「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        地球温暖化と衣更え

2007-06-01 05:12:16 | Weblog
6月1日は衣更えの日だった。今は一部の私立学校と閣僚のクールビ
ズへの衣更えの日となったが、昔は”国を挙げて”の衣更えの日だった。
戦前東京の小・中学校では、この日から冬服はいっせいに夏の”霜ふリ”
色にわり、学帽にも白い覆いをかぶせた。詰襟のお巡りさんの制服も黒か
ら白に変わった。

衣更えの風習は、多分、日本人の生活が畳、着物だったころの名残だ
ったと思う。季節の移りにつれて冬は綿入れ、ついで5月の節句の頃に
は袷(あわせ)、夏が来ると単衣(ひとえ)といったように昔の人は敏感
に季節を感じ取っていた。

僕自身も昭和40年代の初め頃までは、家で着物を着ていた。従って和
服による微妙な季節感は知っている。僕が家で着物を着なくなったのは
46年、転勤で札幌に行ってからだ。北海道では家着としてジャージー
(運動着)が流行していた。たしかに北国では、どてらより便利で活動的
だった。日本人の着物離れが始まったのは大体、この時期ではなかった
かと思う。一軒立ての家がなくなり、集合住宅が増えてきた時代である。

地球の温暖化の影響なのか、年々歳々、季節が微妙に変化してきている。
とくに冬がそうである。今冬、東京では一度も降雪をみなかった。夏も真
夏日が増えてきている。クール・ビズが夏の新しい衣更えとして定着しか
かってきた。省エネから始まった、この衣更えは、日本の蒸し暑い夏には
ピタリである。