月18日のBS日テレで、2013年の参院選の際、「私が幹事長だったが、やはり広島に2人立てたいという強い意向を安倍晋三首相はお持ちだった。広島は極めて難しい選挙区。中国地方で一番大きな都市で、労働組合の皆さん方の力も強い。今まで自民党が2議席取れたことは一度もない。そこにあえて2人を立てることになると、結局1議席しか取れなくて分断と怨念だけが残るのではないかと、私はその時はずいぶん反対した覚えがある。もう7年も前のことですがね」と語っている。石破氏の反対もあって、この時は1人しか立てなかった。
 2013年参院選というのは、溝手氏が5回目の当選を果たした選挙である。要するに、溝手氏の改選時だけ、広島選挙区で自民2議席を目指そうとしているのである。実に分りやすい動きではないか。

■ 情けない岸田文雄政調会長
 溝手氏は岸田派所属の議員だった。広島1区選出の岸田文雄氏にとって、溝手氏は側近中の側近だったはずである。岸田氏は、安倍首相と溝手氏の確執についても熟知していたはずである。そこに官邸主導で河井案里氏を立ててくるというのは、その狙いが“溝手落とし”であることは、どんな鈍感な人間でも分かることだ。
 本来派閥の長たるものは、こういう時にこそ体を張ってでも派閥のメンバーを守るために、断固として官邸に抵抗すべきであろう。だが岸田氏が抵抗したことは、寡聞にして知らない。
 岸田氏が徹底抗戦をしていたなら河井案里氏の立候補はなかったかもしれない。そうすれば河井夫妻による大規模な買収事件も起こらなかったかもしれない。岸田氏の責任は、決して小さくはない。
 最近の岸田氏をテレビなどで見ると安倍首相と同じアベノマスクを着けている。首相の座の禅譲を期待してのことなのだろうが、みっともないだけである。
 ■ 「溝手さんの票を取らないと」
 6月28日付の
朝日新聞に、興味深い記事が掲載されていた。「(金を受け取った)議員らの証言を総合すると、強く意識していたのが同じ自民党の溝手氏の存在だった。案里議員の陣営スタッフは、『強力なライバルになる』(検察への供述)とみて警戒した」。選挙用ポスターを手がけた業者は取材に「案里議員が『溝手さんの票を取らないといけない』と話していた」と証言。また遊説ルートについて、「溝手たち『敵陣営』にばれると困る」などと検察に供述した陣営幹部もいた、というのだ。
 実際、河井克行容疑者は、三原市の天満祥典市長に150万円渡していた。当初は受け取りを否定していたが、その後受領を認め、市長辞職を表明している。
  

