路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【田村厚労相】:5月にもファイザー製に次ぐ別メーカーのコロナワクチン承認へ、医療体制倍増にも言及

2021-03-07 12:54:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【田村厚労相】:5月にもファイザー製に次ぐ別メーカーのコロナワクチン承認へ、医療体制倍増にも言及

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【田村厚労相】:5月にもファイザー製に次ぐ別メーカーのコロナワクチン承認へ、医療体制倍増にも言及 

 田村憲久厚生労働相は7日の民放番組で、国内初承認の米ファイザー製に続く別メーカーの新型コロナウイルスワクチンを、早ければ5月にも承認する可能性があると述べた。首都圏1都3県の緊急事態宣言が解除されれば、次の流行の波に備え、病床などの医療提供体制を倍増させる考えも示した。
田村憲久厚労相

                          田村憲久厚労相

 ファイザー以外のワクチンは、米モデルナと英アストラゼネカの2製品が厚労省に承認申請されている。田村氏は「早ければ5月中とか、6月に薬事承認が出る可能性がある」と語った。未申請の米ジョンソン・エンド・ジョンソン製品に対しては「申請が出れば当然審査する。(供給契約を結ぶかは)検討課題だ」とした。
 
 感染状況に関しては「次の波は来ない方が良いが、最悪の状況を考えなければいけない。今回の倍の流行にも対応できる計画をつくる」と指摘。宣言が全国で解除された後、都道府県に対し、病床や宿泊療養施設、在宅医療などの受け入れ体制を強化するよう求める考えを明らかにした。 (共同)
 

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【新型コロナウイルスの感染拡大に伴う施策・厚労省・医療・新型コロナウイルスワクチン】  2021年03月07日  12:54:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える 市場の不条理に抗う

2021-03-07 08:02:50 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説①】:週のはじめに考える 市場の不条理に抗う

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える 市場の不 条理に抗う 

 「うちの預金量が増えているんですよ」。首都圏に基盤を置く城南信用金庫の川本恭治理事長が、首をかしげながら打ち明けてくれました。
 信金にとっての最優先課題はコロナ禍で苦境に喘(あえ)ぐ地域企業への支援です。コロナ関連の倒産は増え続け、解雇も二月末で九万人を超えました。信金が取引する多くの企業や店も資金繰りに苦しんでいます。この状況下で預金が増えているのは確かに不可解です。

 ◆明と暗の差が大きい

 実は城南信金で起きていることはデータで裏付けられています。日銀が昨年十二月に公表した資金循環統計によると、家計の金融資産は千九百一兆円と過去最大を記録。金融資産の半分以上を占める現金と預金も過去最大で、このうち約九割が預金です。
 この数字は、人々が将来不安から消費を抑制し、手持ち資金を金融機関に預けている実態を映し出していると考えられています。
 それでも日銀の黒田東彦総裁は景気について「基調としては持ち直している」と述べています。この言葉に共感する人は少ないでしょう。
 コロナ禍でも好決算を維持している企業は存在します。ライフスタイルの変化を機敏にとらえて、新たな商機を見いだした企業もあります。この結果、経済全体としては「思ったほど悪くない」との見方も可能です。
 しかしコロナ禍では修復が不可能なほど打撃を受けた企業や店が膨大な数に上っています。明と暗の差が大きすぎるのが「コロナ経済」の特徴です。
 事業者ベースの明暗が鮮明になったということは、そこで働く人々の暮らしの格差も一段と広がったことを意味しています。
 仕事、住宅、教育…。生活の基盤まで失いつつある人が増えています。だから「虎の子の資金は預金して守ろう」と考える人が増えるのはむしろ自然なのです。

