「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           スカルノと「愛国の花」

2009-03-26 06:14:52 | Weblog
昨日、昔の東京が残る都心の日本庭園でユスフ駐日インドネシア大使を招きお花見
の会を開いた。
主催者は、戦争中インドネシア各地に駐屯していた軍人・軍属の人たちで、世話役を
除けば、平均年齢は88歳、最高齢は94歳という”超後期高齢者”の先輩たちだ。

インドネシアの初代大統領、スカルノが作詞した日本の歌に戦争中日本で流行した「愛
国の花」(福田正夫作詞,古関裕而作曲 昭和13年)がある。スカルノが作詞した歌は、
インドネシアでは”Bunga Sakura"(サクラ)という。その大意は「きれいなサクラは日本の
花、日本人が愛でている。ジャスミンはインドネシアの花、インドネシア人が愛でている。
これはアジアが一つである証拠である」というものだ。

この歌は昭和37年、今の天皇陛下ご夫妻が皇太子時代、昭和天皇のご名代として、イ
ンドネシアを訪れたさい、ボゴール宮殿でスカルノによって披露され、現地の小中校生1
万人が大合唱した。僕がインドネシアにいた41年から42年当時でもこの歌を知っている現
地の人が多かった。

日本庭園の昨日のサクラは、まだ咲き始めたばかり。残念ながら冷雨に煙っていた。でも
平均年齢88歳の”老兵”たちは、60数年前お世話になったインドネシアに感謝して想いを
はせ、また惜しくも南瞑の地で散華した戦友たちに心の中で黙祷した。


               ♯ 愛国の花
        真白き富士の気高さを こころの願い盾として 
        御国につくす 女(おみな)は
        かがやく御代の山桜 地に咲きにおう国の花