【社説①】:入管に違憲判決 非人道性が断罪された
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:入管に違憲判決 非人道性が断罪された
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2021年09月27日 07:30:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説①】:入管に違憲判決 非人道性が断罪された
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:入管に違憲判決 非人道性が断罪された
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2021年09月27日 07:30:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説②】:米軍の汚水処理 地位協定改定が必要だ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:米軍の汚水処理 地位協定改定が必要だ
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2021年09月27日 07:29:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【筆洗】:作家の半藤一利さんは子どものとき、相当のがき大将だったそう…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:作家の半藤一利さんは子どものとき、相当のがき大将だったそう…
作家の半藤一利さんは子どものとき、相当のがき大将だったそうだ。けんかのとき、こんな言葉を使ったという。「この野郎、ようちょうしてやる」▼はて「ようちょう」とは。調べれば漢字は「膺懲」。懲らしめるという意味である。こんな難しい言葉を子どもの時から使ったとはさすがは半藤さんと言いたくなるが、そうではなさそうだ。実は当時の流行語で、子どもにまで広がっていた。もとは「暴支膺懲」。中国を懲らしめるという日中戦争当時のスローガンである▼特異な時代はいやでも特異な言葉を定着させるものなのだろう。文化庁の調査によると「不要不急」「3密」「ステイホーム」など新型コロナウイルスに関連して使われる言葉について尋ねたところ六割以上が「そのまま使うのがいい」と回答したそうだ▼少し分かりにくいが、説明なしでもその言葉を理解できるということなのだろう。それほど、これらの言葉は世の中に浸透した▼コロナ禍での生活も長期に及び、国や自治体が連日のように呼びかけた言葉が定着するのは当然のことでかつてなら耳慣れなかった「ソーシャルディスタンス」や「人流」も今はあたりまえに使っている。鼻まで覆わぬ「鼻出しマスク」。これなんぞ、以前なら意味に戸惑う言葉だろう▼「膺懲」が消えたように、「コロナ言葉」を使わなくて済む日々が早くやって来ないか。
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】 2021年09月27日 07:31:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【菅首相の一日】: 9月26日(日)
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相の一日】: 9月26日(日)
(25日)=現地時間
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】 2021年09月27日 07:31:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
《社説①》:縮まらぬ男女格差 議論足りなかった総裁選
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:縮まらぬ男女格差 議論足りなかった総裁選
今回の自民党総裁選はこれまでと比べ、女性政策が取り上げられる機会が増えた。
初めて複数の女性が名乗りを上げ、候補者が男女同数となったことが影響しているのだろう。
選択的夫婦別姓が論点となったのが象徴的だ。法制審議会は導入を求める答申を出したが、自民党保守派の強い反対で四半世紀にわたり、たなざらしにされてきた。
4候補の賛否は分かれた。否定的な高市早苗前総務相、慎重姿勢の岸田文雄前政調会長に対し、河野太郎行政改革担当相と野田聖子幹事長代行は賛成している。
党内の賛成派は増えており、河野、野田両氏は、法制化への対応を党で縛らず、個々の議員に委ねるよう主張している。
こうした動きは評価できる。しかし、世界から大きく遅れている男女格差の是正に向けた議論は物足りない。
安倍晋三前政権は「女性が輝く社会」を掲げ、女性活躍推進法を成立させた。企業に採用や管理職登用の促進を求めたが、そこには労働力不足を補ってもらおうとの発想が透けて見えた。
働く女性は増えたが、多くは不安定な立場に置かれる非正規雇用だ。賃金格差も縮小していない。