 ◆個人投資家たちの反乱

 一月、米国で興味深いできごとがありました。
 SNS(会員制交流サイト)で集まった個人投資家たちがゲームソフト販売会社の株を一気に購入して株価が急騰したのです。
 株を買い進めたのには理由があります。ヘッジファンドと呼ばれるプロの投資家がその株を空売りしてもうけようとしたのです。
 値下がり確実な株を証券会社などから借りて売り、ある程度経て安値になったところで買い戻し差額でもうける手法です。だが株価が急騰したために、その投資家は高値での買い戻しを余儀なくされて損をしてしまったのです。
 経済の取材をしていると、時として市場をコントロールする当局側に立ったような感情におそわれることがあります。
 今回も市場が動揺して一時株価が急落したため「素人集団の行為にはやはり規制が必要」との考えが頭をよぎりました。だが−。
 金融市場で実際に運用に関わるのは、富裕層から資金運用を頼まれたプロたちです。市場が活況を呈せば富裕層はさらに富み、委託された側も手数料がたくさん入る仕組みです。
 市場が暴落した場合、金の出し手や運用者が損をするのは当然です。ところが暴落の規模が大きいと市場とは関係のない人々も影響を受けてしまうのです。
 株価が大きく落ちれば企業経営者は動揺し、設備投資を手控え賃金や雇用を抑制します。その結果、不況が起きます。
 SNSで集まった人々の怒りの矛先は、こうした市場が持つ不条理と、その背後でうごめく富裕層らに向いているのです。
 富裕層や彼らを相手にビジネスをする投資家たちは、市場の外にいる人々の暮らしなど気にも留めません。だが今回、歯牙にもかけていなかった人々に突然、牙をむかれ一敗地にまみれたのです。
 日本でも株価は乱高下気味ですが、その水準が現実の経済実態とかけ離れていることは指摘するまでもありません。もちろん暴落の危険も常にはらんでいます。
 財政出動とそれを後押しする金融緩和で市場には膨大な資金が流れ込んでいます。コロナ禍で苦しむ人々を救うための資金です。

 ◆気持ちはよく分かる

 だが一部の金持ちや投資のプロはその環境を利用してもうけようと目の色を変えています。彼らの投機的な動きで市場が動揺すれば、政策効果も消えかねない。信金など地域金融機関が懸命に小さな会社や店を支えようとしても押し流されてしまうでしょう。
 SNSを通じた大量の株購入については「株価操縦では」との指摘もあります。ただ、それなら空売りを仕掛けた側にも同じことが言えるのではないか。
 今は市場の不条理に抗(あらが)った彼らに「気持ちはよく分かる」と声を掛けたいと思っています。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月07日  06:42:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:ボブ・ディランの「風に吹かれて」が書かれたのは一九六二年と…

2021-03-07 08:02:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【筆洗】:ボブ・ディランの「風に吹かれて」が書かれたのは一九六二年と…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:ボブ・ディランの「風に吹かれて」が書かれたのは一九六二年と…

 ボブ・ディランの「風に吹かれて」が書かれたのは一九六二年というからおよそ六十年である▼武器が永久になくなるまでに何度砲弾が飛び交わなければならないのか。自由を許されるまでに何年、あの人たちはあのままなのか。ノーベル文学賞を受けたシンガー・ソングライターが二十一歳の時に書いた歌詞は人間が抱える問題はいつ解決するのかと問い、<友よ、答えは風の中だ>と声を抑え、歌っている。風の中の答えを探し続けるしかないと▼現地の若者がプラカードを掲げている写真にその歌を思い出した。プラカードにはこうあった。「何人分の死体があれば国連は行動してくれるのだろう」。混迷と混乱のミャンマーで最近、撮影された写真である▼国軍による軍事クーデターから一カ月余。市民の抗議活動に対する国軍の容赦のない弾圧が続く。既に死者は五十人を超えた。日ごとに国軍の暴力がエスカレートしている▼発砲、拘束に震える市民の唯一の希望は国連だったはずだ。暴力を止めるべき国連が「何人分もの死体」を前にしても動かない。五日の安保理の協議でも国軍に対する制裁決議などは見送られている。米英と制裁に慎重な中国の足並みがそろわない。そして犠牲者が増えていく▼<いったい何回、顔をそむければ見なかったふりができるのか>。ディランの歌と現地の叫び声が重なって聞こえる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2021年03月07日  06:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【菅首相の一日】:3月6日(土)

2021-03-07 08:02:30 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【菅首相の一日】:3月6日(土)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相の一日】:3月6日(土)

