「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「昭和の日」① ”天皇陛下のためならば”

2007-04-29 06:10:05 | Weblog
4月29日が今年から「昭和の日」の休日に変わった。戦争前に生
まれた世代は、どうしても「昭和」を戦中(前)と戦後に分けてふり
返る。僕は満州事変(6年)が始まった年に生れ、支那事変(12
年)の時に小学校入学、敗戦が中学3年(20年)であるから、まさ
に”昭和15年戦争”の申し子みたいな世代である。

戦前を象徴する歌の一つに「露営の歌」(作詞薮内喜一郎 作曲古
関裕而 昭和12年9月)がある。この歌は出征兵士を送るさいに決
まって歌ったものだった。
       ☆ 勝ってくるぞと 勇ましく
         誓って古里(くに)を出たからは
         手柄(てがら)なしには 死なれようか
         進軍ラッパ聞くたびに まぶたに浮かぶ
         旗の波

         思えば今日の 戦争(たたかい)に
         朱(あけ)に染まって にっこりと
         笑って死んだ 戦友が
         天皇陛下万歳と 残した声が忘らりょか

明治生まれの父は毎月1日と15日には家の神棚に参拝し、近所の神社
に行き拍手して拝んでいた。新聞に皇室関係の写真が載ると、必ず神棚に
捧げていた。行事には国旗掲揚とともに宮城(皇居)を遥拝した。天皇陛下
は「神」だったのである。

この戦争で数百万人の日本人が死んでいった。広島、長崎の原爆で、東京、
大阪などの大都市空襲で、シベリア、満州、サイパン、ニューギニアなどの
南瞑の地の戦場で。これらの尊い犠牲を忘れてはいけない。「激動の日々
を経て復興をとげた」昭和の時代を大型連休の一日に顧みるのも意味がなく
はない。