路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・01.11】:公益通報/制度改正で告発者を守れ

2025-01-11 06:00:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【社説・01.11】:公益通報/制度改正で告発者を守れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.11】:公益通報/制度改正で告発者を守れ 

 勇気を出して組織の不正を通報した人が不利益を受ける事態はあってはならない。制度の不備を早急に正し、通報者を守る必要がある。

 公益通報者保護法に関する消費者庁の有識者検討会は、内部通報者を解雇・懲戒処分とした事業者に「刑事罰を導入するべきだ」とする報告書案をまとめた。政府は今年の通常国会で法改正を目指す。

 従来は通報窓口の担当者が通報者の情報を漏えいした場合を刑事罰の対象としていたが、不利益処分を行った上司らは対象外だった。検討会は、刑事罰について行政による是正命令を経なくても科せる「直罰方式」とし、組織に対してはより重い罰にするよう求めた。

 公益通報を巡っては、内部通報者が不利益を受ける事例が相次ぎ、消費者庁の調査では通報を後悔した人が約3割いる。報復まがいの処分を許容すれば通報の萎縮を招きかねない。罰則強化により不正の早期発見を促せば、長期的には組織の利益にもつながる点に留意したい。

 積み残された課題もある。検討会では公益通報者を探索する行為にも刑事罰を科すべきだとの意見が上がったが、正当な調査でも通報者の特定が必要な場合があり、今後、慎重な検討が必要とした。

 しかし、探索行為は不利益処分に結び付く場合があり、法的な線引きが望ましい。正当な探索の定義をさらに追求してもらいたい。

 刑事罰の対象とする不利益処分を解雇や懲戒処分に限ったことも懸念が残る。正規の処分でなくても、嫌がらせや不本意な配置転換で通報者が退職に追い込まれる事態はあり得る。悪質な事例には厳しく対応できる手だてが重要だ。

 兵庫県では斎藤元彦知事のパワハラなどを告発する文書をマスコミなどに配布した元西播磨県民局長が停職3カ月の処分を受けた。斎藤知事は文書について「誹謗(ひぼう)中傷性が高い」として公益通報に該当しないと主張するが、県議会の調査特別委員会(百条委)で証言した複数の専門家は「公益通報として保護対象にすべきだった」との見解を示した。

 通報者探索の過程で元局長はプライバシーに関する情報を知られ、それが交流サイト(SNS)などに漏えいした可能性がある。もし県側から漏れたとしたら、告発者が二重三重の不利益を被った極めて悪質な事例と言わざるを得ない。

 斎藤知事は告発への対応について一貫して「適正だった」とし、結論は司法の判断を待ちたいとの認識を示す。だが、百条委と第三者委員会の調査は現在も継続している。両者の議論や提言に率直に耳を傾け、問題点を再検証するべきだ。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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