「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           東北人の微笑みと暖かさ

2008-04-19 16:45:28 | Weblog
一泊二日のとんぼ返りの旅で40年ほど前に勤めていた東北の会社のOB会に出席
してきた。二日続けてのOB会への出席、さすが疲れた。でも後期高齢者になっても
こうして元気に昔の会に出られるのは本当に幸せだ。

この会社には僅か二年しか勤務しなかったが、会社の創設に携わったこともあって
長い人生の中でも忘れられない。それよりも、この町の人たちが余所者の僕に示し
てくれた好意と親切が、一生涯忘れられないのだ。

昨日のOB会で、僕は77歳の喜寿を祝って貰い記念品まで頂戴した。このところ後期
高齢者は、変な医療保険で”いじめ”られている日々だっただけに、会社の先輩(高
齢者)への気配りは余計に嬉しかった。本当に東北人の心の暖かさを感じた。

さらにもう一つ嬉しかったのは、会社の創設者のお一人から「ねん(手偏に占)華」(ね
んげ)という珍しい美酒を頂戴したことだ。三春の慧日山の古刹の樹齢400年の枝垂れ
櫻から採集した酵母を使って醸造したお酒だ。その名前はお釈迦さんが跡継ぎを決め
るさい、一番弟子の摩詞迦葉が「ねん華微笑」した故事にちなんで命名された。

最近の日本人には、こういった「ねん華微笑」がなくなってきた。摩詞迦葉のように
黙っていて微笑だけで相手に心が伝わり、相手も黙っていてその好意が受取れると
いう事だ。ひさしぶりに僕は、東北人の「ねん華微笑」にふれて感激した。