路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【卓上四季】:香港の十年後

2020-08-05 05:01:45 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【卓上四季】:香港の十年後

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:香港の十年後

 書店を回り禁書を取り締まる制服姿の子供たちは、まるで文化大革命の紅衛兵のようだ。標準語普及政策で日常話す広東語を使えず、仕事もできないタクシー運転手の物語は「中国化」が進む新疆(しんきょう)ウイグル自治区をほうふつとさせる▼若手監督5人による五つの短編からなる映画「十年」は、公開された2015年の10年後の香港を描いた。制作費約50万香港ドル(約700万円)の作品が米SF大作を超えるヒットを記録したのも、市民の不安ゆえのことだったのだろう▼懸念は、現実のものとなりつつあるようだ。立法会(議会)選挙を巡り、民主派12人の立候補が禁止された。施行1カ月を迎えた香港国家安全維持法に反対していたことなどが理由とされる。高度な自治を保障した「一国二制度」は、存亡の機に直面している▼台湾民主化を進めた李登輝氏は「国の主権者は人民である」として、中国の香港支配強化を批判していた。その李氏死去の知らせは香港でも速報された。関心の高さは、民主派の危機感の裏返しでもある▼映画「十年」はアジア各国版も制作された。是枝裕和監督が監修した日本版は新鋭監督5人がメガホンを取り、人工知能(AI)が管理する学校や高齢者の安楽死制度が敷かれた世界を描いた▼地域を問わず、明るい未来を描けない世の中は、どこか薄気味悪い。銀幕のお話が絵空事で終わるようにと願うばかりだ。2020・8・1

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2020年08月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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