 溝手氏は「敵」として位置付けられ、その票を取るというのだから、“溝手落とし”が最大の選挙戦略だったということになる。党本部から案里陣営への1億5000万円という、自民党内でも驚きと批判の声が上がった巨額資金の提供もこのためのものであったと見られても仕方がないだろう。
 6月24日付「しんぶん赤旗」によると2019年1月以降、河井克行容疑者が法相を辞任する10月までに官邸で、安倍首相と12回も面会をしていたという。うち9回は自民党総裁補佐としての単独の面会だった。しかも、克行容疑者が安倍首相と単独で面会した前後に巨額の資金提供が行われていたというのである。実際、「
安倍さんから」と言われて克行容疑者から金を渡された町議もいる。
■ 金子恵美元衆院議員の衝撃の告白
 安倍チルドレンの1人であった元自民党衆院議員の金子恵美氏が6月22日の文化放送で、次のような衝撃的な発言を行なった。
 「実際、私自身もですね、正直、選挙の時に『お金を配らなければ、地方議員の皆さんとか、みんな、協力してくれないから。みんな、やってるんだから、配りなさい』というふうに私自身言われました(教えられた)」
 「各県それぞれ、やり方があるみたいですね。完全にアウトにならないグレーなやり方とか。名目を変えるとか。実際、お金が飛び交っているという事実は、過去の話のように思われるかもしれないが今現在も残っている」
 証拠のないことなので、自民党は否定するだろうが、金子氏があえて嘘を言う必要もないことである。
■ 秘書を大事にしない政治家は墓穴を掘る
 最近の政治家のスキャンダルを見ていると、秘書が告発したり、情報が漏洩している場合が多いように思う。
 3年前、『
週刊新潮』(2017年6月29日号)が報じた自民党衆院議員豊田真由子氏の秘書への暴言・暴行報道は、なかなか衝撃的なものだった。豊田氏は、東大法学部を卒業し、ハーバード大学大学院も修了した厚労省の官僚であった。一般的に言えば、超エリートであった。
 ところがこの豊田氏が、移動中の自動車の中で秘書に対してイライラを募らせ、「このハゲーー!」「違うだろう!」などと狂気じみた怒鳴り声をあげるなど、暴言を吐いていたというのだ。秘書がICレコーダーに豊田氏の絶叫や罵詈雑言を録音していたのだ。しかもこの声がテレビなどでも公開されてしまった。
 豊田氏は、自民党に離党届を提出するしかなかった。次の選挙に無所属で立候補したが、あえなく落選した。秘書の告発にやられてしまったのだ。
 河井克行容疑者の場合も、秘書の評判はよくなかったようだ。ある元秘書はテレビの取材に、「最悪の人間だった」と言われていた。
 選挙区に香典などをばらまいていたとして、経産相を辞任に追い込まれた菅原一秀衆院議員の場合もそうだ。『週刊文春』(2020年7月2日号)に、「“香典持参”の秘書が告発 『菅原前経産相の悪事、すべて話します』」という記事が掲載されているほどだ。
 秘書を人間扱いしないような議員は、いずれ墓穴を掘ることになる。野党にもひどい議員がいたことを私は知っているが、秘書を小間使いのように使うやり方は時代錯誤ということを議員各位は肝に銘じてもらいたい。

 元稿:JB Press 主要ニュース 社説・解説・コラム 【事件・犯罪 】  2020年06月30日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【激震 前法相夫妻逮捕】1億5000万円、示されぬ使途 自民、買収否定すれど

2020-07-03 08:15:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【激震 前法相夫妻逮捕】1億5000万円、示されぬ使途 自民、買収否定すれど説明迷走

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【激震 前法相夫妻逮捕】1億5000万円、示されぬ使途 自民、買収否定すれど説明迷走

 ▽党内からも疑問や不満

 前法相の河井克行容疑者(衆院広島3区)と妻の案里容疑者(参院広島)が逮捕された公選法違反事件を巡り、昨年7月の参院選公示前に夫妻の党支部に提供された1億5千万円の使途に関する自民党の説明が二転三転している。当初は「広報紙配布の費用」「買収には使えない」としたが、検察当局に関係書類を押収されて詳細を確認できていないことが判明。党内からも説明責任を果たすよう求める声が上がり始めた。

 ■【特集】河井克行・案里夫妻 買収事件

 「政党交付金は国民の税金が原資。党本部で公認会計士が厳格な基準に照らして事後的に各支部の支出をチェックしており、買収に使えないのは当然のこと」

 河井夫妻が離党した6月17日、二階俊博幹事長は記者会見で力説した。1億5千万円の使途は「支部の立ち上げに伴う党勢拡大のための広報紙を複数回、全県に配布した費用に充てられたと報告を受けている」と述べた。同党は1億5千万円の内訳を明らかにしていないが、中国新聞の取材で8割の1億2千万円が政党交付金と判明している。

 河井夫妻は翌18日逮捕された。安倍晋三首相(衆院山口4区)は同日の記者会見で二階氏の説明を引き、「巷間(こうかん)言われているような使途に使うことはできない」と買収との関連を重ねて否定した。

 だが二階氏は23日になって「党として支出した先がどうなったか細かく追及しておらず、承知していない」と発言。これまでと食い違う説明を展開した。

 このため中国新聞は党本部に質問書を提出。同党幹事長室から文書で回答を得た。夫妻の関係先が検察当局の家宅捜索を受け、領収証などの書類が押収されたことから「詳細は不明のまま(政党交付金)の使途報告書が提出されている」とし、使途を確認できていないことを認めた。

 首相や幹事長による「買収には使えない」などの言い分は崩れた。広報紙に充てたとの報告は参院選の前だったことも分かった。

 こうした党本部の対応を受け、30日の総務会では出席議員から執行部に説明を求める声が相次いだ。鈴木俊一総務会長は「党員が抱く疑問や不満に応えなければならない」と述べた。

