路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【山梨県】:「富士山ローソン」観光客殺到2店舗に本部が対応策「多言語表記にて」

2024-05-05 13:43:30 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【山梨県】:「富士山ローソン」観光客殺到2店舗に本部が対応策「多言語表記にて」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【山梨県】:「富士山ローソン」観光客殺到2店舗に本部が対応策「多言語表記にて」 

 山梨・富士河口湖町のコンビニエンスストア「ローソン河口湖駅前店」の屋根越しに見える富士山の撮影などのため外国人観光客らが殺到し、同町が撮影できないよう黒幕を張る作業を開始したことに関連して、ローソンは5日、公式サイトで、対応策を発表した。

富士山ローソンで新たな対応(画像はイメージ)

 発表では、同店に加え別店舗の「ローソン富士河口湖町役場前店」でも同様の状況が発生していると説明。これまで本部社員を派遣していたことに加え、4日「多言語表記による道路の横断禁止の簡易看板」を設置したことを明らかにした。

 また事故防止のため「警察や行政に相談の上、外部警備会社の専属警備員の配置を検討いたします」とした。

 この件では、富士山がローソンの屋根に乗ったように見えることで、撮影スポットとしての口コミが、外国人観光客やタイの俳優らによって拡散。観光客が殺到した結果、ローソンや車道をはさんだ歯科医院の近隣で、交通の危険やごみの問題などが発生し、店舗営業や住民生活に悪影響が出ていた。歯科医院が公式サイトで声明を発表するなどの事態に発展していた。

 ▽発表全文 

 「ローソン河口湖駅前店」および「ローソン富士河口湖町役場前店」の対応について

 平素はローソンをご愛顧賜り、誠にありがとうございます。

 「ローソン河口湖駅前店」および「ローソン富士河口湖町役場前店」が富士山の撮影スポットとして人気となっていることから、近隣住民の皆様や店舗ご利用のお客様、その他多くの皆様にご迷惑とご心配をおかけしていることを心よりお詫び申し上げます。

 「ローソン河口湖駅前店」において、安全体制の強化を目的にこれまで本部社員を店舗に派遣するなどの対策を行ってまいりましたが、昨日5月4日に新たに多言語表記による道路の横断禁止の簡易看板を設置致しました。

 また早急に、駐車場や道路での撮影が危険であることや道路横断やゴミの放置の禁止など公衆マナー遵守の看板を多言語表記にて設置予定です。

 あわせて事故防止を目的に、警察や行政に相談の上、外部警備会社の専属警備員の配置を検討いたします。

 「ローソン富士河口湖町役場前店」においても同様に注意喚起を目的とした多言語表記の看板を設置予定です。

 今後も地域住民の皆様の生活の環境整備とご来店を頂く皆様への安全対策について、自治体及び警察への相談と連携を進め、対策を取らせて頂きます。

 何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・山梨・富士河口湖町のコンビニエンスストア「ローソン河口湖駅前店」の屋根越しに見える富士山の撮影など】  2024年05月05日  13:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【犬塚浩弁護士】:東京15区補選での妨害行為「生まれうる状態」「選挙そのものがカオスな状態」

2024-05-05 13:31:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【犬塚浩弁護士】:東京15区補選での妨害行為「生まれうる状態」「選挙そのものがカオスな状態」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【犬塚浩弁護士】:東京15区補選での妨害行為「生まれうる状態」「選挙そのものがカオスな状態」 

 弁護士の犬塚浩氏は、5日に放送されたフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜午前10時)に出演し、先月28日に投開票された衆院東京15区補選で、特定の候補や陣営による妨害行為が問題になったことをめぐり、その背景について解説した。

フジテレビ本社フジテレビ本社

 同補選では、政治団体「つばさの党」の候補者や陣営関係者が、当選した立憲民主党の酒井菜摘氏や作家の乙武洋匡氏ら複数の陣営への「妨害行為」を繰り返し、各陣営が街頭演説の告知などを行えなくなるなど、異常な雰囲気の中での選挙戦となった。

 この日、同番組にゲスト出演した乙武氏は選挙戦で受けた妨害行為について「立候補者側だけでなく、有権者にとっての(候補者の主張を聴く)権利が侵害されているのが許せない。申し訳ないと思う気持ちでいっぱい」などと振り返った。また、歌手泉谷しげる(75)は「やじは選挙違反ではないが、だけど(今回は)妨害でしょ。選挙妨害はもっと罪を重くしないとだめよ」と、怒りをまじえながら指摘した。

 これに対し、犬塚弁護士は「公職選挙法の中では選挙の自由妨害罪というものがあり、懲役刑まである結構重い罪」とした上で「実際の立て付けとしては、選挙は基本的にカオスの状態」と指摘した。「実は選挙カーは道路交通法が一部、免除されているようなところがある。駐車禁止の所に(選挙カーを)止められるというところがある。騒音防止条例も、大きな声を出しても防止条例違反にはならない」と、指摘の背景について解説した。

 その上で「選挙そのものがカオスな状態なので、こういう状態が生まれうる状態で行うのが選挙になっているのは確かだが、今回の(妨害行為)は、ちょっとどうかなと思う」と述べ、つばさ側の行為内容については疑問を示した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・選挙・衆院補選東京15区】  2024年05月05日  13:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【紀藤正樹氏】:「絶望的に悲しくなります」水俣病被害者団体への環境省対応に