その矛盾がコロナ禍で浮き彫りになっている。非正規雇用の女性たちは職を失ったり、勤務時間を減らされたりした。外出自粛で、配偶者からの暴力被害の相談が増えた。女性の自殺者も増加した。
政策の転換が必要になっているにもかかわらず、菅義偉政権の対応は不十分だった。
各候補は生活支援や、育児、介護を支える仕組みの充実を訴えている。だが、根深い性別役割意識をなくす道筋は示されていない。
格差の是正には、まず政治が変わらなければならない。
衆院議員のうち女性は1割にとどまる。現状打破には、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」導入が不可欠だ。
超党派の議員連盟が各党に女性候補者の数値目標設定を義務づける法整備を目指したものの、現職に男性が多い自民党は反対した。
「おじさん」主導の政治では、多様な議論は望めない。女性の声が反映される社会を実現するため、古い体質を改めるべきだ。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2021年09月28日 02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
《社説②》:大阪の3歳児虐待死 なぜ命救えなかったのか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:大阪の3歳児虐待死 なぜ命救えなかったのか
救えたはずの幼い命が、虐待によって奪われる事件が再び起きてしまった。
大阪府摂津市で8月、3歳の男児が全身に重度のやけどを負い亡くなった。母親の交際相手の男性が、熱湯をかけ殺害した容疑で逮捕された。
容疑を否認しているが、10分近く高温のシャワーをかけ続けた疑いがあるという。事実なら男児の恐怖や痛みは想像を絶する。
深刻なのは、事件前から虐待を疑わせる情報が市に相次いで寄せられていたにもかかわらず、防げなかったことだ。
今春、男児が通う保育園は「頭にたんこぶがある」と通報し、母親も、交際相手が男児のほおをたたいたと訴えていた。市の担当者が交際相手と面会すると「もうたたかない」と約束したという。
だが、男児を怒鳴ったり物を投げつけたりしているとして、母親の知人らが6月に「このままでは男児が殺されてしまう。保護してほしい」と嘆願した。
それでも市は、あざなどのけがが確認されなかったことから「緊急性が低い」と判断した。
所管する大阪府の児童相談所(児相)と十分に連携が取れていたかどうかも疑問が残る。
児相は市からの連絡を受けて、「一時保護は不要」と結論付けていた。知人らの「殺されてしまう」という強い危機感を共有できていれば、判断は違っていたのではないか。
子育てに慣れていない交際相手との同居は虐待リスクが高まるとされる。だが、市は母親が交際相手と同居していることを把握していなかったという。
児相への虐待の相談件数は昨年度、初めて20万件を超えた。死亡する事例も後を絶たない。
子どもや周囲からのSOSを見逃さず、関係機関が連携して対処することの重要性が指摘されてきたが、相談件数の増加に追いついていない。
なぜ、幼い命を救えなかったのか。府は第三者による検証作業を進めるという。市と児相の対応が適切だったかどうか、徹底的に究明されなければならない。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2021年09月28日 02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
《社説①》:労災認定基準の見直し 過労死なくす努力さらに
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:労災認定基準の見直し 過労死なくす努力さらに
脳や心臓の病気になった働き手の労災認定基準を、厚生労働省が20年ぶりに見直した。
残業時間が「過労死ライン」に達していなくても、労働実態に即して労災の対象とすることを明示した。
これまでは過労死ラインを超えているかどうかで、機械的に判断されているとの批判があった。ラインに達していない事例で認められたのは、昨年度は認定全体の1割弱しかなく、申請をあきらめているケースは少なくないと指摘されていた。
新しい基準では終業から次の始業までの間隔が短かったり、休日なしで連続して働いたりするなど「勤務時間の不規則性」が、過労死リスクを高める要因として明記された。
医療現場などで行われている交代勤務や深夜勤務について、十分に考慮するよう求めている。
職場でのパワハラやセクハラは労災の判断材料とされた。「顧客や取引先から無理な要求を受けた」などのカスタマーハラスメントも含まれる。
いずれも被害が深刻化しており、法律などで企業に対策が求められている。
今回の見直しで、従来は労災として認められなかったケースも救済される可能性が高くなった。労働基準監督署は、過労死ライン偏重の審査姿勢を改め、新基準に基づいて適切に認定しなければならない。
過労死ラインの見直しも課題だ。現在は残業が「発症前1カ月で100時間超」か「発症前2~6カ月間の月平均で80時間超」と規定されている。
