【政界地獄耳】:大義だけでは…簡単にいかない野党共闘/01.26
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:大義だけでは…簡単にいかない野党共闘/01.26
★無論自民党が衆院選挙補選で候補者を立てず不戦敗を選択することは政権与党としての責任を果たせないという意味では極めて体裁の悪い出来事だ。まして衆院北海道2区補選は収賄罪で在宅起訴された元農相・吉川貴盛の議員辞職に伴う政治とカネの問題。自民党にとっては農業問題で北海道の議席を失うのは補選の1議席以上に痛手だといっていい。
★それでも不戦敗を選んだ理由は総選挙があと10カ月以内にあるということを考えてのことだろう。自民党は政治とカネで反省を見せるが、それ以上に選挙に至ってはしたたかだ。自民党選挙関係者が言う。「今の勢いでは野党共闘は全国の選挙区で与党への脅威だ。毎回、野党がまとまれば負かされてしまう選挙区がいくつもある。前回の選挙は都知事・小池百合子が当時の民進党代表・前原誠司、連合代表・神津里季生らと共謀した野党分断策、希望の党結党と民進党分裂騒動で野党が分断され野党共闘どころか、野党を壊したおかげで自民党は助かった」。
★今回、そんなうねりが起きるとは思えないが、野党共闘の本質をえぐる問題がある。北海道2区の補選のみならず野党は打倒自民党で立憲民主党と共産党が共闘を組むことが可能になっていた。ましてこの選挙区は前回、松木謙公が希望の党で出馬して約7万4000票、共産党の金倉昌俊が約5万2000票とっている。共闘すればかなり強いが金倉の単独5万もなかなかの得票だ。自民党を倒すという共通の目標なら共闘の大義もあるが、総選挙が近いことでその後の主導権も関わり、共闘の目的が薄れかねない。これも共闘つぶしのパワーになりかねない。「党中央がまとまれと言っても現場はそれぞれの立場がある。簡単にはいかない。それが選挙だ」(野党北海道関係者)。野党共闘には試練が多い。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2021年01月26日 08:22:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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