【政界地獄耳・05.18】:第2経団連? 連合「衆院選の基本方針」改定
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.18】:第2経団連? 連合「衆院選の基本方針」改定
★16日、連合は中央執行委員会を開き、今年の春闘の中間総括と次期衆院選の基本方針を改定した。春闘は33年ぶりの高水準となった賃上げ率を「経済社会のステージ転換に向けた大きな1歩」と自画自賛するが、衆院選の基本方針はさらに鼻息が荒い。自民党の裏金事件を受け「与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセットする」とし、連合とともに立憲民主党、国民民主党を「もう1つの政治勢力結集の核」とし、「国民に政治不信が広がり、怒りも強まっている。政治を変える最大のチャンス」と位置付けた。

★ただ、この委員会では基本方針の一部補強、修正の議論も行われた。19年の参院選で当選した議員124人が25年7月28日、衆院議員が25年10月30日に任期を迎え、今後1年数カ月の間に参院選と衆院選が必ずある。他方、「衆院選の基本方針」策定以降の変化として、自民党の裏金事件が明るみとなり、さらには4月28日に投開票した3つの衆院補欠選の結果を受けての補足というのが立て付けである。
★東京15区では共産党が候補を取り下げた後、立憲民主党の公認候補が「市民と政治をつなぐ江東区民連合」との確認書を締結。「市民と野党の共闘候補」として立憲民主党と共産党が並んで街宣するのは連合としては看過できないとし、市民連合と付き合う候補者は認めないという、立ち位置をあらためて示した。また政策についても「経済、財政、金融、外交、安全、保障、エネルギー、憲法といった国の根幹に関わる政策(政権構想とは別)について、両党が納得する形で合意することが必要」のくだりは連合が「第4次税制改革構想」で示した消費税を社会保障や教育制度の充実・機能強化への安定財源に充てるため、段階的に引き上げると反しない消費税増税に同意することを求めている。これでは第2経団連が求める第2自民党への勧めでしかない。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年05月18日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。