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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:民間委託の情報開示 曇りなき透明性の確保を

2020-07-03 06:01:55 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:民間委託の情報開示 曇りなき透明性の確保を

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:民間委託の情報開示 曇りなき透明性の確保を

 惰性で公金を扱っているようにしか見えない。

 新型コロナウイルス対策の持続化給付金事業を受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が、経済産業省から請け負った事業14件のうち11件が競争入札ではなく有識者の審査で決まっていた。
 問題は、請け負った数々の事業の決め方だ。有識者はおろか、選定理由が不明なのだ。曇りなき透明性ある情報開示に向け早急に改めるべきだ。
 審査は、各有識者が公募事業者の提案を評価した採点表を経産省が集約し、最高点の事業者を選ぶ方法で行われた。
 経産省側は有識者のメンバーが誰なのか、誰がどんな評価をして、選定に至ったのか。理由など詳細を明らかにしていない。合理的な審査を経た選定が可能だったのか。有識者が対面で会議を開かないケースが多いというのに、議事録などは作成されているのか。疑問は尽きない。
 こうした審査方法は、同協議会が2016年に設立して以降、受託事業の大半で行われた。主な事業は17年度のIT導入支援事業(約499億円)、18年度の事業承継補助金(30億円)、19年度の教育用ソフトウエア導入実証事業(30億円)などが該当する。
 16年度に協議会が受託したおもてなし規格認証事業(4600万円)は、公募開始と協議会の設立日が同じとの指摘があり、応募の適格性の面からも不自然さがつきまとう。
 経産省は、専門的な知見が必要で価格の見積もりができない委託事業や、補助金事業の交付事務は有識者審査で事業者を決めてきたと説明する。
 行政が、不足する専門領域の知見を民間に頼り、委託する必要性は否定しない。しかし国民の税金で賄う事業の選定過程が、これほどまでにつまびらかにならないとあっては、見過ごせない。
 有識者審査という選定方法について、経産省は「有識者を公表すると、事業者側が便宜を図ってもらうために接触する恐れがある。評価が公になれば、事業者の今後の活動に悪影響を及ぼしかねない」との見解を示している。
 しかし競争入札だった持続化給付金事業を巡っても発注、受注側との癒着とみられても仕方ない関係が露呈した。
 給付金事業の入札前に、経産省側は、応札可能性のある協議会側と、別の団体より多くの時間を割いて、面会していたことが明らかになった。
 給付金事業を所管する中小企業庁の前田泰宏長官は17年、協議会の幹部とパーティーで接触していた。
 こうした振る舞いが新たな事業者の芽を摘み、参入障壁を設けるような悪しき慣習になっているとすれば、問題だ。さかのぼって全受託事業を検証する必要があろう。
 経産省は予算執行の透明性を図るため有識者ら第三者の検討会を設けた。この機会になれ合いがあるならば、絶ち、国民の不信を拭う最後の機会と、心して当たるべきだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年07月03日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:多様性の尊重を

2020-07-03 06:01:50 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【金口木舌】:多様性の尊重を

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:多様性の尊重を

 ゲイであることを同級生に知られ、周囲の視線の冷たさに絶望した高校生が学校のベランダから身を投げる。「欲しかったなあ、普通が」とつぶやきながら。昨年、NHKで放送された連続ドラマ「腐女子(ふじょし)、うっかりゲイに告(こく)る。」の一場面だ

 ▼性的少数者(LGBTQ)を扱うドラマなどがここ数年、脚光を浴びている。2018年に放送された「おっさんずラブ」は性別を超えた純愛を描き、反響を呼んだ。当事者の苦悩への理解も深まるといい

 ▼厚生労働省の調査で、同性愛などの10代男子371人のうち65%が自殺を考えたことがあると答えた。自殺未遂の経験がある人も1割超だ。無理解や好奇の視線はまだ強い。性の自認と異なる肉体を嫌悪し、自傷行為を繰り返す人もいる

 ▼宜野湾市議会が「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」案を否決した。県内10市などが定めた男女共同参画推進条例の内容に加え、性別などに関係なく平等で多様性を認め合う社会の実現を目指す条例案だった

 ▼反対した市議は男女共同参画社会基本法を引き合いに、他自治体と同じ条例の策定を求めた。条例案の再上程と可決を求める署名運動が始まっている

 ▼日本の社会は、自ら選択できない指向により秘密を抱えざるを得ない人々にとって生きづらい。変えるには、社会を構成する一人一人が当事者の声を聞くことだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年07月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:ふるさと納税国敗訴 後出しルール許されない