 首相は18日の会見で「党総裁として国民に対する説明責任を果たしていかなければならない」と語っていた。政治資金に詳しい日本大の岩井奉信教授(政治学)は党の説明の迷走にあきれた上で「使い道はもちろん、異例の金額である1億5千万円の提供を誰がどう決めたのか、決定の過程や金額の内訳を有権者に明示する義務がある」と指摘する。(桑原正敏)

 ■関連記事「1億5000万円使途、自民は未確認 「書類押収された」」

 ■関連記事「石破氏「自民党は逃げてはいかん」 河井夫妻事件の説明問題で」

 ■関連記事「1億5千万円の使途「党は承知していない」 河井夫妻側への提供金で二階幹事長 従来の説明と食い違い」

 ■関連記事「1億2000万円は政党交付金 河井夫妻側支部への党提供資金、報告書に使途示さず」

 ■関連記事「河井前法相夫妻逮捕、問われる首相の責任 発端は1億5000万円提供」

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・公職選挙法違反容疑】  2020年07月01日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【永田町の裏を読む】:独自性を打ち出した者ほど「ポスト安倍」に浮上する政局

2020-07-03 08:15:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【永田町の裏を読む】:独自性を打ち出した者ほど「ポスト安倍」に浮上する政局

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【永田町の裏を読む】:独自性を打ち出した者ほど「ポスト安倍」に浮上する政局

 国会の会期末前後から、「秋に解散・総選挙か」という観測が永田町内で盛んに流れていて、出元を探るとたいていは安倍晋三首相の周辺である。

 典型的には、首相の盟友と呼ばれる甘利明自民党税制調査会長で、「(解散を)秋にやった方がいいと言う人もいる。秋以降、経済対策と合わせてする可能性はゼロではない」と、18日に時事通信に語っている。翌19日には、安倍が約3カ月ぶりに夜の会食を解禁し、麻生太郎副総理、菅義偉官房長官、それにこの甘利と4人で都内の料理店で2時間半も過ごしたので、「安倍はいよいよ本気か?」と緊張する議員もいる。

左から河野防衛相、石破元自民党幹事長、小泉環境相(C)日刊ゲンダイ

  左から河野防衛相、石破元自民党幹事長、小泉環境相(C)日刊ゲンダイ

 いよいよ何もかも行き詰まって、最後の手段で血路を開こうという賭けなのか? 自民党中堅議員に聞いた。

「逆ですよ。もう解散もできないほど行き詰まっているので、口先だけでそういう噂を振りまいて、『まだ力があるんだぞ。見くびるな!』と強がっているだけです」と、彼は言下に否定した。

 「だって、誰が考えても無理ですよ。国民は経済が大変で倒産・失業続出、コロナ禍だっていつ第2波が来るか、五輪はできるのかどうかというこんな時期に、誰も解散騒ぎなど望んでいない。安倍の政権延命のためだけの自己都合解散に付き合っていられない。また議員にしてみれば、このありさまの安倍を担いで当選できるとは誰も思わないでしょう」と。

 ということは、安倍の下での解散・総選挙は、もうない、ということなのか。

 「最近の共同通信の調査で、『次の首相にふさわしいのは』の問いに、石破茂がダントツの23・6%。以下、安倍14・2、河野太郎9・2、小泉進次郎8・8ときて、次が何と枝野幸男3・5、岸田文雄はそのさらに下の3・3ですよ。今年にせよ来年にせよ、岸田を事実上、後継指名して改憲への努力を継続させることを含め影響力を残そうという計画も、既に破綻した。ジタバタせずに早く辞めて石破に政権を渡せというのが国民世論で、党内もだいぶそちらに傾いてきたということだ」と、まあ彼は石破に近い立場なので当然ではあるけれども、党内感情の変化をそう解説する。

 こうなると、イージス・アショア導入停止でワンマンショーを演じた河野が上位に躍り出たことが示すように、安倍を恐れずに独自性を打ち出した者ほどポスト安倍の舞台で浮上することになる。小泉もここで踏ん張って、石破、河野と共に安倍劇場の早期終演を促す側に立つべきではないか。

高野孟 ジャーナリスト

高野孟

 1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2020年06月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①】:景気の急激悪化 雇用維持に全力傾けて