 【午前】7時32分、JR東京駅。9時13分、やまびこ123号でJR郡山駅。平沢勝栄復興相同行。37分、福島県郡山市の陸上自衛隊郡山駐屯地。10時2分、陸自ヘリコプターで同県大熊町の町立大野小学校。10分、同町大川原地区。オープン前の商業施設を視察。内堀雅雄福島県知事、吉田淳町長同行。52分、同県双葉町のJR双葉駅。同駅周辺の整備状況を視察。伊沢史朗町長から同町に進出予定の繊維企業が作ったマフラー受け取り。11時21分、同県浪江町の町営大平山霊園。慰霊碑に献花、黙とう。吉田数博町長同行。41分、同町の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」。水素製造設備を視察。内堀福島県知事、吉田浪江町長と昼食。

 【午後】0時34分、同町の「道の駅なみえ」。帰還者、移住者と意見交換。1時26分、同県南相馬市の福島ロボットテストフィールド。地元消防らの救助訓練などを視察。門馬和夫市長同行。2時2分、報道各社のインタビュー。35分、陸自ヘリで福島市の陸自福島駐屯地。3時4分、JR福島駅。5時23分、やまびこ58号でJR東京駅。39分、衆院第2議員会館。6時27分、東京・赤坂の衆院議員宿舎。

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2021年03月07日  06:41:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:緊急宣言を延長 国民への説明は十分か

2021-03-07 08:01:55 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①】:緊急宣言を延長 国民への説明は十分か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:緊急宣言を延長 国民への説明は十分か

 政府は、東京都と神奈川、千葉、埼玉三県に発令している緊急事態宣言を二週間、延長することを決めた。感染を再び拡大させないためには、対策を徹底し、確実に抑え込まねばならない。

 一都三県の新規感染者数は、減少傾向にあるとはいえ、その速度は鈍化している。
 感染源が分からなかったり、クラスター(感染者集団)が発生しているのかさえ不明な例も多い。病床使用率が下がらず医療の負荷が減らない地域もある。夜間の人出も再び増加している。この状況で宣言を解除すれば、感染が再拡大する懸念は拭えない。
 感染拡大を十分に抑え込むことが結局、経済活動の再開を早め、経済へのダメージを小さくする。宣言の延長はやむを得ない。
 ただ延長期間がなぜ二週間なのか。これから年度末に向けて歓送迎会や卒業式、花見などのイベントシーズンを迎える。専門家の中には、年度をまたいで一カ月程度の延長を求める声があった。
 宣言延長により、国民はさらに我慢を強いられるのに、菅義偉首相の説明は不十分ではないか。
 今月二十五日には東京五輪の聖火リレーが始まるため、首相はその前に宣言を終わらせたいようにすら映る。
 これまで飲食店の時間短縮営業や不要不急の外出自粛の要請、テレワークの推進に取り組んできたが手詰まり感がある。経営支援を含む明確な追加対策も見えない。期間延長だけで新規感染者数を減らす効果があるのか疑問だ。
 もちろんやるべきことはある。感染が広がる医療機関や高齢者施設では検査態勢の強化など対策を徹底すべきだ。いずれ既存株と入れ替わるとみられる変異株への監視態勢も強化せねばならない。
 新規感染者数が減少しつつある今のうちに、医療機関同士の連携も強化しておきたい。
 感染拡大の防止には人と人との接触をどう抑えるかが重要だ。
 政府の対策分科会はイベントの自粛、宴会なしの花見、家族以外は四人までの会食、混雑していない店の利用、店舗での一定の二酸化炭素濃度を超えないような換気の実施、経営トップの率先したテレワークなど、具体的な対策を挙げている。
 政府がここまで細かな対策を求めるのなら、国民の納得と協力を得られるよう丁寧に説明し、危機感を共有することが必要だ。首相はその責任を果たしているか、常に自問自答すべきである。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月06日  08:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ミャンマー情勢 国際圧力で暴挙止めよ

2021-03-07 08:01:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②】:ミャンマー情勢 国際圧力で暴挙止めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ミャンマー情勢 国際圧力で暴挙止めよ

 クーデターで政権を奪い、デモ隊を武力攻撃するミャンマー国軍の行為は著しく正義に反する。残虐な手法に展望はなく、孤立が進むだけだ。暴挙を止めるため、国際社会の結束が強く求められる。