だが、過労死問題に取り組む法曹団体は「月65時間超」に引き下げるべきだと提言する。国際労働機関などの研究で「心疾患や脳卒中のリスクが高まる」とされる残業時間だ。
日本の労働時間は減少傾向にあるが、国際的にみれば依然として長い。週49時間以上働く労働者は日本の5人に1人に対し、ドイツは10人に1人にも満たない。
人の命や健康はかけがえのないものだ。労災認定基準の見直しを機に、国や企業は職場環境を改善し、過労死をなくす取り組みをさらに進めなければならない。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2021年09月27日 02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
《社説②》:中台のTPP加入申請 対立持ち込まない知恵を
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:中台のTPP加入申請 対立持ち込まない知恵を
台湾が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加入を申請した。16日に申請した中国は猛反発しており、中台の対立が持ち込まれる懸念がある。
台湾はかねてTPP入りを熱望し、申請のタイミングを探っていた。手続きで中国に先手を打たれ、対応を急いだようだ。
自由化が進んだ台湾の方が、加入のハードルは低いとの見方がある。一方で中国は巨大市場という強みを持つ。
新規加入には全加盟国の承認が必要だが、中台との距離感は国ごとに異なる。判断が割れ、加盟国間の協調が揺らぐような事態は避ける必要がある。
TPPはデジタル化や人権重視など経済活動を巡る最新の潮流を反映した貿易協定である。加入の是非は、参加を希望する国や地域にルールを順守させ、高い水準の自由化を維持できるかという観点から、公正に判断されるべきだ。
台湾の蔡英文総統はツイッターに「我々は全てのルールを受け入れる用意がある」と日本語で投稿し、今年の議長国である日本の支持を求めた。
茂木敏充外相は早々に歓迎の意向を表明したが、日台間には東京電力福島第1原発事故後の農産品輸入禁止といった問題もある。
中国が自由で透明性の高い市場経済の理念を共有するのであれば、排除すべきではあるまい。
ただし現状は程遠い。市場経済化の進展を期待されて世界貿易機関(WTO)に加盟したものの、習近平指導部は経済活動を統制する動きを強めている。
国有企業の優遇やデジタルデータの囲い込みなど、TPPのルールと整合しない制度が多い。新疆ウイグル自治区での強制労働疑惑も指摘される。
中国が加入するには、これらの問題を抜本的に改めることが前提となる。
そもそもTPPは、米国主導の「中国包囲網」という側面があった。その米国が離脱し、中国がアジア太平洋の経済ルールで主導権を握ろうと攻勢をかけている。
こうした状況が、米国に復帰を促す呼び水となる可能性もある。日本は加盟各国とともに知恵を絞り、自由貿易圏としての価値を高めなければならない。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2021年09月27日 02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【自民党】:あす総裁選 議員票、岸田氏3割超す 河野氏・高市氏追う
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:あす総裁選 議員票、岸田氏3割超す 河野氏・高市氏追う
29日に投開票される自民党総裁選について、毎日新聞は終盤情勢を探った。国会議員票(382票)は岸田文雄前政調会長(64)=岸田派=が130票超を固め、河野太郎行政改革担当相(58)=麻生派=と高市早苗前総務相(60)=無派閥=が追う。国会議員票と同数の党員・党友票を加味すると、河野氏が3割台半ばを占めて首位をうかがうが、当選に必要な過半数には達しない見通しで、上位2人による決選投票が実施されるのが確実な情勢だ。
国会議員票の動向については、27日までに国会議員本人や秘書らを取材して確認した。130票超の岸田氏に対し、河野氏が100票超、高市氏が80票超で続いた。野田聖子幹事長代行(61)=無派閥=は約20票を獲得する見込みだ。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・2021自民党総裁選】 2021年09月28日 02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【公明党】:自民を「けん制」 総裁選後の政権合意巡り
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【公明党】:自民を「けん制」 総裁選後の政権合意巡り
公明党が、自民党総裁選(29日投開票)の4候補が掲げる政策を注視している。多くの公明幹部は表立って懸念を示すことは抑制しているが、敵基地攻撃能力の保有や衆院選比例代表の定数削減、最低保障年金制度の導入などは公明党の主張と相いれないだけに神経をとがらす。党幹部は自民党新総裁と結ぶ「連立政権合意」に照準を合わせ、自民党をけん制し始めた。