2024-05-05 13:00:30 | 【環境問題(公害・排ガス・治水・産廃・水俣病・アスベスト・有機フッ素化合物

【紀藤正樹氏】:「絶望的に悲しくなります」水俣病被害者団体への環境省対応に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【紀藤正樹氏】:「絶望的に悲しくなります」水俣病被害者団体への環境省対応に

 弁護士の紀藤正樹氏が5日までにX(旧ツイッター)を更新し、水俣病被害者団体との懇談会における環境省や大臣の対応についての報道について、私見をつづった。

紀藤正樹弁護士(2022年7月撮影)紀藤正樹弁護士(2022年7月撮影)

 紀藤氏は、1日に熊本県水俣市内で開かれた、四大公害病の1つである水俣病の犠牲者慰霊式後の団体と伊藤信太郎環境相らとの懇談会で、環境省側が被害者団体側の話をさえぎったりマイクの音を絞るなどの事態を伝える報道を引用。「こういうのって人としてどうか。職員にも大臣にも心がない」と指摘すると、「『次の職務があるから私は退席するが、職員は残すから最後まで話をしてもらって私は必ず皆さま方の声を職員から後で聞きます』くらいの、その場の大臣裁定はできないのか。官僚の暴走を見逃すのではなく注意することこそが政治家の本来の役割」と、対応に疑問を呈した。

 続く投稿でも「正直、こういう映像を見ると、絶望的に悲しくなります。これが日本の官僚や政治家のいまの現実かと見せられるのはとても残念です。普段、心ある仕事をしている政治家(与党も含む)や官僚も多数いるはずです。もっと彼らも怒るべきです」と記した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・水俣病被害者団体との懇談会における環境省や大臣の対応についての報道について】  2024年05月05日  13:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【乙武洋匡氏】:「お金がもうないですね」東京15区補選終え告白 泉谷しげる「また無所属で」と期待

2024-05-05 12:37:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【乙武洋匡氏】:「お金がもうないですね」東京15区補選終え告白 泉谷しげる「また無所属で」と期待

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【乙武洋匡氏】:「お金がもうないですね」東京15区補選終え告白 泉谷しげる「また無所属で」と期待 

 4月28日に投開票された衆院東京15区補選に出馬し、落選した作家の乙武洋匡氏(48)が5日に放送されたフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜午前10時)に出演した。

乙武洋匡氏(2024年4月28日撮影)乙武洋匡氏(2024年4月28日撮影)

 番組MCの東野幸治に「終わって、今はゆっくり休んでいますか?」と問われた乙武氏は「今はまだ江東区でごあいさつをやっている」と述べると、ゲストの歌手泉谷しげる(75)に「乙武さん、これで終わるわけじゃないでしょ。またやるんでしょ。無所属でやってほしいわけさ」と、選挙再挑戦への期待を示された。

 乙武氏は「ありがとうございます」と応じたが、東野に「無所属は大変なんでしょ?」と問われると「お金が、もうないですね」と苦笑い。今回の選挙で次点につけた無所属の須藤元気氏(46)がお金をかけない選挙を訴えていたことに話が及ぶと、乙武氏は「あれでも1500万くらいかかっていますからね」と、須藤氏が自身のX(旧ツイッター)で明かしていた選挙費用の額に触れながら、組織がついた候補に比べてさまざまな制限があり個人の負担も大きい無所属での立候補について語った。

 東野に「今何がいちばんしたい?」と問われると、乙武氏は「こうやってみなさんとやっと、普通に会話ができるんだと」と笑顔をみせ「ずっと選挙期間中は不眠で…」「あの(妨害行為の)大音量を毎日浴びせられると、寝れないですね」と、打ち明けた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・選挙・衆院補選東京15区】  2024年05月05日  12:37:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【乙武洋匡氏】:「今さら言われ…勉強になった」東京15区補選での過去の女性問題蒸し返しに言及

2024-05-05 12:13:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【乙武洋匡氏】:「今さら言われ…勉強になった」東京15区補選での過去の女性問題蒸し返しに言及

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【乙武洋匡氏】:「今さら言われ…勉強になった」東京15区補選での過去の女性問題蒸し返しに言及 

 4月28日に投開票された衆院東京15区補選に出馬し、落選した作家の乙武洋匡氏(48)が5日に放送されたフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜午前10時)に出演し、8年前に報じられた自らの女性問題が、選挙戦で「蒸し返し」されたことに言及した。

乙武洋匡氏(2024年4月8日撮影)乙武洋匡氏(2024年4月8日撮影)

 乙武氏は2016年7月の参院選に自民党から出馬予定だったが、「週刊新潮」に女性問題を報じられ出馬断念に追い込まれた。先月8日に行った出馬表明会見では、過去に女性問題を報じられたことについてあらためて謝罪する反面、一部で「5股」と報じられたことを「5人同時ではない」などと否定。「もちろん私自身は反省をしないといけないがないが、そのことで再チャレンジが許されず、2度と表舞台に出るなという社会は…」と嘆きのような言葉も口にしていた。

