「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

温家宝首相への拍手

2007-04-15 06:05:00 | Weblog
中国の温家宝首相が先日、日本の国会で演説した。彼はその中で
「日本側の深い反省を評価する。その態度と約束を実際の行動で示
して欲しい」と言ったところ、与野党議員から一斉に拍手がわいたと
いう。これに対して「日本の総理の靖国参拝自粛を暗に求めたのに日
本の議員がここで拍手するのはおかしい」という自民党稲田明美議員
の談話が新聞に載っていた。

ものの本によると、拍手はもともと日本の伝統習慣ではないらしい。明
治維新後、わが国に入ってきたもので、歌舞伎では役者の名演技には
「かけ声」が主流で、最近まで拍手は見られなかった。そういえば日本
の伝統芸、能や狂言なども拍手はあまりなじまない。拍手は文明開化で
入ってきたもので、日本人本来の感嘆、感動の表現ではなく、単なる儀
礼的なものだという。

温家宝首相への拍手が国際儀礼だかどうかは知らないが、僕の意見は、こ
の場面は、日本の伝統表現に従えば"半畳”を入れるべきだったと思う。
ちょうど2年前、中国全土は反日暴動で大騒ぎをしていた、日本の料理店
は破壊され、上海や北京の在外公館の建物にも投石された。これに対して
中国側は謝罪も補償もしていない。

60年も70年も前の話ではない。僅か2年前のことである。宝家宝首相は、
さかんに、今度の訪問を”氷を解かす”旅だといっている。だが、両国の
関係を凍らせたのは、中国側ではなかったのではないかー。古いことだ
けよく覚えていて、新しいことを忘れてしまう病気を”認知症”と、日本
ではいう。