《社説①・12.11》:政治改革特別委 国民が納得する改正こそ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.11》:政治改革特別委 国民が納得する改正こそ
互いの主張に耳を傾け、熟議して最適な案を練り上げるべきだ。
自民党の派閥パーティー裏金事件を受け、政治改革法案を議論する衆院の政治改革特別委員会の議論が本格化した。
論点は数多い。まず、党から幹部らに支給し、使途公開が不要な政策活動費の扱いだ。野党7党が提出した案は廃止で一致する。それに対し、自民案は廃止を打ち出した一方で、使途を非公開にできる「公開方法工夫支出」を新設する内容だ。
政党との取引を知られたくない企業や、台湾外交に関する支出などへの配慮を想定。非公開が正当かどうか監査する第三者機関を、国会に設置するとしている。
政活費は、自民の二階俊博元幹事長が在任中の5年間に計約50億円を受領し、不透明な政治を招いたと問題になった。非公開の余地を残す資金の新設に理解が得られるのか。立憲民主党の野田佳彦代表は「新たなブラックボックスだ」と批判を強めている。
非公開の必要があるのか、徹底した議論が要る。
もう一つの論点は、企業・団体献金の是非だ。立民が社民党などと共同で提出した法案は、会社・労働組合などによる寄付と政治資金パーティー券購入の禁止を明示した。政策決定をゆがめ、「腐敗の温床」になるとの理由だ。
これに対し、自民は「禁止するべきではない」と強調。石破茂首相はきのうの衆院予算委員会でも、企業・団体献金の禁止は「憲法21条が定める表現の自由に抵触する」と述べている。
ただし、首相は5日の衆院予算委で「企業は見返りを期待している」ことはある程度認めている。公開性を高めるだけで、政財界の癒着や、政策のゆがみにつながるとの疑念を払拭するのは簡単ではないだろう。
一方で野党の足並みもそろっていない。立民案は禁止対象から政治団体を除いており、国民民主党や日本維新の会が「抜け道になる」と指摘して、共同提出に加わらなかった。
野田代表は「個人の意思でつくった政治団体の寄付は禁止できない」とするものの、不透明さは残る。国民民主や維新は立民案を批判するだけでなく、野党が一致する方向に法案を修正できないか、協議を続けるべきだ。
各党の溝がうまらないなら、21日の会期末に執着する必要はないだろう。閉会中審査や通常国会でも議論を深め、国民が納得できる法改正につなげる必要がある。
元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年12月11日 09:31:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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