 軍事クーデターから一カ月余。拡大する抗議デモへの発砲は、弾圧であり、一方的な攻撃でもある。これまでの死者は五十人を超え、けが人も多数。機関銃が使用されたとの報道もある。けが人を救護する救急隊員を兵士が殴りつけている映像も流れた。
 クーデター後、裁判所の令状なしでの逮捕が可能になっており、デモ隊ら千数百人が身柄を拘束され、連行された。どのように処遇されているかは不明だ。
 デモは、出勤せずに職場放棄することで抗議の意思を示す「不服従」が合言葉。参加する医療従事者や会社員、公務員らは、指導者アウン・サン・スー・チー氏=拘束中=がインド在住時に傾倒したガンジーの思想を受け継いでいるという。この平和的なデモに対する容赦ない発砲は、到底受け入れられるものではない。
 ミャンマーでは、半世紀の軍政の後、二〇一一年に民政移管し、一六年にスー・チー氏の国民民主連盟(NLD)による本格的な民主化政権が樹立された。圧政から解放され、やっと手に入れた民主的で自由な社会だ。国民には、それを逆戻りさせるわけにはいかないとの思いが強いに違いない。
 会員制交流サイト(SNS)が普及し、情報の発信や共有が可能になったのも背中を押している。
 国軍は「NLDに大敗した昨年の総選挙をやり直し、国軍系を与党にして親軍政権を打ち立てる」というシナリオを描いているようだが、数百万規模の反軍デモが示すように完全な誤算、独り善がりというべきものだ。
 これ以上の犠牲者を出さぬためにも、ミャンマー情勢に関する特別会合を開いた国連安全保障理事会をはじめ国際社会は、ミャンマーに平和をもたらすために、あらゆる方策をとらねばならない。
 「内政不干渉」を原則にしている東南アジア諸国連合(ASEAN)は、外相会議で「ミャンマー情勢への懸念」を表明。重い腰を上げつつある。
 残念ながら、日本の関与は目立っていない。駐ミャンマー日本大使は過日、デモ隊から民政回復を軍に求める要望書を受け取るなど信頼されている。国軍への独自のパイプを持つ今こそ、日本はもっと積極的に動くべきだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月06日  08:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:風に吹かれる木の枝を見ていると、一枚か二枚だけ違った方向に…

2021-03-07 08:01:45 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【筆洗】:風に吹かれる木の枝を見ていると、一枚か二枚だけ違った方向に…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:風に吹かれる木の枝を見ていると、一枚か二枚だけ違った方向に…

 風に吹かれる木の枝を見ていると、一枚か二枚だけ違った方向にそよいでいる葉に気付くことがある。流れにちょっと逆らうような動きは、心の中にもある。<いつか消えてしまう、そういうものを、つとめて、破片でも残しておきたい>▼随筆集のあとがきで、自身の文章についてそう記している。前衛的な書画で知られ、多くの人に愛された随筆も書いてきた篠田桃紅さんである▼水墨画の世界でも、大きな流れにとらわれず、別の向きにそよいだ人だろう。若いころ、自分は枠や常識に収まらないと自覚したという。抽象的な作品は米国の前衛芸術の世界で認められた。「泥水でだって描けます」。自由な道を行く人の心意気を思わせるそんな言葉も残している▼墨の世界ではあるけれど、漢詩の一節から父がつけた雅号「桃紅」が思わせるような、鮮やかな心の色を作品に託していたそうである。「墨色の空は空より青く、墨色の花は花より赤く…心に色が映らなければ、墨にも色は映りません」。あらためて作品を見れば、いっそうの色が浮かんできそうである▼百七歳で亡くなった。残した随筆では、書や日本文化の伝統への愛着と深い造詣も語られる▼「もっといいものが描けるんだといつでも思っているから次の作品をつくる」。百歳を過ぎても、わが道を歩み続けてきた人の味わい深い言葉も消えずに残るだろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2021年03月06日  08:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【菅首相の一日】:3月5日(金)

2021-03-07 08:01:40 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【菅首相の一日】:3月5日(金)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相の一日】:3月5日(金)

