「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         増上寺大法要にチベットを思う

2008-04-07 07:16:45 | Weblog
きのう徳川将軍家の墓所がある東京・芝の増上寺で催された浄土宗宗祖、法然上人
の「御忌大会」(ぎょきたいえ)に参席した。「御忌大会」は法然上人が亡くなられた命
日を偲んで毎年櫻の頃に行われる浄土宗の大祭である。今年はわが家の菩提寺、浅
草・源空寺の住職が祭りの唱導師を勤められた。大門から三解脱門を通り大殿まで繰
り拡げられた"お練り”や"稚児行列”は桜吹雪の中、さながら一幅の江戸絵巻をみる華
やかさであった。

東京生れの東京育ち、三代続く家系だが、この歳になって初めて、この絵巻を目にした。
大殿での法要も絢爛だった。色とりどりの仏衣をまとった百人をこす僧侶の読経の声と
鉦や太鼓が響く伽藍の中で散華が舞う。仏教文化の粋である。千人の善男善女に混じ
って僕も初めてつけた葵の紋入りの袈裟をかけ「南無阿弥陀仏」を唱えた。

同じ仏教でもチベットでは、共産中国の弾圧で、生き仏のダライラマが国外へ逃れて伝
統文化が破壊の危機にある。幸いにもわが国は他国からの侵略からまぬかれかれ千
数百年の伝統文化がこうして守られている。戦争中の空襲で増上寺の大半は破壊され、
多分「御忌大会」どころではなかったであろう。花吹雪の下で、この伝統の華やかな大法
会を観ることが出来、改めて平和の幸せを噛みしめた。そして遠くチベットの悲劇に思い
をはせ、一日も早く共産中国が侵略から手を引くように祈った。

「御忌大会」はきょうも増上寺で催される。