「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        サイタ サイタ サクラ ガ サイタ

2009-03-20 06:42:32 | Weblog
昨日、僕の住んでいる町の小学校の校庭の桜が早くも咲き始めた。東京の開花予定は
21日なのだが、このところの暖かさで一気に開花した。全国的にここ10数年桜の開花
は早まっているが、僕の記憶ではお彼岸の中日前に花が咲いたのは、あまりない。春
の到来が早いのは年寄りには歓迎だが、喜んでよいのかどうかー。

「サイタ サイタ サクラ ガ サイタ」で始まる国定小学国語読本巻一を教わった僕ら昭和
一ケタ前期生まれの世代にとって、学校と桜はひとしお想い出深い。戦前、小学校の入学
式は4月1日に固定していた。東京の桜は、早ければ、この日に、あるいは3日の神武天皇
祭に咲いたものだった。僕の記憶の中にも校門横の桜の古木と、教科書の挿絵の桜が強く
焼きついている。

昭和12年4月1日(木)の亡父の日記。「桜早くも咲く。今日こそ愛児の新生活の第一歩、小
学校へ入学する日だ。いつもは寝坊の彼も今朝は5時にパッチリ目を開けていた」と書いてあ
る。72年前の日記だが、僕もこの入学式の日のことを覚えている。

今年も72年前、桜の花の下の同じ校門をこぐった友が集まり、4月3日、同期会を想い出の地
で開くが、集まるのは僅か5人。空襲で母校は焼け、桜の木もない。都会の過疎現象で子供
がいなくなり、いまや母校は廃校となり名前さえ残っていない。こんなに早く桜が早く咲いてし
まうと、はたして4月3日まで花がもつかどうか心配だ。