 乙武氏は番組で、自身を応援した東京都の小池百合子知事にも学歴詐称疑惑が再燃したことを問われると「小池さんだけでなく私自身もそうですけど、知名度のある人間が選挙に出ようとすると(そうなる)。小池さんも選挙のたびに(学歴詐称疑惑を)出される。僕も8年前のことを今回、いまさら、バーッといわれた」と、振り返った。乙武氏は2022年参院選にも出馬したが「不思議なのは、2年前の選挙の時はほとんど言われなかったのが、今回は言われたというのは、あー、そうなるんだー…と、勉強になった」と口にした。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・選挙・衆院補選東京15区】  2024年05月05日  12:13:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・03.24】:やってます感岸田首相の「裏金国民対話」開始 車座集会始めた谷垣禎一氏の目的とはズレた内容に

2024-05-05 11:01:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【中山知子の取材備忘録・03.24】:やってます感岸田首相の「裏金国民対話」開始 車座集会始めた谷垣禎一氏の目的とはズレた内容に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・03.24】:やってます感岸田首相の「裏金国民対話」開始 車座集会始めた谷垣禎一氏の目的とはズレた内容に

 派閥の政治資金パーティー裏金事件や、和歌山県連のセクシー懇親会問題などを抱え、年に1度の結束確認の場にもかかわらず、まったく盛り上がらずに終わった3月17日の自民党大会。こちらも年に1度の党大会の総裁演説を、裏金問題の謝罪から始めなくてはならなかった岸田文雄首相が、「ドヤ顔」風の表情で語ってみせたのが、「政治刷新車座対話」の開催。自身や自民党幹部らが全国を回って、党員や党友、国民の声を聴くための全国行脚で、まず22日に茂木敏充幹事長が能登半島地震に見舞われた石川県を訪れ、地元県議らと意見交換を行った。

裏金問題を受けた自民党「政治刷新本部」の初会合が開かれる会議室に入る岸田文雄首相(2024年1月11日撮影)

 ただ、「まず最初に身内から話を聴いてどうする」(野党関係者)の指摘があるとおり、裏金問題などで党に向けられる厳しい視線は、なにも自民党員からのものだけではない。一般の国民から話を聴いてこそ、対話の効果も出てくるのではないかと思うのだが。何事も最初が肝心という中で、肝心な第1弾の対話の相手を「手近な存在」ですませてしまった感は否めない。「なぜ第1弾が総裁でなく幹事長なのか」と、人選へのナゾも耳にした。岸田首相によく指摘される「とりあえずやってます感」が、今回もにじんでしまったような気がしてならない。

 岸田首相がこだわる「車座対話」は、自民党にとっては、苦しい経験から生まれたシステムだ。2009年衆院選で当時の民主党に敗れて野党に転落した際、当時の谷垣禎一総裁が始めた「ふるさと対話集会」。民主党に政権を奪われ、反転攻勢と党の再生を目指すためには、まず地域に根ざした草の根の活動を重んじようと、全国のすみずみを回って車座で国民の話を聞くスタイル。谷垣氏の肝いりだった。

 2012年に政権を奪還した後も「野党時代のくやしさを忘れないため」と第2次安倍政権に引き継がれ、菅政権時代の2020年10月には、通算1000回の節目を迎えた。岸田政権でも続けられ、賃上げや中小企業対策、子育てなどをテーマにした車座対話は2021年10月の首相就任後、数十回に及んでいる。 

 党がマイナスからスタートする中で生まれた車座対話ではあるが、積み重ねられ、引き継がれてきたものだけに、思い入れを持っている自民党関係者も少なくない。そのため「裏金問題の言い訳のような場ではなく、もっと実のあるテーマでやるものなのに…」との嘆きを耳にした。もはやだれも信じなくなった岸田首相の「聞く力」を、首相自身はイメージしたのかもしれないが、裏金問題の納得できる説明がまったくなされていない中、いまさら国民に何を聞いて、そもそもそれを本当に生かすのかという疑問も当然わく。

 裏金事件の説明に、車座対話を持ち出した対応は、谷垣氏が始めた当時の目的からはかけ離れてしまっているように感じる。

 政権を失い、野党自民党の総裁となった谷垣氏の総裁選でのキャッチフレーズは「みんなでやろうぜ」。野党に転落し所属議員も3分の1近くに激減した中、一意結束で政権復帰を目指そうという呼びかけだった。国民にそっぽを向かれたことを教訓に新しい支持層をつかもうと、社会科見学のような取り組み「みんなで行こうZE(ぜ)」も始め、当時1年生議員だった小泉進次郎元環境相が地元の海上自衛隊横須賀基地を案内したり、今は東京都知事の小池百合子氏が東京・池袋での「芸術文化都市ツアー」でアニメ文化を紹介したり、参加者とラーメンをすすったこともある。

 野党だからこそできたことでもあったが、当時の取材を通じて、内容は別にしてもそこには少なからず国民とまじわることで何かを、血肉にしようとする明確な「目的」があったように思う。

 一方で今回の裏金問題での車座対話。そこにはどんな目的があり、そしてどんな結果を導くためなの場なのだろうか。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年03月24日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・03.17】:小池百合子都知事「次の一手」は東京15区か都知事選か…野党は3選出馬見越し対立候補選定中

2024-05-05 11:01:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・03.17】:小池百合子都知事「次の一手」は東京15区か都知事選か…野党は3選出馬見越し対立候補選定中

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・03.17】:小池百合子都知事「次の一手」は東京15区か都知事選か…野党は3選出馬見越し対立候補選定中 