「(総裁選直後に)自公両党の新たな政権合意を交わさなければならない。公明党の主張を明確化していく必要がある」。山口那津男代表は22日の党中央幹事会でこう発言した。連立政権合意は内政や外交・安全保障政策などを巡り、総裁選後や衆院選後に自公両党が交わす政権運営の大方針だ。公明幹部は「この合意が新総裁との最初の勝負になる」と重要性を指摘する。
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元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・公明党・2021自民党総裁選】 2021年09月28日 02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【安倍・菅政権考】:官邸主導とは何だったのか 内閣人事局「生みの親」が語る
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍・菅政権考】:官邸主導とは何だったのか 内閣人事局「生みの親」が語る
安倍晋三政権、菅義偉政権は省庁人事を差配する内閣人事局を使った「官邸主導」の政治手法で霞が関を支配した。政策決定の迅速化や省庁の縦割り打破につながった一方で、官僚の萎縮を招き政策がゆがんだという弊害も指摘される。官僚出身で民主党の参院議員として行政改革に携わり、「内閣人事局の生みの親」の一人でもある松井孝治元官房副長官(慶応義塾大教授)は、自戒も込めつつ「行き過ぎた官邸主導になってしまった。見直しが必要」と指摘する。松井氏に、両政権の官邸主導であらわになった課題を聞いた。【松倉佑輔/デジタル報道センター】
インタビューに答える元官房副長官の松井孝治氏=2021年9月15日午後3時25分、松倉佑輔撮影
――松井さんは通商産業省の官僚時代、橋本龍太郎元首相が推進した「橋本行革」に携わり、民主党議員としても2008年の国家公務員制度改革基本法の与野党協議を担いました。菅政権の官邸主導をどう見ていましたか。
◆菅さんは内閣人事局を、恐怖政治的に使いました。役人時代の同僚は、菅さんから「後で残ってくれ」と言われると「背筋が凍った」と話していましたね。
霞が関ではみんな、実際に官邸に反発した役人の左遷と気に入られた幹部の昇進を見ているわけです。抜てきと一罰百戒の見せしめによる恐怖政治です。総理や官房長官が人事権を使うのは当然だし想定していたことですが、長官任期の長期化もあって、人事権の主導権は完全に菅長官に握られ、少々バランスが崩れました。その結果、局長レベルにとどまらず、課長や課長補佐まで「政権の意向」を模索するようになってしまった。「政権の意向にそぐわなければ、仕事ができない」という受け止めが強くなりすぎたと思います。組織コントロールとしては有効なやり方ですが、行き過ぎましたね。
――現場の官僚が萎縮することによって、政策がゆがむという指摘もありますが。
◆「政権の意向だから」ということで現場が押し黙ってしまうと、組織として政策の分析や比較衡量が困難になり、役所の組織としての基礎体力を奪っていきます。霞が関の恒常的な人員不足…、
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元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【コラム・「安倍・菅政権考」】 2021年09月27日 17:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【特集ワイド】:リーダーの資質とは 意見具申に応える/チーム持つ/大風呂敷広げる
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【特集ワイド】:リーダーの資質とは 意見具申に応える/チーム持つ/大風呂敷広げる
自民党総裁選は29日に投開票を迎え、新たな首相候補が誕生する。一方、政権運営に行き詰まった菅義偉首相は1年で退陣を余儀なくされる。歴代最長の第2次安倍晋三政権時代(2012~20年)の菅氏は、宰相を支える官房長官として存在感を放ったような気がするが、自らの政権は短命に終わってしまう。トップとナンバー2に必要な資質に違いはあるのか、次のリーダーに求められる素養は何なのか、考えてみた。
自民党総裁選立候補者討論会を前に記念撮影に応じる(左から)河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行=東京都千代田区の日本記者クラブで18日、吉田航太撮影
「官房長官時代に年に何度か会っていましたが、非常にマメで約束は必ず守り、こまやかな気遣いができる人です」。そう菅首相を評するのは政治アナリストの伊藤惇夫さん(73)である。でも首相としては「国民のために働く」という約束が守れたとは言い難い。なぜ僅か1年で政権の幕を閉じようとしているのか。「菅さんは『後藤田五訓』のむしろ逆を実行してしまったのです」。一体どういうことなのか。