2020-07-03 06:01:45 | 【税制・納税・減税・消費税・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説】:ふるさと納税国敗訴 後出しルール許されない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:ふるさと納税国敗訴 後出しルール許されない

 ふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外した総務省の決定を巡る裁判で、最高裁は6月30日、国勝訴とした大阪高裁判決を破棄し、総務省の決定を違法として取り消した。泉佐野市の逆転勝訴が確定した。

 特定の地方自治体を排除しようとした国の強権的な手法を厳しく批判した内容であり、妥当な判決だ。
 法廷闘争の原因は、ふるさと納税を巡る自治体間の寄付獲得競争の過熱だ。豪華な返礼品を呼び水に寄付を集める自治体が相次ぎ、制度の本来の趣旨とは違う運用のゆがみが目立っていた。
 こうした過度な競争を防ぐ目的で、国は2019年3月に地方税法を改正する。総務省は「寄付額の30%以下の地場産品」を返礼品の基準とする新制度を同年6月から開始し、それまでに基準外の返礼品で寄付を集めていた泉佐野市などをふるさと納税の制度から締めだした。
 国の方針に従わなかった自治体に対し、新たな法制度を作り、施行前にさかのぼって責を負わせることが許されるのかが裁判の焦点になった。
 最高裁の示した判決は明確だ。「新制度移行前の募集実態を参加可否の判断材料にするといった趣旨はない」と改正地方税法の解釈を示し、過去の多額な寄付金集めを理由とした総務省の除外決定は違法と結論付けた。
 新しく作ったルールを過去にさかのぼって適用することを認めてしまえば、国の意に沿わない自治体を「後出しじゃんけん」でいくらでも狙い撃ちできることになる。
 2000年施行の地方分権一括法で、国と地方の関係は「上下・主従」から「対等・協力」へと改められている。国の技術的助言に従わないからといって、地方自治体に不利益な取り扱いをすることは許されない。
 寄付集めをエスカレートさせた泉佐野市に眉をひそめる部分があるとはいえ、自治体に対する国の関与は法的な根拠が厳格でなければならない。今回の判決は、地方自治や分権改革の成果を保持したという観点で評価できる。
 ふるさと納税制度も本来は、東京一極集中の税収格差を是正する地方自治の仕組みとして導入された。だが、自治体同士で税を奪い合い、地方間で新たな格差や分断を生むという矛盾を来している。
 泉佐野市はインターネット通販大手アマゾンのギフト券などを贈り、18年度に全国一の498億円の寄付を集めている。地域外の特産品や高額な返礼品でなりふり構わず寄付を集める手法に、最高裁も「社会通念上、節度を欠いていたと評価されてもやむを得ない」と苦言を呈している。
 制度導入時から想定されていた弊害を放置し、制度を進めてきた国の責任は大きい。
 ふるさと納税制度の見直しとともに、地方自治を保障する税制の在り方について本質的な議論を進めたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年07月02日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:ガラケーの行方

2020-07-03 06:01:40 | 【生物学・特定外来生物法・動物生態系・終生飼養・環境税・花粉症】

【金口木舌】:ガラケーの行方

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:ガラケーの行方

 「ガラケー」と呼び始めたのは海外のスマホが国内で出たころからか。iモードや着うたなど日本独自のサービスが展開したことから、淘汰(とうた)されず独自の進化を遂げた固有種が多いガラパゴス島になぞらえた

 ▼島には恐竜のような容姿のイグアナや、特徴あるくちばしを持つ鳥など独自の種が暮らす。この島での観察から着想を得たダーウィンは進化論をまとめる

 ▼自民党がツイッターで、ダーウィンの進化論からの引用として「生き残ることができるのは変化できる者である」と記した上で「いま憲法改正が必要」と結んだ。これが誤用だと批判を浴びた

 ▼進化論は、世代を経た集団の遺伝子変化の話であって、一個体だけの突然変異を言うものではないという。学会からもクレームが付いた。日本人間行動進化学会は誤りだと指摘し「現代においてもなお、特定の政治的主張に権威を与えるために、進化を含む科学的知識が誤用される事例がしばしばみられる」と警鐘を鳴らす