 時に、政権の命運を握るともいわれる補欠選挙が来月、衆院の3つの選挙区(東京15区、島根1区、長崎3区)で行われることが正式に決まった(4月16日告示、28日投開票)。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の発覚後、初の国政選挙。結果は岸田文雄首相の政権運営に直結する。保守王国の島根は細田博之前衆院議長の死去に伴うもので、長崎は裏金事件で略式命令となり、有罪が確定した谷川弥一氏の辞職に伴うもの。裏金問題に加え、同区は次期衆院選から新2区と新3区に再編されることもあり、自民党の候補擁立は難航しているといわれる。

今年の第1回都議会初日、施政方針を述べる小池百合子都知事(2024年2月20日撮影)今年の第1回都議会初日、施政方針を述べる小池百合子都知事(2024年2月20日撮影)

 そして自民党が今問われている「政治とカネ」の側面からも、その内容のひどさの側面からも、最も注目されているのが東京15区だ。わずか1年前の東京都江東区長選をめぐる公選法違反事件で逮捕、起訴された自民党の柿沢未途元法務副大臣の辞職に伴う。当事者の自民党は独自候補は無理ではないか、著名人に白羽の矢を立てたのではないかなどの声が聞かれるが、告示まで1カ月を切っても候補者は決まらない。

 鍵を握るのは、東京都の小池百合子知事(71)だ。

 昨今の永田町は、小池氏が知事を電撃辞職してこの東京15区補選に出馬するのではないかという「疑心暗鬼」に陥っている。昨年末の出直し区長選で、小池氏の「右腕」的な立場といえる元東京都幹部の大久保朋果氏(52)が初当選。「小池系」の大久保氏に、独自候補擁立を断念した自民党などがすがるような形で相乗りし、勝利した。

 側近が区政に携わるそんな経緯もあってか、地元関係者に話を聞くと、小池氏にとって今の江東区は、かつての地盤旧東京10区、都庁がある新宿に続く「第3のおひざ元」との指摘もあるほど。だからこそ、出馬の臆測がやまないという。

 小池氏は今年7月7日投開票の知事選に3期目を目指して出馬するのが「既定路線」とみられているが、小池氏自身が「都政にまい進する」とけむに巻いたままで、補選への臆測だけが先行。前回2020年の都知事選前も再選出馬に関する質問には同じフレーズを口にしており、「どこか思わせぶりな小池流」(都政関係者)の一環ではあるのだが。 

 前回の再選出馬の際は新型コロナウイルス禍のさなか。コロナ収束に向けた対応が控え、再選出馬しない選択肢を考える方が難しかった。小池氏が再選出馬を表明したのは告示日の6日前。コロナ対応で選挙戦も自粛状態だったが、初当選時の票数を75万票近く上回る票数で再選された。

 一方、今回は3期目でコロナ対策にも一区切りついた。少子化政策など特に力を入れている政策はあるが、1度は飛び出した自民党が裏金事件で大混乱する中ならもしや…という疑念は、消えないままだ。

 そんな小池氏の動向が注目される中、小池氏の3選出馬を見据えて、7月の都知事選に向け、立憲民主党や共産党や市民団体などが対立候補を擁立しようと、候補者選定委員会を立ち上げ選定作業を行っている。2月8日に第1回会合を行い、今月8日に第2回会合を行った。対応に当たる立民の手塚仁雄衆院議員は、「私の見立てでは、小池知事の東京15区出馬は極めて可能性は低い」としながらも「可能性がゼロではない以上、候補者選定の作業をスピードアップさせないと」と述べ、小池氏の3選出馬ある・なし両にらみで、候補者選定を急ぐ構えだ。

 小池氏を意識してか、これまでに女性や知名度の高い候補者を求める声が出たといい、著名キャスターなど「非現実的」な名前を含めて20人ほどの名前があがった。「現実的」と思われる4~5人に打診したというが、「小池さんが相手でなければ」と固辞した人もいたといい、まだ結論は出ていない。手塚氏は今後さらに4~5人に打診するとも述べ、小池氏の動向をにらみつつ5月の大型連休ごろまでには「対立候補」を決めたいとしている。

 小池氏が何も言わない中、周囲ばかりがそわそわする光景は、これまでにも繰り返されてきた。支持率低迷ながらけんか師でもある岸田首相が、早いタイミングで衆院解散に踏み切るとの見方がある中で、そうなると「同じくけんか師の小池氏が、国政転身の最後のチャンスと考えるのではないか」(国会関係者)という声も聞いた。

 総合的には「4月の補選はさすがに出ないだろうが、その後の動きは読めない」という声が多いのだが、小池氏の「次の一手」をめぐる疑心暗鬼はしばらく続きそうだ。【中山知子】

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年03月17日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:旧文通費使途公開巡り議論すると表明 規正法改正

2024-05-05 10:09:30 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【岸田首相】:旧文通費使途公開巡り議論すると表明 規正法改正

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:旧文通費使途公開巡り議論すると表明 規正法改正

 岸田文雄首相は4日午後(日本時間5日午前)、ブラジルのサンパウロ市内で内外記者会見に臨んだ。国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)を巡り、支出可能経費の確定や支出公開の在り方を各党と議論すると表明。自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正に関し、帰国後の6日にも党政治刷新本部メンバーと面会し、改革の方向性を協議すると説明した。

