「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     日本の新聞ではアジアが解からない。

2007-06-19 05:43:18 | Weblog
日本の新聞ではアジアが解からない。数日前のインドネシアの邦字紙
「じゃかるた新聞」は同国内の鳥インフルエンザの患者数が100人に達
した、と報じていた。そして、その致死率は80%、つまり80人が死亡した
というニュースである。ところが、わが家の新聞は、これについて一行
も報道せず、ベトナムで1年8か月ぶりに死亡患者が発生した、と小さく
報道していた。

インドネシアの鳥インフルエンザは今年になってからでも25人の患者が
出て日本の外務省でも「海外安全情報」を出し警告しているが、ベトナム
の累計発生数は43人にすぎない。両国への渡航者数を比べた場合インド
ネシアの方が断然多い。発生が多すぎて今さらインドネシアの鳥インフル
エンザはニュースにならないということなのかもしれない。

この例に限らず、日本の新聞のアジア報道は一般的に量が少なく、アンバ
ランスだ。突如としてタイのクーデーターのニュースが飛び出したり、アフガ
二スタンの自爆テロの話が出てくる。世界的な関心のスーダンの紛争など
日本の新聞だけでは理解できない。

幸い、今はインターネットで世界どこのニュースでも簡単にアクセスできる。し
かもアジアの主要都市には、邦字新聞が出ていて、その国の出来事を詳しく
フォローしてくれている。シンガポールにいてフィリピンのニュースをカバーし
ているような取材体制ではアジアは理解できない。新聞の危機はたしかに
来ている。