【再考エネルギー】:原子力ムラの天敵、「変節」太郎 一挙手一投足に経済界は戦々恐々
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【再考エネルギー】:原子力ムラの天敵、「変節」太郎 一挙手一投足に経済界は戦々恐々
出馬表明した3氏の動きが活性化する自民党総裁選。中でも経済界の視線は1人の人物に注がれる。自民党議員でありながら「脱原発」を掲げてきた河野太郎行政改革担当相だ。出馬に際しては当面の原発再稼働を容認する考えを表明。原子力ムラの「天敵」は変節したのか? 発言をひもとくと、ライバルの岸田文雄前政調会長との明確な違いが浮かび上がってきた。
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記者会見で自民党総裁選への出馬を表明する河野太郎行政改革担当相=衆院第1議員会館で2021年9月10日午後、竹内幹撮影
◆原子力政策を真っ向から批判してきた過去
「やはり河野さんも保守の一員。個人の考えで動くことはできないのでしょう」。ある大手電力幹部は、河野氏が出馬表明した記者会見に胸をなで下ろした。原発は「いずれゼロになる」としつつも、菅義偉首相が掲げた2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)達成に向け、「再稼働が現実的」という姿勢を見せたからだ。
自民党はこれまでの国政選挙でも再稼働を度々公約してきた。それを踏襲する発言をしただけで、ここまで反響を呼ぶのは、河野氏が日本の原子力政策を真っ向から批判してきた過去があるからだ。1996年の初当選以降、脱原発路線を貫き、福島原発事故後の12年には超党派議員による「原発ゼロの会」を結成。自身のブログ「ごまめの歯ぎしり」で政権与党の政策を批判する姿勢も人気を博し、永田町では「異端児」扱いされてきた。
ただ、安倍前政権下の15年の内閣改造で行政改革担当相として初入閣を果たし、外相、防衛相と重要閣僚を歴任する中で、かつての鋭さは影を潜めていく。脱原発の考えを問…、
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