 規正法改正について「再発防止が喫緊の課題だ。今国会中の改正に向けて全力を挙げる」と重ねて主張した。

 衆院解散や9月の自民党総裁選への対応を問われ「内外の諸課題に全力で取り組むことに専念する。結果を出すことが重要で、それ以外のことは現在考えていない」と述べるにとどめた。憲法改正については「時間的制約がある中でも一歩でも議論を前に進めるため、最大限努力していきたい」と強調した。

ブラジル・サンパウロで、記者会見する岸田首相(共同)ブラジル・サンパウロで、記者会見する岸田首相(共同)

 会見に先立ち、首相はフランス・パリで開かれた経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会で演説し、同国のマクロン大統領と会談。その後はブラジルとパラグアイを訪問した。会見では、「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との連携について、国際秩序を維持、強化するという目標に向けて日本らしい協力を行うとした。

 今月下旬の韓国開催で調整が進んでいる日中韓首脳会談に関し、議長国の韓国の取り組みを支持し、開催に向けて調整を続ける考えを示した。

首相は4日夜(日本時間5日昼)、政府専用機でサンパウロを出発し、帰国の途に就く。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・岸田文雄首相・国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)を巡り、支出可能経費の確定や支出公開の在り方を各党と議論すると表明】  2024年05月05日  10:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・05.05】:こどもの日 その声に耳傾け尊重を

2024-05-05 05:05:55 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【社説・05.05】:こどもの日 その声に耳傾け尊重を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.05】:こどもの日 その声に耳傾け尊重を 

 子ども政策を担う「こども家庭庁」が設立され、1年余りが経過した。当初から「何よりもこどもの意見が大切」と強調し、施策に生かす姿勢を示してきた。
 その声が届かず、厳しい境遇に置かれる子どもは後を絶たない。
 離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権の導入に関して、衆院の法案審議では子の意思を尊重する規定が見送られた。当事者の子どもの視点は必須なのに、反映させる努力は足りていない。
 子どもは保護されるだけの存在ではない。さまざまな権利を持つ市民の一員であり未来の担い手である。誰もがいつまでも幸せに暮らせる社会をつくるため、子どもの意見は尊重されねばならない。
 きょうはこどもの日だ。子どもの声に耳を傾けることの重要性を改めてかみしめたい。
 小中高校生の自殺者は昨年、513人だった。前年同様に500人を超え、高止まりが続く。
 札幌市立中の女子生徒がいじめを受け自殺したことも判明した。いじめは小学校時代に始まり、生徒は被害を何度も訴えたが教員や学校は向き合わなかった。
 市教委も当初、訴えの大半を黒塗りにして発表した。放置、隠蔽(いんぺい)したと言われても仕方がない。
 同様のことは全国で相次ぐ。学校という閉じられた空間で発生した事態を、関係者が保身のために矮小(わいしょう)化する事なかれ主義が根強いことが背景にあろう。
 近年、大人に代わり家族の介護などをするヤングケアラーへの支援が求められている。こうした声を受け今年、民間の全道組織「北海道ケアラーズ」が発足した。
 元教員などから協力の申し出があった。今後、各地に当事者の交流の場を設ける計画だ。見守りの輪が地域に広がると期待したい。
 中心メンバーの加藤高一郎さんは介護職の傍ら、介護に追われる子どもたちと交流してきた。道のヤングケアラー相談窓口の運営も委託され24時間体制で対応する。
 子どもたちは「かわいそう」と見られることを嫌がる。加藤さんは助けてあげるという姿勢ではなく、聞き役に徹している。
 子どもは話をするうちに自身を客観視できるようになる。その気づきを大事にしたいという。
 友達が介護で疲れていると知り「僕はどうしたらいいですか」と聞いてきた小学生もいたそうだ。
 そんな子どもの力も借り、問題解決を図ることもできるはずだ。共に社会で暮らすパートナーだという関係性を大切にしたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月05日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季・05.05】:こどもの日に

2024-05-05 05:05:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【卓上四季・05.05】:こどもの日に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季・05.05】:こどもの日に

 春耕のときを迎えた。札幌から車で北東へ向かい、石狩、当別、新篠津の田園地帯をひと回りした。あちこちでトラクターが行ったり来たりする。湿りを帯びた土が顔をのぞかせ、陽光を浴びていた。あと少しで田んぼに水が満たされる
 ▼気持ちのよい青空が広がる。はるか先に、こいのぼりを飾る民家があった。大きなマゴイと小さなヒゴイが仲よく風に泳いでいる。かつて習った唱歌の情景そのものだ。近くで見上げると、心が晴れやかになる
 ▼このお宅の子はきっと、ゆったりとそよぐ姿に大きな夢を重ねることだろう。まわりの大人たちは強く願っているに違いない。子どもが健やかに成長しますように―と
 ▼詩人の竹内てるよ(1904~2001年)は札幌に生まれ、厚岸で育った。病苦と闘った生涯であったが、親子の情愛や子どもの姿を描いた佳品を数多く残している
 ▼<われら北国の子供らにとつて/春の来るほど うれしいものはない>。「若芽」という作品はいまの季節にぴったりだ。作中の子どもたちは<丘のアカシアにみどりの芽が出る>と枝にまたがって海を眺める
 ▼彼らの胸に希望のきざしが生まれる。<人生の不思議なゆめとまどはしが/空から胸にとび込んでくるやうな気がして/思はず小さい襟許(えりもと)をかき合せるのだ>。きょう、こどもの日。生まれた場所や境遇にかかわらず、どの子にも幸いあれ。心から願う。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2024年05月05日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・05.04】:自衛隊の歴史観 戦前回帰の空気を懸念