2020-07-03 06:47:55 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説①】:景気の急激悪化 雇用維持に全力傾けて

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:景気の急激悪化 雇用維持に全力傾けて

 日銀短観で景況感がリーマン・ショック時に次ぐ落ち込みとなった。有効求人倍率も石油ショック以来の下落となり、経済は歴史的な試練に直面しつつある。今は雇用の維持に全力を傾ける時だ。

 一日発表の六月短観は主要指標である大企業製造業の景況感が、リーマン直後の二〇〇九年六月以来の低水準となった。さらにサービス業などの非製造業は東日本大震災後以来のマイナスとなった上、下落幅は過去最大を記録した。コロナ禍が観光や航空、飲食などに確実に打撃を与えていることが統計上裏打ちされたといえる。

 経済対策の中で、最優先すべき課題が雇用維持であることに異論はないだろう。五月の労働力調査で完全失業率は0・3ポイント上昇の2・9%と世界の中では踏みとどまっている印象を受けるが、内実をみると深刻な状況が浮かぶ。

 まず休業者の問題だ。解雇には至らないが自宅待機など休業を言い渡されている労働者は、緊急事態宣言後前年同月比二百七十四万人増え四百二十三万人に達した。

 この人々は失業率には反映されないが、「失業予備軍」であることは否定できない。すでに四月から五月にかけて休業者のうち十万人が失業した。

 政府は失業対策として雇用調整助成金の活用を軸に据えている。確かに六月末段階で延べ三百六十六万人に助成金が支払われた。

 だが制度はあくまで一時しのぎにすぎない。申請が殺到して支給が遅れ、その間に経営が悪化して倒産した例もある。

 制度は今回ほど大規模な雇用悪化に対応するよう設計されていない。コロナ禍が長期戦の様相を呈する中、強力な新制度を早急に導入すべきだろう。

 経済全体を見渡すと宅配などを含めた流通関連は依然働き手を必要としている。「ステイホーム」下で職場を維持する努力も各企業で進んでいる。

 こうした動きを察知し、労働移動の活性化や新たな職域を生み出す工夫も求められる。職の創造や求職のアレンジに向けた仕組みを官民一体で立ち上げてほしい。

 民間経済がこれほど激しく落ち込んでいる以上、公共事業による仕事の創出も不可避であろう。財政状況の厳しさはいうまでもないが、働く場の喪失は人々の尊厳を根こそぎ奪う。政府は雇用防衛への躊躇(ちゅうちょ)なき姿勢をより強くみせるべきだ。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年07月02日  06:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説②】:強制不妊判決 血の通った救済を急げ

2020-07-03 06:47:50 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【社説②】:強制不妊判決 血の通った救済を急げ 

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:強制不妊判決 血の通った救済を急げ 

 旧優生保護法下での非人道的な強制不妊手術。東京地裁はこれを違憲としつつ、手術を受けた男性への賠償を認めなかった。提訴が遅すぎたというが、形式的すぎる。血の通った救済が必要だ。

 優生思想に立つと、この世には不良な者とそうでない者が存在する。不良な者は子どもを持つべきではない−。一九四八年に施行された旧優生保護法は、そう言っているに等しい。だから、遺伝性疾患や精神障害などの人に本人の同意がなくても不妊手術ができた。旧厚生省は当時、公益目的があり「憲法の精神に背くものではない」と通知していたほどだ。

 非科学的・非人道的であり、明らかな差別である。人権上の問題が指摘されながらも、やっと母体保護法へ改正されたのは九六年のことだ。不妊手術の規定も削除された。長く問題を放置してきたのは国家の罪と呼ぶべきである。

 東京地裁は原告の不妊手術について「憲法で保障された自由を侵害する」と述べた。昨年五月の仙台地裁は「個人の尊厳を踏みにじった」とし、旧法自体を違憲としていた。こんな判断が続きながら、七十七歳になる男性の訴えが届かなかったのはなぜか。

 児童福祉施設に入所していた十四歳のころ、男性は手術を受けた。東京地裁は損害賠償を請求できるのは手術日から二十年間という考え方に立ちつつ、「遅くとも旧法が改正された九六年には提訴できた」という。つまり男性が提訴した二〇一八年は既に請求権が消滅したとの論法だ。