 ▼東北大学の千葉聡教授によると、あの発言は米経営学者のレオン・メギンソンによるもので、ダーウィンの考えを自身の解釈で記したそうだ。厳しいビジネスの世界で生き残る術を言いたかったのか

 ▼今や絶滅危惧種ともされるガラケー。科学の知識を乱用しながらある主張に導こうとするやり方は政治の世界ではまだ絶滅していないようだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年07月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:「国家安全法」成立 香港の自治は香港人に

2020-07-03 06:01:35 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、残留孤児、国家による抑圧統治】

【社説】:「国家安全法」成立 香港の自治は香港人に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:「国家安全法」成立 香港の自治は香港人に

 中国政府による香港の抗議デモ取り締まりなど、統制強化を目的とした「香港国家安全維持法」が成立した。

 香港の将来に関わる問題であるにもかかわらず、香港立法会(議会)で議論することなく決められた。1997年の返還後も50年間は「高度な自治」を保障するとした「国際公約」も順守していない。香港の自治は香港人に任せるべきである。
 香港の憲法に当たる「香港基本法」は、香港で社会主義制度や政策を実行せず、外交と国防を除き、行政管理権や司法の独立を認めている。香港返還の際に旧宗主国の英国と中国の間で合意した「一国二制度」である。
 中国の専管事項は国防と外交だけであり、治安など国家安全に関する事項は基本法によって、香港側が制定することになっている。
 今回成立した香港国家安全維持法によって、中国政府の出先機関「国家安全維持公署」を新設し、香港で治安維持を担う。香港政府がつくる「国家安全維持委員会」は中国政府の「監督と問責」を受け、中国政府の顧問を受け入れる。
 香港政府は中央政府の監督下に置かれ、行政管理権が侵害される。香港国家安全維持法は、国家分裂や政権転覆、外国勢力と結託して国家の安全に危害を加える行為を処罰対象とする。中国、香港への制裁を外国に要求することも処罰対象となる。
 国家安全に関する事件の専門裁判官は、行政長官が指名する。現長官の林鄭月娥(りんていげつが)氏は、事実上、中国に指名された人物である。事件の容疑者を訴追する政府側のトップが裁判官を自ら指名するのは、司法の独立の侵害である。
 沖縄側からみれば、かつての米国統治時代を想起させる。米国民政府を中国政府、琉球政府を香港政府に置き換えると共通点がある。
 沖縄を統治するトップの高等弁務官には、沖縄側の裁判官を任命する権限が与えられていた。沖縄側の判決が気に入らなければ、米国民政府裁判所に裁判を移すことができた。「友利裁判」「サンマ裁判」の事例がある。
 国家安全維持法は、香港の他の法律に優先すると規定されている。沖縄でも、米国民政府が制定する布令・布告が琉球政府の法令に優先した。集会やデモ、出版など表現の自由を布令で規制した。選挙で当選した瀬長亀次郎那覇市長を、布令によって追放したこともある。民主主義とは程遠い「布令政治」が、今の中国と重なる。
 早くも、2014年の香港大規模民主化デモ「雨傘運動」を率いた政治団体が解散を宣言した。
 中国は国際世論の厳しい批判を押し切り「内政干渉」と反発する。なりふり構わぬ香港への関与は、国際社会との溝をますます深くするだけである。これまで香港の発展を支えた「高度な自治」を保障すべきだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年07月01日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:肌色って何?

2020-07-03 06:01:30 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【金口木舌】:肌色って何?

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:肌色って何?

 小学校の図工の授業で絵を描くのが好きだった。特に建物や自動車、風景の絵を描くのは楽しかった。人物はちょっと苦手だった。上手に描こうと頑張っても似顔絵にならない。つまり下手なのだ

 ▼もう一つ、苦手な理由がある。肌の色をうまく作れないのである。濃すぎたり薄すぎたりして、実際の色に近づかなかった。手元にある絵の具は12色。24色ならうまくいくだろうかと考えた

 ▼小学生の頃の疑問を解こうとネットで調べたら「赤と黄と青で作ることができる」とあった。三原色の組み合わせで肌の色を描くことはできるのだ。ここで別の疑問が湧いた。肌色とは何だろう

 ▼米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が、黒や茶色など、それぞれの肌の色に合ったばんそうこう「バンドエイド」を発売するという。全部で5色。黒人死亡事件を契機とした人種差別批判を受けてのことだ

