6月1日は衣更えの日だった。今は一部の私立学校と閣僚のクールビ
ズへの衣更えの日となったが、昔は”国を挙げて”の衣更えの日だった。
戦前東京の小・中学校では、この日から冬服はいっせいに夏の”霜ふリ”
色にわり、学帽にも白い覆いをかぶせた。詰襟のお巡りさんの制服も黒か
ら白に変わった。
衣更えの風習は、多分、日本人の生活が畳、着物だったころの名残だ
ったと思う。季節の移りにつれて冬は綿入れ、ついで5月の節句の頃に
は袷(あわせ)、夏が来ると単衣(ひとえ)といったように昔の人は敏感
に季節を感じ取っていた。
僕自身も昭和40年代の初め頃までは、家で着物を着ていた。従って和
服による微妙な季節感は知っている。僕が家で着物を着なくなったのは
46年、転勤で札幌に行ってからだ。北海道では家着としてジャージー
(運動着)が流行していた。たしかに北国では、どてらより便利で活動的
だった。日本人の着物離れが始まったのは大体、この時期ではなかった
かと思う。一軒立ての家がなくなり、集合住宅が増えてきた時代である。
地球の温暖化の影響なのか、年々歳々、季節が微妙に変化してきている。
とくに冬がそうである。今冬、東京では一度も降雪をみなかった。夏も真
夏日が増えてきている。クール・ビズが夏の新しい衣更えとして定着しか
かってきた。省エネから始まった、この衣更えは、日本の蒸し暑い夏には
ピタリである。
ズへの衣更えの日となったが、昔は”国を挙げて”の衣更えの日だった。
戦前東京の小・中学校では、この日から冬服はいっせいに夏の”霜ふリ”
色にわり、学帽にも白い覆いをかぶせた。詰襟のお巡りさんの制服も黒か
ら白に変わった。
衣更えの風習は、多分、日本人の生活が畳、着物だったころの名残だ
ったと思う。季節の移りにつれて冬は綿入れ、ついで5月の節句の頃に
は袷(あわせ)、夏が来ると単衣(ひとえ)といったように昔の人は敏感
に季節を感じ取っていた。
僕自身も昭和40年代の初め頃までは、家で着物を着ていた。従って和
服による微妙な季節感は知っている。僕が家で着物を着なくなったのは
46年、転勤で札幌に行ってからだ。北海道では家着としてジャージー
(運動着)が流行していた。たしかに北国では、どてらより便利で活動的
だった。日本人の着物離れが始まったのは大体、この時期ではなかった
かと思う。一軒立ての家がなくなり、集合住宅が増えてきた時代である。
地球の温暖化の影響なのか、年々歳々、季節が微妙に変化してきている。
とくに冬がそうである。今冬、東京では一度も降雪をみなかった。夏も真
夏日が増えてきている。クール・ビズが夏の新しい衣更えとして定着しか
かってきた。省エネから始まった、この衣更えは、日本の蒸し暑い夏には
ピタリである。