 これはおかしい。男性は事情を知らず手術を受けたのであり、当時は未成年である。かつ現在もその被害は継続している。そう考えるべきである。差別的な国策は長く継続されていたではないか。

 旧法による最後の手術は二十年以上前の九六年であり、判決の論法ならば賠償を受けられる人は存在しなくなる。社会の偏見や差別が解消されたわけでもない。被害者に一時金を支給する救済法ができ、政府の「おわび」が発表されたのは昨年四月のことなのだ。

 手術を受けた約二万五千人のうち、約一万六千五百人は本人同意がなかった。だが、一時金が認められたのは、これまでわずか約六百二十人。高齢の被害者には残された時間も限られる。人権に配慮しつつ、実態調査を進め、本格的な救済を急ぐべきである。「不良」の烙印(らくいん)を押した国こそ、もっと重い責任を負うべきなのだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年07月02日  06:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【筆洗】:「ねえ、こんなにたくさん、どうするの?」。冷蔵庫の脇にしま・・・

2020-07-03 06:47:45 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【筆洗】:「ねえ、こんなにたくさん、どうするの?」。冷蔵庫の脇にしま・・・

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「ねえ、こんなにたくさん、どうするの?」。冷蔵庫の脇にしま・・・

 「ねえ、こんなにたくさん、どうするの?」。冷蔵庫の脇にしまい込まれていた大量の紙袋を見つけた娘が老いた母親に尋ねる。母親が面倒くさそうに答える。「なにかのときにないと、困るからさあ…」。是枝裕和監督の「歩いても歩いても」(二〇〇八年)にそんな場面があった▼決めつける気はないが、母親というものはなんでも大切にとっておきたがる傾向があるのか。紙袋、包装紙、リボン…。もったいないからまだ使えるからとしまい込む▼知り合いが、亡くなった母親の家を片付けていてびっくりするほど大量のレジ袋を発見したそうだ。あきれると同時になんだか申し訳ない気分になったと言っていたが、よく分かる▼スーパーやコンビニなどでレジ袋の有料化が始まった。映画では紙袋だったが、あの母親なら「ほら、とっておいてよかったじゃない」と言うだろう。無料だったレジ袋に数円かかる。むざむざ支払うのはやはりシャクである▼有料化でレジ袋の量を減らし、プラスチックごみによる海洋汚染を防ぐ試みである。レジ袋が消えるわけではなく、汚染防止にどこまで効果があるのか分からぬが、これでプラスチックごみを減らす意識が高まればよい▼もったいないのでマイバッグを使いたい。もったいないのはレジ袋に数円を払うこと。それにかけがえのない海をプラスチックごみで汚すことである。

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2020年07月02日  06:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍首相の一日】:7月1日(水)

2020-07-03 06:47:40 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【安倍首相の一日】:7月1日(水)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍首相の一日】:7月1日(水)

 【午前】9時55分、官邸。10時32分、すべての女性が輝く社会づくり本部。54分、自民党の根本匠、石原伸晃、塩崎恭久各衆院議員。11時38分、日銀の中村豊明審議委員に辞令交付。菅義偉官房長官同席。

 【午後】2時10分、藤原聖也駐ジャマイカ大使、千葉広久駐バヌアツ大使、津川貴久駐ベナン大使、堤尚広駐南スーダン大使の新任あいさつ。3時47分、自民党の岸田文雄経済成長戦略本部長、田村憲久新型コロナウイルス関連肺炎対策本部長らから提言書受け取り。4時31分、加藤勝信厚生労働相、菅官房長官、西村康稔経済再生担当相、西村明宏、岡田直樹、杉田和博各官房副長官、北村滋国家安全保障局長、和泉洋人、長谷川栄一、今井尚哉各首相補佐官、樽見英樹新型コロナウイルス感染症対策推進室長、秋葉剛男外務事務次官、鈴木康裕厚労省医務技監。54分、西村経済再生担当相。5時5分、北村国家安全保障局長、滝沢裕昭内閣情報官、山田重夫外務省総合外交政策局長、防衛省の槌道明宏防衛政策局長、山崎幸二統合幕僚長。30分、北村国家安全保障局長。43分、遠藤利明自民党2020年五輪・パラリンピック東京大会実施本部長らから決議書受け取り。6時、北村国家安全保障局長、和泉、今井両首相補佐官、外務省の秋葉事務次官、鈴木量博北米局長、高橋憲一防衛事務次官。28分、公邸。松尾新吾九州電力特別顧問、石原進JR九州特別顧問、仏壇仏具販売「はせがわ」の長谷川裕一相談役と会食。8時55分、全員出る。宿泊。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2020年07月02日  06:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①】:国家安全法可決 香港の自由葬る暴挙だ