 【午前】6時53分、官邸。7時2分、岡田直樹官房副長官。8時22分、閣議。32分、茂木敏充外相。9時52分、国会。10時7分、参院予算委員会。

 【午後】0時15分、官邸。54分、国会。57分、麻生太郎副総理兼財務相。1時、参院予算委。5時5分、衆院医務室。耳鼻咽喉科を受診。11分、官邸。8時、新型コロナウイルス感染症の政府対策本部。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2021年03月06日  07:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:相次ぐ接待発覚 全省庁対象に調査せよ

2021-03-07 08:01:35 | 【中央省庁・内閣府・1府11省2庁・公取委・主任の大臣・事務次官・官房・

【社説①】:相次ぐ接待発覚 全省庁対象に調査せよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:相次ぐ接待発覚 全省庁対象に調査せよ 

 総務省幹部がNTTからも接待を受けていたことが明らかになった。利害関係者との会食は公務員倫理に明確に反する。氷山の一角ではないのか。官僚接待の有無を全省庁で調査するよう求める。
 
 総務省幹部の接待漬けはもはや「底無し」と言わざるを得ない。
 週刊文春によると、谷脇康彦総務審議官や総務審議官当時の山田真貴子前内閣広報官らが、澤田純社長らNTTからも高額の会食接待を受けていた。
 谷脇氏は会食への参加を認め、総務省が調査を開始したという。
 谷脇氏は、菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」から高額の接待を受け、懲戒処分を受けたばかり。同様の高額接待を受けた山田氏も給与を一部返納の上、体調不良を理由に内閣広報官を辞職している。
 国家公務員倫理法に基づく倫理規程は、利害関係者から金銭・物品の贈与や接待を受けることを禁止している。自己負担する場合でも、一万円を超える見込みの会食は事前の届け出が必要となる。
 報道によると谷脇氏は二〇一八年九月〜二〇年七月に計三回で十七万円超、山田氏と同省の巻口英司国際戦略局長は昨年六月、一人当たり約五万円の接待を受けた。NTTは利害関係者に当たるが、谷脇氏らは届け出ていなかった。
 国家公務員倫理法は、一九九八年に発覚した大蔵省接待汚職事件を受けて制定されたものだ。違法な接待がいまだに横行していることには、驚きを禁じ得ない。
 さらに谷脇氏は一日の衆院予算委で、東北新社以外に利害関係者に該当する事業者からの接待があるか否かを問われ、「業界団体の立食パーティーなどの場で懇談、あるいは勉強会でご一緒するケースはあった」と、同社以外からの違法接待を否定していた。
 報道後に一転認めたが、自らの接待隠しのために国会で虚偽答弁した事実は不問にできない。谷脇氏は菅首相に近く、次期事務次官候補ともされるらしいが、国会で平気でうそをつく人物はもはや有資格者たり得ない。
 霞が関官僚に対する利害関係者の接待はどこまで広がっているのか、接待により公平・公正であるべき行政が歪(ゆが)められたことはないのか。国民の疑念は尽きない。
 この際、全省庁を対象にした接待の実態調査を行い、霞が関にたまった膿(うみ)を出し切るべきではないか。そして公務員は全体の奉仕者であり、一部の奉仕者でないことを、改めて徹底すべきである。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月05日  08:14:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:IS再興の兆し 封じ込めへ国際協調を

2021-03-07 08:01:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②】:IS再興の兆し 封じ込めへ国際協調を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:IS再興の兆し 封じ込めへ国際協調を 

 過激派「イスラム国」(IS)がコロナ禍に乗じ、息を吹き返した。国際協調による封じ込めが必要だ。過激派が伸長する紛争地の解消に向け、米バイデン政権には軸となる役割を演じてほしい。
 