2024-05-05 05:05:45 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説・05.04】:自衛隊の歴史観 戦前回帰の空気を懸念

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.04】:自衛隊の歴史観 戦前回帰の空気を懸念 

 自衛隊員の歴史観が疑われるような問題が相次いでいる。
 
 昨年5月に海上自衛隊練習艦隊司令部の司令官らが、今年1月には陸上幕僚副長らが、相次いで靖国神社を集団で参拝した。
 3月には、靖国神社の新しい宮司に元海将が就任することが発表された。4月には陸上自衛隊の普通科連隊が公式X(旧ツイッター)で「大東亜戦争」という言葉を使って活動報告を投稿した。
 自衛隊は戦後、平和憲法の下で発足した。先の戦争を美化する歴史観や、旧軍の伝統とは断絶することが大前提だ。
 集団参拝は、国と宗教を切り離す憲法の政教分離に抵触しかねない極めて問題ある行動である。戦前回帰のような言動は、厳に慎むべきだ。
 陸自の陸上幕僚副長ら数十人が集団参拝した問題では、移動に公用車を使い、担当部署が実施計画を作成していた。
 防衛省は公用車の使用が不適切として計9人を処分したが、休暇中だったことなどから、部隊参拝を禁じた事務次官通達違反ではない私的参拝だったと結論づけた。
 だが、事前に行政文書である実施計画まで作っていたのに、組織的な参拝ではないと言い切るのは無理がある。身内に甘いお手盛りの処分と言うほかない。
 昨年5月の海自幹部らの集団参拝についても、防衛省は、私的参拝だとして問題視しなかった。
 靖国神社は戦前、国家神道の中核をなす陸海軍の所管機関だった。現在は東京裁判のA級戦犯を合祀(ごうし)している。
 政教分離は、国民の信教の自由を保障するためにも重要な原則であることを肝に銘じるべきだ。
 大東亜戦争の呼称は、日米開戦直後、当時の政府が決定した。アジアの解放と新秩序建設との喧伝(けんでん)に使われたものだ。
 戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が使用を禁じ、今は政府も一般に公文書では使っていない。
 歴史的経緯を踏まえず、当時の呼称を無条件に使うのは、先の戦争の肯定と受け取られかねない。侵略戦争や植民地支配への反省を忘れてはならない。
 一連の言動に対し、自衛隊の最高指揮権を持つ岸田文雄首相は、何ら危機感を示す発言をしていない。木原稔防衛相も「誤解を招くような行動は避けなければならない」と述べるだけだ。
 文民統制は民主政治の原則である。首相は、憲法に基づき毅然(きぜん)とした姿勢を示さねばならない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月04日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季・05.04】:畑にある「文化財」

2024-05-05 05:05:40 | 【食糧自給率・農業・JA・農協・農家・化学肥料・米の作柄・牛・豚・養鶏・野菜】

【卓上四季・05.04】:畑にある「文化財」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季・05.04】:畑にある「文化財」

 まさかりかぼちゃ、ラワンブキ、キャベツの「札幌大球(たいきゅう)」、タマネギの「札幌黄(き)」、ハッカの「あかまる」、八列トウモロコシ、函館赤カブ。道内各地に長く根づいてきた代表的な伝統作物だ。これらの情報を掲載する「在来品種データベース」のオンライン公開が始まった
 ▼北海道から沖縄まで44都道府県の280種を国立研究開発法人「農研機構」のサイトで紹介する。産地や呼び名、食べ方、流通状況をくわしく解説し、現地で栽培する様子などの写真も添えた。各地の作物を見るうち、知らない土地を旅する気分になる
 ▼在来品種は地域の気候や風土に合わせて人々が改良し、守り育ててきた野菜や雑穀だ。地域の食文化やくらしと深く結びつき、遺伝資源としての価値も高い
 ▼地域の宝なのに、姿を消しつつある品種が少なくない。生産者の高齢化に加え、高収量の新しい品種に押される。まさかりかぼちゃも例外ではない。皮が硬くて長期保存できるため重宝されたが、高度成長期から栽培する農家が減り、風前のともしびに
 ▼道内を含めて全国で現地調査し、今回のデータベースの情報を集めた山形大の江頭(えがしら)宏昌教授は言う。「在来品種は生きた文化財。地域の歴史や文化を伝えるメディアと言えます」
 ▼国内には2千種以上あるとされる。関心を持つ。育てる。味わってみる。できることから始め、先人が残してくれた宝を守りたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2024年05月04日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・05.03】:きょう憲法記念日 国民主権を取り戻す時だ

2024-05-05 05:05:35 | 【憲法問題「護憲・改憲・違憲論争・緊急事態条項・九条の改正、自主憲法制定論議他】

【社説・05.03】:きょう憲法記念日 国民主権を取り戻す時だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.03】:きょう憲法記念日 国民主権を取り戻す時だ  