「後藤田五訓」とは、1980年代の中曽根康弘政権の官房長官だった後藤田正晴氏による官僚に対する訓示をまとめたものだ。危機管理でも有効で、指揮官と部下、双方の教訓として通じるという。
一・省益を忘れ、国益を想(おも)え
二・悪い本当の事実を報告せよ
三・勇気を以(も)って意見具申せよ
四・自分の仕事でないと言うなかれ
五・決定が下ったら従い、命令は実行せよ
「菅さんは新型コロナウイルスの対応で、…
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元稿:毎日新聞社 夕刊 主要ニュース 政治 【政局・2021自民党総裁選挙】 2021年09月27日 12:40:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【自民党総裁選】:ジェンダー政策で目立つ及び腰 4候補アンケート
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党総裁選】:ジェンダー政策で目立つ及び腰 4候補アンケート
男性中心の政治は変わるのか――。自民党総裁選(29日投開票)では、複数の女性議員が立候補したのは初めてで、ジェンダー問題や子育て政策などを巡る4候補の主張が注目されている。毎日新聞では4候補に、これらの政策についてアンケートを実施し、女性識者2人に分析してもらった。前後編にわたって伝え、前編はジェンダー関連の項目について伝える。ジェンダー政策では、積極的な候補もいたが、及び腰か反対の候補が多いことが鮮明になった。【菅野蘭、塩田彩/デジタル報道センター】
自民党総裁選が告示され、立候補者の共同記者会見前に写真に納まる(左から)河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行=東京都千代田区の同党本部で2021年9月17日(代表撮影)
自民党総裁選には、河野太郎行政改革担当相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の4人が立候補した。
「私たち女性は極めて政治の中でマイノリティーです。数もないし、女性ならではのいろいろな背負いがあって、ここまで2人はたどり着けてきたのかなと思っています」
東京都内で開かれた18日の日本記者クラブ主催の討論会。野田氏は、高市氏に向かって、女性政治家としての苦労を吐露し、「ともに頑張って戦いましょう」と呼び掛けた。
高市氏も、17日のフジテレビの番組で「自分自身、閣僚になったとき『どうせ女性枠だから』ということを周りから言われ、それは大変つらいことがありました」と明かした。
男性中心の自民党において、総裁選に女性が立候補するのは、2008年に初めて立候補した小池百合子氏(現東京都知事)以来で、女性2人が立候補したのは今回が初めてだ。
今月上旬に高市氏が岸田氏に続いて出馬を表明したことで、女性候補として注目されたが、この頃はジェンダーに関連する議論は総じて低調だった。
4人の中で最後に出馬表明した野田氏は、総裁選の立候補に必要な20人の推薦人がそろう以前の14日、自身のブログでこうつづっていた。
<17日の告示に向けて、各候補者の政策を読ませて頂きました。コロナ対策・外交・防衛・経済・エネルギーなど、それぞれの考えがあり、自民党らしく大いに議論を闘わせるべき良い機会と思います。しかし、残念な事に誰ひとり『子ども・女性・障がい者・介護政策、貧困の格差など』に触れている候補者がいなく、とても残念な気持ちになりました>
その後、「こどもまんなか基本法」制定など、ジェンダーや子ども政策に熱心な野田氏が立候補できたこともあって、討論会やテレビなどで、これらの政策について各候補で意見を交わす機会が増えた。
こうした流れも踏まえ、毎日新聞は4候補にアンケートを実施し、22日までに全員から回答を得た。
アンケートでは、以下の8項目について聞いた。
▽「選択的夫婦別姓」の制度導入の賛否
▽「同性婚」の制度導入の賛否
▽LGBTなど性的少数者が尊重される社会を実現するための「LGBT理解増進法案」への賛否
▽議席や候補者の一定数を法律などで女性に割り当てる「クオータ制」導入の賛否
▽菅義偉政権が決めた子ども政策の司令塔となる「こども庁」の創設方針への賛否
▽男性の育児休業取得率(20年度は12・65%)を25年までに30%に上げる政府目標をさらに引き上げるべきか
▽政府は子ども・子育て支援関連の全体の予算を増やすべきか
▽性暴力を告発する世界的な「#MeToo運動」などで注目された性犯罪について、対応強化のため、刑法の強制性交等罪の構成要件の緩和や、現在13歳の「性交同意年齢」の引き上げなど法整備検討への賛否 …
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元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【政局・2021自民党総裁選挙】 2021年09月27日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政局】:裸の王様は引きずり降ろされるのか? ■自民党総裁選に寄せて