 ▼ふと気付く。ばんそうこうの色は肌の色、それは傷口に貼っても目立たないベージュだと思い込んでいた。実際の肌の色は多彩なのに。J&Jの対応は「遅すぎる」という批判もあるという

 ▼肌の色で差別してはならない。それが理想にとどまっているのはなぜか。小学生のわが子は濃いめの色で肌を描く。いろんな肌の色を描いてほしい。多様性を尊重できる世代なら人種の壁を乗り越えるはずだ。 

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年07月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:敵基地攻撃の危うさ 国民の命、米国の手中に

2020-07-03 06:01:25 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説】:敵基地攻撃の危うさ 国民の命、米国の手中に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:敵基地攻撃の危うさ 国民の命、米国の手中に

 一気にきな臭くなった防衛論議を強く警戒する必要がある。政府は地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画に代わるミサイル防衛論議を開始した。最大の焦点は、敵基地攻撃能力を持つかどうかだ。この能力は、敵のミサイル発射拠点などを直接破壊できる兵器の保有を意味する。

 保有を決めれば、日本の安全保障政策は大きく変わる。防衛政策の根幹である専守防衛の原則が形骸化するからだ。政府はこれまで保有は憲法上、許されるとする。しかし9条をはじめとする憲法の理念から逸脱しており、認められない。専守防衛は、アジア太平洋戦争で周辺諸国に多くの犠牲を強いた日本が過ちを繰り返さないというメッセージにもなってきた。この姿勢を放棄することになる。
 自民党は保有推進派が大勢を占め、安倍晋三首相は前のめりである。安倍首相はアショア断念を「反転攻勢としたい。打撃力保有にシフトするしかない」と周囲に漏らした。外交と安保政策の包括的な指針である国家安全保障戦略を2013年12月の閣議決定以来、初めて改定する方向だ。年内改定を目指す。
 注意すべきはミサイル戦争を巡る日米の運命共同体化である。保持すれば、日本が盾、米国が矛を担う従来の役割分担は日本が矛に合流する。
 本紙は昨年10月、米国が沖縄はじめ日本列島に、核弾頭を搭載可能な新型中距離弾道ミサイルを2年以内に大量配備する計画があると報じた。このミサイルは、迎撃型のアショアとは異なり攻撃型で、安倍首相が考える「打撃力」と一致する。米国の計画を呼び込むためにアショアを断念したと疑いたくなる。
 背景には、米中ロを中心とする新冷戦がある。昨年8月、米ロによる中距離核戦力(INF)廃棄条約が破棄された。中国が中距離核戦力を持ったことで短・中距離弾道ミサイルの開発競争に突入した。
 米国の狙いは、中国包囲とロシアへの対抗だ。当然、それを知っている中ロは、核弾頭を搭載できる短・中距離ミサイルを既存の米軍の施設や新型ミサイル施設に向ける。攻撃型ミサイルの配備は、日本列島が核戦争の最前線に置かれることを意味する。
 非核三原則を国是とする日本に対し、米国は「核弾頭は搭載しない」として配備を試みるかもしれない。しかし米国は自国の核兵器の所在を明かさない政策を取っている上、日本は在日米軍に対し核査察の意思や能力を欠いている。日本政府が米国の言葉を信じても中ロは信じない。日本は間違いなく標的にされる。
 新冷戦下での敵基地攻撃能力保有は、「抑止力」や「防衛」の名の下で米核戦略の一翼を担うことを意味する。国民の命を米国の手の中に委ねるのと同義だ。米国の中ロ敵視政策に寄り添うのではなく、攻撃の必要性をなくすよう、火種を取り除く外交こそが真の安全保障だ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年06月30日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:大海原へこぎ出す

2020-07-03 06:01:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【金口木舌】:大海原へこぎ出す

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:大海原へこぎ出す

 新造船の名前は進水式でお披露目されるのが通例だ。名をもらったばかりの船が台を滑って初めて海に浮かぶ。ダイナミックな情景だ

 ▼この人の船出も迫力があった。プロ野球、埼玉西武の與座海人投手のこと。21日のプロ初登板は堂々としたマウンドさばきだった。初戦は黒星を喫し、28日の登板でも勝敗は付かなかったが、初勝利も近いと感じさせる

 ▼浦添市出身。2018年、プロ1年目で右肘の靱帯(じんたい)再建手術を受けた。2軍でも登板はないままに復帰には最低1年とされた。復調できなければいずれは解雇となる育成選手へと契約も変わり、苦しい状況だった