 日本国憲法の施行から77年がたった。自民党派閥の裏金問題を巡り、かつてない深刻な政治不信が渦巻く中で憲法記念日を迎えた。
 
 政治とは誰のもので、誰のためにあるのか。民主政治の原理を根本から問わねばならない事態だ。
 答えは憲法前文にある。主権は国民にあると宣言し、こう続く。
 「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」
 厳粛な信託を受け憲法擁護義務を負う代表者、つまり国会議員が裏金をつくり、信頼を失墜した。憲政の危機だ。信を失った人たちに憲法改定を議論する資格はない。
 国民主権を取り戻し、議会制民主主義を鍛え直す。それが今日、国の最高法規の憲法が私たちに課す最重要の命題ではないか。

 ■政治に緊張感与えよ

 政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるよう政治資金の収支を公開し、政治活動の公明と公正を確保し「もって民主政治の健全な発達に寄与する」。政治資金規正法は目的をこう記す。
 それと正反対に収支を監視から遮断する。政党が支給する政策活動費を、自民党は「政治活動の自由」を盾に使途の公開すら拒む。
 第2次安倍晋三政権下の森友学園、桜を見る会の問題では、決裁文書改ざん、事実と異なる数々の首相答弁など、隠蔽(いんぺい)体質が真相究明を阻んだ。裏金問題と同根だ。
 長く続いた1強多弱の政治が権力のおごりを生み、不正の土壌になってきたのではないか。
 国民の側も問われている。
 国政に強い関心を持ち続け、不正に毅然(きぜん)と抗議の声を上げる。信を託すに値しないと判断したら選挙で厳しい審判を下す。そうやって政治に常に緊張感を与えるのは、主権者の責務でもある。

 ■再び破局へ進まぬか

 1946年11月の憲法公布に際し、衆院憲法改正特別委員会の委員長を務めた芦田均は次のような趣旨のことを書き残した。
 明治期の自由民権思想は結実しなかった。自由思想の成熟すべき地盤が用意されていなかった。
 古来わが社会生活は、個人が集団の内に埋没して、人格の自主自由に基づく個性の独立という現象は極めて希薄であった。
 従って満州事変以降、政権が武門の手に移っても、議会、国民共に立憲政治を擁護する情熱に乏しく、面従腹背の日を重ねて今日の悲運を招いたのである。
 吾等は改めて民主主義の真髄を体得する必要に迫られた。(「新憲法解釈」)
 民主主義の基盤の弱さから、軍部の独走を許し破局に至った。過去の話と片付けられようか。
 安倍政権は知る権利を脅かす特定秘密保護法制定や集団的自衛権の行使容認など、日本を「戦争ができる国」に導く道を進んだ。
 岸田文雄政権は敵基地攻撃能力の保有を認め、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の輸出解禁を閣議決定した。
 まともな国会論議がないまま、武力による国際紛争の解決を否定した憲法9条の空洞化が進んだ。
 今国会では秘密保護法制の拡大を主眼とし、保護対象を経済安全保障分野にも広げる「重要経済安保情報保護・活用法案」が衆院を通過した。
 憲法が国家権力を縛る立憲主義をないがしろにし、国家が国民を監視し統制を強める。立法府による行政府へのチェックが弱く、三権分立も十分に機能していない。
 その結果、国が誤った方向に進んでいるとも気付かず、気付いても正すことができなくなる―。
 私たちはいつか来た道を歩んでいるかもしれないとの認識を持ち、権力を監視する必要がある。

 ■「任期延長」の危うさ

 衆院憲法審査会では大規模災害や武力攻撃など緊急事態時の国会議員の任期延長を中心に、自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党が条文案作成を求めている。
 だが憲法54条は、衆院解散後に緊急の必要があるときに備えた参院の緊急集会を規定している。
 そこに屋上屋を架すような任期延長は、有権者が選挙権を行使できなくなり、国民主権が侵害される危険性に警戒が必要だ。政権の延命に利用される恐れがある。
 大規模災害や感染症のまん延などの際、国が自治体に「指示権」を行使できる条項を盛り込んだ地方自治法改正案も提出された。
 憲法の緊急事態条項新設へとつなげる狙いが透けて見える。
 安倍政権では、憲法53条に基づいて野党が臨時国会の召集を求めても政府は無視し、大義の乏しい衆院解散を繰り返した。
 立憲主義軽視の政権が、「緊急事態」を口実にさらに恣意(しい)的な権力の行使を可能とするような改憲は認められない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季・05.03】:日本の憲法

2024-05-05 05:05:30 | 【憲法問題「護憲・改憲・違憲論争・緊急事態条項・九条の改正、自主憲法制定論議他】

【卓上四季・05.03】:日本の憲法

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季・05.03】:日本の憲法

 柴田元幸さんは英米文学の名うての翻訳家である。オースター、サリンジャー、ブコウスキー…。こうした人気作家の作品を柴田さんは生き生きとした日本語で幅広く届けてきた

 ▼この達人が日本国憲法の英訳版を和訳した(「対訳 英語版でよむ日本の憲法」)。どういうことか。敗戦後の占領下、日本政府の官報は日本文と英文の2種あった。憲法の公布時に憲法の英訳版が英文官報に掲載された。これを先入観を持たずに<宇宙人の目>で翻訳した

 ▼幸福追求権を定めた13条はこうなった。<人はみな、個人として尊重せねばならない。生命・自由の権利、幸福を追求する権利は、それが公の福利を妨げないかぎり、法律の制定をはじめ国政において何より尊重せねばならない>

 ▼この条文に柴田さんはアメリカ独立宣言の響きを聞き取ったという。確かに日本国憲法にはフランス革命時の人権宣言をはじめ、人類が掲げてきた理想や知恵が流れ込んでいる。達意の翻訳だからこそ、憲法の本質や精神がよく表れたともいえるだろう

