「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”銃剣で赤ん坊が刺せるか” NHK「深夜便」

2007-06-07 05:28:06 | Weblog
NHKラジオの「深夜便」は眠れない老人の人気番組である。僕も
時々お世話になるが、最近、アンカーが”団塊世代”になったせい
か、話が自分たち世代中心で、僕ら超老人には抵抗があり、面白
くなくなった。

「深夜便」の早朝4時からのコーナー、”心の時代”は、僕は好きだ。
人生体験豊かな人や、その道一筋の人の話はためになり興味がある。
だが、たまに変な出演者がいる。数年前だが、捏造石器で世間を騒
がせた東北の”考古学者”がとうとうと”神の手”の話をしていた。

6月5,6の二日間にわたって、ノン・フィクション作家が戦後フィリピン
のモンテンルパ刑務所に収容されていた日本人”戦犯”の釈放に尽力
した歌手の渡邊はま子について話をしていた。僕らの世代にはよく知ら
れた話だが、”団塊世代”には耳新しいのか知れない。それはそれで
よいのだが。

僕が耳を疑ったのは、当時”戦犯”の”恩赦”を決めたキリノ大統
領の子供が日本兵によって空中に投げ上げられ、銃剣で刺されたと
いうくだりである。キリノ大統領の夫人と子供3人が戦時中、マニラ
郊外の市街戦で犠牲になっている、ことは知られている。しかし、銃
剣で刺殺されたという話は初めてだ。赤ん坊を宙に投げあげ、刺殺し
た話は、インドネシアでもマレーシアでもある話だ。10年ほど前、
わが国の教科書出版社が、あやうくこれを信じ込み、英語の教科書に
採用されかかった。

ノン・フィクッション作家だから、当然事実に基ずいて調査されたと
は思うが、NHKは公共放送であることを忘れずに。