「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

二つの日本映画をみて

2007-04-06 07:28:10 | Weblog
一昨日、昨日と二日続けて日本映画をみる機会に恵まれた。こんなことは生
まれて70余年初めてだ。一昨日は友人に誘われ渋谷の劇場で蒙古誕生の歴
史「蒼き狼」、昨夜はこれまた別の友人の好意で新橋のホールの試写会で特
攻を描いた「俺は君のためにこそ死に行く」である。

日本映画がやっと復調の兆しをみせてきた。2006年の公開作品821本は1995
年以降で最高、スクーリン数3,062本は対前年比136本増、3,000本を越えたのは
1970年以来との事。入場者数は1億6,427万人。そして21年ぶりに邦画の興行収
入が洋画を上回った。あまり映画好きではない僕が二日連続行くのだから分かる
ような気がする。

昔、僕らが子供だった頃、映画は全盛期で、庶民の唯一の娯楽であった。映画館は
どこの地方の小さな町にもあったものだ。今のようなホテルやビルの中にある立派
な豪華なものではなかった。昭和10年代まで館内の中央には警察官の臨官席があり
通りを挟んで男と女の席が仕切られていた。

今の映画館は豪華さを売物にしているからトイレの匂いなどしない。お客もマナー
がよくなって、お煎餅をボリボリ食べたりしない。しかし、映画の内容はどうだろ
うかー。今回は偶然二本とも戦争場面が多かった。特に「蒼い狼」は人殺しのシ
ーンが多すぎる。製作者の自己満足のためだろうかー。戦争中の陸海軍推薦映
画みたいだった。「俺は君のためにこそ死に行く」も戦争場面はあった。しかし、
あまりイヤ味に感じなかったのは、製作側に観客へ伝えたいメッセージがあった
からだろう。それは別項で紹介したい。