「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        仏教離れ 甘茶の出ない花祭り 

2008-04-13 06:22:14 | Weblog
きのう近所のお寺でお釈迦様の誕生を祝う潅仏会(かんぶつえ)のお祭りがあった。
稚児行列に子供たちが参加できるようにとの配慮から、本来は4月8日なのが週末
に延期されて行われた。僕らの子供の時には、花祭りといえば、お釈迦様の仏像に
甘茶をかけ、そのお残りを頂戴するのが楽しみだった。ところが、きのうのお寺では
その儀式もなく甘茶の振舞いもなかった。

日本人の仏教離れがいわれて久しい。そういう僕も春秋二回のお彼岸とお盆ぐらい
しかお寺参りをしない”仏教徒”だが、最近、都会では葬儀でさえ"お別れの会”や
"偲ぶ会”で代行し、ご遺骨を故人の好きだった海などに散骨する遺族も出てきたと
いう。まさか”私はお墓にはいません”という「千の風」の影響ではないとは思うが。

先日小ブログ(4月9日)は、東京の増上寺で行われた「御忌大会」の儀式のすばら
しを誉め讃えたばかりだが、折角あのような仏教伝統儀式があるのだから、庶民レ
ベルでも昔からの「潅仏会」や甘茶のサービスぐらいはしょらないで欲しいものだ。

お隣の韓国では、4月8日(旧暦)は「釈迦誕生日」として国民の祝日となっている。
"名ばかり”の仏教徒にせよ、信徒やお寺の数は日本の方がはるかに多い。その
日本人のどれだけが、お釈迦さんの誕生日を知っているだろうかー。一部のお寺
だけと信じたいが、仏教儀式の形骸化が確かに進んでいる。そして、それによって
仏教離れも進んでいる気がする。