 ISが再び暴れ始めた。イラク西部やシリア北東部では政府軍などへの攻撃が激化し、北大西洋条約機構(NATO)の国防相理事会は先月、イラク駐留部隊の増員を決めた。バグダッドでは一月、三年ぶりの自爆テロで市民ら三十二人が死亡。エジプトのシナイ半島やパキスタンでも、昨年暮れからテロを繰り返している。
 活性化はアフリカでも目立つ。ナイジェリアでは昨年暮れ、IS系の過激派「ボコ・ハラム」が寄宿学校を襲い、生徒三百四十四人を拉致。その後、解放されたが、身代金狙いの模倣犯も絶えない。ニジェールでは一月、二つの村の住民百人以上が虐殺された。
 ISは二〇一四年にイラク・モスルで独自の宗教国家樹立を宣言し、隣国シリアに越境した。異教徒の虐殺などで世界を震え上がらせ、シリアではロシアやイランなどがIS抑止のために介入。一九年には米軍が指導者のバグダディ容疑者を暗殺し、一時は壊滅的な状況に追い込まれていた。
 だが、コロナ禍がその再興を促した。各国の治安部隊が集団行動を制約され、取り締まりが手薄になったためだ。さらにISは以前からSNS(会員制交流サイト)を勧誘の手段にしているが「巣ごもり」生活で感化される若者が増えていることも一因とされる。
 宗教的な過激派集団の存在は現代の病理といえる。独裁体制や排外主義などがこの種の集団を培養する。貧困対策なども決定打にはならず、根絶に特効薬はない。
 むろん放置はできない。彼らの影響力を減殺する多様な対策が必要だ。国境概念のない集団だけに多国間の協調が不可欠になる。
 特に米バイデン政権への期待は大きい。従来、米国のIS対策は十分とは言い難かった。トランプ前政権は指導者こそ殺害したが、ISの主張に根拠を与えかねないイスラエルに偏った中東政策を展開した。その前のオバマ政権はシリアのアサド政権をけん制するため、同政権にとって脅威であるISを半ば放置した。
 ISは紛争地で勢力を広げる。その抑止には、まず紛争という土壌の解消が必要だ。バイデン政権にはパレスチナ和平の再建のみならず、各地の紛争解決に向けた協調外交への尽力を期待したい。 

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【筆洗】:ものごとが衰える兆しは、盛りの中にすでに表れているものだ。…

2021-03-07 08:01:25 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【筆洗】:ものごとが衰える兆しは、盛りの中にすでに表れているものだ。…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:ものごとが衰える兆しは、盛りの中にすでに表れているものだ。…

 ものごとが衰える兆しは、盛りの中にすでに表れているものだ。<衰颯(すいさつ)の景象(けいしょう)は、すなわち盛満(せいまん)の中にあり>。中国の古典『菜根譚(さいこんたん)』は、難しい表現で君子の心構えを説いている。だから、平穏な時にこそ、わざわいの兆しを気にかけよと。コロナ禍に通じる教訓に思えて、難しい一節を頑張って覚えている▼一年前を思い出す。桜が盛りを迎えていた公園や観光地が、そこそこ多くの人でにぎわったのは、三月の三連休であった。四月には感染が増えて、地方にも広がっている▼二週間ほどの時差で厳しい現実を突きつけてくるウイルスである。盛りの中に衰えの兆しをもっと感じるべきだったという無念は記憶に新しい。首都圏の一都三県に出されている緊急事態宣言は、先日の解除見送りに続いて、再度の延長となりそうである▼各都県では、さまざまな指標がたしかに改善した。喜ばしいことだが、一方で、感染減のペースが鈍っていることを示す数字がある。一年前の教訓を生かすならば、わざわいの兆しをみるのがいいはずだ。我慢の時が続くけれど、同じ無念を味わうわけにもいかない▼きょうは二十四節気の中で冬を越した虫がはい出すとされる「啓蟄(けいちつ)」である。二十四節気をさらに分けた七十二候では「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」となる▼花の盛りに向かう季節が巡ってくるが、心の守りの戸も、まだ固く閉めている時であろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2021年03月05日  08:14:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【記者たちの胸ポケット】:色の意味/見続ける/食べたい

2021-03-07 08:01:20 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌】

【記者たちの胸ポケット】:色の意味/見続ける/食べたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【記者たちの胸ポケット】:色の意味/見続ける/食べたい 