2020-07-03 06:47:35 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説①】:国家安全法可決 香港の自由葬る暴挙だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:国家安全法可決 香港の自由葬る暴挙だ

 中国が香港の統制を強める国家安全維持法を可決した。英国からの返還記念日の七月一日を前に施行される。中国は「五十年不変」と国際公約した香港の高度な自治を自ら葬ったと批判されよう。

 中国の全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会は六月三十日、同法を可決した。常務委員会は六月中に二回開催されるという異例のスピード審議だった。

 香港返還二十三周年にあたる一日に合わせて同法を施行し、中国が完全に香港の主権を回復したことをアピールする狙いがあるのかもしれない。しかし、中国の思惑とは裏腹に、国際社会は七月一日を中国が香港の自由を死なせた日として記憶するだろう。

 同法は、国家分裂、中央政府転覆、テロ行為、外国勢力との結託による国家への危害−の四つを犯罪と規定。今後は中国政府が香港に新設する国家安全維持公署が香港政府を監督し、香港住民に直接法執行できるようになる。

 中国政府は「取り締まりの対象はごく一部で、香港は何も変わらない」と説明するが、これは事実と大きく異なる。

 同法施行により、反政府活動の摘発では中国政府が主導権を握り、罪を裁く裁判官も中国政府が操る香港行政長官が選ぶという。

 「一国二制度」の下で、まがりなりにも保たれていた高度な自治や司法の独立は香港から完全に失われる。香港は大陸の都市と同様に、一党独裁の中国が「人治」によって恣意(しい)的に統治する一つの港湾都市になってしまうだろう。

 日米欧の先進七カ国(G7)外相は六月、「重大な懸念」を表明した。中国政府は「内政干渉だ」と反発し、警告に耳を貸さないどころか、米国などが香港の民主化運動を扇動しているとして、同法を強引に早期可決した。

 香港では、行政長官選の民主化を求める雨傘運動や逃亡犯条例反対に端を発した抗議デモが続いてきた。これは、返還後の香港では国防と外交を除く「港人治港」を守るとした国際公約を、中国が踏みにじったことへの抵抗である。

 中国は二〇一二年、香港で愛国主義教育を必修化しようとしたが、若者らの反対デモで撤回に追い込まれた。香港人が心の底から中国と一緒になろうという気持ちになれない原因は、外国の干渉ではなく中国自身のふるまいにあるのだ。

 同法施行で中国は強引に香港を取り込もうとするが、香港人の心は確実に中国から離反する。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年07月01日  07:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説②】:王位戦7番勝負 最年長VS最年少の魅力

2020-07-03 06:47:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【社説②】:王位戦7番勝負 最年長VS最年少の魅力

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:王位戦7番勝負 最年長VS最年少の魅力

 将棋の王位戦七番勝負が一日に開幕する。最年長で初タイトルを手にした苦労人、木村一基王位(47)の防衛か。最年少棋士の天才、藤井聡太七段(17)の奪取か。ファンでなくとも注目の対決となる。

 六十一期を数える王位戦。通算で最多の十八期獲得を誇る羽生善治九段(49)をはじめ、名棋士たちによる過去の戦いにまして今期が注目を集めるのは、やはり挑戦者が藤井七段であるためだろう。

 六月二十三日の挑戦者決定戦での戦いぶりも見事だった。

 中盤の勝負どころでは、一時間三十六分の長考。わずか一手を指すのに、四時間ある持ち時間の四割をも費やしたのだ。持ち時間を先に多く使うと、終盤では不利に働く。だが、ここぞという局面で落ち着いて深く考えられない棋士には、勝利も成長も訪れない。