 ▼昨年9月にようやく2軍で実戦デビュー。角度のある緩急の使い分けで結果を残し、育成から支配下登録へと復帰を果たした。リーグ2連覇中の西武で先発ローテーションの一角を担う

 ▼サブマリンと呼ばれる下手投げは球界で絶滅危惧とも言われる存在である。技巧にこだわり強打者を翻弄(ほんろう)するさまは痛快だ。手術を経ての復活は見る者を勇気づける。こぎ出したプロの大海原で存分に活躍してほしい

 ▼ことしのプロ野球は県勢の活躍が著しい。まだまだ開幕したばかり。ペナントレースを戦い抜くには常に順風満帆とはいかないかもしれない。調子には波もあるだろう。沖縄からの熱視線も力に躍動してほしい。挑戦し続ける姿がファンの力になる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年06月30日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:米軍撤退引き留め 負担押し付けに終止符を

2020-07-03 06:01:15 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【社説】:米軍撤退引き留め 負担押し付けに終止符を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:米軍撤退引き留め 負担押し付けに終止符を

 沖縄戦から75年、日本復帰から48年たつ。だが依然沖縄に在日米軍専用施設面積の7割が集中している。負担軽減はなぜ進まないのか。その本質が浮かび上がる歴史の事実がまた明らかになった。

 復帰前年の1971年5月、嘉手納基地に東京の米軍横田基地からF4戦闘機部隊が移駐した。これにより本土から米空軍戦闘機は消え、沖縄の基地機能が強化されていった。嘉手納のF4はその後F15に変わり、これが現在に至っている。沖縄に負担を押し付ける構図に、終止符を打たなければならない。
 71年のF4移駐を巡って今回、米側が当初、米本国や米領グアムを検討していたことが分かった。東京工業大の川名晋史准教授(国際政治学)が米公文書を分析した。川名氏は、米軍撤退を不安視する日本に配慮する米側の政治的措置だったと指摘している。
 首都圏の米空軍基地を整理・統合する「関東計画」が進んでいく時期だ。日本本土では米軍関連の事故にベトナム反戦運動や安保闘争などが重なり、反基地感情が高まっていた時期でもある。国内の政治問題化を避けるため、沖縄に基地を集約させていった政府の思惑がうかがえる。
 一方、在沖米軍の撤退や削減などの負担軽減案が米政府内で何度も検討されながら、日本側が引き留めてきた歴史も外交文書や当局者の証言などで明らかになっている。
 復帰に際して、那覇空港に配備されていた米海軍P3B対潜哨戒機の移駐先として米側が岩国(山口)や三沢(青森)を検討していながら嘉手納に変更された事例がある。
 72年1月の日米協議で福田赳夫外相(当時)はこの問題に触れて、佐藤栄作首相(同)の地元岩国などへの移転は「政治的な問題を生じさせる」と拒んだ。こうした基地負担を巡る沖縄と本土の二重基準は今も続く構図である。差別以外の何物でもない。
 在沖米軍基地面積の約7割を占める海兵隊は70年代に米政府内で撤退が検討されたが、日本側が引き留めている。少女乱暴事件を受けた90年代後半、米軍再編協議のあった2000年代半ば以降も同様だ。米関係者から撤退・削減案が浮上するたびに、水面下で日本政府が阻んできた。負担軽減の芽を長年摘んできた責任は重大だ。
 F4が嘉手納に移駐した71年5月、佐藤首相は琉球政府の屋良朝苗主席から基地の整理縮小について要請を受け「本土の(基地)負担を沖縄に負わすようなことはしない」と表明した。だが約束は今も果たされてはいない。
 現在、安倍政権は県民が繰り返し示す民意に反して辺野古の新基地建設を推し進めているが、軟弱地盤の存在などで技術的にも財政的にも完成は見通せない。安倍晋三首相にとっては、大叔父に当たる佐藤首相の約束を今こそ果たし、沖縄への負担の押し付けを改める好機であるはずだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年06月29日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:沖縄戦体験者への冒涜

2020-07-03 06:01:10 | 【第二次世界大戦・軍部の功罪・戦後80周年・東京大空襲他・犠牲者へ無補償

【金口木舌】:沖縄戦体験者への冒涜

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:沖縄戦体験者への冒涜

 小学生のころ、原子爆弾の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読み、戦争の脅威を具体的に想像するようになった。絵の力は大きい。戦争に反対する主人公一家を非国民と迫害した軍国主義の恐ろしさも伝える