 ◆色の意味

 東京電力福島第一原発事故ですべての住民が避難した福島県双葉町。二〇二〇年一月、誰も住んでいない町中心部を初めて取材した。東京に帰る前、隣の浪江町に寄って驚いた。
 「色がある」
 新築の家の壁、貼り替えられたポスター、看板。鮮やかな色がまぶしかった。一方、双葉町は…。人の営みが途切れると、町は色を失うと知った。
 その年の三月、双葉町の立ち入り制限は緩和され、中心部は自由に歩けるようになった。新しい双葉駅舎、シャトルバス。町に色が戻りつつある。
 何度か通ううち、墓地にはいつも新しい花があることに気づいた。事故後、途絶えなかっただろう鎮魂の色。帰れない地元を思う人たちの気配を感じた。

◆見続ける

 いつか食べたい味がある。福島県いわき市・湯本温泉の旅館「新つた」のメヒカリの刺し身。脂でピンクに光り、優しい味がするという。新鮮な地物があるからこその名物だ。
 だが、原発事故で出せなくなった。最初は海の放射能汚染で。今は魚の基準値超えは極めてまれだが、出荷を抑えた試験操業の間に地元の流通業者が衰退した。風評被害が消えても、すぐには元通りにならない。問題の形は十年前と変わっていた。
 昨年三月に記事にした後、お礼で旅館を訪ねた。笑顔で迎えてくれたおかみの若松佐代子さん(63)は、最後に「湯本を見続けてね」と言った。真っすぐな目で、記者を見つめながら。

◆食べたい

 「震災だけでくくられたくない」「東京目線で考えないで」と被災地でよく言われる。最初はドキリとした。何ができるか悩んだ末、どんな取材でも「震災前の地元の魅力を教えてください」と聞くことにした。
 この質問には、みんな声が明るくなる。よく出るのは、双葉町なら町民体育祭。隣の大熊町なら甘いナシ。大熊で電器店を営む滝本英子さん(67)は「避難先でナシを食べたら、全然違うの。果汁も、甘みも、歯応えも。大熊のはどこよりもおいしかったあ」。弾んだ声の思い出話を聞きながら、事故で失われた日常の尊さを思った。
 食べたいものもまた増えた。大熊のナシ。どんな味だろう。
福岡範行(37歳)社会部

                 福岡範行(37歳)社会部

 
 ■<ふくおか・のりゆき> 
 愛知県出身。2006年入社。社会部で原発や福島被災地、気候変動を担当。電話が苦手。コロナ禍で増えた出前の注文も妻に頼り切りで…。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【記者たちの胸ポケット】  2021年03月05日  08:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【菅首相の一日】:3月4日(木)

2021-03-07 08:01:15 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【菅首相の一日】:3月4日(木)

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相の一日】:3月4日(木)

 【午前】6時23分、官邸。31分、岡田直樹官房副長官。8時51分、国会。9時4分、参院予算委員会。11時58分、官邸。

 【午後】0時53分、国会。1時、参院予算委。4時56分、官邸。5時22分、復興庁の末宗徹郎福島復興再生総局事務局長、角野然生統括官、須藤治経済産業省福島復興推進グループ長。6時34分、衆院第2議員会館。7時20分、東京・赤坂の衆院議員宿舎。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2021年03月05日  08:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ドイツ】:日本人ら反原発デモ 作家の多和田さん「即時停止を」

2021-03-07 06:52:30 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【ドイツ】:日本人ら反原発デモ 作家の多和田さん「即時停止を」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ドイツ】:日本人ら反原発デモ 作家の多和田さん「即時停止を」

 【ベルリン共同】ドイツの首都ベルリン在住でノーベル文学賞候補として注目される作家、多和田葉子さん(60)が6日、東京電力福島第1原発事故から10年を迎えるのを前にベルリンで開かれた反原発デモでスピーチし、各国は原発の運転を「即時停止しなければならない」と訴えた。原発事故の影響は長年続くと危険性を指摘した。

 多和田さんは福島をモチーフにした作品を複数発表している。この日は2013年に被災地を訪れた時の光景に触れ、原発は人間の生活の本質を「いつでも破壊し得る」と語った。
 デモにはドイツ人や同国在住の日本人ら約200人が参加し、ベルリン中心部を行進した。

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 国際 【欧州・ドイツ・東京電力福島第一原発事故から10年を迎えるのを前にベルリンで開かれた反原発デモ】  2021年03月07日  06:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【東日本大震災】:「津波が来ても安全な創造的復興」「ひとくくりにせず複線型復興」 震災10年、被災地はどう進むべき?

2021-03-07 06:00:55 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】
【東日本大震災】:「津波が来ても安全な創造的復興」「ひとくくりにせず複線型復興」 震災10年、被災地はどう進むべき?
 
 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東日本大震災】:「津波が来ても安全な創造的復興」「ひとくくりにせず複線型復興」 震災10年、被災地はどう進むべき?
 
東日本大震災からの復興を巡り、津波被害の防止を理由とした大規模なインフラ事業などで課題が指摘されている。震災当時に政府の復興構想会議議長として提言を取りまとめた五百旗頭真・兵庫県立大理事長と、日本学術会議の分科会で復興事業の改善を提言した吉原直樹・横浜国立大教授に話を聞いた。(聞き手・中根政人)
 
 
インタビューに答える兵庫県立大の五百旗頭真理事長

インタビューに答える兵庫県立大の五百旗頭真理事長

◆緊急事態に対応する専門家が必要

 兵庫県立大の五百旗頭真理事長
―復興構想会議の提言では、集落の移転や土地のかさ上げ、防潮堤整備などの重要性を掲げた。
 「三陸などの沿岸部は、過去の津波被害で決定的な対処ができずにいた。東日本大震災では(津波で)危ない所を全部上げた(移転した)。津波が来ても安全なまちにするのが、創造的復興の目玉だった。もういっぺん、津波でやられる所に住みなさいというのは非人道的だ」
 ―整備に時間がかかり、結果的に復興の遅れや過疎化、高齢化を加速させたとの批判もある。
 「復興が手厚くできたのは素晴らしいことだ。増税の財源もあり(事業費を)大盤振る舞いできる状況ではあった。初期段階から地方の財政負担を一定程度入れて(国との)共同責任にした方がよかったのではないか」
 ―震災の教訓を今後、どう生かすべきか。
 「(災害対策や復興に関して)統合する機関がない。内閣府防災担当に専門家はいない。緊急事態に対応する専門家のグループ(省庁)が必要だ。めったに来ない災害のために新しい(政府)機関をつくるのかというが、そうではない。災害は大きくなり、頻発している」
 
 ■いおきべ・まこと 1943年、兵庫県生まれ。神戸大教授、防衛大学校長などを経て、兵庫県立大理事長、ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長。専攻は日本政治外交史。政府の復興構想会議議長、復興推進委員会の委員長を歴任。
東北地域の復興について話す横浜国立大の吉原直樹教授

東北地域の復興について話す横浜国立大の吉原直樹教授

◆復興には地域的なバリエーション

 横浜国立大の吉原直樹教授
 ―日本学術会議の分科会提言で「巨大すぎる公共事業は、地域住民の力に基づいた復興に結びつかず、復興の遅延を生み出す」などと指摘してきた。
 「これまで岩手、宮城、福島の3県では、ある意味で『単線型』の復興をやってきた。だが、復興には地域的なバリエーションがある。被災者をひとくくりにはできない。人々が日常的に悩み、苦しむところから追求すべきような復興とともに『複線型』の復興を考えていくべきだった」
 ―津波から住民を守るまちづくりに時間がかかった地域もあった。
 「例えば漁業者は(集落の)移転で(沿岸の)生業と切り離された。高い防潮堤も建設され、生業とつながった(地域の)風景が奪われてしまった。そういう点は、100年や200年、300年というスパンで考えた場合には、果たしてどうなのか」
 ―震災の教訓を今後、どう生かすべきか。
 「政府か国会に、震災復興の過程を検証する委員会を設置し、(今後の災害復興に備えた)新しい知見を出していくことが非常に大事だ。その意味では、アーカイブ(重要な記録の保存・活用)が重要になる」
 
 ■よしはら・なおき 1948年、徳島県生まれ。東北大教授、大妻女子大教授などを経て、横浜国立大大学院都市イノベーション研究院教授。専攻は社会学。日本学術会議で東日本大震災に関する分科会の委員長を務める。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・災害・東日本大震災】  2021年03月07日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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