 対局後には、七番勝負への抱負として「ゆっくり考えられるのは楽しみ」と述べた。持ち時間が倍の八時間に増えるためだ。

 また、敗れた永瀬拓矢二冠(27)も立派だった。藤井七段には、棋聖戦の挑戦者決定戦に続く敗北。目前のタイトル挑戦を二つも逃した悔しさは、察するに余りある。

 しかし負けが決まると、十歳も若い後進に潔く頭を下げ、「藤井七段に追いつけるように、また勉強して頑張りたい」と述べた。なかなか言える言葉ではない。

 思えばコロナ禍の中、この国では「短慮」がもたらす残念な行動が相次いだ。一方、何かと「スピード感」を強調する政府が、マスクの配布などで不手際と弁明を重ねたことも思い起こされる。

 牽強付会(けんきょうふかい)のそしりを恐れずに言えば、こうした世相にあってこの若い二人の戦いぶりは、時間をかけて考えること、つまり熟慮の意味や、潔さの大切さを体現しているようにも思われる。

 藤井七段は七番勝負でも、熟考が生む驚きの指し手を見せてほしい。将棋への真剣な姿勢で棋士仲間からも尊敬される永瀬二冠は、捲土重来(けんどちょうらい)を期してほしい。

 七番勝負で藤井七段を待つのは「将棋の強いおじさん」こと木村王位。相手の攻めを粘り強くしのいで勝つ「受け」の第一人者だが、「これに勝てばタイトル奪取」という対局で八回も敗北。昨年、史上最年長の四十六歳で初めてタイトルを得て涙した姿は多くのファンの胸を打ち、「中高年の星」とも呼ばれる人気棋士だ。

 年の差は三十歳。世代も違えば棋風も、棋士としての魅力も異なる二人だ。名勝負を期待する。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年07月01日  07:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【筆洗】:そこには三人の帝がいた。南海の帝、北海の帝、中央の帝。中央…

2020-07-03 06:47:25 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【筆洗】:そこには三人の帝がいた。南海の帝、北海の帝、中央の帝。中央…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:そこには三人の帝がいた。南海の帝、北海の帝、中央の帝。中央…

 そこには三人の帝がいた。南海の帝、北海の帝、中央の帝。中央の帝の名前は「渾沌(こんとん)」である。「渾沌」には目、耳、口、鼻の七つの穴がなかった▼「渾沌」はときどきやって来る二人の帝をよくもてなしたので、二人の帝はなにかお礼をしたいと考えた。二人は「渾沌」にも自分たちと同じ七つの穴を与えようと一日に一つずつ穴を開けていった。七日目。穴を開けられた帝は息絶えた。「荘子」の有名な「渾沌七竅(しちきょう)に死す」である▼この場合の穴とは自分たちと同じ秩序やルールと解釈できるだろう。「渾沌」をそのままにしておけばよかったが、自分たちの秩序を押しつけた結果、図らずも、その命を奪ってしまった▼そして今、無残にも穴を開けられようとしているのは、香港であろう。中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は昨日、「香港国家安全維持法」案を異例のスピード審議で可決した▼可決によって中国政府による香港での反体制運動の取り締まりは極めて厳しくなるだろう。香港に対し、高度な自治を認めてきた「一国二制度」は事実上消える。香港住民の意思に反し、中国本土と同じ「顔」に無理やり変える乱暴な手術が心配である▼「渾沌」は無秩序やカオスを意味する「混沌」の語源と関係があるそうだが、国際社会が反対する中国の強引なやり方は香港情勢をかえって混沌とさせる危険さえある。

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2020年07月01日  07:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【私設・論説室から】:登校しない子の学舎

2020-07-03 06:47:20 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【私設・論説室から】:登校しない子の学舎 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【私設・論説室から】:登校しない子の学舎 

