私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです
これまでと同じように取り組んでいれば問題は解決できるとか、何らかの技術が解決してくれるとか、
よくそんなふりをすることができますね。
今の放出のレベルのままでは、あと8年半たたないうちに許容できる二酸化炭素の放出量を超えてしまいます。
若者たちはあなた方の裏切りに気付き始めています。
未来の世代の目は、あなた方に向けられています。
もしあなた方が私たちを裏切ることを選ぶなら、私は言います。「あなたたちを絶対に許さない」と。
NHK グレタさん演説全文 「裏切るなら絶対に許さない」涙の訴え 2019年9月24日 10時06分 環境
国連の温暖化対策サミット。地球温暖化対策を訴えて若者の運動が世界に広がるきっかけとなり、学校を休んで活動を続けているスウェーデンの16歳の活動家、グレタ・トゥーンベリさんが各国の代表を前に演説しました。演説の全文です。
あなた方は、私たち若者に希望を見いだそうと集まっています。よく、そんなことが言えますね。あなた方は、その空虚なことばで私の子ども時代の夢を奪いました。
それでも、私は、とても幸運な1人です。人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系は崩壊しつつあります。私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです。
なのに、あなた方が話すことは、お金のことや、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね。
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あなた方は、私たちの声を聞いている、緊急性は理解している、と言います。しかし、どんなに悲しく、怒りを感じるとしても、私はそれを信じたくありません。もし、この状況を本当に理解しているのに、行動を起こしていないのならば、あなた方は邪悪そのものです。
だから私は、信じることを拒むのです。今後10年間で(温室効果ガスの)排出量を半分にしようという、一般的な考え方があります。しかし、それによって世界の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は50%しかありません。
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しかし、この数字は、(気候変動が急激に進む転換点を意味する)「ティッピング・ポイント」や、変化が変化を呼ぶ相乗効果、有毒な大気汚染に隠されたさらなる温暖化、そして公平性や「気候正義」という側面が含まれていません。この数字は、私たちの世代が、何千億トンもの二酸化炭素を今は存在すらしない技術で吸収することをあてにしているのです。
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IPCCが出した最もよい試算では、気温の上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%とされています。
しかし、それを実現しようとした場合、2018年の1月1日にさかのぼって数えて、あと420ギガトンの二酸化炭素しか放出できないという計算になります。
今日、この数字は、すでにあと350ギガトン未満となっています。これまでと同じように取り組んでいれば問題は解決できるとか、何らかの技術が解決してくれるとか、よくそんなふりをすることができますね。今の放出のレベルのままでは、あと8年半たたないうちに許容できる二酸化炭素の放出量を超えてしまいます。
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あなた方は私たちを裏切っています。しかし、若者たちはあなた方の裏切りに気付き始めています。未来の世代の目は、あなた方に向けられています。
もしあなた方が私たちを裏切ることを選ぶなら、私は言います。「あなたたちを絶対に許さない」と。
私たちは、この場で、この瞬間から、線を引きます。ここから逃れることは許しません。世界は目を覚ましており、変化はやってきています。あなた方が好むと好まざるとにかかわらず。ありがとうございました。
「あなた方が話すことは、お金のことや永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり」 国連の温暖化対策サミットで各国の代表を強い口調で非難し、早急な温暖化対策を求めたスウェーデンの16歳のグレタ・トゥーンベリさん。活動を始めてわずか1年余りで、国連の温暖化サミットに招待されました。8歳の時に地球温暖化のことを知ったというグレタさんを知っていますか?
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グレタさんは8歳の時に地球温暖化のことを知りました。世界の国々が温暖化の進行に対処できていないと危機感を持ったといいます。そして「温暖化は学校をさぼるよりも悪いことだ」と考え活動を始めました。
たった1人で始めた活動は瞬く間に広がり、国境を越えて多くの会議や集会に招待されるようになります。
2018年12月 「子どもの未来奪っている」
ノルウェーの国会議員はグレタさんをノーベル平和賞の候補に推薦したことを明らかにしました。
2019年2月「大切な勉強の時間を無駄に?」
「『大切な勉強の時間を無駄にしている』と言われるかもしれないが、政治家たちはこの数十年間を何もせず無駄にしてきた。私たちは温暖化の問題解決まで活動やめない」と決意を語りました。
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2019年3月 世界120か国 若者が行動
パリでは約2万9000人が集まり、16歳の男子高校生は「地球を守るために僕たち若い世代が自分たちの未来のために動かないといけない」と訴えました。グレタさん自身もスウェーデンの首都 ストックホルムでデモに参加し、「自分たちの未来のためにこれからも活動を続けていこう」と呼びかけました。
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2019年5月 温暖化サミットに招待される
2019年7月 「『未来のための金曜日』に贈られた賞」
式典でグレタさんは「この賞は自分だけでなく『未来のための金曜日』に贈られた賞です。みんなで取り組んでいきましょう。私たちの運動は始まったばかりで求められている変化はまだ起こせていない。運動を続けなければならない」と呼びかけました。
2019年7月「ヨットでNYに行きます!」
国連の温暖化サミットに招待され、移動手段を検討していたグレタさん。7月29日、みずからのツイッターに「良いニュースです。ニューヨークでの国連の温暖化サミットに参加します」と書き込み、モナコのレースチームのヨットに乗せてもらい大西洋を横断すると発表しました。
2019年8月 夏休み「まだやることはたくさんある」
「去年、多くのことが起きたが世界全体の温室効果ガスの削減にはつながっていない。まだやることはたくさんある。(9月の温暖化対策サミットに招待されていることについて)世界の指導者が私たちの声を聞き、科学の声を聞いたと証明する機会になる」
2019年8月 NYに到着 200人が出迎える
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約200人が出迎え、歓迎のために訪れた17歳の男性は「彼女が起こした行動がこれほど大きな波になるとは想像できませんでした。ニューヨークでも若い人々の心に訴えかけて行動の波を広げてくれると思います」と話していました。
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2019年9月「次の機会にも参加して」
恒例の金曜日となる9月13日、首都ワシントンで地元の高校生と 集会を開きました。グレタさんは「私と一緒に行動してくれてありがとう。次の機会にも参加してください」と呼びかけていました。
2019年9月 「良心の大使」受賞
2019年9月 オバマ前大統領「世界を変えているね」
この日は、アメリカ議会下院の公聴会にも出席して訴えました。 「私の言葉ではなく、科学者の声に耳を傾けてください。科学のもとに皆が団結し行動してほしいのです」
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2019年9月 世界150か国 400万人 過去最大規模のデモ
ニューヨークやベルリンなどでは参加者が数十万人規模となり、主催者側は世界全体でデモの参加者が400万人を超えたとして、温暖化対策を求めるデモとしては過去最大だとしています。
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2019年9月 温暖化対策サミット 怒りと涙の訴え
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訴えはトランプ大統領にも届くか…
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温暖化対策を求める機運 かつてなく高まる
ことし12月には南米チリで行われる地球温暖化対策の会議「COP25」にも参加する予定です。
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