はだしのゲン 第1巻 青麦ゲン登場の巻

 ▼本紙も4月から、新報小中学生新聞りゅうPON!で「まんがで伝える沖縄戦」(絵・なかもとあやこ)を掲載している。このうち沖縄戦の映像で知られる「震える少女」も今月題材とした

 ▼「震える少女は私」と浦崎末子さん(82)が初めて報道されたのは昨年6月23日付の本紙。その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった

 ▼語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)だ

 ▼「はだしのゲン」を巡っては2013年、「史実の誤り」との陳情をきっかけに島根県松江市内の学校図書館から排除しようとする動きがあった。のちに反発を受けて撤回された。次世代の目や耳も標的となっている

 ▼ことしの慰霊の日の本紙には、家族10人を失い、孤児となった金城節子さん(83)の初証言が掲載された。「自分が死んだら、もう残せない。誰がなんと言っても平和が大事」。75年の時を要した体験者の思いである。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年06月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず

2020-07-03 06:01:05 | 【第二次世界大戦・軍部の功罪・戦後80周年・東京大空襲他・犠牲者へ無補償

【社説】:沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず

 沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる。

 証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動きは戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ。不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない。
 沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として名乗り出た女性に対して、知らない男性が自宅を訪れ「どういうつもりか」と詰め寄った。座間味村での「集団自決」(強制集団死)について母親の手記をまとめた研究者は職場への嫌がらせの電話や自宅への訪問があった。「集団自決」の生存者は黒ずくめの男性2人が自宅を訪れ、「追い返したが、恐怖心が残った」と話す。
 体験者だけではなく、過去には「集団自決」を題材にした小学校での創作劇に対し、抗議や中止を求めるメールや電話が十数件寄せられた事例があった。
 言うまでもなく、憲法21条の保障する「表現の自由」は民主主義の根幹を成す権利である。戦前の日本にこの権利はなかったといってよい。
 大日本帝国憲法は、表現の自由はあくまで「法律の範囲内において」と記され、さまざまな法で制限された。特に1925年に制定された治安維持法は法改正を繰り返し、対象を一般市民にまで広げ、思想・言論の弾圧に利用された。さらに国民全体が相互に監視し合い、ものが言えない社会をつくり出した。政府や軍部には、強まる戦時体制のなか、戦争遂行の妨げになるわずかな動きでも封じたいという思惑があった。
 民主政治は誰もが自由に政治的意見を述べることができて初めて成り立つ。日本国憲法で認められた表現の自由は、米国統治下の沖縄では長く許されなかった。表現の自由は沖縄の先人たちが体を張って獲得した重要な権利だ。
 資料が乏しい沖縄戦の実相を把握するために、体験者の証言は重要である。複数の証言を付き合わせることでより多角的になり、資料価値は高まる。
 体験者の証言は、大江・岩波訴訟の最高裁判決でも示された通り、オーラル・ヒストリー(口述証言)の資料価値は法廷で認められた。連綿と紡いできた沖縄戦の証言の蓄積がきちんと評価されている。
 他人の自宅を訪問してまで圧力をかけた人たちの目的は定かではない。戦争体験の記憶の継承を、敗戦の記憶を呼び覚まし国家をおとしめると考えているとすれば、主権者である国民を冒とくする行為である。戦争に突入した「いつか来た道」に通じる。
 だからこそ沖縄戦の記憶を風化させてはならない。不当な圧力には毅然(きぜん)とした対応を取り、証言者の声に耳を傾け、歴史の教訓に学ばねばならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年06月28日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:南北戦争

2020-07-03 06:01:00 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【金口木舌】:南北戦争

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:南北戦争

 2013年1月のオバマ大統領の2期目の就任式。取材で足を運んだワシントンの連邦議会前に黒人や白人らさまざまな人種が詰め掛けていた

obama second term

オバマ大統領の2期目就任式が、米国時間21日に行われました。

 ▼「全ての人間は生まれながらにして平等だ」。多様性の大切さを訴えるオバマ大統領の声が響くと、拍手と歓声に沸いた。ワシントンは人種のるつぼと呼ばれる米国の縮図だった