 コロナ禍の中、各地で学校が再開されだした。ランドセルを背負った子どもたちの姿を目にすると少しほっとする。

 再開後の学校現場は学習の遅れを取り戻す努力を強いられる。運営をお手伝いする地元の公立小学校でも土曜授業の実施や、夏休みの短縮で対応する。

 ただ、心配なことがある。子どもたちは長期休校から一転、学習の詰め込み圧力にさらされることになる。

 なんとか踏ん張って学ぶ子も、それに耐えきれず学校に行けなくなるかもしれない。

 学校に子どもたちの声が戻っても後戻りしてほしくない取り組みがある。

 休校中、各地でオンライン授業が広がりつつあった。その動きが、学校再開で止まってしまわないか懸念している。

 教室では発言が少なかった子どもが、オンライン授業では積極的になるケースが見られたそうだ。不登校になっても授業は受けたいとのニーズもあると聞く。

 地元では今後の課題のようだが、オンライン授業の併用が各地で定着すれば、学校に行かない選択をした子どもも授業に参加でき、教育を受ける選択肢はもっと増える。

 今の学校は登校しないと学べない仕組みだが、学校外で学ぶ選択肢も必要とされている。公教育が「学習機会の保障」と言うのなら、登校しない学舎(まなびや)がほしい。 (鈴木 穣)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【私設・論説室から】  2020年07月01日  07:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍首相の一日】:6月30日(火)

2020-07-03 06:47:15 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【安倍首相の一日】:6月30日(火) 

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍首相の一日】:6月30日(火)

 【午前】9時53分、官邸。10時57分、麻生太郎副総理兼財務相、財務省の岡本薫明事務次官、太田充主計局長、矢野康治主税局長。11時11分、麻生副総理兼財務相。32分、石田祝稔公明党政調会長らから骨太方針に向けた提言書受け取り。

 【午後】2時3分、田中明彦総合海洋政策本部参与会議座長から海洋政策に関する意見書受け取り。54分、太田昭宏公明党前代表。4時、北村滋国家安全保障局長、滝沢裕昭内閣情報官、防衛省の槌道明宏防衛政策局長、納冨中情報本部長。12分、滝沢内閣情報官。37分、下村博文自民党選対委員長。5時11分、加藤勝信厚生労働相、菅義偉官房長官、西村康稔経済再生担当相、西村明宏、岡田直樹、杉田和博各官房副長官、北村国家安全保障局長、長谷川栄一、今井尚哉両首相補佐官、樽見英樹新型コロナウイルス感染症対策推進室長、秋葉剛男外務事務次官、鈴木康裕厚労省医務技監。16分、和泉洋人首相補佐官加わる。28分、西村経済再生担当相、樽見新型コロナウイルス感染症対策推進室長。37分、薗浦健太郎自民党総裁外交特別補佐、長谷川、今井両首相補佐官。40分、秋葉外務事務次官加わる。52分、薗浦自民党総裁外交特別補佐。57分、加藤厚労相、厚労省の鈴木医務技監、鎌田光明医薬・生活衛生局長。7時32分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2020年07月01日  07:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【私設・論説室から】:恐怖心頼みでいいのか

2020-07-03 06:47:10 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【私設・論説室から】:恐怖心頼みでいいのか 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【私設・論説室から】:恐怖心頼みでいいのか 

 新型コロナ対策で、欧米が強制力のある厳しい外出禁止措置を取ったのに対し、日本は罰則のない外出自粛要請にとどまった。にもかかわらず、市民は外出を控え、大規模な感染拡大を防ぐことができた。なぜだろうか。大きな理由の一つが「恐怖心」だと思う。

 亡くなったタレントの志村けんさん、女優の岡江久美子さんらがPCR検査を受けたのは、人工呼吸器を着けるまでに重症化した後だった。大相撲力士の勝武士(しょうぶし)は、高熱を出したが、受け入れ先の病院が数日間見つからなかったという。著名人でも後手に回った例が相次いで報じられ、「感染したら手当てを受けられずに死ぬのでは」と恐怖を抱き、自粛に努めた人も少なからずいたのではないか。

 今さらながらのアベノマスクの寄付が相次ぐことを、菅義偉官房長官は「次なる流行に反応できるよう、布マスクを国民が保有することに意義がある」とけん制した。第二波の際も不織布マスクが不足したまま放置するというのか。今、市中にマスクが出回るようにはなったが多くは中国製だ。国産マスクの量産態勢を整えておくべきなのは当然だろう。

 医療従事者の献身で支えられてきたが、PCR検査態勢の拡充、集中治療室(ICU)の増床など、課題は山積する。感染拡大が落ち着いている今のうちに政策を総動員し、対応を急いでほしい。これ以上、恐怖におののくのはまっぴらだ。 (熊倉逸男)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【私設・論説室から】  2020年06月29日  07:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする