路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳】:週明け石破茂・元幹事長の出馬あるぞ/09.10

2021-09-16 05:01:20 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:週明け石破茂・元幹事長の出馬あるぞ/09.10

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:週明け石破茂・元幹事長の出馬あるぞ/09.10 

 ★前首相・安倍晋三、元首相・麻生太郎、党税調会長・甘利明のいわゆる3A守りたいものが図らずもわかってきた。前政調会長で総裁選挙に出馬を決めた岸田文雄森友学園について触れただけで過剰反応したようで岸田はすぐさま修正した。元幹事長・石破茂は党内で嫌われているのか。石破をどうしてもだめだという党内理由はこの3A嫌っているからであり、党の議員として特別、異彩を放つ政策を持っているわけではない。こちらも森友加計事件だけでなく、桜を見る会などに疑問を持っているだけで3Aから見ればけしからん存在ということのようだ。

 ★つまりほじくり返すやつ全部だめということなのだろう。また3回生までは安倍・菅政治しか知らない議員たちで、この2人ににらまれたら怖いと思って同調しているのだろう。だからもともと魅力的候補者少ないこの総裁選がどんどんつまらなくなる。すべてが長老議員たちの代理戦争になるからだ。意中の候補を当選させ操りたいというのは、過去の事件を掘り起こさせないためか、それともすべての権力維持掌握していたいからか。

 ★それを問うメディアも長老の介入は迷惑だという候補者もいない。そんな中で29日まで総裁選挙をやり続けても国民の関心は薄れるだろう。9日には政調会長・下村博文、外相・茂木敏充は総裁選への不出馬を発表した。これで党内最大派閥細田派と竹下派は候補者を出さないことになった。10日には当選3回生以下の議員を中心に「党風一新の会(仮称)」の初会合がオンラインで行われる。代表は福田達夫という。「元々は総裁選を実現せよと執行部に訴える目的だったが、実現したものの、集まろうということになった。候補者の話を聞いていこうということだが、会でまとまって誰かを推そうという色彩のものではない」(参加議員)。総裁選投開票までまだ20日もある。まだまだ何が起こるかわからない。多くのメディアはもう出ないと決めつけるが、元幹事長・石破茂も週明けには出馬を決めるだろう。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年09月10日  09:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳】:自民党総裁選 河野太郎も岸田文雄も…早くも馬脚の現しあい/09.09

2021-09-16 05:01:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:自民党総裁選 河野太郎も岸田文雄も…早くも馬脚の現しあい/09.09

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:自民党総裁選 河野太郎も岸田文雄も…早くも馬脚の現しあい/09.09 

 ★自民党総裁選挙は早速、候補者たちが馬脚を現し始めた。29日の投開票までこのありさまで自民党総裁選挙祭りは国民の関心を維持できるのだろうか。コロナ相・河野太郎は改革派で発信力、突破力もあると評価されているそうだが党内の5回生以上のベテラン議員たちには決して評判がよくない。政策がぶれるし一貫性がなく、すぐ怒り出すことからネットでは河野がツイッターで意見の合わない相手をブロック(遮断)していることからブロック太郎と名付けられている。また党内では防衛相の時に突然イージスアショアの中止を決め、その後省内が迷走していることなどから米国が「河野では納得しない」と言っているなどまことしやかな情報も流布されている。

 ★前政調会長・岸田文雄は2日に森友問題について「調査が十分かどうかは国民側が判断する話」「国民が納得するまで説明を続ける」と豪語したものの7日、「再調査等は考えていない」とトーンダウン。今では「新自由主義的な政策を転換する」というのが精いっぱい。岸田は急に心変わりしたのではなく、元来安倍禅譲ばかり考えていた人物。驚くにはあたらない。ただ、1年前には5大派閥があっという間に菅義偉総裁でまとまったことを考えれば、今回派閥でまとまったのは派閥のボスが出馬した岸田派だけ。元来はここから党人事や閣僚ポストの空手形とカネが飛び交い始めるが、それは中堅以上の話。若手にはポストよりも次の選挙の顔になるのは誰か、その1点だろう。だがその考えが総裁選挙をつまらなくする。

 ★この総裁選挙の大きなテーマは長く続いた安倍政治からの脱却や新しい政治体制が作れるか否かということ、そこには歴代首相や幹事長経験者ら党内長老クラスが口出ししない政治への期待がある。

 若手が安倍・菅政治の呪縛が解けないためにいまだにおびえていて暴れられていない。前首相・安倍晋三、元首相・麻生太郎、幹事長・二階俊博らの顔色をうかがわない総裁選にしてくれ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年09月09日  08:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳】:自民党総裁選「バナナはおやつ」が記事になるお祭り騒ぎ/09.08

2021-09-16 05:01:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:自民党総裁選「バナナはおやつ」が記事になるお祭り騒ぎ/09.08

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:自民党総裁選「バナナはおやつ」が記事になるお祭り騒ぎ/09.08 

 ★昨年の総裁選は無条件に菅義偉でまとまったのに、今回は話題づくり先行で、まともな議論がまだどこにもない。現職のワクチン相は総裁選出馬でもワクチン接種に「影響出さない」と言い張る。それでは首相・菅義偉が総裁選コロナ対策の「両立は無理」と辞任したことすら足蹴(あしげ)にしているといえる。早速自民党税調会長・甘利明は河野に対して「菅総理ダメだと、たたかれた一番原因ワクチン迷走といわれているのに、ワクチン相評価上がるとは、よくわからない」と皮肉った。

 ★一方、前政調会長・岸田文雄はネット番組で視聴者から寄せられた「バナナはおやつか」との質問に「バナナはおやつに含まれません」と説明。それを政治部記者記事にするという珍事まで起きた。これをお祭り騒ぎと言わずになんというか。まだ誰が出馬するか、候補者同士の話し合いもあるだろう。メディアは候補者の一挙手一投足を取り上げるが、本来は17日の総裁選告示日と29日の投開票だけ報道すべきだろう。

 ★自民党総裁選挙は公職選挙法に抵触するわけでもないので公平性などは必要ない。一方、毎回、水面下で大きなおカネが動くのではないかとの評判も聞く。だが一国の首相を選ぼうという選挙だ。国民に投票権はない。その信任直後衆院選挙審判となる。だからこそ、安倍菅政治評価や距離感、これからのコロナ対策の現実的政策が必要になるのだ。そのためには安倍内閣菅内閣検証大切ではなかろうか。メディアは新しいものに飛びつく傾向がある。だが、歴史の失敗から何を学ぶかが描かれない未来など意味があるだろうか。今出馬したり、その準備を進めている候補者たちはいずれも政治家として大きな経験や仕事をしてきたが、そのいずれも両内閣での出来事だ。政権評価を問わずバナナを大きく報じていてはお粗末としか言いようがない。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年09月08日  07:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説①》:在沖米軍の汚染水放出 同盟の信頼を損なう横暴

2021-09-16 02:05:55 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・沖縄防衛局・普天間移設・オスプレー・米兵犯罪】

《社説①》:在沖米軍の汚染水放出 同盟の信頼を損なう横暴

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:在沖米軍の汚染水放出 同盟の信頼を損なう横暴 

 基地周辺の住民や自治体、日本政府との信頼関係を損ねる横暴な行為である。

 沖縄の米海兵隊が先月、普天間飛行場で保管していた有機フッ素化合物「PFOS」「PFOA」を含む汚染水を、濃度を下げる処理をした上で下水道へ放出した。

 自然界では分解されにくく、生物体内に蓄積される物質だ。国際機関はPFOAを「発がんの可能性がある物質」に分類し、PFOSも動物実験で健康への影響が認められたという研究報告がある。

 汚染水は、これらを含む泡消火剤を訓練で使った際に生じたという。PFOSを含む廃棄物については、焼却などで分解処理するよう定める環境省のルールがあり、米軍はこれまで専門業者に委託して焼却してきた。

 ところが、今回は処理方法を変えた。大雨などで貯水槽からあふれ出る可能性があり、急いで対応する必要があったためだと説明している。放出は、焼却に比べて費用や時間がかからないという。

 米軍は、処理水1リットルあたりのPFOSなどの含有量は、日本の水道水などの基準を大幅に下回っており、安全だと強調している。

 だが、地元の宜野湾市が放出直後に飛行場から流れ出た下水を調査したところ、基準の13倍超の含有量だったという。米軍は実態を調べ、日本側に説明すべきだ。 

 手続きの面でも問題が多い。

 沖縄県は7月に放出計画を知らされ、焼却処分を求めていた。日米両政府が取り扱いを協議していたさなかの一方的な放出だった。

 米側からの通知は、開始のわずか30分前だった。県は直ちに中止を求めたが、米軍は計画の約6万4000リットル全てを流したという。 

 日本側の要請を無視した不誠実な対応だ。米軍は判断の理由と経緯を明らかにする必要がある。

 普天間飛行場では昨年、PFOSを含む泡消火剤が敷地外に流れ出る事故が起きた。今年6月には、うるま市の米軍施設のタンクから汚染水が流出した。米軍は情報開示や説明に消極的で、住民らは不信感を募らせている。

 米軍基地の安定的な運用や日米同盟は、信頼関係なしには成り立たない。自らの振る舞いがその基盤を損ねていることを、米軍は自覚すべきである。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月16日  02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説②》:アップルの課金ルール 公正な取引へ改善さらに

2021-09-16 02:05:50 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

《社説②》:アップルの課金ルール 公正な取引へ改善さらに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:アップルの課金ルール 公正な取引へ改善さらに

 巨大IT企業にビジネスモデルの見直しを求める動きが強まっている。寡占がもたらす弊害を解消し、公正で透明な取引のルールを構築しなければならない。

 問題視されているのが、スマートフォンのアプリに関する決済ルールだ。例えばアップルのアイフォーンにアプリを提供している事業者は原則、販売収入の15~30%の手数料を払ってアップルの決済システムを使う必要がある。

 米連邦地裁は、「アップル税」と呼ばれるこの仕組みがアプリ事業者や消費者の選択肢を狭めているとして、見直しを命じる判決を出した。これに先立ち日本の公正取引委員会は、書籍などの閲覧アプリを対象にした決済ルールの見直しでアップルと合意した。

 事業者は、アプリにリンクを張って自社の決済サイトに誘導するなど、アップル税を回避する道が開ける。

 とはいえ、中小のアプリ事業者が独自で安全な課金システムを作ることは難しく、当面はアップル頼みが続くだろう。どれだけ取引条件の改善につながるか、見極めなければならない。

 そもそも事業者の不満は、手数料負担が重い上、取引条件を交渉で改善する余地がほとんどない点にある。スマホの基本ソフト(OS)はアップルとグーグルの寡占状態だ。両社の流通網に頼らざるを得ない事業者の立場は弱い。

 ネット上で商取引の場を提供するプラットフォーマーの市場支配力は強まる一方だ。独占的な地位を乱用し、取引先企業や消費者の利益を不当に損ねていないか、監視を続けることが不可欠だ。 

 革新的なビジネスを生み出すIT企業の力をそぐことなく、取引の公正さを保つ上で、競争政策が果たす役割は大きい。

 日本の公取委がアップルに取引ルールを見直させたのは成果といえる。ただ、独占禁止法に違反しないか調査を始めてから5年もかかった。デジタルに詳しい人材を集めて体制を強化し、主要国と連携して実態把握と問題の是正に努める必要がある。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月16日  02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【余禄】:マンモスの絶滅は…

2021-09-16 02:05:45 | 【生物学・特定外来生物法・動物生態系・終生飼養・環境税・花粉症】

【余禄】:マンモスの絶滅は…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:マンモスの絶滅は…

マンモスの絶滅は今から約4000年前、シベリア沖の北極海のウランゲリ島でのことだった。すでに1万年以上前から温暖化に伴う湿潤化で生息地の草原が積雪で覆われ、数を激減させてきたのである▲今一つの絶滅要因はほかでもない人類による狩猟だが、最後の生息地となったウランゲリ島での絶滅は同地への人類の進出前のことという。何かの感染症か、激烈な嵐などの突発的な自然災害による絶滅ではないかと推測されている▲マンモスは巨大なイメージだが、北極圏のケナガマンモスは牙は大きいものの体は今のアジアゾウくらいの大きさだという。永久凍土からは保存状態の良好な死骸が発掘されており、これまでにもDNAの配列解析が進められてきた▲米バイオ企業・コロッサルが遺伝子工学により、ケナガマンモスとアジアゾウの交配種を作る計画を発表した。驚くのは、その「再生マンモス」の群れを北極圏に再導入し、失われた生態系を復活させるという構想の大風呂敷である▲遺伝学者のG・チャーチ博士らが起業した同企業だが、すぐさま「そんな資金があるなら、今絶滅にひんした種をどれだけ保護できるか」との声が出たのも成り行きだろう。まあこの大絶滅時代に論議の種は十分に提供できたようだ▲「ジュラシック・パーク」で数学者のマルコム博士は破局の予感をこう語った。「現代の環境に恐竜を棲(す)まわせる事自体、予測不可能事だ」。人類は滅びた生命を次々によみがえらせる未来の扉を開くのだろうか。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2021年09月16日  02:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説①》:医療的ケア児の新法 社会で支えるきっかけに

2021-09-16 02:05:40 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

《社説①》:医療的ケア児の新法 社会で支えるきっかけに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:医療的ケア児の新法 社会で支えるきっかけに

 日々の生活で、人工呼吸器や胃ろうなどの医療的ケアを必要とする子どもを支援する新法が施行される。

 全国どこでも適切なサポートが受けられる体制作りを目指す。当面の課題は、保護者が付き添わなくても学校や保育所に通えるようにすることだ。

 厚生労働省の推計では、在宅生活を送る19歳以下の当事者は約2万人に上り、増加傾向にある。

 人工呼吸器をつけている人はたんの吸引が欠かせず、胃ろうの人は流動食の摂取に手助けが必要だ。家族以外で対応できる人は限られる。

 小中学校では保護者が付き添いを求められる場合が多く、家庭にとって大きな負担となっている。受け入れる保育所がない地域も少なくない。

 新法では、こうした医療的ケア児が通う学校や保育所などに看護師らを配置することが定められた。研修を受ければ教員や保育士などでも対応することができる。政府や自治体は人材の育成を急がなければならない。

 ケアが負担となって家族が離職を強いられるような事態を防ぐことも、新法の目的に掲げられた。

 仕事を続けるためには放課後に利用できるデイサービスが重要だが、対応できる施設が足りない。

 受け入れ人数が限られているため、週に数日しか通えない例もあるという。スタッフを増員できるよう事業者への支援が必要だ。スクールバスなど通学手段の確保にも取り組んでほしい。

 地元でどのような援助を受けられるのか、調べることさえ家族は苦労してきたという。新法には、都道府県が家族の相談に応じる支援センターを設置することも盛り込まれている。医療や教育、福祉などの関係機関は連携を強めてほしい。

 耳が聞こえない障害のある医療的ケア児が、関係者の協力でろう学校に進学することができた例もある。手話を学んで自分の気持ちを表すことができるようになったという。

 当事者のニーズは多様だ。子どもの成長の機会や家族の生活が損なわれることがないよう、政府や自治体はきめ細かな支援策を講じていくべきである。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月15日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説②》:北朝鮮の巡航ミサイル 挑発では事態打開できぬ

2021-09-16 02:05:35 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

《社説②》:北朝鮮の巡航ミサイル 挑発では事態打開できぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:北朝鮮の巡航ミサイル 挑発では事態打開できぬ

 北朝鮮が、新型の長距離巡航ミサイルを試験発射したと発表した。自国領空を1500キロ飛行し、標的に命中したという。

 事実であれば、日本のほぼ全域が射程内に入る。弾道ミサイルより低い高度を飛ぶ巡航ミサイルはレーダーで捕捉しにくい。日本にとっては新たな脅威である。

 北朝鮮メディアは、ミサイルについて「戦略兵器」だと位置づけた。一般的に核兵器を意味する用語である。

 核弾頭の搭載を視野に入れているとすれば、北東アジア情勢の安定を脅かす。看過できない。

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キムヨジョン)氏は先月の米韓合同軍事演習について「必ず代価を支払うことになる」と警告していた。演習への対抗措置という側面があるのだろう。

 一方で今回発射されたのは、国連安全保障理事会の対北朝鮮決議で禁止対象となっていない巡航ミサイルだった。新たな制裁などにつながらないようにする意図があるとみられる。金総書記は、バイデン米政権との対話に含みを持たせる発言もしてきた。

 北朝鮮の現実は厳しい。新型コロナウイルス対策で長期の国境封鎖を続けたことで、経済は大打撃を受けた。昨年の水害で食糧事情も厳しくなった。 

 金総書記は国民生活を向上させることで政権基盤を固めようとしてきたが、このままでは、権力基盤が揺らぎかねない状態に陥っている。

 軍事的挑発を対話のてこに使う瀬戸際戦術では展望は開けない。それを長年続けてきたことが現在の行き詰まり状態を招いたのではないか。金総書記は現実を直視しなければならない。

 事態打開のためには経済制裁の解除が必要になる。それは米国との対話を通じてしか実現しえないものだ。

 何よりも重要なのは北朝鮮の非核化だ。

 金総書記は3年前の米朝首脳会談で、米国との関係改善と引き換えに非核化を約束した。それを履行する責任がある。

 日米韓はきのう対北朝鮮政策に関する高官協議を東京で開いた。非核化を実現させるための連携をさらに強めるべきだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月15日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【余禄】:人をさいなむ「いじめる」と…

2021-09-16 02:05:30 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【余禄】:人をさいなむ「いじめる」と…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:人をさいなむ「いじめる」と…

 人をさいなむ「いじめる」と物をもてあそぶ「いじる」は同根の言葉という。人をもてあそぶ「いじり」は最も陰湿な「いじめ」となる。そして今日のサイバー空間での「いじり」は被害者の日常にも入り込む▲「おまえらのおもちゃじゃない」。東京都町田市立小学校に通っていた6年生の女児は叫ぶような遺書を残して昨年11月に自殺した。その両親によれば、女児へのいじめの道具となっていたのは学校が配布したタブレット端末だった▲同校は情報通信技術教育の先進校として各児童にタブレットを貸与していた。両親の同級生らへの聞き取りによると、そのチャット機能で女児を名指しした「うざい」「死んで」などのやりとりが交わされ、本人にも送信されていた▲学校は女児の自殺前にいじめを把握したが、両親には連絡せず、自殺後に「問題は解決済み」と説明していた。市教委は今年2月にいじめ防止対策推進法の「重大事態」と認定、非公開の常設委員会が自殺との因果関係を調べている▲おりしもコロナ禍によりタブレットやパソコンを使ったオンライン授業が「学び」の救世主となった今日である。学習や級友とのコミュニケーションに欠かせぬ機器が「いじめ」のツールになる恐ろしさに慄然(りつぜん)とした方もおられよう▲情報端末を子どもたちに渡すならば、それを危険な凶器へと変えぬような教育や仕組みも整えてもらわねばならない。12歳の女児が遺書に残した叫びは、大人たちに向けられた言葉だと受け取るべきである。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2021年09月15日  02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説①》:総裁選に3氏出馬表明 そんたく抜きの政策論を

2021-09-16 02:05:25 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

《社説①》:総裁選に3氏出馬表明 そんたく抜きの政策論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:総裁選に3氏出馬表明 そんたく抜きの政策論を

 17日に告示される自民党総裁選に、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎行政改革担当相の3氏が立候補を表明した。

 1年で2度目の首相交代に直結する総裁選である。安倍晋三前首相に続き、菅義偉首相も新型コロナウイルス対応でつまずいた。

 本来なら、トップダウンによる政策決定を続け、国民との対話を軽視してきた安倍・菅両政権の総括から始めるべきである。

 にもかかわらず、候補者が持論を封印し、安倍氏や保守派に配慮しているかのような姿勢が目立っている。

 岸田氏は当初、安倍前政権での森友学園問題の再調査について「調査が十分かどうかは国民が判断する」と述べていた。ところが数日後には「考えていない」と明確に否定し、方針転換したのではないかとの見方が広がった。

 河野氏は出馬表明の記者会見で、「日本の礎は皇室と日本語」と強調した。かつて女系天皇も含めて検討する必要性を認めていたが、明言を避けた。従来の「脱原発」路線も軌道修正した。

 混戦模様となり、最大派閥・細田派に影響力を持つ安倍氏がキングメーカーのように振る舞っているためだ。安倍氏が支援する高市氏は、保守派寄りの主張を展開している。

 岸田、河野両氏までもが安倍氏の意向をそんたくするようでは、自由な政策論争は期待できない。

 安倍氏の退陣に伴う昨秋の総裁選では、主要派閥が「勝ち馬」に乗る形で菅氏を支持し、政策や資質が十分に吟味されなかった。

 今回は前回のような簡略式ではなく、国会議員票と党員・党友の投票の合計で争う本格的な選挙となる。活発な論戦を求めたい。

 注目されるのは、派閥の締め付けが弱くなっていることだ。中堅・若手議員有志は、自由投票が望ましいとの提言をまとめた。

 衆院選を目前にし、「選挙の顔」選びの色合いが濃くなっている。しかし、政権の「表紙」を替えるだけでは、根本的な課題の解決にはつながらない。

 問われているのは、コロナ対策で限界が露呈した「安倍・菅政治」である。国民の幅広い声に耳を傾け、自由で開かれた議論を行うべきだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月14日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説②》:福島の避難指示解除 不安拭う将来像が必要だ

2021-09-16 02:05:20 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

《社説②》:福島の避難指示解除 不安拭う将来像が必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:福島の避難指示解除 不安拭う将来像が必要だ

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域について、政府が避難指示の解除方針を決めた。希望する住民全員が2020年代に帰還できるようにする。

 該当するエリアは福島県の7市町村にまたがる。「復興拠点」に指定されている元の市街地などを除き、帰還のめどが立っていなかった。地元首長らは、地域の再生に向けて「一歩前進」と受け止めている。

 だが、課題も多い。

 避難指示解除の前提となる除染は、24年度をめどに開始するというが、範囲は基本的に希望者の自宅周辺などが想定されている。それ以外の場所の扱いについては、引き続き検討するという。

 除染されず、放射線量の高い場所が地域に残っていれば、帰還をためらう人もいるだろう。住民からは「区域全体を除染してほしい」との声が上がっている。 

 帰還困難区域の除染には国費が充てられる。政府が全域除染に消極的なのは、費用負担が重いからだ。除染には昨年度までに、全体で3兆円を超す資金が投じられている。

 事故から10年以上がたち、住民の考え方や生活環境は一様でなくなっている。

 国と自治体のアンケートに対し、「地元には戻らない」と答える人が増えてきている。避難先で新しい仕事に就いたり、子どもが進学したりして、生活の基盤が移ったためだ。

 一方で、「まだ判断がついていない」という人も少なくない。地元に病院や商業施設が開設されるかどうかといった情報が十分に示されていないからだ。

 政府は今後、個々の住民に帰還の意向を確認するという。どのような将来を望むのかを丹念に把握し、まちづくりの計画に反映させることが欠かせない。

 政府は復興の基本方針で、「全域の避難指示を解除し、復興・再生に責任を持って取り組む」と明言している。

 しかし、全域解除に向けた具体的な道筋が明示されないままでは、帰還するかどうか、住民に難しい判断を強いることになる。

 住民の不安を拭うためには、政府が地域の将来像を早期に示す必要がある。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月14日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【余禄】:これまでに最も著者数の多い学術論文は…

2021-09-16 02:05:15 | 【日本の学術(理学・工学・基礎科学・生命科学・人文・社会科学・教養・教養教...

【余禄】:これまでに最も著者数の多い学術論文は…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:これまでに最も著者数の多い学術論文は…

 これまでに最も著者数の多い学術論文は2015年に物理学専門誌に発表されたヒッグス粒子の質量測定の論文という。何と5154人の研究者が名を連ね、33ページの論文中24ページが著者と所属先のリストだった▲著者数が多くなるのは大規模な共同実験のためで、国際的な共同研究が進む今日では執筆者が1000人を超す論文は珍しくないという。たとえ研究不正を行った人がまぎれていても見つけようがない(黒木登志夫(くろき・としお)著「研究不正」)▲逆に著者1人の論文は社会科学、数学などに多く、前者は38%、後者は31%がそうだという。さてネットには小学生の作文から会社員の退職まで支援・代行サービスのある時代だから、学術研究のサポート業者がいても驚きはしない▲ネットのスキル(技能)マーケットでは、大学教員や企業の研究者らが有料で学術論文の執筆支援などを行う「研究スキル売買」が広がっているという。小紙の調べでは、国内最大級のサイトで約120人がスキル販売を行っていた▲売買は仲介業者を介し匿名で行われ、執筆支援やデータの解析など研究の核心部分の指導も行われる。ある販売者の1論文当たり報酬は25万~50万円で、別の国立大教員は研究費稼ぎのためだと売り手側の切実な事情ももらしている▲サイト側は研究の代行のないようチェックしているというが、著者の「研究能力偽装」を問題視する声もある。影響力のある論文は減り、「影の著者」ばかりが増えてゆく日本の学術の未来はどうなるのか。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2021年09月14日  02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説①》:同時多発テロ20年 「不朽の自由」はるか遠く

2021-09-16 02:05:10 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

《社説①》:同時多発テロ20年 「不朽の自由」はるか遠く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:同時多発テロ20年 「不朽の自由」はるか遠く

 米同時多発テロから20年が過ぎた。民間機4機が乗っ取られ、米国の中枢施設が攻撃を受けた。

 90カ国を超える約3000人の命が奪われ、日本人24人が亡くなった。その日付から「9・11」と称される史上最悪のテロである。

 ニューヨークの世界貿易センタービルが2棟とも崩れ落ち、ワシントン郊外の国防総省が損壊した惨状に今なお戦慄(せんりつ)を覚える。

 報復を誓った米国は、「不朽の自由作戦」の下に圧倒的な軍事力で、アフガニスタンを根城とするイスラム過激派の国際テロ組織を掃討した。

 だが、それは泥沼化するテロとの戦いの始まりでもあった。駐留政策は失敗を繰り返し、混迷の末、20年の節目を前に撤退した。再び実権を握った武装勢力が勝利の歓喜に沸く光景が、米国の敗北を印象付けた。

 ■憎悪生んだ米国の正義

 敗因はどこにあったのか。

 「米国の自由を守るために世界に自由を広める」。当時のブッシュ大統領が表明した対テロ戦略は「フリーダムアジェンダ」と呼ばれた。自由が行き渡れば敵は味方に変わる、戦後の日米関係が好例だ、とブッシュ氏は主張した。

 米国の価値観を一方的に押しつけようとする態度に、歴史も生活習慣も違うイスラム社会が反発したのは当然だろう。

 米軍の攻撃は苛烈だった。開戦後、戦線は広がり、各地で実施した空爆は9万回を超えた。巻き添えになって死亡した市民は2万人とも4万人ともいわれる。

 「米国の正義」を振りかざし、自国の利益を守るためには手段を選ばない行動は、世界各地で反米感情を沸騰させた。 

 分断の深まりも一因だ。イスラム教徒への監視が人種や宗教差別を助長し、疎外感から過激思想に染まる若者が増えた。それがイスラム排斥に拍車をかけるという負の連鎖に陥った。

 自由主義を体現する米国は自らの社会を息苦しくさせ、偏狭な愛国心を醸成する米国の民主主義に世界は疑いの目を向けた。

 米人権団体によると、戦争が泥沼化した2006年以降、世界における民主主義の潮流は後退を続けている。米国の退潮と軌を一にするのは偶然ではないだろう。

 国際秩序も変容した。疲弊した米国を尻目に台頭したのが中国とロシアである。ともに拡張主義を帯びる強権国家だ。「欧米型民主主義の拡大の失敗」と決め付け、批判の材料にしている。

 教訓を今後にどう生かし、新たな事態にどう対応すべきか。

 明確になったのは、軍事力だけでは世界に平和は訪れないということだ。この間、大規模な国際テロは減少したが、過激派組織は世界各地に分散し、活動している。

 根底にある貧困や飢餓をなくし、過激思想を生まない教育が行われない限り、テロの芽は残り続けることを忘れてはならない。

 ■教訓直視し国際協調を

 20年前に比べてアフガニスタンの生活水準は向上した。だが、国内総生産(GDP)の約4割が海外からの支援だ。

 これが途絶えれば、人々の生活は困窮に陥り、テロ組織による勧誘の格好の標的になる。その根を断ち切る必要がある。

 近年は、ソーシャルメディアを通じたデマ情報によって過激思想に駆り立てられる若者もいる。テロを誘発する憎悪や怒りを抑止することも重要だ。

 社会が多様化する中、差別を排除し、相互の理解を深め、共通の利益を探る努力が一段と求められる。文化の違いを超えた対話の重要性を教えることも大事だ。

 日本も立ち止まって振り返る契機とすべきだ。

 日本はテロとの戦いをいち早く支持し、米国を後押しした。他国艦船への洋上給油のために海上自衛隊を派遣し、復興投資額は7000億円を超える。貴重な支援がどれだけ役立ったのかという疑問が生じても不思議ではない。

 英議会では今、撤退時の混乱を巡って外相が批判の矢面に立たされている。米議会では集中審議を求める声が出ている。日本も国会で検証する必要がある。

 テロは地球規模の課題だ。その芽を摘み、拡散を防ぐには国家間の協調が欠かせない。

 国の大小を問わず、独善を排し、国際社会の一員として平和を追求する。そうした態度を各国が示すことが、「9・11後」を教訓として生かすことになる。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月12日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【余禄】:中国古代の遺跡からは…