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:裸の王様は引きずり降ろされるのか? ■自民党総裁選に寄せて
◆白井聡・京都精華大学人文学部専任講師
いま行われている自民党総裁選は、日本の政党政治史上有数の身勝手で、したがって醜悪を極めた政争である。周知のように、衆議院総選挙が迫っている。総選挙における敗北、政権喪失の危機におびえての看板の入れ替え――自民党にとっての今回の総裁選の意義はそれに尽きる。
白井聡氏=山田尚弘撮影
総裁選と新政権の発足に明け暮れる9、10月は、本来ならば、冬に必ず来る次の新型コロナ流行をにらんで、今度こそは医療崩壊を招かぬよう対策の抜本的な立て直しを図るための時間になるはずだった。しかし、この貴重な時間は失われ、ウイルスの変異の仕方次第ではこれまでよりも深刻な感染拡大が引き起こされるであろう。
あまつさえ、新型コロナ対策を審議するはずの臨時国会開催を憲法を踏みにじって拒絶したうえで、この政争は戦われている。ゆえに、この総裁選はどれほど厳しく見ても厳し過ぎるということはない。
これほどの犠牲を払いながらそれでもあえていま権力闘争を繰り広げるというのならば、その犠牲に見合った「成果」が総裁選には求められる。現状を見る限り、その「成果」は、2012年の第2次安倍政権発足により成立しその後9年近くにわたって固定化されてきた「体制」の動揺が浮き彫りになってきたことを指摘できる。
その体制は「安倍1強体制」とメディアから呼ばれてきたが、このネーミングには一種の戸惑いが込められていた。すなわち、安倍政権が大した成果を出しておらず、不正と腐敗にまみれているにもかかわらず、野党に自公政権を脅かす力がなく、自民党内にも安倍を打倒しうる勢力がないために、盤石の長期政権が続いたことに対する戸惑いである。
しかし、そんたくも強権も通用しない新型コロナウイルスに遭遇して、「体制」は己の無知と無能をさらけ出した。その結果が、いまから約1年前に起きた安倍晋三氏の政権投げ出しである。そして、安倍退陣から菅義偉政権成立に至るまでの過程は、頭目を失って一瞬揺らいだ「体制」が速やかに自己維持を図り、それに成功した過程であった。「体制」にとって最大の脅威であった石破茂氏を総裁選で惨敗させたところに、その意図と成功が端的に表れていた。
そしてそれから1年。菅首相もまた、新型コロナによってノックアウトされた。…
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元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治プレミア 【政治をもっとオープンでフェアにする】 2021年09月27日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【風知草】:高市支持急伸の意味=山田孝男
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【風知草】:高市支持急伸の意味=山田孝男
自民党総裁選、大詰めの主役は高市早苗である。大方の予想を裏切る高市支持の急拡大である。
野田聖子参戦で誰も過半数に届かず、河野太郎、岸田文雄の2強による決選投票――とささやかれているが、高市が決選に絡む可能性はないのか? これが週末の話題だった。
絵・五十嵐晃
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政治部の前線記者によれば、24日昼、永田町に「高市支持拡大は河野陣営の高等戦術」説が流れ、確認に追われたという。
決選投票は議員票の比重が大きい。河野と岸田が争えば、議員の支持が厚い岸田が勝つ――といわれている。だが、決選投票の相手が高市なら河野の勝機が増す。初回投票で優位とみられる河野陣営が、余力で高市を支援――とささやかれるゆえんである。
河野は「河野陣営が支援」説を否定。激戦の総裁選の終盤は、しばしば怪情報が駆けめぐる。
◇
当初、泡沫(ほうまつ)候補扱いだった高市の注目度が跳ね上がったのは17日。出陣式に自民党の全国会議員の4分の1近い93人(代理出席、オンライン参加を含む)が集まったことによる。
「誰に総裁になってほしいか」を聞いた毎日新聞と社会調査研究センターの世論調査(18日)で、高市は河野の43%に次ぎ、15%で2位。13%の岸田を上回った。党員・党友に「総裁にふさわしい人」を聞いた共同通信調査(17、18日)の回答は(1)河野(2)岸田(3)高市の順だが、15・7%で3位の高市は18・5%で2位の岸田を脅かす。
ある官僚OBに「自民党の右傾化が進んでるんですか…、
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元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【風知草】 2021年09月27日 02:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。