 ▼あれから7年。トランプ政権に変わった米国が人種差別問題に揺れている。きっかけは5月25日にミネソタ州で発生した、白人警官によるジョージ・フロイドさん暴行致死事件。黒人が警官に撃たれたり、暴行されたりする事例は後を絶たず、緊張が高まっていた中で悲劇は起きた

 ▼フロイドさんの事件後、黒人差別に反対する抗議活動が全米に広がった。「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」との言葉とともに、奴隷制の象徴を否定しようという動きが広がる

 ▼南北戦争の激戦地だったバージニア州リッチモンドのリー将軍像。数々の激戦を制した南軍の英雄だが、南軍は奴隷制を擁護していたため、同州のノーサム知事は「誤った歴史を教える必要はない」と撤去する方針を示す

 ▼米メディアの専門家らは「南北戦争以来の分裂の危機だ」と指摘する。批判の声に耳を傾けず敵か味方かの二項対立をあおるトランプ大統領。多様性を認めない「アメリカ・ファースト」は幻想にすぎない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年06月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:那覇市議会が意見書 第32軍壕の保存・公開を

2020-07-03 05:59:30 | 【第二次世界大戦・軍部の功罪・戦後80周年・東京大空襲他・犠牲者へ無補償

【社説】:那覇市議会が意見書 第32軍壕の保存・公開を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:那覇市議会が意見書 第32軍壕の保存・公開を

 那覇市議会が、首里城地下にある第32軍司令部壕の保存整備と内部公開を求める意見書を全会一致で可決した。全会一致の意味は重い。

 第32軍司令部壕は住民を巻き込んだ激烈な沖縄戦を指揮した場所である。本土防衛のため軍の作戦が優先され、住民の生命や安全は無視された。沖縄戦の実相を伝える「近代戦争遺跡」として保存・公開することを強く求める。
 第32軍司令部壕は、1944年12月から構築作業が始まった。総延長約1キロ。激しい空襲や砲撃を想定し、首里城の地下15~30メートルに築かれた。沖縄師範学校や県立第一中学校の生徒も陣地構築に動員されたが、米軍が上陸した時点で完成していなかった。
 地下に司令部があったため、首里城は米軍の攻撃で破壊された。45年5月22日、第32軍は司令部壕を放棄して南部撤退を決定する。このため南部に避難していた10万人の住民が巻き添えになった。住民虐殺、壕追い出し、食料強奪などが頻発した。南部撤退は本土決戦準備のための時間稼ぎだった。
 軍にとって住民は眼中にない。神直道32軍司令部航空参謀は、軍と住民の関係についてこう述べている。
 「軍隊は敵のせん滅が役目。住民を守ることは作戦に入っていなかった。住民は大事だが作戦にとっては足かせになる。純粋に軍事的立場からは住民を守るゆとりはない」。軍隊は住民を守らないという沖縄戦の教訓を、軍幹部が認めているのである。
 では32軍の作戦とはいかなるものだったのか。軍は中学生以上の男女学徒二千数百人を戦場に動員した。17歳から45歳までの地元男性2万5千人を防衛隊として召集した。13歳の少年や70歳を超える老人も駆り出された。補給物資の運搬、食料の調達で米軍の砲火に身をさらされ、夜間の斬り込み、戦車への体当たり攻撃を命じられた。
 本土決戦に向けて大本営陸軍部は、まだ組織的戦闘が続く6月20日、「沖縄作戦の教訓」をまとめている。「教訓」は、急造爆雷を担がせ、体当たり攻撃させたことが「威力は大」と記述している。生還することを許さない、陸の特攻である。
 司令部壕内の取締規定が長参謀長名で定められている。「沖縄語ヲ以テ談話シアル者ハ間諜(スパイ)ト見ナシ処分ス」。司令部から発せられたこの指令に32軍の沖縄住民観が表れている。
 実際に司令部壕近くで住民がスパイ容疑で斬殺されたという証言が残っている。
 首里城が交易で栄えた琉球国を知る「平和の遺産」だとすれば、司令部壕は「負の遺産」である。焼失した首里城を再建し、司令部壕を保存・公開することによって、沖縄の歴史が浮かび上がる。県は25年前、保存・公開に向けた整備構想(知事公室平和推進課)をまとめている。あとは行動に移すだけである。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年06月27日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:プラごみでランプシェード

2020-07-03 05:59:25 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【金口木舌】:プラごみでランプシェード

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:プラごみでランプシェード

 商店の店主が切り分けた豆腐を自宅から持ってきた小鍋に入れてもらう。食品も持参した「買い物袋」に詰め込む。ひと昔前の沖縄では「買い物袋」は日常の一こまだった。布製のほか竹製のカゴを転用している人も。“エコな生活”を先取りしていた

 ▼今やプラスチック製レジ袋が浸透している。買い物だけではない。空き缶や排水溝のごみを入れたりと何枚も使う。マイバッグも定着しつつあるがレジ袋の活用機会は多い。レジ袋が7月1日から全国の小売店で有料になる。背景にあるのは海のプラスチック汚染だ

 ▼国連環境計画によると、プラスチックごみは年800万トン以上が海に流出している。深海でもペットボトルやレジ袋が見つかっている。海洋生物が誤食して窒息死する被害も相次ぎ生態系を脅かす

 ▼主要20カ国・地域首脳会議はプラごみによる海洋汚染を2050年にゼロにする目標を掲げている。レジ袋の有料化はプラごみ低減策の一環だ

 ▼ドイツ人でデザイナーの故ヨーガン・レールさんは天然素材を多用した。晩年は自然に魅せられ石垣島に移住した。海岸の漂着ごみに憤り、プラごみでランプシェードを制作した

 ▼「強欲な製造と消費。世界は、息もつかせぬ早さで、醜い方向へ変わっています」。ヨーガンさんは著書で大量消費文化に警鐘を鳴らした。日々の積み重ねが“エコな生活”を取り戻す。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2020年06月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:米議会が辺野古懸念 工事停止し合理性検証を

2020-07-03 05:59:20 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【社説】:米議会が辺野古懸念 工事停止し合理性検証を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:米議会が辺野古懸念 工事停止し合理性検証を

 米軍普天間飛行場の辺野古移設の実現性を疑問視する見方が米国にも広がっている。

 2021年度国防権限法案を可決した米連邦議会下院軍事委員会の即応力小委員会は、名護市辺野古の新基地建設予定地に存在する軟弱地盤や活断層に対する懸念を初めて法案に記述した。海底の詳細な状況や環境全体への影響に関する報告書を提出するよう、国防長官に指示する文言も盛り込んでいる。
 日本政府は辺野古で進めている工事を停止し、事業の合理性を冷静に検証することだ。税金と時間をこれ以上無駄に費やしてはいけない。
 米下院小委員会の記述は、昨年10月に玉城デニー知事が訪米して連邦議員らと面談し、辺野古移設の問題点を説明してきた成果だといっていい。県民の負託を受けた知事が、基地問題の解決を米国で直接訴える意義は大きい。
 知事訪米だけではない。辺野古移設の見直しを掲げる野党系国会議員や市民団体など各方面のロビー活動が総体となり、米国の政策決定を動かそうとしている。
 ただし、連邦議会として最終的な法案に落とし込むかどうかは、軍事委員会全体のとりまとめや上院との協議を経て決まっていく。日本政府は記述を削除させる方向で米議会への働き掛けを強めるだろう。審議の行方を注視していかなければならない。
 それでも、「日本国内の問題」として距離を置いてきた米国で、辺野古新基地建設への懸念を巡る議論が持ち上がるのは大きな状況の変化だ。それだけ軟弱地盤の存在が移設の前提を根底から揺るがしているということだ。
 大浦湾に広がる軟弱地盤の改良工事を行う必要が出てきたことで、新基地建設の総工費は日本政府の試算でも9300億円に上る。当初計画の約2・7倍だ。完成までの期間も約12年に延長した。
 完成したとしても海域に活断層が走っている可能性があり、岬に突き出した滑走路は津波リスクにさらされる。そもそも、海底90メートルに達する軟弱地盤は工事の実績がない。これだけの予算や時間をかけても完成の保証はない。
 膨らみ続ける費用や前例のない難工事など、基地建設場所の選択肢として辺野古は不向きだという条件が積み上がっている。「辺野古が唯一」という日本政府の説明はすでに破綻している。
 政府が配備計画撤回を決めた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、河野太郎防衛相は「コストと期間を考えると合理的な判断とは言えない」と説明した。その論拠に従えば、同様に費用と時間が膨大に膨らむ辺野古の基地建設も白紙撤回するのが正当だ。
 これまでの出費を惜しむことで、費用や時間をさらに犠牲にすることを「サンクスコスト(埋没費用)の呪縛」と呼ぶ。破綻した計画にこれ以上拘泥すべきではない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年06月26日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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