「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          高齢者の好奇心 ”べべ”考

2009-03-22 06:12:17 | Weblog
友人の主宰する(財)スペイン協会の集まり「ドンキホーテ」の会に、門外漢ながら
出席させてもらっている。参加者が3分の持ち時間で、広い意味での「スペイン」に
関係ありそうな話をする。3分ではもったいない話ばかりだ。昨日の会でも世界の
鐘の研究をされている方の話は面白かった。年寄りの好奇心を満たしてくれた。

僕もこの会に触発されて童謡「金魚の昼寝」に出てくる”赤いべべ”の"べべ”の語
源について話をした。”べべ”は、ご存知、赤ちゃん言葉で着物のことだが、なぜ、
"べべ”というのかの推論である。

先日、この会の話を用意するため、インドネシア語の中のポルトガル語からの借用
語を調べてみたら”bebe 赤ん坊、人形”とあった(「インドネシア日本語辞典」谷口
五郎編1982年)別の「インドネシア語大辞典」(インドネシア政府教育文化局編1986
年)には”ヨーロッパ女性の衣装”とある。一方手元にあった「西和辞典」(高橋正武
編1958年)には"赤ん坊、お人形”とあった。

これからは僕の推論だが、16世紀から17世紀にかけてスペイン、ポルトガルの船が
東南アジアの島々に渡航してきて、日本でも長崎を中心に鎖国までの約一世紀、南
蛮文化がもたらされた。その名残としてカステラ、パン、タルト、ボーラなどの南蛮菓子
の名前が今でも使われている。こういった菓子は、大名などへの贈物として使われて
いたようだが,Bebeーお人形あるいは着物として贈られていても不思議ではない。

高齢者の長生きのコツは絶えず好奇心を持つことだそうだ。