「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        未来志向の日韓新時代を歓迎

2008-04-22 06:11:56 | Weblog
福田総理と来日した李明博・韓国大統領との間の共同声明後の記者会見をテレビで
みた。日韓両国が互いに過去にとらわれず未来志向でいこうとうたった共同声明は
久しぶりにグッドニュースだ。多少なりとも過去の時代を知る、僕はこれを心から歓迎
したい。

日本の韓国統治35年間は不幸な時代であった。といっても両首脳はこの時代について
ほとんど知らない世代である。福田総理は僅か9年間、1941年生れの李大統領は4年間
の幼児体験である。二人だけでなく日韓両国ともあの時代を知る世代はほとんどいなくな
ってきた。にもかかわらず、何時までも過去にだけこだわっていては未来への展望はない。

かといって僕は一部の日本人に見られる過去の”歴史歪曲”については反対である。歴史
は複眼で直視しなければならない。李大統領は昭和16年、当時の大阪府中河内郡加美村
(現大阪市平野区)で生まれている。父親は韓国慶尚北道の出身で、加美村にあった京阪
牛乳牧場の労働者だったという。終戦時4歳だった李大統領には、その時代の記憶がある
かどうかは知らない。

しかし、一般的にいって当時朝鮮半島から来た人たちは、貧しく差別を受けていたのは事実
である。子供だった僕でも”チョウセン、チョウセンとパカにするな。同じメシ食ってトコ違う”と
蔑視的な囃し歌をうたったものだ。昨日の記者会見でも「歴史認識」の問題が出ていた。
難しい問題だが、1995年8月15日の光復節にソウルにあった日本時代の総督府の建物が 
群衆の歓呼の中で取り壊された。当時、日本の識者の中には建物の建築的意義を強調して
反対する人もいた。しかし、総督府は韓国の人にとっては屈辱のシンボルなのだ。

ここ数年”韓流”ブームが続いている。日本の若いアイドル歌手がソウルでもみくちゃにされ
たというニュースもあった。それでよいのだ、と僕は思う。未来志向でよいのだ。