 ▼かつて池澤夏樹さんも同様の翻訳を試みている(「憲法なんて知らないよ」)。戦争放棄を含めて、憲法の理念の実現へ向けて努力が必要だ―。前書きで呼び掛けた。世界で戦禍が続くいま、重みを増している

 ▼きょうは憲法記念日だ。言葉の専門家である文学者の試みから、憲法を考えてみるのもいいだろう。 

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2024年05月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・05.02】:人口減少社会 若者が希望持てる施策を

2024-05-05 05:05:25 | 【超高齢化・過疎・孤立・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅可能性自治体】

【社説・05.02】:人口減少社会 若者が希望持てる施策を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.02】:人口減少社会 若者が希望持てる施策を

 人口減少によって「将来、消滅の可能性がある」自治体が全国で4割に上り、道内では6割超の117市町村に達する―。

 有識者らでつくる「人口戦略会議」が発表した報告書は、少子化と人口流出が自治体の存続を危うくする現実を改めて突き付けた。
 同会議副議長の増田寛也元総務相が座長を務めた日本創成会議が2014年に発表した「増田リポート」より若干改善したが、少子化の基調は全く変わっていない。
 少子化の大きな要因は婚姻数の減少だと専門家は指摘する。若者が希望すれば、安定した仕事を得て、安心して結婚、出産、子育てできるよう、国や自治体は施策を一層充実させるべきだ。
 地方にとっては、若者が東京圏など他の自治体へ流出すれば「社会減」となるばかりでなく、子どもを産む人も減り「自然減」も進む。流出を食い止める施策を急ぐ必要がある。
 岸田文雄政権は「異次元の少子化対策」を掲げるが、一朝一夕には進まない。親となる世代は既に少なく、人口は当面減り続ける。人口減少社会への適応にも同時に取り組まなければならない。

 ■質の高い雇用が大切

 今回の報告書の特徴は、地方から若者を吸い寄せながら、出生率は低い東京圏などの自治体を「ブラックホール型自治体」と名付け警鐘を鳴らしたことだ。
 実際、女性が生涯に産む見込みの子どもの数を示す合計特殊出生率は全国平均1.26だが、東京都は都道府県最下位の1.04だ。
 道内では札幌市がブラックホール型に近い。道内外から流入が多いものの、合計特殊出生率は1.02にとどまる。札幌から道外へ流出する若者も目立ち「ダム機能」を果たしているとも言えない。
 地方から札幌へ、さらに東京へという流れを抑える必要がある。
 東京は給与水準が高いが、家賃などの生活費はかさむ。可処分所得や通勤時間などを考慮すれば、地方の魅力も大きいはずだ。
 地方に賃金など質の高い雇用をつくることが何より大事だ。札幌など都市部も、正社員を増やしたり、男女の待遇格差や長時間労働を是正したり、雇用環境を改善することが求められる。

 ■変化への適応急務だ

 この10年を振り返ると、政府は「地方創生」や「まち・ひと・しごと創生」など地方活性化策を打ち出した。国が枠組みを用意し、自治体が計画を策定し、国が認めれば交付金を出す仕組みだ。
 だが自治体は交付金獲得ばかりに目が向き、似たような計画をつくった。移住者の誘致合戦に終わった側面もある。どんな資源があり、どう生かせるかという内発的なまちづくりには至らなかった。
 岸田政権は、その検証と反省を踏まえねばならない。
 自治体が子育て施策を充実させ、移住者や関係人口を増やしたり、地域内で経済を循環させる、その意義は薄れてはいない。
 ただ対策が一定の成果を挙げたとしても、人口減少のペースが幾分抑制されるに過ぎない。
 国立社会保障・人口問題研究所の50年までの推計によると、全道の市町村全てで人口が減る。
 変化への適応が急務だ。
 住民合意を前提に、まとまって暮らす集住化を進めたり、消防や水道事業などの広域連携を一層進めたりすることが考えられる。

 ■再分配が欠かせない

 「増田リポート」は若い女性が流出する自治体は将来消滅すると指摘した。今回の報告書も、女性の「産む役割」を強調するような書きぶりには疑問が残る。
 結婚や出産をしない選択が珍しくなくなり、生きやすくなった人も多いことを忘れてはならない。
 大事なのは、結婚・出産を奨励するのではなく、したくてもできない人の障壁を取り除くことだ。
 とりわけ非正規雇用で働く若者が置き去りにされている。
 低賃金で結婚に踏み切れない人が多く、結婚しても、育児休業給付金(育休手当)の受給要件は正社員に比べて厳しい。仕事と出産が両立できない状況だ。
 同一労働、同一賃金の原則はもとより、どのような働き方であっても、出産や育児で格差のない制度をつくるべきだ。
 富の偏在を是正し、全体を底上げするためには再分配が欠かせない。富裕層の資産所得に課税するなどして、財源を確保することも検討してもらいたい。
 子どもを持つことをリスクだと考える若者もいる。高額な教育費や自身のキャリア形成への影響などへの懸念からだ。子ども時代から大人になっても続く競争社会が出生率低下の一因だとも言える。
 都市であれ地方であれ、若者が生き生きと暮らせる環境づくりが何より求められる。政府にはグランドデザインを示す責任がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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