2021-09-16 02:05:05 | 【生物学・特定外来生物法・動物生態系・終生飼養・環境税・花粉症】

【余禄】:中国古代の遺跡からは…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:中国古代の遺跡からは…

 中国古代の遺跡からはヨロイのような皮膚と角を持つサイを写実的に表現した青銅器が発見されている。本物そっくりで想像で作り出せる造形ではない。かつて中国にもサイが生息し、直接、観察できたことを示す文物だ▲「犀(さい)」は尾と牛を合わせた会意文字。象や鹿、馬など「ケモノへん」をつけない漢字が使われる動物は、古代中国の人たちの生活に関わる存在だったといわれる。サイの角は漢方薬の材料として珍重され、粉状にして解毒、解熱薬に使われた▲中国のサイは絶滅し、現生するのはクロサイやシロサイ、インドサイなど5種類。取引が規制されているにもかかわらず、いずれも絶滅の危機にある。角が薬材や貴重品として高額で取引され、密猟が絶えない▲アフリカのナミビアではクロサイを安全な地域に移送するプロジェクトを始めた。重さ1トン前後のクロサイを眠らせた上で脚を縛って逆さづりにし、ヘリコプターで輸送する▲ナミビア政府はサイの健康に与える影響を調べるため、米コーネル大の研究チームに調査を依頼した。その成果がノーベル賞のパロディーとして誕生したイグ・ノーベル賞の「輸送賞」を受賞した。日本人が15年連続で受賞し、注目が高まる同賞は人を笑わせ、考えさせる研究を対象にする▲サバンナの上に逆さづりのサイが浮かぶ光景は滑稽(こっけい)だが、心配にもなる。しかし、台に乗せ、寝かせて運ぶより血流への影響が少なく安全と聞いて安心した。動物保護に大いに貢献する研究成果である。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2021年09月12日  02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説①》:「退陣会見」避けた首相 国民に説明しない無責任

2021-09-16 02:04:55 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

《社説①》:「退陣会見」避けた首相 国民に説明しない無責任

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:「退陣会見」避けた首相 国民に説明しない無責任

 新型コロナウイルスの感染「第5波」が収束しない中での退陣である。国民に対して説明を尽くそうとしない姿勢は無責任だ。

 菅義偉首相が9日、自民党総裁選への不出馬表明後、初めての記者会見に臨んだ。しかし、緊急事態宣言の延長決定に伴うもので、「退陣会見」と呼べるものではなかった。

 その6日前の辞意表明は、わずか2分間の一方的な説明で済ませていた。「来週にでも改めて会見をしたい」と語っていたが、これでは約束を果たしたことにはならない。

 首相交代につながる重大な政治決断である。経緯と理由を丁寧に説明する場を設けるのは当然だ。

 政府のコロナ対策を説明する会見の中で退陣にも触れたが、在任中の実績をとうとうと振り返るなど、首をかしげざるを得ない内容だった。しかも、大勢の記者が質問を求める中、従来通り1時間で打ち切られた。

 今回の振る舞いは、国民への説明をないがしろにし続けた菅政権の姿勢を象徴するものだった。

 日本学術会議の会員候補6人を任命しなかった問題では、「説明できることと、できないことがある」と開き直り、いまだに理由を明らかにしていない。

 東京オリンピック・パラリンピックを巡っても、「安全・安心の大会を実現する」と繰り返すばかりで、その根拠や開催の意義について説得力のある説明は聞かれなかった。

 第5波が広がった後も、野党が憲法に基づいて召集を求めた臨時国会を開かず、議論に背を向け続けた。

 会見で「仕事をするために首相になった」と強調した点に、菅氏の政治姿勢が集約されていた。結果さえ出せば評価は後から付いてくるという考えに基づく発言だろうが、国民との意思疎通を図ろうとする努力がうかがえなかった。

 内閣支持率が下落を続け、わずか1年で国民から見放されたのは、こうした態度と無関係ではあるまい。

 コロナ禍が続き、国民の不安や不満に寄り添い対話を重ねる政治が求められている。「国民に説明しない政治」を改めなければ、信頼を取り戻すことはできない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月11日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする